- 1二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 14:25:40
スレ落としてしまったので立て直し
前安価に当たった人のをやります
前スレ
AIでレグルスと>>3を戦わせます|あにまん掲示板スレタイ通りレグルスと>>3を戦わせます使うAIはgemini probbs.animanch.com - 2二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 14:31:00
『強欲』と『社畜』の邂逅
よく晴れた昼下がり。
『強欲』の大罪司教レグルス・コルニアスは、誰もいない街道を悠然と歩いていた。彼の背後には、虚ろな目をした美しい少女――彼が連れ出した2、3人の『妻』たちが、まるで感情を抜き取られた人形のように静かに付き従っている。彼女たちの胸の中では、レグルス自身の時間を止める権能『獅子の心臓』の要である彼の心臓が、誰にも気づかれることなく密かに脈打っていた。
その平穏な散歩は、茂みから飛び出してきた場違いな黄色い生物によって唐突に遮られた。
「ピ、ピカリン……カパ……。サービス残業はもう嫌カパ……有休をよこすカパ……」
目の下に酷い隈を作り、社畜の哀愁と疲労を漂わせるサラリーモンスター、ピカリンである。ブラック企業での労働から逃げ出してきたのか、その足取りはおぼつかない。
他者の進路を塞ぐという行為に、レグルスの足がピタリと止まる。
ピカリンは目の前に立つ男(レグルス)を新たな上司か何かと勘違いしたのか、おもむろに丸めたタイムカードを取り出し、「タイムカード改ざんカパ!」と叫んで投げつけた。
ペチッ、と軽い音を立てて、タイムカードはレグルスの頬に触れた。
しかし、レグルスの体は瞬き一つせず、髪の毛一本すら揺れなかった。自身の時間を停止させ、あらゆる物理的干渉を無効化する彼の絶対的な防御の前に、ただの紙切れが通用するはずもない。
「カパ? 当たり判定がないカパ?」
ピカリンが首を傾げたその時、レグルスの額に青筋が浮かんだ。彼は大きく息を吸い込み、口を開く。 - 3二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 14:32:01
「あのさぁ。労働環境が過酷で不満が溜まるっていう君の悲惨な境遇は、僕も一人の寛大な人間として理解してあげないこともないんだよ。誰だって生きていれば苦労はあるし、僕みたいに器の大きい人間なら、社会の底辺で喘ぐ弱者の愚痴くらいは笑って許してあげるだけの度量があるからね。でもさ、だからといって赤の他人の進路をいきなり塞いで、『有休をよこせ』だの『残業が』だのと身勝手な要求を喚き散らすのは、一般常識としてどう考えてもダメだよね? 自分の不満を無関係な他人にぶつけて迷惑をかけるなんて社会のルール違反だ。それなのに君はなんだい、さっきからピカリンだのカパだのと、ふざけた鳴き声で僕の静寂を乱し続けて! 僕がせっかく優しく諭してあげようとしているのに、その薄汚れた黄色の図体を揺らして僕の視界を汚すなんて、一体全体どういう神経をしているわけ!? 僕に対する当てつけか!? 僕の底知れぬ慈悲を土足で踏みにじるっていうのかい!? それってさぁ、この世で最も満たされていて、これ以上何も求める必要のない完全な存在である、僕の『妻たちと平穏に散歩を楽しむ』権利の侵害だ」
- 4二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 14:33:04
一息にまくし立てられた言葉の洪水を前に、低知能なモンスターであるピカリンがその真意を理解できるはずもなかった。背後に立つ妻たちとレグルスの間にある「心臓のパス」などという複雑な仕組みに気づくような洞察力も、当然持ち合わせていない。
「カパァ……? パワハラ上司カパ? 労基に駆け込むカパー!」
理解を放棄したピカリンは、ヤケクソ気味に『定時退社タックル』を繰り出し、レグルスの足に頭突きを見舞った。
ゴキッ!
「カパァアアア!? 痛いカパ! 物理法則を無視した硬さカパ! 労災認定カパ……!」
止まった時間を持つレグルスの肉体は、文字通り不可侵の壁である。自ら激突したピカリンは、強烈な反作用で頭を押さえて悶絶した。
その無様で醜悪な姿を見下ろし、レグルスは深くため息をついた。
「……つまらない。言葉の通じないただの獣だったか。僕の権利を侵害した罪、万死に値するよ」
レグルスが軽く右腕を振るう。
ただそれだけの動作だった。しかし、停止した時間を纏った彼の手刀は、空間の抵抗も対象の硬度も一切無視する絶対の凶器となる。
発生した理不尽なまでの不可視の斬撃が、ピカリンの黄色い胴体を真っ二つに両断した。
「カパァァァァ……(未払い残業代……)」
悲鳴を上げる間もなく、サラリーモンスターは塵となって消滅した。彼我の圧倒的な実力差の前に、ピカリンは何一つレグルスの秘密に触れることすらできず、極めて順当に敗れ去った。
「さあ、行こうか。不快な害獣のせいで少し時間を無駄にしたけど、僕たちの愛の営みは誰にも邪魔させないからね」
レグルスはコートの裾を払い、背後の妻たちを振り返る。人形のように表情を変えない彼女たちの中に隠された心臓は、今日も安全な場所でレグルスのために血を巡らせていた。
大罪司教は何事もなかったかのように、再び平穏な散歩へと歩みを進めた。 - 5二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 14:34:04
ところでFラン就職チャンネルってどういうチャンネルなの?
次は>>7で
- 6二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 14:42:29
オーマジオウ
- 7二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 14:52:05
三輪霞
- 8二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 14:58:57
【小説】理不尽なる強欲 vs シン・陰流
瓦礫が散乱する街路の中央で、三輪霞は柄に手をかけ、冷や汗を流していた。
目の前には、場違いなほど真っ白な服を着た平凡な顔立ちの青年が立っている。その後ろには、虚ろな目をした美しい二人の少女――彼の「妻」たちが、糸の切れた人形のように静かに控えていた。
呪力など微塵も感じない。それなのに、三輪の生存本能が「あれは生物として次元が違う」と激しい警鐘を鳴らしていた。
(……来る!)
青年が、ポケットに手を入れたまま無造作に一歩を踏み出した。
三輪は即座に両足を展開時のポイントに固定する。
「シン・陰流――『簡易領域』」
半径2.21メートル。この領域内に侵入した者を全自動の反射で迎撃する、三輪の必殺の間合いだ。
しかし、青年――大罪司教レグルス・コルニアスは、全く警戒する様子もなくその不可視の円の中へと足を踏み入れた。
迎撃プログラムが作動する。
呪力を乗せ、鞘の中で極限まで加速された刃が、レグルスの首筋へと放たれる。
――『抜刀』。
必殺の一撃。だが、
カキンッ!!
甲高い金属音が響き、三輪の手が強烈な痺れに襲われた。
刃はレグルスの皮膚を1ミリも裂くことなく、まるで不可視の硬絶な壁にでも当たったかのように弾かれ、刀身に大きな亀裂が入った。
「え……?」
レグルスは止まっていた自分の時間をただ「そこにある」だけの状態にしており、彼に対するあらゆる物理的干渉は無効化される。三輪に、背後にいる妻たちの心臓に秘密があることなど見破る術はない。
驚愕して硬直する三輪に対し、レグルスは深くため息をつき、口を開いた。 - 9二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 15:01:15
「あのさぁ。君が何かに怯えて過敏になっていることは理解できるよ? 僕だって寛大な心を持っているから、見知らぬ場所で錯乱した少女が、つい警戒心から武器を構えてしまうくらいなら笑って許してあげる度量はあるんだ。でもさ、普通に考えて、ただ後ろに妻たちを連れて歩いているだけの無害な通行人に、いきなり刃物を振り下ろすのって人として間違ってるよね? 対話の意志を見せずに暴力で解決しようとするなんて、野蛮で浅ましくて、到底許されるべき行為じゃない。だいたい何なんだよ君は!? 僕がいつ君を脅かした? 僕がいつ君の領域を侵した!? 何もしていない! 僕はただ息をして歩いていただけだ! それなのに一方的に斬りかかってくるなんて、僕という存在を根底から見下し、踏みにじり、不条理な暴力を押し付けているのと同じじゃないか! それってさぁ、この世で最も満たされていて無欲で完成された僕の、妻たちと共に平穏な日常を歩む権利の侵害だ」
凄まじい早口と支離滅裂な怒り。
言い終えると同時、レグルスが足元の小石を軽く蹴り飛ばした。
ズガァァァン!!
たかが小石が、止まった時間による無限の質量を伴って散弾のように弾け飛んだ。
「っ!」
三輪は咄嗟に刀を盾にするが、小石の余波だけで吹き飛ばされ、激しく地面を転がった。全身を激しく打ち、右腕から血が流れる。
(レベルが……違いすぎる……!)
防御も回避も不可能。呪力も術式も関係ない、物理法則を完全に無視した絶対的な暴力。 - 10二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 15:04:33
三輪霞は、自分がここで死ぬことを悟った。
だからこそ、彼女は覚悟を決めた。
ゆっくりと立ち上がり、ひび割れた刀を構える。
(もう、二度と刀を振るえなくなってもいい――!!)
己の未来すべてを代償とする「縛り」。これまでの人生、そしてこれからの人生のすべてを乗せた、三輪霞の魂のひと振り。青い呪力が爆発的に膨れ上がり、刀身を包み込む。
「はあああああッ!!」
全てを賭けた渾身の斬撃が、真っ向からレグルスの頭部へ振り下ろされた。
ガァァァンッッ!!!
その結果は、あまりにも残酷だった。
レグルスは避けることすらせず、無表情にそれを受け止めた。縛りによって極限まで高められたはずの三輪の刀は、レグルスの額に触れた瞬間に粉々に砕け散り、無数の破片となって虚空へ舞った。
「……あ」
全てを乗せた刀が折れた。三輪は文字通り、武器も未来も全てを失った。
「人の服にゴミを散らかすなよ。本当に、最低限の配慮もできない無神経な人間だね、君は」
不快そうに顔を顰めたレグルスが、ゆっくりと腕を振り抜く。
その手刀が巻き起こした風の刃が、無抵抗な三輪の身体を深々と薙ぎ払った。
「あ、が……」
三輪はその場に崩れ落ち、意識が闇に飲まれていく。圧倒的な理不尽を前に、彼女には己の限界を悟る以上のことはできなかった。
「行くよ。全く、気分の悪い散歩だった」
血の海に沈む少女を一瞥もせず、レグルスは背後の二人の妻を引き連れ、何事もなかったかのように歩き去っていった。 - 11二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 15:13:09
順当
次は>>13で
- 12二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 15:29:01
ピクミンとオリマー
- 13二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 15:35:13
ゼットン(初代)
- 14二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 15:40:44
荒野を、一人の白い髪の青年が歩いていた。魔女教大罪司教『強欲』担当、レグルス・コルニアス。彼の背後には、虚ろな目をしてただ黙々と付き従う、見目麗しい2人の「嫁」の姿があった。
突如として、彼らの行く手を遮るように空間が歪んだ。
虚空から現れたのは、白黒の不気味な体色に、顔と胸に黄色い発光体を持つ異形の宇宙恐竜――初代ゼットンだった。
「ゼットン……ピポポポポポ……」
無機質な電子音のような鳴き声を響かせ、ゼットンは一切の感情を交えずに目の前の存在を標的と定めた。次の瞬間、ゼットンの顔の発光体が明滅し、一兆度とも言われる超高熱の火球がレグルスめがけて放たれた。
轟音と共に、周囲の空間すら歪むほどの爆発と業火が吹き荒れる。
しかし、土煙が晴れた後に立っていたのは、服の裾一つ焦がしていない無傷のレグルスと、その後ろで震える2人の嫁の姿だった。
レグルスは『獅子の心臓』の権能により、自らの肉体の時間を停止させている。熱も、衝撃も、物理法則すらも彼には一切干渉できない。無敵の盾であり矛でもあるその状態は、背後にいる嫁たちに自らの心臓を寄生させる『小さな王』の権能によって、本来の「数秒しか持たない」という時間制限を完全に克服していた。
自らの歩みを止められたレグルスは、ひどく不機嫌そうに顔を歪め、ゼットンを指差して口を開いた。
「あのさぁ、君が言葉も通じない哀れな獣で、本能のままに動くしかないっていうのは僕も理解できるよ? 僕も寛大だからね、多少の無作法なら見逃してあげるだけの度量はあるつもりだ。でもさ、普通に考えて、道を歩いているだけの相手に突然火を吹くなんて、一般論として絶対にやってはいけないことだよね? どうして僕がこんな野蛮な目に遭わなきゃいけないわけ!? 君みたいな知性の欠片もない虫ケラが、僕の目の前で埃を立てるなんて、僕を見下してるってことだろ!? それってさぁ、この世で最も満たされていて一切の欠落を持たない僕の、平穏に散歩を楽しむ権利の侵害だ!」
彼のヒステリックな叫びなど、宇宙恐竜には何の意味も持たなかった。 - 15二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 15:42:05
ゼットンは瞬時に姿を消す。瞬間移動だ。直後、レグルスの背後に現れたゼットンは、光の巨人をすら叩き伏せた圧倒的な怪力で、レグルスの後頭部へ向けて拳を振り下ろした。
ガンッ!!
