【Fate】偽りの愛情なんて【五次槍弓】
学パロで使い古された何番煎じだよ、というゲームで負けて優等生に告白するというお話です。すいません、途中で力尽きたので此処までです。これ以上の展開を考えていないというのもありますが、とりあえず書きたいところはかけたので満足しています。続きは浮かんだら書きます。って、なんでこんなもん書いてんだ!!原稿は!!ひとせ様にもらったエロネタは!バニーはどうした!(バニーガール兄貴なネタ)あとイヴに呟いた死ネタとか、その他もろもろの続きとか…ああああああ!!だってね、エロばっかり書いててもしょうがないじゃない?え?エロ求められてる?やめてよ!生の人だって普通の書きたいよ!
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学パロ、現代です
真命バレしています
正直急いで書いたので大分ぶっ飛んでます
よろしければどうぞ↓
つまらないだけの人生だと、17にしてエミヤは悟っていた。
元から人と楽しむということが苦手で、どこか冷めた人間だった。そんな冷めた子供に対して、周りの目はあまりいいものではなかった。
ノリの悪いものは省かれるなんて、小学生であってもあるものだ。そのせいかいじめなどは日常的にやられていたが、それに対しても覚めたエミヤの反応はないに等しかった。
そんないじめがいのないエミヤは、いつしかいないものと同じように扱われていた。
それは持ち上がりの中学でも変わりはしなかったが、小学生の頃と変わったことがあった。
それが勉強だった。
友達などいないに等しかったエミヤにとって、時間を使うのはほとんど勉強だった。その勉強の成果は、当たり前のように成績に反映され、結果、学年では常にトップを維持するようになった。
そのためか、都合のいい時に声をかけられることが増えていた。宿題を見せてくれだの、そんな事であったが、前に無視されることが当たり前だったエミヤには新鮮な日々となった。
結果、さらに勉強にのめり込み、頼みごとをされると断れないようになってしまった。周りからはいいように使われていたことには気が付いていたが、それでも一人よりかは、その気持ちから、結局性格として身についてしまっていた。
高校に入ってからも、それが抜けることはなかった。
成績が良くとも、友達ができるわけではない。自分はつまらない人間で、そんなつまらない人間の人生は、やはりつまらないものでしかなかった。
そんなエミヤに転機が訪れたのは、2年になったころ。同じクラスの、自分とは真逆のような人間に出会ってしまった所からだった。
勉強はからきし出来はしない。けれど運動がぴか一で、お調子者でムードメーカー。その相手の周りには常に人が集まり、いつも笑いにあふれていた。
彼の名は、クー・フーリンといった。そのクーに、エミヤはいつしか憧れを抱くようになってた。彼の笑顔は眩しくて、エミヤには太陽のように映った。
彼のようになりたいとさえ、思うようになり、気がつけば、自然と彼の姿を追うようになっていた。とはいえ、元から人と関わることをしないエミヤは、その姿を、遠くから眺めていることしかできなかった。
「ってことで、クー罰ゲーム!」
「うっげ、まじかよぉ…」
ゲームで賭けをして、負けた者が勝ったものの言うことを聞く、なんてことは今に始まったことではない。
そのため、ババのカードを持ったクーの顔も、嫌がる声は出しながらも、どこか楽しげな笑みが浮かべられていた。罰ゲームの内容を聞くまでは。
「あの優等生にこくって、OKもらってくること!」
「は?」
「だから、エミヤに告白してOKもらってこいって」
告げられた言葉は信じられるものではなく、驚きに目を見開いてしまう。
友人の言う優等生はだれか、などあえて言いなおさなくてもいい。問題はそこではないのだから。
「おいおい、告白までは分かるがよ、なんでOKまでもらって来なきゃいけねえんだよ!」
