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シャニPとルカが少しだけ仲が良い話/Novel by ほっぽい

シャニPとルカが少しだけ仲が良い話

5,884 character(s)11 mins

SSF楽しかったね……

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「お疲れ」
「お疲れ様。言ってくれれば迎えに行ったのに」
「いらねぇよ。子供じゃあるまいし」
後ろから声をかけられて振り返ると、現場から戻って来たルカだった。彼女は手を振りながら返事をするとそのままソファに座る。
「どうだった?」
「普通。悪くもないしよくもない」
「普通かぁ……じゃあ反省会だな」
「ハァ?ちゃんとできたって言ってんだろ」
「普通ならダメだ。ルカならもっと上を目指せるだろ?」
「……だる」
酷く嫌そうな顔をされる。ここまで面倒なことになったのはルカが適当な返事をするのがいけないんだがな。ちゃんと報告してくれれば俺も面倒なことを言わなくても済む。
「……普通って言ったけど、結構手応えはあった。アンタも見に来れば良かったのにな?」
「あー……それはすまん」
「アンタが見に来れば私がそもそも説明しなくて済んだのになぁ?」
「……本当にすまん」
今日はルカの付き添いをする予定だったのだが急な用事が出来てそれが叶わなかった。あまり気にしていないと思っていたが……結構気にしていたようだ。
「別に気にしてねぇよ。でも報告が必要なんだろ?しっかり教えてやるからちゃんと聞けよ?」
「はい……」
そうしてルカはこちらにやって来ると十分間に及ぶ報告という名の愚痴が始まった。
「満足したか?」
「はい……ちゃんとした報告でした……」
今日の現場での出来事から始まり、最終的には言わなくても現場に迎えに来るくらいの贖罪はするべきだということまで言われてしまった。事前に確認した時は大丈夫だと言っていたからそれを信じていたんだが……どうやら違ったようだ。
「ところでルカ。次の仕事について相談なんだけど」
「切り替え早いな……アンタが持ってくるものならなんだって受けてやるよ」
「そうか!ありがとう……!」
あんなことを言いながらもルカは俺のことを信用してくれているみたいだ。素直に嬉しくなってしまう。
「それでどんな仕事なんだ?」
「これが資料だ。確認してくれ」
パソコンの画面に資料を映す。今回の仕事はルカ単独というよりもコメティックとしての仕事だ。はるきと羽那には許可を貰っているので、後はルカだけだったのだがそれもクリアした。
「……これか?」
「ああ」
「……これを私が?」
「だな」
「……」
画面に表示されているのは各々がどうぶつの着ぐるみを着て子供達と触れ合うという番組のオファー。最近のコメティックの活動を見て、意外性を求めてのオファーだそうだ。
俺としてはあまり好印象ではないんだが、羽那とはるきが是非やりたいと言っていたので一考することになった。それに最近はファンからもルカの可愛い一面を求めている声もあったし、いい機会かもしれない。
「痛っ!?」
そう思っていたが、ルカは嫌そうな顔をしながら俺の足を蹴ってきた。
「な、何するんだ!」
「当たり前だろ。聞いてねぇぞ、こんなの」
「言ってないからな」
再び蹴られてしまった。今度は身構えていたので悲鳴を上げないで済んだが、それでも痛いものは痛い。
「説明しろ」
「……俺が持ってくる仕事なら何でも大丈夫なんじゃなかったのか?」
「限度があるだろうが」
「……そうか?」
「……」
「わかった!説明する!」
再び蹴りの構えを取られたので慌ててルカの言うことに従うことにした。とはいえ、説明することなんてほとんどないんだよなぁ。
「元々この仕事は羽那とはるきに来てたんだ。それで打ち合わせに行ってみたら、ルカのことも先方は気に入っているらしくてさ。話を聞いてみたら面白……ルカのためになりそうだと思ったんだよ」
「今本音が出てなかったか?」
「いやいや、そんなことはない。うん」
面白そうだと思ったのは本当だが、ルカのためだと思ったのも本当だ。この仕事は新たな一面を世間に見せるいいチャンスになりそうな予感がしている。
「……どれを着るんだ?」
「え?」
「私はどれを着る予定なんだよ。着ぐるみ」
「受けてくれるのか!?」
「……今更無理とか言うのダセェだろ」