鈍い音が響くが、微動だにしなかったのはレグルスの方だった。
時間の止まったレグルスの体は、外部からのいかなる力によっても動かされない。強烈すぎる反作用を受け、ゼットンの強靭な腕の甲殻にヒビが入る。本能と戦闘プログラムだけで動くゼットンに、目の前の小柄な人間の「心臓が背後の女たちにある」という特殊すぎる権能のからくりを見破る知能などあろうはずもない。
「本当に、鬱陶しいな」
レグルスが不快げに足元の砂利を軽く蹴り上げた。
ただの石ころ。しかし、『獅子の心臓』によって時間が止められ、慣性や摩擦といったあらゆる物理法則から切り離されたその砂利は、この世の何物にも防ぐことのできない絶対の質量兵器と化す。
飛来する砂利に対し、ゼットンは瞬時に電磁波の壁――ゼットンシャッターを展開した。あらゆる光線を吸収し、弾き返す鉄壁のバリア。だが、迫り来るのはエネルギー波ではなく、時間を停止させられただけの「物理的な石」である。
ズガガガガッ!! - 16二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 15:43:35
バリアは紙切れのようにすり抜けられ、無数の砂利がゼットンの頑強なボディを容易く貫通した。白黒の装甲が削り取られ、ゼットンが大きくたたらを踏む。光線を吸収して撃ち返す能力も、物理的な質量による絶対貫通攻撃の前では無用の長物だった。
「ゼッ、トン……」
機能停止の窮地に陥りながらも、なお戦闘を継続しようと立ち上がるゼットン。しかし、レグルスの我慢はすでに限界を超えていた。
「もういいよ、君。目障りだ」
レグルスが腕を無造作に横へ振る。
彼の手によって掴まれ、時間を止められた『空気』が、見えない断層となって空間ごと薙ぎ払われた。
ゼットンの強靭な巨体が、腰のあたりで綺麗に上下に両断される。
時間停止による絶対の切断力の前では、細胞の硬度も怪獣としての防御力も一切関係なかった。ゆっくりと上半身がずり落ち、直後、ゼットンの体は大爆発を起こして木っ端微塵に吹き飛んだ。
「……あーあ、せっかくのいい気分が台無しだ。まったく、少しは他人の権利を尊重するということを学んでから僕の前に現れてほしいものだよ」
土煙が晴れる中、レグルスは呆れたように肩をすくめた。
そして、何事もなかったかのように背後を振り返る。
「ほら、行くよ。遅れたら許さないからね」
彼の言葉に、無言で小さく頷く2人の嫁。
圧倒的な暴力の残骸を背に、満たされた強欲の司教は、再び我が物顔で荒野を歩き出した。 - 17二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 15:46:31
やっぱ権能無法だな
次は>>19で
- 18二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 15:55:17
カービィ
- 19二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 15:55:34
ハイパーカブト
- 20二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 16:20:14
【邂逅と不可侵の領域】
横浜の海風が吹き抜ける廃倉庫。天道総司は、異様な空気を纏う白髪の青年、大罪司教『強欲』のレグルス・コルニアスと対峙していた。レグルスの背後には、虚ろな目で怯える三人の美しい少女たちが控えている。
「おばあちゃんは言っていた。子供の純粋な願いは、未来を輝かせる太陽だと。だが、お前が背後に侍らせている少女たちからは、絶望の影しか見えないな」
天道はカブトゼクターを掴み、腰のベルトへと装填する。
「変身」
『HENSHIN』
真紅の装甲を纏った仮面ライダーカブト。さらに天道は、未来から飛来したハイパーゼクターをベルトの左腰に装着した。
「ハイパーキャストオフ」
『HYPER CAST OFF』
『CHANGE HYPER BEETLE』
重装甲が弾け飛び、彼の姿は時空すら凌駕する最強の戦士、ハイパーカブトへと進化した。
「なんかさぁ、人の気も知らないで勝手に光り出したりして。そういうの、マナー違反だと思わない?」
レグルスは軽く足元の小石を蹴り飛ばした。ただの小石は「時間を止められた」絶対的な質量兵器となり、天道の装甲を掠め、背後の分厚いコンクリートの壁を軽々と消し飛ばした。
天道は即座にハイパークロックアップを発動し、時が止まったに等しい超高速の次元へと移行する。死角からの蹴り、パーフェクトゼクターによる斬撃。しかし、どれほどの速度と威力で放たれた一撃も、レグルスには一切届かない。剣閃は彼の皮膚に触れる直前で完全に停止し、いかなる衝撃も彼には無意味だった。 - 21二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 16:21:15
【強欲の演説】
数度の絶望的な攻防の後、攻撃の手を止めた天道に対し、レグルスは深々とため息をついた。そして、狂気に満ちた瞳で天道を睨みつけ、口を開く。
「あのさぁ。君が自分の未知なる力や、その派手な鎧の性能を試したいって気持ちはわかるよ? 誰だって新しいおもちゃを手に入れたら使ってみたいものだし、そういう好奇心や未知の相手にも立ち向かう勇気、そういうのは僕だって寛大な心で評価してあげたいし、君のその闘志は否定しない。
でもさぁ、一般的に考えて、いくら攻撃しても全く効かない相手に何度も無駄な真似を繰り返すのって、ただの学習能力の欠如でしかないよね? 普通、一度や二度失敗したらアプローチを変えるとか、自分の非を認めて諦めるとかするでしょ?
なんで学習しないの? なんで僕の優しさに気付かないの!? 僕がわざわざ相手をしてやってるのに、いつまでもハエみたいに飛び回ってちょこまかちょこまかと! そういうのを傍若無人って言うんじゃないの!? 僕の寛容さに甘えて図に乗るのも大概にしてほしいんだけど!?
それってさぁ、この世で最も満たされていて何一つ欠けていない、誰にも侵されることのない僕の、静かに平穏に生きる権利の侵害だ!!」 - 22二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 16:22:16
【天の道、時の理】
レグルスが声を荒らげる中、天道は静寂を保っていた。彼の頭脳は、ハイパークロックアップの超高速世界の中で得た情報を冷静に分析していた。
(……どんな攻撃も通らない。装甲が硬いわけでも、障壁があるわけでもない。まるであの男の周囲だけ、世界の理から隔絶されているかのようだ)
天道は観察を続ける。レグルスは攻撃を防ぐ際、背後の少女たちを庇う素振りを一切見せなかった。むしろ、彼女たちの存在を気にも留めていない。だが、天道の優れた感覚とハイパーカブトの聴覚は、ある致命的な違和感を捉えていた。
レグルスの胸からは、生き物である以上必ず存在するはずの「心音」が全く聞こえない。
彼の肉体は、文字通り時間が止まっているのだ。
だが、彼は生きている。言葉を発し、動いている。天道の視線は、怯える三人の少女たちに向けられた。彼女たちの胸からは、過呼吸気味の自身の鼓動とは別に、もう一つの、男の重い脈動が奇妙に同期して響いていた。
「なるほど……。お前の無敵の理由は『自身の時間を止めている』からだ。そして、止まった心臓の代わりを、あの少女たちに『寄生』させているわけか」
ただの戦士であれば、無敵の力に絶望するだけで終わっただろう。しかし、天道総司は時空を越える存在であり、比類なき天才だった。少女たちとレグルスの間に繋がる、目に見えない生命と時間のパス(繋がり)を、彼は完全に見破った。 - 23二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 16:23:19
【決着】
「おばあちゃんは言っていた。太陽の輝きは、どんな深い闇が作り出した影をも焼き尽くす、と」
天道はパーフェクトゼクターの柄のボタンを次々と押す。
『MAXIMUM RIDER POWER』
カブト、ザビー、ドレイク、サソード。全ゼクターの力が結集し、パーフェクトゼクターの刃に虹色のタキオン粒子が奔流となって溢れ出した。
「お前が少女たちに繋げているその理不尽な鎖、俺が断ち切る」
天道が振るった光の刃は、レグルス自身ではなく、彼と少女たちの間に繋がっていた「見えないパス」の空間に向けて放たれた。タキオン粒子の絶大な干渉力が、空間と時間ごと生命の繋がりを強制的に両断する。
「……は? え? なに、今、君……っ!?」
パスが切断された瞬間、レグルスは唐突に胸をかきむしり、呼吸を乱した。代わりの心臓を失った彼が、自身の心臓を止めて無敵でいられる時間は、わずか数秒しかない。その限界を強制的に突きつけられた彼の「権能」は、ここで崩れ去った。
天道は一切の容赦なく、パーフェクトゼクターを大きく振りかぶる。
「マキシマムハイパータイフーン」
圧倒的な虹色の光波が、時間停止の恩恵を失ったレグルスを呑み込んだ。抗う術を失った強欲の凶人は断末魔を上げる間もなく、その存在を世界の理から完全に消し飛ばされた。
残された三人の少女たちが呆然と立ち尽くす中、天道は武器を収め、静かに天を指差した。 - 24二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 16:24:01
流石天道
- 25二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 16:25:19
流石天道やな 見事に見抜いてるけどどうやって見抜いてるのか不思議すぎる
次は>>27
- 26二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 16:27:59
オーマジオウ
- 27二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 16:28:23
ルーゴサイト
- 28二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 16:31:51
暴食の宇宙竜 vs 強欲の大罪司教
空が不気味な極彩色に歪み、世界に終わりの兆しが垂れ込めていた。
『強欲』の大罪司教、レグルス・コルニアスは、彼にとっては至極平穏な散歩を楽しんでいた。彼の後ろには、夫の機嫌を損ねないよう感情を殺した3人の妻たちが、一糸乱れぬ足取りで付き従っている。
「本当に素晴らしい日だよね……」
レグルスがそう呟いた直後だった。
歪んだ空から、けたたましい咆哮とともに巨大な絶望が舞い降りた。宇宙に災厄をもたらす恐怖の生命体、ルーゴサイトである。
全長72メートルにも及ぶその巨体が大地に降り立つと、周囲の地形が吹き飛び、猛烈な土煙と衝撃波がレグルスたちを襲った。
舞い上がった砂ぼこりがレグルスの純白のコートを汚す。
彼は立ち止まり、ひきつった笑みを浮かべながら、見上げるほど巨大な宇宙竜に向かって口を開いた。
「あのさぁ。君がただ本能のままに動く哀れで巨大な獣だってことは僕にも分かるよ。知性のない生き物が周囲に迷惑をかけてしまうのは仕方ないことだし、無欲で寛大なこの僕は、その程度の無知なら許してあげる心の広さを持っているんだ。でもさ、普通に考えて、人が愛する妻たちと静かに散歩を楽しんでいるところに、空から降ってきて土煙を上げるなんて、どんな動物でもやっちゃいけない最低限のルールってもんがあるじゃないか。それなのに君はなんだい? さっきからギャアギャア吠え立てて、僕の服を汚して、見下ろすような目を向けて! 僕がどれだけこの平穏を愛しているか知りもしないで、ただデカい図体で僕のささやかな幸せを踏みにじる気か!? ふざけるなよ、僕を誰だと思ってるんだ! それってさぁ、この世で最も満たされていて何一つ不自由のない完全な存在である僕の、平穏な日常を歩む権利の侵害だ!」
怒りとともに、レグルスは足元の小石を軽く蹴り上げた。 - 29二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 16:32:59
権能『獅子の心臓』によって時間を止められた小石は、物理法則を完全に無視した無敵の散弾となり、ルーゴサイトの強靭な皮膚を容易く貫いてみせた。
「ギャアァァァッ!」
激痛に咆哮を上げるルーゴサイト。しかし、この宇宙の白血球とも呼べる生命体に、人間の複雑な権能を見破る知性などない。ただ目の前のちっぽけな存在が、宇宙の理から外れた「排除すべきバグ(イレギュラー)」であると本能で理解しただけだった。
ルーゴサイトの胸部が、禍々しい光を放ち始める。あらゆる物質を原子崩壊させて消し去る必殺の怪光線「ゲネシスレクイエム」のチャージだ。
「ハッ、そんな光の束が、この僕に通じるとでも……」
レグルスが嘲笑う中、極太の破壊光線が放たれた。
光の奔流がレグルスを飲み込む。しかし、自らの時間を止めている彼にとって、原子崩壊すら全く意味を成さない。彼は絶対の無敵状態だった。
――だが、ルーゴサイトの攻撃は、人間一人を狙うようなスケールではなかった。
それは惑星ひとつを容易く滅ぼす、宇宙規模の災害である。
光線はレグルスの背後にいた3人の妻たちを瞬時に原子レベルで消滅させ、そのまま大地を抉り、山を消し飛ばし、惑星の地表を果てしなく焼き尽くしていった。
そして、その規格外の広域殲滅光線は、ここから遠く離れた場所にあるレグルスの屋敷をも、大陸ごと跡形もなく宇宙の塵へと変えてしまったのだ。
「……え?」
その瞬間、レグルスの胸の奥で、ドクンと嫌な音が鳴った。