「だってよ、告るだけなら普通にあしらわれておわるだけだろぉ?ならあのすかした面、ちょっとくずしてやりてぇじゃん?」
「うっわ、えげつねー!」
けらけら笑う友人の姿に、クー自身もえげつないと思うものの、その気持ちは同感だった。
別にエミヤに対して悪意があるわけではなかった。だが、初めて会ったときから、人を邪険にしない態度や、誰にものを頼まれでも、どう考えても嘘だとしか言えないようないいわけでも引き受ける姿も、気に食わなかった。
もっと楽に生きればいいのに。勉強ばっかりで、他に楽しみがあるのに、と。
話しかけても相手にされなかった。けれど、気になる相手であった。それだけは否定できなくて、賭けの罰ゲームを受けてしまったのだった。
「なあ、エミヤ、今、暇?」
「見て分からないか?勉強中だ」
「左様で…」
「何か、用か?」
放課後、他の生徒が部活や帰宅についた後の教室は静かだった。その静かな教室で一人勉強するのがエミヤの日課だった。
そこに、今日は珍しくクーが声をかけてきた。珍しく、というよりも、初めてのことに、エミヤは内心動揺しつつもそれを見せぬように平静を取り繕った。
適当にあしらえばすぐに去るかと思いきや、エミヤの前の席に座り込んできたため、シャーペンを動かす手を止めてクーの方へと視線を向けた。
「いや、いつも放課後何してんのかなって」
「だから、見て分からないのか?勉強だ」
「いつも?」
「あぁ」
「ふーん…」
用件も言わず違う話をしてくるクーにエミヤは大きくため息をついた。
落ち着かない。あこがれの存在が、まさか自分に興味を持って話しかけてくるだなんて、考えもしなかった。
遠くで見ているだけで、その声が、視線が、まさか自分に向けれる日が来ようなどと思ったこともなかった。だから、その焦りだけは悟らせぬようにと思うものの、クーはその場から離れようともしない。
居心地が悪い。けれど邪険にしたくはない。出来るならもう少し、ここにいてほしい。
きっと、こんなことはもう二度とないのだから、今だけは。
そんな気持ちから、席に座ったまま動かぬクーを、追い返すことなどできなかった。
だが、自分から会話を振る勇気もなくて、エミヤはただ、止めていた手を再び動かすことしかできなかった。
「なぁ…」
「なんだ?」
それからどれくらいの時間が経っただろうか。
ずっとクーからの視線を感じて居たたまれなかったものの、エミヤにとっては至福に思えるほどの時間。何十分のようにも感じられたが、実際は、数分ほどでしかなかったなんて、考えられないほど長く感じた。
今まで黙っていたクーが口を開く。この声に顔をあげれば、真剣な眼差しをたたえた赤い目にぶつかった。
「俺と付き合わねえ?」
「は?」
「だーかーら、俺とお付き合いしてくださいって言ってんだよ」
頭が真っ白になった。
同性相手につき合ってください?相手はあのクーだということにエミヤは驚きが隠せなかった。だが、すぐさま小さく笑って見せる。
「そんなことで私をからかおうなど、悪だくみとしては使い古されているな」
「ちがーよ!俺はマジでいってんの!」
「信じられるかたわけ。第一、君は私のことを知らないだろう」
「知るために付き合ってほしい」
「順序が逆だ。君のせいで興がそがれた、帰る」
少しだけ、期待をしてしまった。クーが自分を見ていてくれたのではないか、なんて。
けれど実際はまったく違っていた。クーは自分のことをクラスメイトで優等生、きっとそのくらいしか知らない。
期待して、後から傷つくのは自分だ、そう言い聞かせるとエミヤは勉強道具をしまい、まだ何か言っているクーを教室に置き去りに、家路へとつくのだった。
「はーい、ふられた。ざーんねん」
「うっせぇよ…」
「まさかここで終らねえよな?OKもらうとこまで、だぜ?」
「分かってるっての!明日から見てろよ!ぜってぇあいつ口説き落としてやるから!」
