【北京=三塚聖平】中国税関総署が10日発表した1~2月の貿易統計(ドル建て)によると、輸出は前年同期比21・8%増の6565億ドル(約103兆6千億円)だった。伸び率は2025年通年の5・5%から拡大。米国との貿易戦争を受けて進めた輸出先の多様化が功を奏し、アフリカ向けは約5割の伸びだった。
輸入も19・8%増の4429億ドルで、輸出と輸入を合わせた貿易総額は21・0%増の1兆995億ドル。輸出から輸入を差し引いた貿易収支は2136億ドルの黒字で、前年同期の1705億ドルから拡大した。
電気自動車などの輸出に活路
輸出を国・地域別で見ると、東南アジア諸国連合(ASEAN)向けが29・4%増、欧州連合(EU)向けが27・8%増だった。国内消費が思うように上向かない中、中国企業は電気自動車(EV)などの輸出に活路を見いだしている。
中国の貿易黒字は25年に初となる1兆ドルの大台を突破しており、各国・地域との貿易摩擦にもつながっている。王文濤商務相は6日、開催中の全国人民代表大会(全人代)に合わせて開いた記者会見で、巨額の貿易黒字に関し「貿易相手国の懸念には気を配っている」と指摘。「均衡のとれた貿易の発展を促進する」との考えを示した。
輸出入の落ち込み、顕在化するか
一方、米国向けの輸出は11・0%減だった。25年通年と比べると下落率が縮小したもののマイナスが続く。輸入も26・7%減だった。トランプ米大統領は3月31日から訪中し、中国による米国産大豆の購入などを要求するといった見通しが伝えられている。
日本向けは輸出が8・9%増、輸入が26・5%増。中国政府は、昨年11月の高市早苗首相の台湾有事を巡る国会答弁に反発し対日輸出規制を強化しており、今後、輸出入の落ち込みが顕在化するか注視される。
中国では春節(旧正月)の連休時期が毎年変化するため、税関総署は1~2月のデータを合わせて発表している。2月単月では、輸出が前年同月比39・6%増の2998億ドル、輸入は13・8%増の2089億ドルで、貿易収支は909億ドルの黒字だった。