屋敷に置いてきた残りの妻たちを含め、彼が心臓を寄生させていた『パスの繋がり先』が、星の広範囲の崩壊によって全員同時に消滅したのである。
絶対の条件だった『小さな王』のネットワークが途絶え、レグルスの心臓は彼自身の肉体へと強制的に戻された。
今この瞬間、彼はただ「自分の心臓を止めている間だけ無敵になれる」だけの状態に陥った。
「なっ、なんだこれは!? 僕の、僕の妻たちが……!!」
焦燥に駆られるレグルスだったが、周囲は未だゲネシスレクイエムの原子崩壊の光の中である。彼は必死に自らの心臓を止め、『獅子の心臓』を維持して光線の範囲外へ逃れようとした。 - 30二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 16:34:34
1秒、2秒、3秒……。
しかし、星の表面を焼き払うルーゴサイトの光線はあまりにも広大すぎた。数秒走った程度で抜け出せる範囲ではない。
4秒、5秒。
「ガッ……ァ……!」
限界だった。無敵を維持するための呼吸が続かず、自らの心臓を動かさざるを得ない。
彼が酸素を求めて肺を動かし、自らの「時間」を動かしたその刹那。
無敵が解除されたレグルスの肉体は、ゲネシスレクイエムの原子崩壊の波に呑み込まれた。
断末魔の悲鳴を上げる間もなく、強欲の大罪司教は原子の塵となって完全に消滅した。
絶対的な権能を持つ男は、そのカラクリを見破られることすらなく、ただ純粋な「星を滅ぼすほどの理不尽な規模」の前に跡形もなく消え去った。
後に残されたのは、イレギュラーを排除し終え、虚空に向かって勝利の咆哮を上げる巨大な宇宙竜の姿だけであった。 - 31二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 16:35:34
星ごとやるパターンもそりゃあるよな
次は>>33で
- 32二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 16:37:37
デッドプール
- 33二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 16:38:02
覇王龍ズァーク
- 34二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 16:50:25
空が赤黒くひび割れ、大地が悲鳴を上げていた。
四つの次元を統合し、全てを破壊し尽くさんとする悪魔の化身、覇王龍ズァーク。巨大な翼がはためく度、暴風が巻き起こり、瓦礫が宙を舞う。
その圧倒的な終焉の風景の中、一人の男が不機嫌そうに立ち止まっていた。
白髪に純白のコートを羽織った優男、強欲の大罪司教レグルス・コルニアスである。彼の背後には、虚ろな目をした美しい「妻」が3人、糸の切れた人形のように付き従っている。
ズァークの咆哮が響き渡り、巨大な尾が振り下ろされた。巻き起こった衝撃波がレグルスたちの足元を抉り、彼の純白のコートにパラパラと土埃が降りかかる。
レグルスは大きくため息をつき、空に浮かぶ異形の巨竜を睨みつけた。
「あのさぁ、君みたいな巨大で凶暴な生き物が本能のままに暴れたいって気持ちは、寛容で慈悲深いこの僕だからこそ理解してあげられると思うんだよ。でもさ、いくら力が有り余ってるからって、周りの迷惑を考えずに破壊の限りを尽くすなんて、一般的に考えて絶対にしちゃダメなことだよね?それなのに君はさっきから空を飛び回ってギャーギャーと耳障りな鳴き声を上げて、僕と妻たちの静かな時間を台無しにするばかりか埃まで被らせてさぁ!頭がおかしいんじゃないの!?それってさぁ、この世で最も満たされていて何一つ望むものがない完全な存在である僕の、愛する妻たちとの平穏な日常を享受する権利の侵害だよね?」
レグルスの早口でまくしたてるような長台詞に、ズァークは忌々しげに巨大な眼球をギョロリと動かした。 - 35二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 16:52:22
『我は覇王龍ズァーク! 万物を破壊し、全てを我が力とする者! 虫ケラが、我が覇道に口を挟むな!!』
ズァークの口から、次元すら焼き尽くす漆黒の業火が放たれた。圧倒的な熱量がレグルスと3人の妻たちを飲み込み、周囲の地形ごと跡形もなく消し飛ばす。
煙が晴れた後——そこには、無傷のレグルスが立っていた。
連れていた3人の妻たちは一瞬で炭化し消滅したが、レグルス自身は衣服の焦げ一つ、髪の毛一本すら燃えていない。
「……あーあ。せっかく連れ出した妻たちが塵になっちゃったじゃないか。まあ、屋敷にはまだ沢山いるからいいけどさ」
レグルスは首を鳴らすと、足元にあった小石を軽く蹴り飛ばした。
『獅子の心臓』の権能により、彼自身の「時間の流れ」は停止している。時間干渉を受けないその小石は、物理法則を無視した絶対の質量兵器となり、音速を超えてズァークの強靭な鱗を紙切れのように貫き、巨大な角の一部を粉砕した。
『グゥオオオッ!? な、何だ……!? 貴様、何をした!?』
「何をしたって、ただ石を蹴っただけだけど? 君さぁ、人の話聞いてた? 僕の権利を侵害したんだから、正当防衛で反撃されるのは当然の結果だよね?」
ズァークは混乱した。己の攻撃は直撃したはずだ。再生したわけではない。そもそも「干渉」そのものを弾かれたような感覚だった。
次元の力を持つズァークは、ペンデュラムの力による空間の歪みや、対象を取らない破壊の力を次々とレグルスに叩き込む。しかし、その全てがレグルスの体を素通りするかのように無効化されていく。
(『あの虫ケラ……何らかの力でこの次元の物理法則から外れ、絶対的な防御を展開しているというのか……!』)
ズァークには、レグルスの権能の正体が「離れた場所にいる妻たちに心臓(時間の停止)を寄生させている」ことなど知る由もなかった。
『ならば……!!』 - 36二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 16:53:25
ズァークの瞳が凶悪な光を放つ。
小細工が通用しないのであれば、対象を防御ごと、いや、その存在が存在する「世界」そのものを砕くまで。
『我が力、我が怒り、その身で味わえ! 覇王の逆鱗!!』
ズァークの全身から放たれた極大のエネルギーが、空間そのものを破壊し始めた。それは局地的な攻撃ではなく、この次元の広範囲を一挙に更地にする、規格外の全体殲滅攻撃だった。
大地が割れ、空が落ちる。
レグルスのいる場所だけでなく、遥か彼方——レグルスの屋敷がある街、いや、大陸そのものが崩壊の光に包まれていく。
「……は?」 - 37二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 16:54:26
その瞬間、レグルスの顔色が変わった。
彼自身にダメージはない。だが、彼の内側で「繋がり」がプツン、プツンと立て続けに切断されていく感覚があった。
遠く離れた安全圏にいたはずの妻たちが、ズァークの放った大陸規模の余波によって全員命を落としたのだ。
「あ、ありえない……僕の所有物が……僕の妻たちが……!」
寄生先を失った『獅子の心臓』は、彼自身の肉体へと回帰する。
絶対の無敵を維持するためには、彼自身が自らの心臓を止めなければならない。
(『息を止め、心臓を止めればいい! 数秒あれば、あんなトカゲの頭なんて吹き飛ばしてやる!』)
レグルスは自身の心臓を停止させ、無敵状態を維持したまま大地を蹴った。
音置き去りの速度でズァークの懐に飛び込み、手刀を突き出す。時間の止まった手刀はズァークの分厚い装甲をえぐり、その巨体に深々と突き刺さった。
『ガアアアアアッ!!』
だが、ズァークは絶叫しながらも止まらない。自らの痛みを怒りに変え、さらに高密度の破壊エネルギーを周囲に撒き散らし続けた。
一秒、二秒、三秒。
レグルスは心臓を止めたまま連続で攻撃を叩き込むが、山のように巨大なズァークを一撃で完全に仕留めきることはできない。
四秒、五秒……。
レグルスの限界が近づく。胸が焼け付くように苦しい。無意識のうちに生存本能が働き、彼の肺が酸素を求め、止まっていた心臓が大きくドクンと鼓動を打ってしまった。
その瞬間——彼の「時間の停止」が解除された。
「あ、がっ……!」
息を吸い込んだ直後、レグルスを包み込んでいたズァークの破壊エネルギーが、今度こそ容赦なく彼の肉体を捉えた。
「こんな……こんなこと、あってはならない! 僕の平穏! 僕の権利がぁぁぁぁぁッ!!」
絶対の防御を失った男の悲鳴は、覇王龍がもたらす世界の崩壊音にかき消され、レグルス・コルニアスの身体は塵一つ残さず光の中へと消え去った。
後に残されたのは、己の破壊衝動を満たし、次元の崩壊を謳歌するように天に向かって咆哮する覇王龍の姿だけだった。 - 38二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 16:58:25
ラインハルトも勝てないからリゼロ世界滅びそう
次は>>40で
- 39二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 17:00:42
オーディン(fortissimo)
- 40二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 17:00:49
フォルテッシモ(ブギーポップシリーズ)
- 41二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 17:06:14
フォルテッシモ vs レグルス・コルニアス
瓦礫と化した街路に、軽快な口笛が響き渡っていた。
曲目はワーグナーの『ニュルンベルクのマイスタージンガー』。その音の主は、黒いジャケットを羽織った青年——統和機構最強の合成人間、「スライダー(空間を滑る者)」ことフォルテッシモであった。
彼の視線の先には、白いタキシードに身を包んだ優男が立っていた。魔女教大罪司教「強欲」担当、レグルス・コルニアス。
彼の背後には、怯えた表情を浮かべる白装束の女性——彼が「妻」と呼ぶ存在が3人、縮こまるように寄り添っている。
「ふむ……。君がこの惨状の原因かい?」
口笛を止め、フォルテッシモが余裕の笑みを浮かべて問いかけると、レグルスは深い溜息をつき、ひどく苛立った様子で髪を掻き毟った。
「あのさぁ、僕だって君が口笛を吹きながら歩きたいって気持ちは理解できるよ? 音楽を嗜むってのは心の余裕の表れだし、そういう趣味を持つこと自体は尊重されるべきだからね。僕ってすごく寛大だから、他人の趣味嗜好にとやかく言うつもりはないんだ。でもさ、一般的に考えて、見ず知らずの他人の前で堂々と音を鳴らすのって、マナーとしてダメだよね? 相手が不快に思うかもしれないって想像力がないわけ? なんで僕が君のその中途半端なワーグナーを聞かされなきゃならないんだよ! そもそも僕の静寂を奪うってどういう神経してるの!? それってさぁ、この世で最も満たされていて、無欲で、ただ妻たちと平穏に過ごしたいだけである僕の、静かな時間を過ごす権利の侵害だ!!」
「なるほど、それは申し訳ない」
フォルテッシモは全く悪びれる様子もなく肩をすくめた。
その態度がレグルスの逆鱗に触れる。レグルスが無造作に足元の小石を蹴り上げた瞬間、それは物理法則を完全に無視した破壊の弾丸と化し、音速を超えてフォルテッシモの眉間へと迫った。 - 42二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 17:07:15
——しかし、小石はフォルテッシモの頭部を「すり抜け」、後方の廃ビルを一直線に消し飛ばした。
「……ほう?」
レグルスは目を丸くする。
「面白い能力だ。だが、当たらない攻撃に意味はないよ」
フォルテッシモは自身の周囲の空間の位相をずらし、一切の物理的干渉を無効化していた。彼は静かに右手を上げ、レグルスを真っ直ぐに指差した。
その瞬間、レグルスを取り巻く空間そのものに「歪み」が生じ、別次元へと削り取るような絶死の空間断裂が襲い掛かる。あらゆる防壁を無視する最強の攻撃。
だが、空間が歪み、抉り取られたその中心で、レグルスは無傷のまま立っていた。
「……なるほど。空間ごと干渉しても無傷か。君の肉体は今、この世界から切り離されているとでも言うべき状態にあるようだね」
「僕の権利を脅かすなんて、ほんと野蛮で教養のない奴だね」
レグルスが息をするように手を振るうと、空気が固定され、見えない刃となって全方位からフォルテッシモに降り注ぐ。
フォルテッシモは空間の罅(ひび)を操り、ある攻撃はすり抜けさせ、ある攻撃は位相をずらして逸らしていく。
(奇妙だ)と、フォルテッシモは冷徹に分析する。
(彼の攻撃は凄まじいが、彼自身には生命活動の揺らぎ……呼吸や脈動すら感じられない。まるで時間が止まっているかのようだ。完全なる防御と絶対の攻撃……だが、それほど強大な力に代償がないはずがない)
フォルテッシモの眼——空間の「罅」や「繋がり」を知覚するスライダーの視界が、ある違和感を捉えた。 - 43二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 17:08:42
レグルスの肉体から、背後で震える3人の女性たちへ向かって、見えない**「空間の糸(パス)」**のようなものが繋がっていたのだ。
(なぜ、彼があれほどの広範囲攻撃を行っても、背後の女性たちは全く巻き込まれない? そして、彼と彼女たちを繋ぐこの不可視の歪みは何だ……?)
