light
pixiv's Guidelines will be updated on March 18th, 2026.
View details
The Works "学パロ『修学旅行前編』" includes tags such as "槍弓", "腐向け" and more.
学パロ『修学旅行前編』/Novel by 高嶺

学パロ『修学旅行前編』

18,304 character(s)36 mins

連投マジですみません。書き溜めするとこういうことになりますね…。前書いていた学パロの続きです。続きものが多くてホントに申し訳ない。閲覧しにくいので、近いうちにどうにかします。
※この作品はパロディなので、キャラ崩壊が起きていますし、登場人物の配役が結構バラバラです。男子校設定なので、基本女子はでてきません。ランサーの親友枠をフィルデアにしようかどうしようか迷ったのですが…弓の入る余地なくなりそうだなと思ったのでやめました。コナルないしはコナンは赤枝の騎士ですが(競い合った方のコナンとは恐らく別人)クーフーリンと親友だったかどうかは分かりません。そこまで考えて調べてから書けばよかったと後悔しております。ちょい役の筈だったのですがいつの間にか重役に…
サイトの長編に載せる予定で書き始めましたので、学パロに関しては終わるかどうかさえ怪しいです。付き合って下さるというお優しい方がいらっしゃれば、どうか読んでやってくださいませ。
前のやつ→novel/8914915

1
white
horizontal


九月も終わりに近づいて、とうとう修学旅行が間近と迫った日の午後。
ランサーはいつものように屋上で青い空を見上げていた。向かいには付き合って二週間の彼氏が正座で座っている。
昼休みが始まって10分……空を見上げるという行為は最早ランサーにとって現実逃避の手段であった。

「何か誤解しているようだから言うが……別に彼女と私はそういう関係ではない」

ランサーにとっては心底どうでもいい弁明が聞こえてくる。
空を見上げていたランサーは不快そうに歪めた顔を躊躇なくエミヤに向ける。まったく面倒くさい男だった。
別に誤解などしていないと否定すれば、ますます自分が嫉妬しているようで返しに困る。

「…あの嬢ちゃん彼氏いんの?」

代わりに今一番気になっていることを聞いた。
ランサーにとっては最適解だった。どうでも良さ気な態度や否定をして、エミヤに妙な勘違いをして貰っては困るからだ。
しかし、今度はエミヤの眉間に皺が寄った。

「……何故そんなことを聞く?」

「いや、…いい女だし……いるのかなーと…」

正直に白状すると、少女はかなりランサー好みだった。
しかし、今、その少女の所為で気まずい昼食時間を過ごさなければいけなくなっている。それを考えると、知り合えたことは嬉しいが別の形で出会いたかったと不運を嘆く他ない。

「さてね。色恋沙汰に関しては私などよりいい相談相手がいるのだろうよ。彼女からそういった話はまったく聞かない」

「へぇ……」

ランサーには分からなかった。もちろん、あんないい女と顔見知りで、男なんぞを好きになるエミヤの気持ちがである。
だからこそランサーは聞いたのだ。「中学の時に好きだったのってあの嬢ちゃんか?」…と。この場にエミヤと二人きりなのは単に友人の嫌がらせであったが、場つなぎの世間話ならもってこいだとおもったのだ。
それがこんな気まずい空気になるとは思ってもみなかった。まず最初に返って来たのは沈黙で、たっぷり間を置いてから「…違う」と返答がきた。
嘘こけコイツと茶化したら、ムキになって否定され、「私が好きだったのは別の子だ。君と同じ帰国子女で、実家にホームステイしてる外国人だ」と具体的な人物像が明らかになったのだ。
それから、恋をする前に恋敗れた事まで知ってしまい、なんとなく悪いことを聞いた気がしたランサーは思わず黙ってしまったのだ。その後気まずい空気が流れ、今に至るというわけだ。

つい昨日、日曜日の出来事だ。たまたま都心部のショッピングモールでスパイクのインソールを取り換えに行きつけのスポーツ店に顔を出した時、女と歩いているエミヤを見かけたのだ。
声を掛けて挨拶をした際、紹介されたのが話題の人物。遠坂凛だった。可憐な少女で、聞けば隣町の女子高に通う同い年だという。
ランサーが彼女と軽く握手を交わした際、エミヤがランサーを「クラスメイト」だと紹介したのである。

「もっとマシな紹介の仕方なかったのかよ」

「どう説明しろと?…間違っても友人ではないだろう」

どうやら、エミヤにとってランサーは友人ではないと断言できるらしい。その事実がまた、ランサーの気を滅入らせていた。

「彼女とは…部活の後輩繋がりで……」

「……部活?」

「へぇ、そーなんだ」と返事をしようとして、はてと首を傾げる。部活というと…エミヤの所属している部活であろう。だとすれば中学の時の部活か。
そういえばエミヤは何部だったか……。ランサーは殆ど気にしたことが無かった為、仮にも恋人の所属している部活動を把握していなかったことに気がついた。

「そーいやお前、何部だっけ?」

何気ない一言だった。
しかし、そう聞いた途端、エミヤの元々大きな両目が更に大きく見開かれた。数秒後、ランサーを捉えていた瞳は屋上のタイルへと移動した。
応える気がないのか、唇を真横に引き結んでいる。沈黙を返されたランサーは、理不尽にも少し苛立ちを覚えた。黙るようなところだろうか。

