【個人資産900億円】清原達郎氏が振り返る“伝説のファンドマネージャー”誕生の原点 逆張り的発想で選んだ野村證券への就職という大博打
「個人資産900億円」という伝説の投資家・清原達郎氏(67)が、週刊ポストの取材に応じた。自身の投資人生を描いた『マンガ 清原達郎 わが投資術1』(講談社)を上梓する清原氏が、その原点となる東大入学から野村證券入社までを振り返った。
伝説のファンドマネージャー誕生の原点
常に常識を疑い、少数派になること。「その他大勢」の人間に市場は味方しない――。そんな逆張りの哲学で数々の伝説を残したのが投資家の清原達郎氏だ。 かつてタワー投資顧問の運用部長として旗艦ファンド「タワーK1ファンド」を立ち上げ、2005年に発表された最後の高額納税者番付でサラリーマンとして初の1位(納税額37億円)に輝いた清原氏。これまで900億円の個人資産を築いたが、2018年に咽頭がんの手術で声帯を失い、2023年に現役を退いた。2024年3月に上梓した『わが投資術 市場は誰に微笑むか』(講談社)は、大企業には目もくれず徹底的に割安小型株を狙う清原式投資理論を余すところなく伝え、累計25万部のベストセラーになっている。 桁違いの資産や運用実績で投資家の歴史に名を刻んだ清原氏だが、その半生は知られてこなかった。伝説のファンドマネージャーはいかにして生まれたのか。そのルーツに迫ったのが、『マンガ 清原達郎 わが投資術1』(講談社・3月11日発売)である。 「2年前の拙著は、私としてはできるだけわかりやすく書いたつもりでしたが、初心者には多少難しい部分がありました。そこで今回は難しい話は全部外して少しフィクションを入れ、純粋にエンタメのマンガにしようと思いました」 そう明かす清原氏が本誌・週刊ポストのメール取材に応じ、自身の半生を振り返った。
島根県松江市出身の清原氏は名門・県立松江南高校から分子生物学を研究するため、現役で東大の理科二類に進んだ。 しかし在学中に全国から集った秀才たちを前に、自分の平凡さを痛感。上には上がいるという現実を直視し、新たな人生の目標を据えた。 「このまま普通に就職しても先が見えていて、大企業の役員や官僚を目指しても成功の確率は低い。自分のような凡人が世間に出て成功するには、大きな博奕を打つしかないと考えました」(清原氏・以下「」内は同じ) そこで清原氏が就職先に選んだのが、国内最大級の証券会社・野村證券だった。 1981年に入社した清原氏が野村證券を選んだのは「株式投資で一発当てて人生に決着をつけたい」、「会社の費用で留学がしたい」という2つの理由からだった。 「当時の野村證券は“ノルマ証券”と呼ばれる不人気企業で、就職を支援する東大の学生課からは『やめておけ』と説得されました。しかし私には当時から“逆張り的発想”があったのです。周りが優秀でなければ留学できる確率が高くなると思い、『だからこそ野村證券だ』と考えました。結果としてその判断が大当たりとなりました」 入社1年目、海外投資顧問室に配属され、外国人投資家専用のアナリストとして鉄鋼・非鉄業界を幅広く担当した。 「当時の日本市場には勢いがあり、大量の外国人投資家が企業分析のため日本になだれこんで来て、通訳の不足から私は毎日駆り出されました。医薬品、建設、化学業界など何でもありですから、そのつど業界の専門用語を英語で覚えないといけません、死に物狂いで働いたおかげで英語の語彙が飛躍的に増えて様々な業界の勉強にもなり、のちのヘッジファンドの運用にとても役立ちました」 * * * 関連記事《【独占レポート】資産900億円“伝説の投資家”清原達郎氏が振り返る半生と今後の市場の見通し 「こんな高値にある日本株に投資する意味はない。年配者は全部売るべきだ」》では“伝説の投資家”清原氏が激動の半生を振り返りつつ、「今年に入って持ち株の大半を売却した」真意と、高市バブルに浮く日本市場の危うさについて、詳しく語っている。 ※週刊ポスト2026年3月20・27日号
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