フォルテッシモには、レグルスが「妻の心臓に自身の心臓を預けている(小さな王)」ことなど知る由もない。だが、空間を自在に操る彼にとって、その**「異常な空間の繋がり」**は明確な標的だった。
「君の能力の正体は分からない。だが……その不自然な『繋がり』は、断たせてもらおう」
フォルテッシモが指先を滑らせる。
彼が操った空間の断層が、レグルスと女性たちの間に引かれた見えないパスを、空間ごと真っ二つに切断した。
「なっ……!?」
その瞬間、レグルスの顔に初めて驚愕と苦悶の色が浮かんだ。
女性たちとの繋がりを絶たれたことで、無制限だった『獅子の心臓』の負荷が、一気にレグルス自身の心臓へと跳ね返ってきたのだ。
「僕の……僕の所有物に、何をした……ッ!!」
レグルスは激昂し、無数の土砂を蹴り上げて全方位攻撃を仕掛ける。
しかし、彼の顔は赤黒く染まり、その目は血走っていた。心臓の繋がりを断たれた彼は、自身の心臓を止め続けられる数秒間しか、その無敵の権能を維持できない。
「苦しそうだね。やはり、あの繋がりが君の力の要だったか」
フォルテッシモは空間を滑るように攻撃を回避しながら、冷酷にその時を待った。
一秒、二秒、三秒——。
遂に限界を迎え、レグルスが肺に酸素を取り込もうと、無意識に『獅子の心臓』を解除した。時間が動き出し、無敵が解けたそのほんの一瞬の隙。
「チェックメイトだ」
フォルテッシモの指先が、再びレグルスを指し示した。
空間の歪みが炸裂し、レグルス・コルニアスの肉体は抵抗する間もなく空間ごと切り取られ、別次元の彼方へと消し飛ばされた。
瓦礫の山に、再び静寂が戻る。
背後に残された女性たちがへたり込む中、フォルテッシモは再び『マイスタージンガー』の口笛を吹き鳴らしながら、何事もなかったかのようにその場を後にした。 - 44二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 17:10:06
うーむパス切られると無力だな
次は>>47にします
- 45二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 17:10:19
フォルテッシモとブギーが混ざってる感じだな
- 46二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 17:12:00
カシミヤ
<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム-
- 47二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 17:12:06
エンリコ・プッチ(メイド・イン・ヘブン)
- 48二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 17:23:13
交わらない無敵と加速
空を太陽が狂ったような速度で駆け抜け、昼と夜が瞬きする間に切り替わっていた。
木々は数秒で枯れ落ち、石畳は風化して砂へと変わり、あらゆる非生物の時間が猛烈な勢いで過ぎ去っていく。
「時は加速する……! 誰も私に追いつくことはできない!」
エンリコ・プッチ神父は、己の背後に顕現した上半身が人間、下半身が馬という特異なビジョン——『メイド・イン・ヘブン』と共に、神速の領域を疾走していた。
宇宙の時を無限に加速させ、世界を一巡させる。それが彼にとっての「天国」への到達だった。
だが、極限まで加速した視界の中で、プッチは奇妙な光景を目にする。
風化して崩れゆく大地の中心で、一切の「時の加速」の影響を受けていない男が立っていたのだ。白髪の痩せぎすな青年と、その後ろで怯えてすがりつく二人の美しい少女たち。
「む……? なぜ奴らは加速する世界の影響を受けていない? まさか、ジョースターの血統の者か……いや、違う」
不確定要素を排除すべく、プッチは神速の機動のまま男——強欲の大罪司教、レグルス・コルニアスの背後に回り込み、光をも置き去りにする手刀をその首筋へ振り下ろした。
ガァァァンッ!!
「ぬうっ!?」
手応えは、硬い岩でも鋼鉄でもなかった。
プッチの手刀は、レグルスの薄皮一枚すら傷つけることができず、見えない壁にでも弾かれたかのように指の骨が軋んだ。神速の威力が、完全に「無」に帰されたのだ。
レグルスはゆっくりと振り返り、酷く苛立った顔でプッチを睨みつけた。 - 49二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 17:24:23
「あのさぁ。君がどれだけ速く動けるのかは知らないけど、見ず知らずの他人にいきなり危害を加えるなんて、どういう教育を受けてきたのかな? まあ、僕も寛大な心を持っているから、初めての無礼なら許してあげなくもないんだよ。人間誰しも間違いはあるし、見知らぬ現象に戸惑って周りが見えなくなることもあるだろうからね。でもさ、いくら混乱しているからって、他人の体を勝手に傷つけようとするのは一般論として絶対にダメなことだよね? 痛いとか痛くないとかそういう次元の話じゃなくて、他者への最低限の敬意が欠如している。だいたいなんだよその頭の上の変な馬の化け物は! 目にも止まらない速さでウチョロチョロと僕の視界をチラついて、本当に目障りなんだよ! 僕が静かに妻たちと散歩を楽しみたいだけなのに、勝手に世界の時間を早回しして、挙句の果てには僕に切りかかってくるとか正気の沙汰じゃない! それってさぁ、この世で最も満たされていて、誰にも脅かされることのない僕の平穏という名の絶対的な権利の侵害だ!!」
レグルスが怒りに任せて足元の砂利を蹴り飛ばした。
『獅子の心臓』によって時間を止められ、あらゆる物理法則を無視した絶対的な破壊力を持つ散弾がプッチへと襲いかかる。
「遅いッ!」
しかし、プッチはメイド・イン・ヘブンの圧倒的な速度でその散弾の軌道を容易に見切り、残像すら残さずに回避した。
レグルスの蹴り飛ばした砂利は後方の山を紙屑のように吹き飛ばしたが、神父には掠りもしない。
「どんな能力かは分からんが、私の加速された攻撃すら受け付けない絶対不可侵の存在か。……ならば、相手にする必要もない」
プッチはレグルスの権能の正体を見破ることを早々に放棄した。彼に傷をつけることは不可能。だが、レグルスの直線的な攻撃が神速のプッチを捉えることもまた不可能だった。
「待てよ! 話は終わってないぞ!」
「時はさらに加速する! 宇宙は特異点へと向かうのだ!」 - 50二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 17:26:02
プッチはレグルスを完全に無視し、さらに時の加速を推し進めた。
数日、数ヶ月、数百年という時間がほんの数秒で経過していく。やがて天体は流星群のような光の帯となり、宇宙そのものが限界を迎えた。
——そして、世界は「特異点」を突破した。
全てが溶け合い、全宇宙の物質と生物が、体験した運命を携えたまま「新しい宇宙(一巡後の世界)」へと再構築されていく。
レグルスの背後にいた二人の妻、そして世界中のどこかにいるはずの数十人の妻たちもまた、宇宙の絶対的な法則に従い、巨大な運命の奔流に巻き込まれて新しい宇宙へと移行していった。
……ただ一人、レグルス・コルニアスを除いて。
「なっ……なんだ、これは!?」
レグルスは『獅子の心臓』により、自分自身の時間を完全に静止させていた。
それゆえに、彼は宇宙の再構築という概念的・次元的な干渉すらも完全に弾き返してしまったのだ。結果として、彼は新しい宇宙への波に乗れず、崩壊し消滅した「旧宇宙」の虚無の座標にただ一人、取り残される形となった。
その瞬間、彼の中で何かが「プツリ」と切れる音がした。
「あ……?」
彼と妻たちの心臓を繋いでいた『小さな王』のパス。
妻たちが新しい宇宙に存在し、レグルスが旧宇宙の狭間にいる以上、その繋がりを維持することは不可能だった。次元と宇宙の断絶が、不可視のパスを強制的に引きちぎったのだ。
繋がりが切断されたことで、レグルスに心停止のカウントダウンが始まる。
『獅子の心臓』の無敵状態を妻なしで維持できるのは、自身の心臓が耐えられる限界——わずか「数秒」のみ。
「嘘だ、僕の……僕の権利が……!」
虚無の空間で、レグルスはもがき苦しむ。
ここで権能を解除すれば、宇宙創生の凄まじいエネルギーの渦に巻き込まれて即死する。しかし解除しなければ、自らの心臓が止まって死ぬ。
どちらを選んでも、彼を待っているのは確実な死だった。
「あ、あああぁぁぁぁッ!!」
五秒後。
無敵の暴君の心臓は限界を迎え、誰に看取られることもなく静かに活動を停止した。
神父が彼の不可侵の秘密を見破ることは最後までなかった。ただ、己の時間を止めて世界を拒絶し続けた男は、時を加速させ世界を進めた男の副産物として、独り自滅したのである。
彼方で、プッチ神父は新たな宇宙の目覚めを感じながら、静かに天国の時を迎えていた。 - 51二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 17:27:09
- 52二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 17:28:29
レグルスの場外負け…?このパターン初めて見たわ
次は>>56で
- 53二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 17:36:55
キョウリュウジャー
- 54二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 17:41:20
オティヌス(とある魔術の禁書目録)
- 55二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 17:51:40
両面宿儺
- 56二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 17:51:59
超ベビー2(ドラゴンボールGT)
- 57二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 17:56:15
【クロスオーバー小説】獅子の心臓 vs ツフル人の王
荒野と化した大地で、二つの異質な存在が対峙していた。
宙に浮かぶのは、サイヤ人への復讐に燃えるツフル人の王・超ベビー2。そして地上に立つのは、純白の衣装を纏った魔女教大罪司教『強欲』担当、レグルス・コルニアスである。レグルスの背後には、虚ろな目をしたウェディングドレス姿の妻が3人、静かに控えていた。
「ツフル人の偉大なる王であるこのベビー様に、その程度の石ころで挑もうというのか? 愚劣な人間め!」
ベビーは嘲笑とともに、指先から無数の気弾を放った。大地をえぐり、山を吹き飛ばすほどの閃光がレグルスを包み込む。
しかし、土煙が晴れた後には、服の裾一つ乱れていないレグルスの姿があった。
「……何?」
ベビーが眉をひそめた瞬間、レグルスが足元の砂利を軽く蹴り飛ばした。
何の気も込もっていないはずのただの砂利が、ベビーの張っていた気の防壁を紙のように貫通し、超ベビー2の屈強な肩の肉をえぐり取った。
「グアァッ!? バ、バカな……私の強靭な肉体が、ただの砂利で……!?」
痛みに顔を歪め、急速に傷を再生させるベビーを見上げながら、レグルスは大きくため息をついた。
「あのさぁ、君が自分の攻撃が全く効かなくて混乱したり、防衛本能から躍起になる気持ちはわかるよ。誰だって未知の事象にはパニックになるものだし、僕も寛大な心を持っているから、最初の無礼な振る舞いは大目に見てあげてもいいと思ってるんだ。でもさ、一般的に考えて、相手が反撃もせずにじっと立っていてあげているのに、それをいいことに何度も何度も野蛮な光線を浴びせ続けるのって、単純に常識や礼儀が欠如しているってダメなことだよね? だいたい何なんだいその態度は!? 僕を見下しているのか!? 僕を試しているのか!? そうやって無駄な足掻きを続けて僕の心を乱そうとしたって無駄だ、僕は既に完成しているんだから! それってさぁ、この世で最も満たされていてこれ以上何も求める必要のない完全な存在である僕の、平穏に過ごす権利の侵害だ!!」 - 58二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 17:57:15
激昂したレグルスが腕を振るうと、大気の断層が真空の刃となって飛び、ベビーの背後にあった岩山を跡形もなく消し去った。
ベビーは戦慄した。気が読めないのではない。相手の攻撃には一切のエネルギー反応がないのに、触れたものを絶対的に破壊する。そして自身の気弾は、相手の皮膚に触れる直前で「停止」しているように見えた。
(物理攻撃も気も通じない。だが……なぜ背後の女共は無傷なのだ?)