エミヤが出て行った後、教室の外で隠れて様子をうかがっていた友人たちが楽しげに笑いながらクーの傍へと寄ってくる。ふられたことがそんなに面白いのか、と眉を寄せるクーをよそに盛り上がる声に、つい意地になってしまった。
あのすかした顔を、歪ませたい、そんな決意から、クーは闘志を燃やすのだった。
翌日から、クーはエミヤの元へと行き、声をかけるようになった。
冗談に付き合う気はないというエミヤに付きまとい、あれやこれやと口説き文句を投げかけては、一蹴されるの繰り返し。
だが、そのやり取りの中で、着実にエミヤとクーの中は深まっていった。
いつも購買でパンを買っていたクーに、ある日エミヤが弁用のおかずを分けてくれた。それがエミヤの手作りで、あまりのおいしさに感動していると、翌日弁当を作ってきてくれたり。
鉄壁仮面かと思いきや、小動物の前ではほほ笑んだり、下らない話で笑ったり。クーから見たエミヤは、どこにでもいる、普通の高校生で、どうしてエミヤをすかしているなどと思っていたのだろうと、いつしか感じるようになってきた。
それと同時に、本当にエミヤには友達が片手で足りるほどしかいないことや、家庭の事情などを知るようになり、気づけば、エミヤの隣にいることが当たり前になっていっていた。
クーにとって、エミヤの横は、それほどまでに心地が良かった。
気取る事もなく、思い出したかのように口説き文句を呟いては、冗談のように笑いあって。そんな時間を、なくしたくないと思っていた。
いつの間にか、クーはエミヤに、本気で恋心を抱くようになっていたのだ。
「クー?」
「あ、いや、なんでもない」
そのためか、最近エミヤに対して罪悪感を覚えるようになっていた。罰ゲームで告白したことや、その後近づいたこと。
きっとエミヤが本当のことを知ったら、今こうして隣に座って弁当を食べられる日もなくなる。今みたいに心配そうにクーの顔を覗き込んできたり、放課後一緒に勉強したり。
いや、もし知られれば、二度と口をきいてもらえなくなるかもしれない。
自業自得だとわかってはいる。けれども、なくしたくはない。出来ることなら、ずっとエミヤの隣にいたい。
それくらい、クーはエミヤに対して、思いを募らせていた。
「そうか?何かあったら言ってくれ。私でよければ力になるから」
本当に心配そうに見つめてくるエミヤ。その姿がいとおしくて、クーは眉尻を下げて瞳を揺らす。
太陽の光がエミヤの銀色の髪に反射して、髪がキラキラと光っている。表情はとても穏やかで、教室では決して見ることのできない、クーにだけ向けられる柔らかなものだ。
信頼を向けられていることが嬉しくて、苦しかった。
「エミヤ…」
「うん?どうした?」
そっと、褐色の手を取る。女のように細くもなければ柔らかくもない。ごつごつと角ばった手だったが、それでもクーにはその体温が離しがたいものであった。
同性に手を握られても振りほどきもせず、不思議そうに見てくるエミヤの姿に、うぬぼれてしまいそうになる。この手をほどかないのは、自分が握っているからではないかと。
そう思うと、溢れ出して止まらなくなった。エミヤへの気持ちを、堰き止めていられなくなってしまった。
「エミヤ、好きだ…」
それは自然と口を衝いて出た言葉だった。いつものような冗談ではなく、クーの口から出た本心。
言葉にして初めて自分が声に出してしまったことに気付いたクーは、ついに言ってしまったという後悔と共に今ならいつもの冗談にできるのでは、とはっと顔を上げる。
けれど、クーの口から、先の言葉を否定する言葉は出なかった。
なぜなら、目の前には、恥ずかしげに頬を染めて、困惑しているエミヤの表情があったのだ。
駄目だ。
瞬時に、頭の中を声が過ぎ去っていく。
「クー…、実は、」
それ以上言わないでくれ
「私も…」
だって、その言葉は
「君のことが」
こんな俺になんかに
「好きなんだ…」
向けられていいものじゃない!
