亡命希望のサッカー女子イラン代表ら、1人の「心変わり」で滞在先特定 緊急移送
【AFP=時事】オーストラリア政府は11日、同国に亡命を申請していたイラン女子サッカー代表チームのメンバーらが、滞在していた「隠れ家」から避難したことを明らかにした。メンバーの1人が心変わりし、イラン大使館に自分たちの居場所を伝えたためだという。 【写真】亡命申請したサッカー女子イラン代表選手とチームスタッフ 今回の遠征では、国歌斉唱を拒否したことで本国から「反逆者」の烙印を押された選手らが、オーストラリアへの亡命を希望していた。 しかし、オーストラリアのトニー・バーク内相によると、イランへの帰国を選んだ他の選手と会話をしたメンバーのうち1人が心変わりし、在豪イラン大使館に連絡したことから、他の亡命希望者の居場所がばれてしまったという。 バーク内相は「イラン大使館側がメンバーの所在を把握したため、即座に移動の指示を出した。既に対処済みだ」と述べた。 ■緊迫した亡命劇の背景 メンバーらが亡命を希望していることについて、イランのサッカー連盟は、オーストラリア側が選手を「誘拐」し、本人の意思に反して国を捨てるよう強要したと非難している。 しかし、先週の試合で国歌を歌わなかった選手らに対し、イラン国営テレビの司会者は「戦時中の反逆者」と呼び、帰国後の迫害を懸念する声が高まっていた。 当初、代表選手5人が滞在していたホテルから夜間に「安全な場所」へ移動し、亡命申請を行った。その後、10日夜の帰国便出発までに、さらに選手1人とスタッフ1人が加わり、亡命希望者は計7人となっていた。 心変わりした選手が誰なのかは現時点では明らかにされていない。 イラン系オーストラリア人の移住エージェント、ナグメ・ダナイ氏は「彼女たちはチーム内に潜入した政府関係者や治安当局者から厳重な監視を受けており、誰とも話すことが許されないほどの激しい圧力を受けていた」と述べた。 現在、帰国を選んだ他の選手らは経由地のクアラルンプールで待機中だが、亡命を選んだ6名(翻意した1名を除く)については、オーストラリア政府が「両手を広げて歓迎する」と表明し、安全確保に全力を挙げている。【翻訳編集】 AFPBB News