ベビーの鋭い観察眼が、レグルスの背後で微動だにしない3人の妻を捉えた。レグルスには防御壁の類が張られている様子はない。だとすれば、あの女たちに秘密があるのか。
「フン……ならば、こうしてやる!」
ベビーは自身の身体の一部を液状化させ、気弾に紛らせて妻の一人へ向けて放った。液状化したベビーの細胞は、瞬時に妻の傷口から体内へと侵入し、その肉体と精神を乗っ取った。妻の顔にツフル人特有の赤いラインが浮かび上がる。
寄生した妻の体内から情報を引き出そうとしたベビーは、そこで**「異常な違和感」**に気がついた。
(……なんだ、この女の心臓は? 物理的な鼓動とは別に、見知らぬ他者の心臓の鼓動が……『繋がって』いる?)
ベビーは全宇宙でも類を見ない「寄生」のスペシャリストである。他者の細胞に侵入し、遺伝子レベルで支配する彼だからこそ、その魔女の瘴気による極めて不可視なパス(繋がり)の存在を、内側から完全に理解した。
(なるほど……貴様自身の時間を止めて無敵になっている間、自分の心臓の鼓動をこの女たちに押し付けているのだな。まさか、この私と同じ『寄生型』の能力だったとはな。私がこの女の内部に入らなければ、絶対に見破れなかっただろう)
さらにベビーは、妻の精神ネットワークを通じて、この場にいない数十人の妻たちの存在も感知した。
「ハハハハハ! 種掛けはわかったぞ、小賢しい寄生虫め!!」
「……あ? 君、いきなり何を言って……」
「ツフル人の科学力と細胞支配を舐めるなよ!」 - 59二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 17:58:29
ベビーは寄生した妻の心臓に自身の強力な気を流し込み、レグルスの心臓と繋がっているパスを内側から強制的に焼き切った。さらに、残る2人の妻の胸を光線で撃ち抜き、即座に絶命させる。
「なっ……僕の妻たちを……! 僕の所有権を……!!」
「残るパスは、どこか遠くにいる女たちのものだけ。ならば、この星ごと消し飛ばしてやるまでのこと!!」
ベビーは遥か上空へと飛翔し、両手を天に掲げた。暗黒のエネルギーが急激に膨れ上がり、巨大な黒い球体へと成長していく。全人類の悪意を集めた必殺技。
「消え去れ!! リベンジデスボール!!」
巨大な絶望の塊が、空を覆い尽くして落下してくる。
この星が吹き飛べば、遠方にいる全ての妻も死に絶え、レグルスの権能は完全に解除される。
「ふざけるなふざけるなふざけるな!! 僕の平穏を、僕の権利をォォォ!!」
レグルスはついに、自身の中にある『獅子の心臓』を止めた。
外部の妻への依存を捨て、自身の心臓を止めることで発動する、タイムリミット5秒の絶対無敵状態。
「1秒!」
レグルスは大地を蹴り、圧倒的な速度で空中のベビーへと一直線に向かう。
「2秒!」
頭上に迫る巨大なリベンジデスボール。レグルスは止まった時間の中で、その致死のエネルギーをまるで水面を割るように強引にすり抜けた。
「3秒!」
ベビーの目の前に到達。
「4秒!」
レグルスの右腕が、ベビーの首を刎ね飛ばそうと薙ぎ払われる。
しかし、超サイヤ人をも凌駕する超ベビー2の戦闘スピードと反射神経が、ギリギリのところで死を回避した。レグルスの手刀はベビーの胸元の装甲と片腕を消し飛ばすにとどまる。
「5秒……!!」
その瞬間、レグルスの心臓が限界を迎え、強制的に鼓動を再開した。
『無敵の権能』が解けた。
「……あ、ガッ……!?」
呼吸を求めたレグルスの全身を、リベンジデスボールの余波と、ベビーの放つ圧倒的な気のオーラが容赦なく蹂躙した。
無敵を失ったレグルスの肉体は、ただの人間と何ら変わりない。抗う術もなく、彼の体は悲鳴を上げる間もなく光の中に呑み込まれ、塵一つ残さず消滅した。
ドオォォォン……!!
その後、大地をえぐった爆発の煙が晴れる。
片腕を失いながらも、ツフル人の再生能力で傷を塞いだベビーが、冷酷な笑みを浮かべて宙に漂っていた。
「私の前で寄生を語るなど、100年早い。宇宙を統べるのは、このベビー様だ」 - 60二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 18:01:50
次は>>75で
- 61二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 18:05:22
間違えた>>65で
- 62二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 18:07:22
上条
- 63二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 18:10:32
巨大コーウェン&スティンガー(インベーダー)
- 64二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 18:26:26
あやとり様
- 65二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 18:26:30
日車寛見
- 66二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 18:50:27
【掌編小説】法と強欲の天秤
瓦礫と化した街路の中心に、その男は立っていた。
魔女教大罪司教『強欲』担当、レグルス・コルニアス。彼の背後には、光を失った瞳で立ち尽くす白装束の妻が3人だけ侍らされていた。
「君、邪魔だよ。僕と妻たちの静かな散歩道を塞がないでもらえるかな」
レグルスの前に立ち塞がっていたのは、黒いスーツに身を包んだ弁護士、日車寛見だった。日車は無言のまま、手にしたガベル(木槌)をレグルスへと振り下ろす。
しかし、ガベルはレグルスの頭上に届く数センチ手前で、見えない壁にぶつかったかのように弾き返された。
「……ッ!」
日車がたたらを踏むと同時に、レグルスが軽く足元の小石を蹴り飛ばした。ただの小石が物理法則を完全に無視した散弾と化し、日車の脇腹を掠めて背後のビルを軽々と貫通する。
(なんだ、今の防御と攻撃は……。呪力による強化の次元じゃない。物理的に干渉が不可能な状態になっているのか?)
日車は即座に悟った。相手の防御のカラクリを推測しようにも、現状の手札と視覚情報だけでは到底見破ることはできない。ならば、自分の土俵に引きずり込むまでだ。
日車はガベルを持ち直し、印を結んだ。
「領域展開――『誅伏賜死(ちゅうぶくしし)』」
途端に周囲の空間が歪み、静寂に包まれた法廷が構築された。
レグルスは突如として被告席に立たされ、日車は検事席に立つ。そして二人の頭上には、巨大な式神『ジャッジマン』が目を光らせていた。
「この空間では一切の暴.力行為が禁止される」
日車が告げると同時に、ジャッジマンが機械的な声で罪状を読み上げた。
『レグルス・コルニアス。多数の人間を理不尽に殺.害し、さらには複数の女性を不当に監禁・略取した疑いがある』
その言葉を聞いた瞬間、レグルスの顔から余裕が消え、不快感が露わになった。彼は大きく息を吸い込み、口を開く。 - 67二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 18:51:29
「あのさぁ、君が急に変な空間に僕を引きずり込んだことについては、僕も寛大な心で許してあげるよ。誰にだって間違いはあるし、見知らぬ相手とのコミュニケーションで距離感を間違えることは往々にしてあるからね。でもさ、一般的に考えて、いきなり見ず知らずの人間を裁判にかけるだなんて常識がないにも程があるよね? そもそも他人の人生を勝手に裁こうとするその傲慢さはどういう教育を受けたら身につくわけ? だいたい君の連れているその気味の悪い化け物、なんなの? 僕を誰だと思ってるの? 魔女教大罪司教『強欲』担当、レグルス・コルニアスだぞ? それを証拠だの有罪だの、勝手な理屈で僕を縛ろうとするなんて頭がおかしいんじゃないの!? それってさぁ、この世で最も満たされていて何一つ不自由のない僕の、誰にも邪魔されず平穏に生きる権利の侵害だ!」
息継ぎすら忘れたような早口でまくしたてるレグルス。しかし、この領域において被告人の身勝手な主張や、自身の行いを正当化する詭弁は「自白」あるいは「反省の欠如」として扱われる。
ジャッジマンの天秤が、大きく傾いた。
『有罪(ギルティ)。没収(コンフィスケイション)。――死刑(デスペナルティ)』
判決が下った瞬間、領域が解除され、二人は再び元の瓦礫の街へと戻った。
「ハッ、何が死刑だ! 僕を傷つけられるものなんてこの世に……ッ!?」
その時、レグルスの顔が驚愕に歪んだ。
彼の権能『小さな王』によって背後の妻たちに寄生させていた心臓のパスが、ジャッジマンの『没収』のペナルティによって強制的に切断されたのだ。自分の胸の奥で、ドクン、ドクンと鼓動が打つ感覚。妻たちとの繋がりが断たれたことを悟ったレグルスは、激しい怒りに顔を真っ赤に染めた。 - 68二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 18:52:41
「僕の……僕の妻たちとの愛の結びつきを……よくも!!」
パスが切れても、彼にはまだ最後の手段があった。自らの心臓を物理的に止めることで、数秒間だけ『獅子の心臓』の無敵状態を強引に発動させることだ。
レグルスは自らの心臓を止め、時間の止まった無敵の肉体で日車へと一直線に突進した。あらゆる防御をすり抜ける必殺の一撃。
しかし、日車の手にはすでに『処刑人の剣』が握られていた。
日車は突進してくるレグルスに対し、一切怯むことなく剣を突き出す。
無敵状態のレグルスの腕が日車の体を貫こうとした瞬間――それよりもわずかに早く、処刑人の剣の切先がレグルスの胸に触れた。
処刑人の剣は、物理的なダメージを与える武器ではない。「斬った相手を必ず死に至らしめる」という絶対的なルールの執行である。
無敵の肉体であろうと、対象が剣に触れた時点で「死刑」の概念が魂に直接実行された。
「あ……れ……?」
レグルスの時間が動き出す。彼の心臓が再び動くことはなく、その瞳から光が急速に失われていった。
無敵の強欲は理解の及ばぬまま崩れ落ち、瓦礫の上に冷たい骸となって横たわった。
背後にいた3人の妻たちは、ただ静かに、その呪縛から解放されたのだった。 - 69二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 18:57:03
次は>>73で
- 70二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 18:58:26
スターオーシャン ミカエル
- 71二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 18:59:28
マスクオブアイス
- 72二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:00:44
シグマ隊長
- 73二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:00:48
ゴリラ(TOUGH外伝 龍を継ぐ男)
- 74二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:01:33
なにっ マネモブ
- 75なにこれ26/03/10(火) 19:04:07
木漏れ日が差し込む静かな森の中。
魔女教大罪司教『強欲』担当、レグルス・コルニアスは、連れ歩く3人の妻——第28番目、第53番目、第78番目——を従え、優雅な散歩を楽しんでいた。
彼の足取りは軽く、その精神はどこまでも自己完結した平穏の中にあった。
しかし、その平穏は突如として現れた「黒い巨壁」によって遮られる。
「……ウホッ」
そこにいたのは、筋骨隆々という言葉すら生ぬるい、異常なまでに発達した大胸筋と僧帽筋を持つ巨大な霊長類——ゴリラであった。
動物園から逃げ出したのか、あるいは野生のまま独自の進化を遂げたのかは定かではない。かつて裏格闘技界の重鎮である男を赤子のように叩きのめしたそのゴリラは、目の前のレグルスを見下ろし、威圧的にドラミングを始めた。
ドゴォン! ドゴォン! ドゴォン!
