友情、悲恋、信念、そしてタイムリープ? その面白さに魅了されたロック音楽劇『ガウディ×ガウディ』稽古場レポート
沢田研二×マキノノゾミが再タッグを組むロック音楽劇『ガウディ×ガウディ』が3月14日(土) から、東京・EX THEATER ROPPONGIで開幕。4月には、大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティでも上演される。 【全ての写真】ロック音楽劇『ガウディ×ガウディ』稽古場より
迫力の生演奏で幕を開けるロック音楽劇 老ガウディと青年ガウディ、時を超えた邂逅
『モダン出世双六天国を見た男』(2006年)から始まった、両名による音楽劇シリーズは、その集大成ともいえる『大悪名~The Badboys Last Stand!~』(17年)も高い人気を誇った。あれから9年──、待望の復活を遂げる今回は、ロック音楽劇としてマキノノゾミが書き下ろし、スペインの偉大なる建築家ガウディの物語に挑む。 上演決定の第一報から、大きな反響を巻き起こした本公演は、東京・大阪ともに追加公演が決定し、新たな伝説の1ページとして、さらに注目が高まる予感だ。 沢田が演じるのは、サグラダ・ファミリアの完成を夢見ながら、過去の後悔と向き合う晩年のガウディ。1924年の秋、バルセロナ。残されたわずかな時間を、未完の大聖堂サグラダ・ファミリアの建設に費やしている72歳のガウディは、ある夜、不思議な体験をする。なぜか、時間が40年以上も逆戻りし、新進気鋭の建築家として日々邁進していく“若き日の自分”と出会うのだ。 人生をやり直すチャンスかもしれない。そう考えた老ガウディは、若きガウディにつきまとい、助言を授けようとするが、自信に満ち溢れるガウディ青年は聞く耳をもたない。果たして、老ガウディの目論見は実を結び、サグラダ・ファミリアは完成するのだろうか? 本稿では、開幕を直前に控える某日、都内で行われた公開稽古の様子をお届けしたい。結論から言うと、罪悪と信仰をめぐる重厚な人間ドラマであると同時に、エンターテインメント性に富んだ構成で、その面白さに魅了されてしまった。 ロック音楽劇の名にふさわしく、迫力の生演奏で舞台は幕を開けた。音楽制作には、過去に沢田の楽曲のサウンドプロデュースをしていたムーンライダーズの白井良明が担当し、白井本人がギターも演奏。松江潤、雲丹亀卓人、玉木正太郎、オータコージ、丸山隼矢、小林俊太郎という腕利きミュージシャンが集結した。ツインギター、ベース、ドラム、キーボードの5人編成で、ベースとキーボードは公演によって入れ替わる。 そこに颯爽と現れたのが、老ガウディを演じる沢田だ。そのパワフルな声量と確かな歌唱力については、今さら説明不要だが、実際に目の当たりにすると、早くも胸が熱くなった。続いて、登場するのがガウディ青年役を勤める渡辺大知。ロックバンド「黒猫CHELSEA」のボーカルであり、俳優や映画監督としても高い評価を得るなど、多彩な才能を発揮し続けている渡辺は、まさに時代の寵児として羽ばたこうとするガウディ役に、これ以上ない適役であることを観客に印象付ける。沢田と渡辺、時空を超えて重なり合う2人のハーモニーに聞きほれてしまう。