泣いてしまいたかった。
好きな相手と両思いだというのに、嬉しさよりも、途方のない後悔だけが押し寄せてくる。
罰ゲームで近づいて、傍にいて、エミヤの気持ちをもてあそんだ自分が、エミヤに好かれるなんてこと、あっていいわけがない。
止めなければ。それ以上を言わせないように。
そして、本当のことを話さないといけない。罰ゲームのこと、自分の気持ち。
その嬉しそうな笑顔を、曇らせてしまうことになってしまったとしても。これ以上傷つけないうちに。
「だからな、クー…、その、私と、付き合ってくれないか…?」
「エミヤ…、聞いてくれ、俺は…」
「「「おっめでとー!!」」」
言わなければ、そう思って口を開いた瞬間、どこからともなく聞こえた声に、クーの言葉はかき消されてしまった。
驚いて声のした方を見れば、クーと賭けをした友人たちが、にやにやと意地の悪い笑みを浮かべて此方へと近寄ってくる。
「お前ら…どうして…」
「どうして?お前がいつまでたっても結果出さねえからしびれ切らしてたんだよ」
「そろそろかなーと思ってきたら、マジナイスタイミングじゃん?」
「あー、くっそ、俺なんかお前がOKもらえない方にかけてたのによぉ…」
「はい、ざんねーん」
唖然とする中、友人たちは思い思いに口を開いていく
まさか見られているだなんて予想もしていなかった。最初の頃は冷やかしが入ったが、最近はめっきりなくなり、もうゲームのことなどとっくに忘れているとすら思っていたのに。
それがまさか、こんな形で裏切られようとは。
クーは思わず悔しさで奥歯を強くかみしめた。
「け、っか…?」
「おー、実はこいつゲームに負けてな」
「おい、止めろ!」
「そんで、お前に告白してOKもらってくるって罰ゲーム遂行してたわけ」
「止めろって言ってんだろ!!」
友人たちの言葉に引っかかりを感じたのだろう。エミヤのか細い声に、クーは忌々しげに舌打ちした。
何とか誤魔化して、そう思うものの、クーの気持ちなど知りもしない友人たちは、慎重に人が悩んでいたことを勝手に暴露していく。
クーには、それを止めることはできなかった。
ばらされた。こんな形で。
エミヤへの気持ちは嘘ではないというのに、まるですべてがゲームだったかのように。
「違う、エミヤ、俺は…!」
「そうか…おかしいと、思っていたんだ…君みたいな人が、私に好きだなんて…」
「違う、違うんだ!」
「優しいな、君は…無理をしなくていい。すまない、先ほどの言葉は忘れてくれ。もうゲームは終わりだろう?今まで、付き合わせてすまなかったな…」
首を振って違うといっても、その声がエミヤに届くことはなかった。
ただ、泣くこともしないで、微笑んだ。そして、立ち上がると、そそくさとその場を後にしてしまった。
クーにはそれを、追いかけることもできず、ただその場に茫然としていることしかできなかった。
「なんだ、つまんねーの」
「泣くかと思ったのになぁ…」
友人たちはエミヤの反応が気に食わなかったらしいが、クーには分かった。
あの鉛色の瞳から、光が消えていたことを。何もかも諦めた、今にも泣きそうな表情を。
そんな表情をさせてしまった自分に、憤りすら感じるほどに。守りたいと思っていたはずなのに。
強く拳を握りしめ後悔するものの、時間が巻き戻ることはない。なくしてしまった絶望感に、クーはそのまま、俯くことしかできなかった。
その日、エミヤはどうやって家に帰ったかを覚えてはいない。
ただ、授業が終わって、まっすぐに家に帰って、部屋に閉じこもった。
好きな相手が自分にかまってきてくれた。それだけで最初は裏があるとは思っていたが、それでも嬉しくて、気がつけば、居心地がいいとさえ思ってしまっていた。
本当にクーが自分をすいていてくれているのでは、などと錯覚して、勘違いした結果。悪いのは全て自分だ。
だというのに、どうしてだか、涙が止まらなかった。
「クー…、クー…」
騙されたというのに、浮かぶのはどこまでもクーのあの、太陽のような笑顔で。今もまだ好きなのだと、思い知らされる。
忘れられそうにない、忘れるにはまだ時間がかかる。
「あっ…あぁ…、ごめ、なさっ…」
届かないとは知っている。けれど謝らずにはいられなかった。
好きになってごめんなさい、忘れられなくてごめんなさい。
もう少しだけ、待ってほしい。忘れるから、忘れるから…
涙を流し、声をあげて泣きながら、エミヤは何度も何度も呟いた。
その日、エミヤは泣き疲れて眠るまで、ずっと涙を流し続けたのであった。