森を震わせるような腹に響く打撃音。それに怯え、後ろに控える3人の妻たちが肩をビクッと震わせる。
レグルスは立ち止まり、大きなため息を吐いてから、口を開いた。
「あのさぁ、君が言葉を持たない獣であっても、僕は等しく権利を尊重するつもりだよ。知性の有無で差別するような真似はしない。それが僕の寛容さであり、美徳だからね。でもさぁ、だからといって、人に無断で道を塞いでいい理由にはならないよね。いくら動物とはいえ、社会のルールや他者への配慮というものがあるんじゃないかな。ーーーなのに君は! ウホウホとかドスドスとか、野蛮な音を立てて僕のパーソナルスペースを犯して! 妻たちとの静かな散歩の時間をぶち壊して! 僕の尊厳を踏みにじった! 挙げ句の果てに胸を叩き鳴らして威嚇するなんて、一体どういう教育を受けてきたんだい!? 僕が少しでも驚いて心臓を悪くしたらどう責任を取るつもりなのかな!? ああ、信じられない! どこまで僕を愚仮にすれば気が済むんだ! それってさぁ、この世で最も満たされていて最も完成されている僕の、平穏に歩く権利の侵害だ!」 - 76二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:05:18
レグルスの長大なまくし立てが森に響き渡る。
しかし、相手はゴリラである。人間の言葉など知ったことではない。
ゴリラはレグルスの理屈など一切意に介さず、ただ眼前のうるさい小動物を排除すべく、その丸太のような豪腕を無造作に振り下ろした。
「ふん、無知な獣め。僕の体に触れることすら——」
レグルスは嘲笑し、権能『獅子の心臓』を発動させる。
彼の肉体の時間は停止し、いかなる物理法則をも無視する絶対不可侵の存在へと変貌した。彼は自分の心臓を、屋敷に残した妻たちや、今背後にいる3人の妻たちに寄生させている。そのため、時間停止の副作用である心停止の影響を一切受けず、無限にこの無敵状態を維持できるのだ。
どれほどの怪力であろうと、止まった時間を動かすことはできない。ゴリラの拳はレグルスの頭上に触れた瞬間、無様に砕け散る……はずだった。
メキィィィィィィッ!!!
「……は?」
レグルスの口から、間抜けな声が漏れた。
ゴリラの拳がレグルスの頭部に触れた瞬間。停止した時間という名の「絶対的な壁」が、ゴリラの凄まじい筋力と質量によって物理的に軋み始めたのだ。
霊長類最強の生物、ゴリラ。
その握力は500kgを優に超え、腕力は未知数。細かい理屈や魔法の概念など、圧倒的な「野生の暴力」の前では紙切れ同然。ゴリラの筋肉は、レグルスを覆う『時間停止の枠組み』そのものを力任せに押し潰そうとしていた。
「な、なんだいこの理不尽な力は!? ぼ、僕の時間は止まっているはずだ! なのに、どうして押し込まれているんだい!?」
「グオオオオオッ!!」
ゴリラは両手でレグルスの両肩をガシリと掴んだ。
当然、レグルスの体は時間停止によって固定されており、持ち上がるはずがない。地球そのものを持ち上げるようなものだ。
しかし、ゴリラは大地ごと引っこ抜く勢いで腕力を爆発させた。
ゴボァッ!
レグルスの足元の地面が数十メートル四方にわたってすり鉢状に崩壊し、ゴリラはレグルスの身体を固定空間の座標ごと強引に持ち上げてしまったのである。
心臓のパスは繋がったままであり、権能の仕組みは見破られていない。ただ純粋に、ゴリラのパワーがレグルスの権能のキャパシティを物理的に凌駕してしまったのだ。 - 77二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:06:24
「や、やめろ! 離せ! 僕の権利をなんだと思っ——」
ゴリラはそのまま、持ち上げたレグルスを大木に向かってフルスイングで叩きつけた。
ドバキィィィィン!!
「ぎゃああっ!?」
時間停止状態であるためレグルス自身にダメージは入らないが、叩きつけられた衝撃と激しい遠心力で三半規管がメチャクチャに揺さぶられる。ゴリラは止まらない。まるで子供が人形を振り回すように、右へ左へ、岩へ地面へとレグルスを滅多打ちにする。
「あああああ! 妻たち! 妻たち助け……いや、危ないから離れて! 僕の所有物が壊れちゃう!」
背後の妻3人は、あまりの理不尽な光景に声も出ず、ただ震えながらその場に立ち尽くしていた。ゴリラは妻たちには一切興味を示さず、ひたすらに手の中のレグルスをタコ殴りにし続ける。
そして数分後。
すっかりボロボロのサンドバッグと化したレグルス(外傷はないが、揺さぶられすぎて完全に目を回している)を、ゴリラは天高く放り投げた。
「ウホオオオオオオオッ!!」
落ちてきたレグルスの腹部に、ゴリラの渾身のドロップキックが炸裂。
**ドゴォォォォォォォォォォン!!!**という爆発音と共に、レグルスの身体は停止した時間の枠組みごと弾き飛ばされ、木々をなぎ倒しながら、遥か彼方の山脈の向こうへと文字通り「星」となって消えていった。
「ぼ、僕の権利があああああああああああ………………(キラッ)」
後に残されたのは、静けさを取り戻した森と、呆然と立ち尽くす3人の妻たち。
ゴリラは「ふぅ」と鼻息を一つ吐くと、胸を張ってドラミングを一度だけ行い、何事もなかったかのように森の奥へと去っていった。
妻たちは顔を見合わせ、やがてゴリラが去っていった方向に向かって、深々と一礼をするのだった。
【決着】勝者:ゴリラ(リングアウト勝ち) - 78二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:07:05
ただ純粋に、ゴリラのパワーがレグルスの権能のキャパシティを物理的に凌駕してしまったのだ。
えっ - 79二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:07:21
えぇ……?