ため息を吐きながらわかりやすく仕方ないという雰囲気を出す。なんだかんだ言いながらもルカは仕事を引き受けてくれることが多い。その優しさに甘えるのはほんの少しだけ申し訳ないが、面白さの方が勝るのも事実。
「まず羽那がうさぎ、はるきがたぬきだな」
「……で、私は?」
「猫だ」
参考画像として先方から貰ったものを表示する。羽那達が顔だけ出した着ぐるみなのに対して、ルカは猫耳と尻尾を着けた少しコスプレチックな衣装だ。これは番組の進行をするのに三人とも着ぐるみだと難しいからという先方からの提案だ。
……もしもルカが受けてくれなかったらどうするつもりだったのかは考えないことにする。
「オイ、話が違ぇだろ」
「そうか?」
「……私は着ぐるみじゃないのか?」
「着たかったのか?」
「……」
「痛っ!?」
無言の圧力から手のひらを抓られる。地味な痛みに思わず声が出てしまう。蹴られると思っていたが趣向を変えてくるとは……中々やるな……。
「着ぐるみを着るって話だったよな?」
「いや、そんなことは言ってないぞ。あくまでも最初に見せたのは番組の趣旨だ。それに三人とも着ぐるみを着たら番組の進行が難しくなるだろ?」
「……確かに」
ルカも思うことがあったのか、俺の返事を聞いて納得してくれたようだ。別に俺個人の意見としては三人とも着ぐるみで良かったと思うが、先方の僅かに残った理性がルカのブランディングを意識してくれたのかもしれない。もしくは着ぐるみだと受けてくれないと考えたか。
どちらにせよ、ルカが乗り気なのは俺としても意外だったな。
「そういうことでルカはこの衣装なんだ。わかってくれたか?」
「……うさ耳よりはマシか」
「うさ耳もあるらしいぞ」
「絶対着けないからな?」
うさ耳の方が良かったのならそっちを手配しようとしたが断られてしまった。俺としてはあの時のルカも可愛いと思ったんだが本人的には無しのようだ。
「うさ耳はなしの方向で進めるけど、一応用意はしておくからな」
「なんでだよ……」
「念には念をだ。もしかすると当日急に気分が変わるかもしれないだろ?」
「変わったとしてもうさ耳を着けねぇよ。寧ろ猫耳を外すか外さないかだろうが」
「猫耳は絶対だからな。もしも外そうとしたら……」
「……したらなんだよ」
「顔すら出ない猫の着ぐるみを着てもらう」
「……」
あまりにも恐ろしいのか、ルカは絶句してしまった。そうだろう。ただでさえ着ぐるみを着るという行為にそこまで好印象を持っていないルカが全身を隠されたら恐ろしいに決まっている。けれど、ちゃんと伝えなければいけない。これもプロデューサーの仕事だ。
「わかってくれたか?」
「……むしろアリだな、それ」
「えっ」
「顔出さなくて済むんだろ?」
「まぁ……そうなるかな」
「じゃあ全身着ぐるみで」
思っていた反応と違う気がする。なんでルカはこんなにも乗り気なんだ?むしろ着ぐるみじゃなくて猫耳でありがたいと思っているはずでは……?
「待て!そうなると誰が司会進行するんだ?」
「二人のどっちかでいいだろ。私は喋らねぇから」
「そんな着ぐるみっぽさを出さなくても……」
「プロだからな」
どうやら間違えた選択肢を選んでしまったみたいだ。……どうしたものか。このままではルカだけ完全な着ぐるみを着て撮影に挑むことになる。それはそれでありだとは思うけど、流石に三人とも着ぐるみなのはダメだろう。羽那とはるきは顔が出ているとは言ってもだ。
「……ルカ、仮にここで全身着ぐるみ活動が成功したらどうなると思う?」
「は?別にどうにもならねぇだろ」
「いや、なる。俺にはわかるぞ……全国ツアーで着ぐるみを着てライブをすることになるルカの姿が……!」
「……ハァ?」
仕方ない。ここはありえるかもしれない未来の話をしてなんとしてでも猫耳路線に戻さなくては。
「羽那とはるきはきっとこう思うはずだ。着ぐるみのルカが可愛かった。それと同時にもっと多くの人にその姿を見てほしいと」
「……飛躍しすぎだろ」
「だけど、ありえなくはないだろ?」
「……」
熟考するルカ。どうやら思い当たる節がいくつかあるらしい。
「だからここで着ぐるみをチョイスするのは愚策だと俺は思うがな」
「……仕方ねぇ。今回はアンタの言葉に乗せられてやるよ」
俺の必死さが伝わったのか、ルカは猫耳路線で行くことを決めてくれた。まぁ猫耳は猫耳で簡単に着けられるからライブで用意されるかもしれないけど、それは黙っておこう。