「そうか…言ってなかったな。知らない筈だ」

流石のランサーも相手が女性であり、それなりに好意があれば、興味を示している事柄だ。実際、中学までは彼女もいたのだ。
付き合っていた時は深夜までメールでなんてことないやり取りをしたり、放課後時間を合わせて一緒に帰ったり、寄り道したり、彼女の家に行ったこともあった。
休日はデートだってした。早いか遅いかは分からないが、童貞も卒業している。ただ少し面倒なことになった為、高校は男子校を選んだのだ。
まったくこういったことに経験がないという訳ではないので、相手の部活動を把握しておく事がいかに重要か…分かってはいた。しかし、相手はエミヤである。
普段から携帯のメールでやり取りをしたり、休日にデートしたり、一緒に返ったり手を繋いだりする訳でもない。事実上付き合ってはいるが、ランサーの方からそういったアプローチをする気はなかった。

「すまない、用事を思い出した…弁当箱は授業が始まる前に返してくれればいい」

唐突に、そそくさと自分の分の弁当を片づけると、エミヤは腰を上げて早口でそう言った。
ランサーは小走りに去っていくエミヤの背中をただ呆然と見送ることしかできなかった。何かおかしなことを聞いただろうか。所属している部活は何だと聞いただけだ。
本当に用事を思い出したのか…それにしても様子が変だった。

「押忍!お二人さん!!俺の分残しておいてくれたー?」

エミヤが出て行った東側とは逆側から、ランサーの親友…コナンが現れた。
コナンは屋上にポツンと一人腰を下ろすランサーをみて、ピタリと停止するとニタリと厭らしい笑みを浮かべた。

「え?…なに、ついにフられたか?」

「フられてねぇよ」

「エミヤが居なかったらお前に用なんてねーよ」

「冷てー奴だなオイ」

フラれたというより、慌てて席を立っただけのように見えた。
しかし、結局所属している部活動のことを聞けず仕舞いだった。この友人ならば知っているであろうか…聞いてみる価値はありそうだ。
目の前に腰を下ろして、エミヤがランサーにと作って来た弁当を凝視している友人に一つ、おかずを与える代わりに質問をした。

「エミヤって何の部活やってんだ?」

「…………は?」

友人は嬉しそうにおかずを口に入れて満足気に微笑んだと思えば、こちらの言葉を理解するなり汚物でも見るかのような視線を投げてきた。

「お前……信じらんねぇ…。まさかエミヤにそれ聞いたりしてねぇだろうな?」

「聞いた」

「俺ちょっとお前のこと嫌いになりそう」

「いや、なんでだよ。理由を教えてくれ」

友人は呆れたように長い溜息をついて、「本当に本気で聞いてるのか」とまたクドい質問を繰り返したので「奴の部活なんぞ知らん」と返せば今度は悲し気な顔を浮かべた。
ランサーは益々訳が分からない。なんだか悪い気がしてきたので、おかずを一つ差し出すと、素直に受け取って食べて喋り始めた。友人のこういった、ゲンキンなところが意外と好きだ。

「エミヤは弓道部のエースだよ。一年の時表彰されてただろ?弓道部の大会は少し早いから、俺らの大会の前だけど」

「あ……」

言われて思い出した。確か、一年なのに全国大会で優勝した奴がいると話題になっていた。大会の後、学校にTV局が来ていたのだ。目の前の友人とも俺達も負けてられないと話をした記憶があった。
あの噂の一年が……エミヤだったらしい。ランサーは信じられないと友人を見返したが、いつもふざけた彼の態度がいつになく真剣である。

「なんか俺……裏切られた気分なんですけど…」

「お前のそのエミヤに対する過小評価の意味分からねぇんだけど」

「いや、でももしその話が本当なら何で今年は名前も上がらないんだ?」

「いやいやいやいや、だからお前それ本気で言ってたら殴るぞ?お前がエミヤの腕にヒビ入れたせいだろうが」

「…………、………」

未だに喧嘩の詳細を覚えている、家庭科の調理実習事件である。
互いに全治一か月の傷を負った。ランサーの大会は夏だった為、事なきを得たが…弓道部の大会は確かそれよりも前だった。
ランサーは手元の弁当に視線を落とし、絶句するしかなかった。

「午前中お前が病院行ってたから、俺と主将で弓道部まで謝りに行ったんだ」

「……待て。そんな大事なことなんで言わねぇ?」

「弓道部の顧問が気を利かせてくれたんだよ。俺達も大会控えてたろ?お前だってうちの大事なエースだ」

「…………」

「エミヤ本人には逆に謝られたよ。…周りはかなりお前たちに気を遣ってたんだぜ?…しかし当人がコレだからなぁ」

「……いや、その……悪りぃ、俺」

「あーあー、謝るな。てっきりお前は全部分かってるかと思ってたんだよ。だからエミヤと仲直りしてくれたのかと……まさか、付き合うことになるとは思わなかったけど」

ランサーの顔から、どんどん血の気が引いていく。
何も知らなかったのは、己だけだった。先程の自身の質問が、どれだけの意味を持っていたのか漸く理解した。エミヤの様子がおかしくなった原因は、最早言うまでもない。

「弁当、食っていいぞ。……俺、エミヤ探してくるわ」

「応よ。行ってフラれてこい」

ランサーはエミヤの出て行った東側の扉から、屋上を後にした。


Comments

  • わんわんお
    May 15, 2025
  • まるぴ
    January 31, 2025
  • 森永ちよ
    August 21, 2020
Potentially sensitive contents will not be featured in the list.
© pixiv
Popular illust tags
Popular novel tags