質問主意書には意味があるの?
質問主意書も、調べてみると二〇〇〇年から一気に急増しているわけですね。それなぜ急増したのかということの課題分析、もしかしたら、三つ星の何かランクを付ける議員になるためにたくさん出さなくちゃいけないとかそんなことも聞かれる中で、いや、本当、質問主意書って元々何だったのかということをひもときながら、提出方法についても、これは国会法を見直さなければいけないのかもしれません。
出してから七日以内にお返しするとか閣議決定しなくちゃいけないとかいうことは本当に必要なのか、今日的に見て。是非この改革も必要だと思います。
矢田稚子参院議員
令和2年11月26日 参議院内閣委員会
質問主意書とはなにか
国会法第74条
各議院の議員が、内閣に質問しようとするときは、議長の承認を要する。
質問は、簡明な主意書を作り、これを議長に提出しなければならない。
議長の承認しなかつた質問について、その議員から異議を申し立てたときは、議長は、討論を用いないで、議院に諮らなければならない。
議長又は議院の承認しなかつた質問について、その議員から要求があつたときは、議長は、その主意書を会議録に掲載する。
国会法第75条
議長又は議院の承認した質問については、議長がその主意書を内閣に転送する。
内閣は、質問主意書を受け取つた日から7日以内に答弁をしなければならない。その期間内に答弁をすることができないときは、その理由及び答弁をすることができる期限を明示することを要する。
国会の委員会には、それぞれ「議題(所管事項)」があります。
例えば国土交通委員会であれば「国土交通省の所管に属する事項」が所管事項となっていますし、予算委員会であれば「予算」が所管です。
つまり、所管に関係のない事柄については質疑できません。例外的に予算委員会は、「予算」を所管しているため、「内閣がやることはすべて予算が関わる」という建前で広範な質疑が許されています。
今「質疑」という言葉を使いましたが、「質疑」と今回のテーマである「質問」は違います。
質疑は「議案」に対して政府見解をただすもので、質問はあくまで国政一般について広く内閣の見解を問うものです。
日本の制度上、質問には2つの形があります。文書質問と口頭質問。1960年代までは口頭質問も通常行われていましたが、現在質問はほとんどが質問主意書による文書質問となっています。
質問主意書を出す議員
質問主意書を活用した議員として最も有名なのは、鈴木宗男参院議員でしょう。2005年以降、衆院議員時代から、2000以上の質問主意書を主に外務省関連で提出し、「質問主意書のキング」として名を馳せました。
その他にも、長妻昭衆院議員、逢坂誠二衆院議員、小西洋之参院議員などが質問主意書を多数提出する衆院議員として知られています。
質問主意書は野党の武器の一つと言われ、国会質疑とは違った形で、立法府から行政へのチェックアンドバランスの機能を果たします。例えば通常国会であればどうしても予算が優先など、その時々に質疑しなくては行けない事項がありますが、質問はそういった
質問主意書の問題点
質問主意書の問題点とはなんでしょうか。まず、行政目線で見てみましょう。
質問主意書は土日を含めて「7日以内に返答しなければならない」と決まっています。更に、閣議決定は閣議がある火曜日・金曜日に行う必要があります。
こういった観点から、質問主意書は優先順位を上げて対応せざるを得なくなっており、官僚の疲弊や生産性の低下につながっているという指摘があります。
予算に対しての審議などと違い、7日間という制限が必要なほど火急である質問はそれほどお送り有りません。
他方、質問主意書制度には、立法府から見ても不十分な点が多々あります。議案をただす質疑と違い、広範に内閣の問題について問う質問が、国会の会期中のみ行える、というのは、国勢調査権という憲法上の権利から言っても、適切とは言えません。
また、近年、質問主意書の増加に伴い「お答えの趣旨が明らかではない」など、明確に答えないケースが増加しています。
これらを踏まえると、返答期限を伸ばす代わりに閉会中を含め、しっかりと対応できるよう体制を整える必要があるのではないでしょうか。
また、そもそも「文章で」「官僚が」答えなくてはいけない、という前提もおかしなものです。例えば、本来毎週水曜日に党首討論が行われるものとされていますが、これはその時々の議案に縛られないため実質的には質問と呼べるものです。
いずれにせよ、行政府への無意味な負担を減らすとともに、そもそも不十分な日本の国会における質問制度を充実させることが、行政府の効率化という観点でも重要であると言えます。
参考文献
NHK「霞が関の嫌われ者 “質問主意書”って何?」
日経ビジネス「乱用される国会の『質問主意書』と不誠実な『答弁書』 ツケは国民に」
議会雑感「『質問』『質疑』の違いと質問主意書」
田中信一郎「なぜ、国会は質問制度を強化してこなかったのか」



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