心を込めて花束を【槍弓 女体化】
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同タイトルでべーさくも書いてたけど
まったく関係ありません。
このタイトルが好きなんだと思います。
サザンだね。
槍弓(にょた)
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今日も手を上げられる。
殴られる。
目の端の痣は、中々消えない。
その晩、花を贈られた。
今朝のことを謝られる。
複雑でないと言ったら嘘になる。
でも、素直に嬉しいと思う自分もいる。
コレが末期症状だということは、
頭の片隅では解っていた。
翌日、又殴られる。
私に花を贈ったその手で、
私を殴る。
殴った後、
泣いていることも知っている。
翌日、前とは違う花を贈られた。
花瓶へ飾る。
数日して、又殴られる。
いい加減、ご近所の目も痛いというものだ。
花を、贈られる。
前の物が枯れないうちに贈られるそれらは
つまり前の物が枯れないうちに又私が殴られたということに他ならない。
・・・花瓶が足りない。
家の中は、花の香でむせ返っている。
むやみに外出すると
あの人の機嫌を損ね
又殴られるので
もうあまり外に出ていない。
薄暗い自宅の中
花の香。
それが、今の私の全てだ。
ある日、飛び切り多い数の花を束ねたブーケを贈られた。
今までで一番美しい。
「別れよう」
そう言われた。
「このままじゃ・・俺は・・」
なるほど。
そういえばそんなCMがあったかもしれない。
このまま行けば、次に私が花を贈られる時というのは
葬式での手向けの花というわけだ。
夫は、涙を流して懇願するように
「別れてくれ」
そう私へ告げた。
「もう無理だ・・戻れない」
「・・・・・・・・」
「俺を・・助けてくれ、エミヤ」
彼を、助けてあげられるのは私だけで
そして方法は
離れることだけだった。
私は、花束を受け取った。