「オイ」
「お疲れ様。どうだった?」
現場から戻って来たルカは何やら肩を怒らせている。何かあったんだろうか。
「どうだったもこうだったかもあるかよ。オマエ、いなかっただろ」
「え?ああ、言ってなかったっけ。元々俺は付き添えないって」
「……」
ジッと睨みつけられてしまった。羽那とはるきには話していたし、現場に送り届ける時にそれらしいことを言ったつもりだが……どうやらルカには伝わらなかったみたいだ。
「何かあったのか?」
「……ねェよ」
「そうか。順調に終わったんだな。よかったよかった」
「よくねぇ……!」
どうやらよくないらしい。でも羽那とはるきからは無事に撮影が終わったと聞いているし、何も問題は起きてないと思うんだが……。
「何がよくなかったんだ?」
「オマエだよ、オマエ」
「……俺?」
「なんで来なかったんだよ。というか見てねぇんだよ」
「……別の仕事があったから?」
脛を蹴られた。痛みで飛び上がりそうだったけどギリギリで耐える。あと少し身構えるのが遅かったら危なかっただろうな……。
「私によくわかんないものを着けさせておいてそれを見てない……?」
「なんだ、そんなに見て欲しかったのか?それならそうと言ってくれればよかったのに」
「……」
またしても脛を蹴られた。何となくそんな気がしていたので大人しく受け入れる。見えないところを攻撃してくれるとは……中々やるな。
「見ろとは言ってねぇだろ」
「……そうだったのか?」
「そうだよ」
でもあの言い方はどう考えても見てくれなくて拗ねているように思えるんだけどなぁ……。とはいえ、ルカの猫耳を見られなかったのは多少なりとも残念ではある。
「アンタが言ったんだろ。着けろって」
「言ったな」
「それで?なんで見てねぇんだよ」
「なんでって言われてもなぁ……ルカは俺に見られたくないと思ってたし、仕事も重なってたからかな」
現場に残ってもよかったのならもちろん残りたかった。しかし、話している感じだと俺に見られるのだけは嫌という雰囲気を出していたのも確かだ。だから撮影を順調に進めるために現場からは去ることにしたんだが、それがダメだったらしい。
「責任があるだろ、責任が」
「……そうなのか?」
「当たり前だろうが」
俺の知らないところで未知のルールが制定されているような気がする。つまりルカが言いたいのは、俺が着けろと言ったのでちゃんと着けているところを見てほしかったということになる。……でも見てほしくはないらしい。頭がパンクしそうだ。
「わかった。じゃあこうしよう」
「……何かあんのかよ」
「今ここで猫耳を着けてくれ。それを見れば解決じゃないか?」
「解決じゃねぇよ……!」
鋭いツッコミと共に猫パンチをされてしまった。やはりダメだったか……。
「解決しないのか。困ったな……」
「困ったのはこっちだよ。どうなってんだよテメェの思考回路は」
ルカにとっての猫耳がどういう立ち位置なのかはわからないが、とりあえず機嫌を損ねたのは事実だ。どうやって機嫌を直してもらおうか。
「俺が猫耳を着ければいいのか」
「何がどうしたらそうなるんだ?」
「ほら、ルカは頑張って猫耳を着けてくれたんだろ?それなら俺も頑張る必要があるかと思ってさ」
「……?」
首を傾げられてしまった。そんなに変なことを言っているとは思わないんだが……あまりピンと来てないのか。
「別にアンタが猫耳着けたところなんて見たくねぇけど」
「そうか?結構貴重だぞ」
「自分で言うなよ……」
「この機会を逃せばもう二度と見られないかもしれない」
「……そこまでか?」
「そうでもないな」
「オイ」
そもそも猫耳を持ち歩くようなことはしてないので貴重といえば貴重だ。でも別に出し惜しみするようなことでもないから着けてほしいと言われたらいつでも着ける。
「どうする?」
「……それで手打ちにするのはムカつく。他の案をよこせ」
「じゃあルカも猫耳を着けよう」
「なんでだよ……!」
俺だけ猫耳を着けるのは不公平だと考えてくれるなんてルカは優しいな。それなら二人とも猫耳を着ければ解決だ。
「え、そういうことじゃないのか?」
「そういうことじゃねぇよ。なんで私まで巻き込まれてるんだよ」
「それならルカだけが猫耳を着けることになるが……」
「どうしてだよ……!」
何か決定的な思い違いをしてしまっているのかもしれない。もう一度ちゃんと話し合わないとダメだな。
「ルカは猫耳を着けて仕事をしてくれた。そうだな?」
「……ん」
「それで俺がその現場にいなかったことに腹を立てている」
「そうだよ」
「つまり、猫耳を着ける必要がある?」
「なんでだよ」
ルカが怒っているのは猫耳が原因だ。それならどちらかが猫耳を着ければ解決するはずだ。ルカの言い方から察するに、自分から着けているところを見せたくないということだろう。
ならば猫耳を着けないといけない状況を作ればいい。そのためには俺も猫耳をつけるのが一番だろう。
「まぁ落ち着いてくれ。ここに猫耳が二つある」
「本当になんであんだよ……」
「俺はルカに、ルカは俺に猫耳を着ければ解決するんじゃないか?」
「何がどうしたらその結論になんだ?」
「よし、じゃあ始めるぞ!」
「オイ!」
デスクから猫耳を取り出すとそのままルカの頭に乗せる。黒猫の耳はルカの髪色とよく合っている。ルカもルカで嫌そうな表情をしながら俺の頭に猫耳を乗せてくれた。よし、これで解決だな!
「……」
「似合ってるぞ?」
「うるせぇよ」
褒めたのに猫パンチをされてしまった。何がダメだったんだ……?

Comments

  • クロモコ
    November 22, 2025
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