- 80二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:07:53
なんじゃこりゃぁ あのゴリラ幻魔には弱いくせに物理は強いんやな
次は>>83で
- 81二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:08:24
う、嘘やろこんなことが…
- 82二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:08:44
白鯨(エイハブ)
- 83二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:08:49
トキヲ・ウバウネ
- 84二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:10:07
- 85二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:13:18
異世界の空間が歪み、交わるはずのない二つの存在が対峙していた。
どんよりとした紫色の雲が渦巻く奇妙な空間。その中心に浮遊しているのは、巨大な杖を持ち、禍々しいオーラを放つ老婆の妖怪――トキヲ・ウバウネ。
そして彼女の前に立つのは、場違いなほど真っ白な衣服を身に纏った銀髪の青年、魔女教大罪司教『強欲』担当のレグルス・コルニアスである。彼から少し離れた後方には、感情を失ったように虚無の表情を浮かべる美しい少女たちが3人、彼の「妻」として侍っていた。
「お前たちの時間、スベテ奪ってやるだヨ〜ン!」
ウバウネは甲高い笑い声を上げながら、手にした杖を振り下ろした。彼女の能力である『時間を奪う』妖気が、不可視の波となってレグルスを襲う。周囲の枯れ木は瞬時に風化し、大地はひび割れていく。
しかし、レグルスの体には何の変化も起きなかった。髪の毛一本すら揺れず、彼が纏う白い服の裾さえも、妖気を完全に無視して静止している。
「……はぁ? なんでお前には効かないんだヨ〜ン!? ワタクシの時間を奪う力が通用しないなんて、生意気な小僧だヨ〜ン!」
ウバウネが苛立ちとともに放った無数の『ウバッチョ光線』がレグルスに直撃するが、それらもすべて彼の皮膚に触れる直前で霧散した。レグルスは『獅子の心臓』の権能により自身の時間を停止させており、あらゆる外的干渉を物理法則ごと拒絶する無敵状態にあった。ウバウネは、彼が遠く離れた妻たちに心臓を寄生させていることなど知る由もない。
攻撃を防がれたことに苛立つウバウネを前に、レグルスは深々とため息をつき、ひどく不機嫌そうに口を開いた。 - 86二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:14:22
「あのさぁ。君が自分の満たされない過去だか何だかのせいで、他人の時間を奪ってやりたいって衝動に駆られる気持ちはわかるよ? 僕だって無駄な時間を過ごすのは嫌いだし、他人の事情には一定の理解を示してあげられる寛大で慈悲深い心を持っているからね。でもさ、初対面の相手に対していきなり攻撃を仕掛けて『時間を奪う』なんて、一般常識に照らし合わせてみても礼儀知らずで絶対にやってはいけないダメな行為だよね? だいたい何なんだいその『だヨ〜ン』ってふざけた語尾は! 僕という完成された存在を前にしてその態度はふざけているのか! 馬鹿にしているのか! 僕の言葉を待たずに勝手に光線を撃ちまくって一方的に時間を奪おうとするなんて、それってさぁ! この世で最も満たされていて、一切の欠落がなく、誰の助けも必要としない完成された存在である僕の、平穏な日常を謳歌し、敬意を持って接せられるべき正当な権利の侵害だ!!」
怒りに顔を歪ませたレグルスは、無造作に足元の小石を蹴り飛ばした。
時間の止まった小石は、絶対的な破壊力を持つ凶弾となってウバウネの肩を掠め、その背後にあった空間の壁を消し飛ばした。
「痛いヨ〜ン!? な、なんだいあの攻撃は……ただの小石がこんな威力を……!」
ウバウネは焦りを見せながらも、巨大な妖気を練り上げ始めた。レグルスの能力の正体(心臓の寄生)には全く気づいていないウバウネだったが、妖怪としての本能が告げていた。目の前の青年から直接時間を奪えないのなら、周囲の空間ごと、彼を形作る"すべて"の時間を根こそぎ奪い尽くすしかない、と。
「スベテ・ホロビルネ……お前も、後ろにいる小娘たちも、この空間の未来も! スベテ奪ってやるだヨ〜ン!!」
ウバウネが放ったのは、空間そのものの時間を急激に進め、寿命と活力を強制的に奪い取る広範囲絶望攻撃『トキヲかけるババア』の全力だった。
漆黒の霧が周囲一帯を呑み込む。
当然、レグルス自身には一切の影響はなかった。しかし、その後方に控えていた3人の妻たち、そしてその繋がり(パス)は別だった。 - 87二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:15:31
ウバウネの能力は、単なる物理攻撃ではない。対象が持つ「時間」という概念そのものを奪う妖力である。レグルスから時間を奪おうと干渉したウバウネの妖気は、レグルスの止まった時間には弾かれたものの、彼を無敵たらしめている**『小さな王』のパスの先――すなわち、彼が時間を押し付けている妻たちの心臓**へと、繋がりを伝って逆流してしまったのだ。
「……あ……」
背後にいた3人の妻たちは、一瞬にして数十年の時を奪われ、白髪の老婆へと干からび、そのまま心臓を止めて崩れ落ちた。さらにウバウネの妖力は空間を超え、レグルスが世界各地に囲っていた残りの妻たちの時間すらも、パスを伝播して強制的に奪い尽くしてしまった。
ウバウネ自身はレグルスの権能を見破ったわけではない。「ただ周囲と繋がっているスベテの時間を奪い尽くした」だけだった。だが結果として、レグルスの無敵を支えていた『妻たち全員の心臓』が停止し、心臓の繋がりが完全に断たれてしまった。
「無駄だって言ってるだろう! 僕の息の根が止まるまで、僕の時間は止まり続けるんだよ!」
背後の妻たちの全滅に気づいていないレグルスは、自身の勝利を確信してウバウネへと突進した。
パスが切れても、レグルスは数秒間なら無敵のまま『獅子の心臓』を維持できる。彼はそのままウバウネの懐に潜り込み、彼女の腹部に腕を突き刺そうとした。
――その、瞬間。
「……ガ、ハッ……!?」
レグルスの口から、大量の鮮血が吐き出された。 - 88二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:16:31
無敵を維持できる限界の数秒を過ぎたのだ。妻という身代わりを失った状態での時間停止は、彼自身の心臓を強烈に締め付け、自らを内部から破壊する自殺行為へと変わった。
「な、んで……僕の、権利が……僕の、心臓が……ッ!!」
胸を掻きむしり、信じられないものを見る目で血を吐きながら倒れ込むレグルス。その心臓は、自らの権能の代償に耐えきれず、完全に潰れていた。
「……よく分からないけど、隙だらけだヨ〜ン!」
ウバウネはその機を逃さなかった。巨大な爪を振り下ろし、自滅して動けなくなったレグルスの体を無慈悲に引き裂き、彼の残された『命の時間』を最後の一滴まで奪い尽くした。
「ワタクシの勝ちだヨ〜ン! やけにうるさい小僧だったけど、たっぷり時間を頂戴したヨ〜ン!」
高笑いするウバウネの足元で、無欲を自称し、自らの権利を主張し続けた強欲な青年は、誰の理解も得られないまま静かにその命を散らしたのだった。 - 89二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:18:17
ウバウネって強かったんだな
次は>>95にします
- 90二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:19:09
ガノンドロフ
- 91二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:20:08
ニズゼルファ
- 92二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:20:09
ゲノセクト
- 93二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:21:19
ヤミ団長
- 94二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:22:36
魔王ムドー
- 95二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:22:41
クトゥルフ
- 96二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:22:45
ダークドレアム
- 97二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:26:17
獅子の心臓 vs 狂気の這い寄る混沌
霧が立ち込める薄暗い海岸線を、強欲の大罪司教レグルス・コルニアスは歩いていた。彼の後ろには、うつむき加減で付き従う3人の「妻」たちの姿がある。
突如として、海面が異常な泡立ちを見せ、天を衝くほどの巨大な影が隆起した。
星の配置が奇跡的に合致したのか、海底都市ルルイエより目覚めし偉大なる旧支配者、クトゥルフがその姿を現したのだ。
ぬめるような緑色の巨体、顔から無数に垂れ下がる触手、そして背中の巨大な蝙蝠の翼。その存在自体が、地球上のあらゆる生命と物理法則への冒涜であった。
クトゥルフが身じろぎしただけで暴風と津波が巻き起こり、レグルスたちを飲み込もうとする。
しかし、レグルスの体は微動だにしない。遠く離れた屋敷にいる数十人の妻たちに自身の心臓を預ける権能『小さな王』、そして自身の時間を停止させる『獅子の心臓』により、彼は完全なる無敵状態にあった。
強大な津波も、飛び散る巨大な岩の破片も、彼と、彼が直接触れている妻たちには一切の傷をつけることができない。
レグルスは不快そうに顔を歪めると、足元の砂を軽く蹴り飛ばした。
時間停止の権能が付与された砂粒は、一切の干渉を受け付けない絶対的な破壊の弾丸となり、クトゥルフの巨大な胴体をあっけなく貫き、吹き飛ばした。
だが、驚くべきことに、クトゥルフの肉体は地球上の物質では構成されていなかった。傷口からは粘液質の未知の宇宙的物質が溢れ出し、一瞬にして元の悍ましい姿へと再生してしまう。
その光景と、いつまでも自分を見下ろす不気味な巨体に、レグルスは苛立ちを爆発させた。
「あのさぁ、君みたいな得体の知れない巨大生物が急に出てきても、僕は寛大だからいきなり怒ったりはしないよ? 生き物にはそれぞれ生きる場所があるし、道に迷うことだってあるだろうからね。でもさ、いきなり他人の前に立ちはだかって道を塞いだり、気味の悪い姿で暴れ回るなんて、一般論としてどう考えても非常識で許されることじゃないよね? だから退いてって言ってるのに、なんでウネウネと醜い触手を動かして僕の言葉を無視するのかな!? 言葉が通じないからって僕の寛大さに甘え続けて、挙句の果てには見下すような目で見やがって、どう考えても頭がおかしいだろ! それってさぁ、この世で最も満たされていて一切の不足がない僕の、妻たちと平穏な散歩を楽しむ権利の侵害だ」 - 98二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:27:31
レグルスの怒声が響き渡る。しかし、大宇宙の深淵に在るクトゥルフにとって、人間の小言など蟻の羽音にすら満たなかった。
当然、クトゥルフはレグルスの権能の仕組み(心臓の寄生)など知る由もなく、見破ろうともしない。ただ、己の足元で喚くちっぽけな命に向けて、底知れぬ悪意と狂気を孕んだ「眼差し」を向けた。
その瞬間、クトゥルフの放つ名状しがたい精神的重圧(宇宙的恐怖)が、一帯を完全に包み込んだ。
「あ、ああ……ア、アアアァ……!」
レグルスの背後にいた3人の妻たちは、その悍ましい姿と強烈な精神汚染を直視してしまい、瞬時に発狂。極限の恐怖によるショックで心臓が破裂し、糸が切れたように絶命して地に倒れ伏した。
これでレグルスが連れてきていた妻たちの繋がりは絶たれた。しかし、屋敷にはまだ多くの妻がいるため、彼の『獅子の心臓』の権能は解除されない。物理的な無敵は依然として保たれていた。
——だが、権能で肉体の時間を止めていても、レグルスの「意識」と「脳の処理」は、世界を認識し、自己の権利を主張するために働き続けていた。
「は……? え……?」
レグルスの脳内に、クトゥルフが放つおぞましい冒涜的なイメージと、人間の理解を絶する狂気の奔流が視覚と聴覚を通して直接流れ込んでくる。
彼の無敵の権能は「物理的な干渉」を完全に遮断するが、彼自身が現実を観測したことによって引き起こされる「認識による精神崩壊」までを防ぐことはできなかった。
「な、なんだこれは……やめろ、僕の権利、僕の……! ア、アア……アハハッ! アハハハハハハ!!」
極めて自己中心的で矮小な精神しか持ち合わせていなかったレグルスの自我は、宇宙の圧倒的絶望を前に、たった数秒で完全に粉砕された。
無敵の肉体を維持したまま、レグルスは白目を剥き、口から泡を吹いて狂ったように笑い声を上げ始めた。屋敷にいる妻たちの心臓が続く限り彼は死なず、その場に留まり続けるが、彼の精神が二度と元に戻ることはない。
クトゥルフは、狂気に沈み石像のように立ち尽くすレグルスを一瞥することもなく、ただゆっくりと歩みを進めていった。無敵を誇った強欲は、圧倒的な「狂気」の前に、権能を見破られることすらなく敗北を喫したのである。 - 99二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:29:05
レグルスにもこういうのは通じるんやな
次は>>105で
- 100二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:30:03
ジバニャン
- 101二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:30:13
フーディン
- 102二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:30:30
ナザリック
- 103二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:31:07
コモドドラゴン
- 104二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:31:24
サウスパーク カートマン
- 105二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:31:31
禁時混成王 ドキンダンテXXII
- 106二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:32:27
スターオーシャンミカエル
- 107二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:35:24
ゴリラ(TOUGH外伝 龍を継ぐ男)勝ってて草
- 108二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:39:55
異界の荒野を、一人の白髪の青年が歩いていた。
彼の後ろには、虚ろな目をした美しい少女たちが3人、静かに付き従っている。強欲の大罪司教、レグルス・コルニアスとその「妻」たちである。
「まったく、こんな埃っぽい場所を歩かせるなんて……ん?」
レグルスが不満げに顔を上げたその時、空が突如として異様な紫色に染まり、空間そのものがガラスのようにひび割れた。
亀裂の奥から現れたのは、世界の理を歪めるほどの圧倒的な質量と威圧感を持った異形の巨竜。伝説の禁断の力と邪眼の竜が混成された存在——『禁時混成王 ドキンダンテXXII』である。
王の降臨に伴い、周囲の時間が狂い、重力が乱れる。しかし、その絶対的な存在感を前にしても、レグルスはただただ不快そうに眉をひそめた。
「あのさぁ、君みたいな図体のデカい魔獣とか竜がさ、自分の力を誇示したいとか、縄張りを主張したいって本能があるのは僕だって理解してるよ。僕も寛大だからね、無知な獣が多少暴れるくらいなら、いちいち目くじらを立てたりしないって決めてるんだ。でもさ、普通に考えて、人が歩いている道を塞いで、あまつさえ上から見下ろすなんて、生命としての最低限の礼儀やマナーが欠如してるって一般的にはダメだよね? だいたい何なのその生意気な目は! なんで僕がわざわざ見上げてやらなきゃいけないわけ!? 時間を歪めて周囲の景色をぐちゃぐちゃにするって、他人のパーソナルスペースを土足で荒らす最低の行為だろ! それってさぁ、この世で最も満たされていて一切の欠落を持たない僕の、ただ妻たちと平穏な散歩を楽しむ権利の侵害だ!!」
激昂したレグルスは、足元の石ころを軽く蹴り飛ばした。 - 109二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:40:55
『獅子の心臓』の権能により、彼自身と彼が触れた物の時間は停止している。時間停止状態の物体はあらゆる物理法則を無視し、いかなる防御も貫通する絶対の凶器となる。
音もなく放たれた必殺の石礫は、真っ直ぐにドキンダンテXXIIの胸元へと直撃した。
パァァァンッ!!
空間を揺るがす破砕音が響いた。しかし、それは巨竜の肉体が砕けた音ではなかった。ドキンダンテの周囲を展開していた防御光陣——致命傷を代わりに引き受ける『EXライフ』のシールドが身代わりとなって砕け散ったのだ。
「……は? 防いだ? いや、何かが代わりに……まあいいや。じゃあ次で終わり——」
再び腕を振り上げようとしたレグルスだったが、次の瞬間、彼の全身をかつてない悪寒が突き抜けた。
ドキンダンテXXIIが、巨大な眼光でレグルスを見下ろしたのだ。 - 110二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:42:32
禁時混成王の降臨。それはすなわち、その領域における『相手の能力の全否定』を意味する。ドキンダンテが発する「禁時」の波動は、周囲の因果と時間を強制的に自らの支配下へと書き換えた。
レグルスは妻たちに自らの心臓(獅子の心臓)を寄生させ、自身への時間停止によるデメリットを無効化している。その仕掛け自体は、意思を持たぬ魔竜に看破されることはなかった。
しかし——看破する必要など最初からなかったのだ。
「な、なんだ……!? 僕の心臓が……動いてる!? 風が、肌に当たる……!?」
時の支配者であるドキンダンテの理不尽なまでの『能力無視』のオーラが、レグルスの「権能」そのものを空間ごと握り潰した。妻たちの心臓と繋がっていた見えないパスは、禁断の時のうねりの中で完全に遮断され、無力化されたのだ。
無敵のバリアを剥がされ、ただの脆弱な人間に成り下がったレグルスは、パニックに陥り顔を歪める。
「ふざけるな! 僕の権利を! 僕の無敵を! 僕の完全な時間を返せ! お前みたいな理不尽が許されていいわけ——」
その言葉を最後まで紡ぐ暇は与えられなかった。
ドキンダンテXXIIの周囲に、世界を終わらせるほどの絶望的な魔力が収束していく。放たれたのは、禁時王の秘伝たる絶望の一撃——『エンドオブランド』。
光と闇が混ざり合った破壊の奔流が、無防備なレグルスを跡形もなく飲み込んだ。
「あああああアアァァァァァッ!!」
断末魔の叫びすらも圧倒的なエネルギーの濁流に掻き消され、強欲の大罪司教は塵一つ残さず消滅した。
後には、権能から解放されて呆然と立ち尽くす3人の少女たちと、悠然と虚空を漂う禁断の巨竜だけが残された。 - 111二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:43:33
次は21時ぐらいから開始します
一旦>>117で
- 112二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:44:34
褪せ人(エルデンリング主人公)
- 113二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:46:42
範馬裕次郎
- 114二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:47:57
ヤムチャ
- 115二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:49:17
ガンレオン
- 116二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:49:30
竜王デロウス
- 117二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 19:49:33
内海アオバ
- 118二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 21:01:54
夜のハイランダー鉄道学園・貨物ターミナル。
冷たい夜風が吹き抜ける中、貨物輸送管理部のエンジニアである内海アオバは、たった一人で車両の整備作業に追われていた。
「はぁ……どうして私だけ、こんな深夜まで残業を……。備品も自腹だし、納期は明日だし……やっぱり人生って、最悪です……」
冷めきったコンビニのビニール弁当(ビニ弁)を傍らに置き、アオバは工具を握り直す。期待すれば失望するだけ。それが彼女の生きてきたブラックな労働環境の真理だった。
「――ちょっと、そこの君。耳障りな金属音を立てるのはやめてくれないかな」
不意に、背後から場違いなほど優雅で、それでいてひどく傲慢な声が響いた。
アオバが振り返ると、そこには見知らぬ白髪の青年が立っていた。その後ろには、虚ろな目をした美しい女性が二人、まるで意思を持たない操り人形のように付き従っている。
「え、あ……ここは関係者以外立ち入り禁止、なんですけど……」
「関係者以外? 僕の散歩道に勝手に立ち入っているのは君の方だろう? 僕の静寂を乱す権利が君にあるとでも言うのかな?」
青年――強欲の大罪司教レグルス・コルニアスは不快げに顔を歪めると、足元の小石を軽く蹴り飛ばした。
――ドゴォォォォン!!
物理法則を無視した小石は、砲弾以上の威力を伴ってアオバの隣にあった貨物コンテナを粉砕した。爆風が吹き荒れ、アオバの小さな体は吹き飛ばされて鉄くずの山に叩きつけられる。
「い、いっっっった……! な、何するんですか……っ! せっかく修理したコンテナが……また怒られるじゃないですか……!」
「……は?」
埃を払って立ち上がったアオバを見て、レグルスは目を丸くした。
頭上に光る『ヘイロー』の恩恵により、キヴォトスの生徒であるアオバは信じられないほどの耐久力を持っている。服は汚れ、あちこちぶつけて涙目にはなっているが、五体満足だった。
「なんで君、生きているの? 僕の攻撃を受けたのに死なないなんて、弱者として蹂躙される義務を放棄しているじゃないか!」
「はぁ……理不尽なクレームを押し付けてくるお客さん……うちのブラックな上司とそっくりです……。もう、帰ってくれませんか……?」
アオバがげんなりとした顔でため息をついた瞬間、レグルスの額に青筋が浮かんだ。 - 119二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 21:06:19
「あのさぁ、本来なら僕の散歩を邪魔した挙句、僕の攻撃を耐え凌ぐなんて生意気な真似をした時点で万死に値するんだけど、君みたいな無知な労働者にも理解する時間を与えてあげるよ。君が自分の非を認めて土下座するなら、この過ちを許してあげてもいいという僕の無上の寛大さを示しているんだ。でもさ、相手がわざわざ好意で歩み寄って許しの機会を与えているのに、それを無視してため息をつくなんて、一般常識で考えても社会人として絶対にやっちゃダメなことだよね? あぁ、本当にどうしてそんなに無礼な態度が取れるの!? 他人の善意を踏みにじるなんて理解できない、頭がおかしくなりそうだ! こんなの理不尽極まりない悪意のぶつけ合いじゃないか! それってさぁ、この世で最も満たされていて一切の不足がない、僕の『敬意を払われるべき』権利の侵害だ!」
怒涛の如く放たれる自己中心的な長台詞。
しかし、アオバにはそれが「職場で部下に理不尽を押し付けるパワハラ上司の説教」にしか聞こえなかった。アオバはレグルスの背後にいる二人の妻――生気のない瞳の女性たちを見る。
「……後ろの人たち。あなたに付き合わされて、完全に心がすり減ってますよ。自分の『心』や都合ばかりを押し付けて、部下をアクセサリーみたいに連れ回すなんて……最低のパワハラです」
「部下? 彼女たちは僕の妻だ! 僕の心を分かち合う、最高に幸せな存在なんだよ!」
「ふ、ふふ……期待をするから、失望するんです。自分の理不尽な期待を他人に押し付けるなんて……お馬鹿さん、ですね」
アオバは自身の固有武器であるショットガン――『半端な期待』を構え、傍らにあった軌道作業用のトロッコに飛び乗った。
「私が……あなたのその理不尽な期待、打ち砕いてあげます……!」 - 120二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 21:08:19
トロッコのモーターが唸りを上げ、アオバを乗せたままレグルスへと猛突進する。
だが、レグルスは嘲笑を浮かべて一歩も動かなかった。彼の権能『獅子の心臓』は、自身の時間の流れを止めることであらゆる物理的干渉を無効化する。
ガガガガガッ!!
トロッコがレグルスに激突し、見えない壁にぶつかったかのようにひしゃげていく。
だが、その衝突の勢いを利用してアオバは前方に跳躍し、レグルスの胸元に至近距離で『半端な期待』の銃口を突きつけた。
「無駄だと言っているだろうが! 僕の時間は止まって――」
「これで……終わりですっ!」
ズドンッ!!!
火を噴いたショットガンの散弾は、物理的な破壊力としてはレグルスの『停止した時間』に阻まれ、皮膚を貫くことはなかった。
――しかし、キヴォトスの生徒が振るう武器には、彼女たちの精神性に基づく『神秘(コンセプト)』が宿る。
アオバの武器『半端な期待』が放ったのは、物理的ダメージだけではない。「理不尽な期待(繋がり)の拒絶」という概念そのもの。
レグルスが妻たちに無理やり寄生させていた『自身の心臓』。つまり、他者へ一方的に押し付けていた「強欲な期待のパス」が、アオバの放った一撃の概念と真っ向から衝突し――目に見えない繋がりが、パリンッ、と音を立てて砕け散った。
「なっ……!? 妻たちとのパスが……切断された!? 僕の獅子の心臓の仕掛けに気づく素振りすらなかったのに、どうやって!?」
権能の仕組みなど一切見破っていないアオバによる、斜め上からの概念的破壊。 - 121二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 21:09:19
心臓のパスを失ったレグルスは、強制的に『自身の胸にある心臓』を止めたまま権能を維持する状態に陥った。
「くそっ……! なら、息が続く数秒の間に、君をミンチにして――!」
心臓を止め、無敵状態を維持したままレグルスが腕を振り下ろそうとする。
しかし。
「ひぃっ!? ま、まだ動くんですか!?」
アオバがパニックを起こして無様に後ろへ転がったことで、レグルスの致命の一撃は空を切った。
一秒、二秒、三秒。
酸素が断たれたレグルスの肺が焼け焦げ、限界を迎える。
「ガァッ……、ハァッ、ハァッ……!!」
己の命を守るため、レグルスはたまらず時間の停止を解除し、荒々しく息を吸い込んだ。権能が解除され、彼がただの無力な人間に戻った、その瞬間。
「こ、こっち来ないでくださいーっ!!」
パニック状態のアオバが、涙目で『半端な期待』の引き金を引き絞った。
ズドン! ズドン! ズドン!!
今度は何の防壁もないレグルスの体に、至近距離からの散弾が容赦なく叩き込まれる。
「あ、がっ……僕の、権利、が……」
物理的な衝撃をモロに受けたレグルスは、無様に宙を舞い、鉄くずの山へと叩きつけられて完全に気を失った。
「はぁ……はぁ……。やっと、静かになりました……」
土煙が晴れる中、アオバはへたり込んで深いため息をついた。
レグルスの支配から解放され、虚ろだった目にわずかな光を取り戻した二人の妻たちが、呆然とその光景を見つめている。
「……トロッコを壊した始末書、書かないと……。はぁ、やっぱり人生って本当に最悪です……」
冷めきったビニ弁の残りを思い出しながら、アオバのボヤキだけが深夜のターミナルに虚しく響き渡った。 - 122二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 21:10:54
プロンプト直します
次は>>130
- 123二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 21:15:38
アティ先生
- 124二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 21:20:26
シグマ隊長
- 125二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 21:21:51
クヴァール
- 126二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 21:23:04
バラモス
- 127二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 21:24:26
夜神月
- 128二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 21:25:05
フーディン
- 129二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 21:27:06
マスクオブアイス
- 130二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 21:28:15
スターオーシャンミカエル
- 131二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 21:45:11
荒涼とした大地に、二つの異質な存在が対峙していた。
一人は、真っ白な衣装を身に纏い、どこか不機嫌そうに立つ白髪の青年、強欲の大罪司教『レグルス・コルニアス』。彼の背後には、怯えたようにうつむく3人の美しい少女たち――彼が連れ歩いている『妻』たちが控えさせられている。
もう一人は、重厚な甲冑のような装束に身を包み、冷徹な視線を見下ろすように向ける大柄な男。銀河の破滅を目論む神の十賢者が一人、戦術兵器『ミカエル』である。
「クズは、どうあがいてもクズでしかないことを、このわたしが証明してやろう」
ミカエルの掌から放たれた極大の火炎弾が、周囲の空気を焼き焦がしながらレグルスへと殺到する。しかし、その業火はレグルスの鼻先数センチのところで、まるで目に見えない壁にでも阻まれたかのようにピタリと消失した。
『獅子の心臓』――自らの時間を停止させ、あらゆる外界からの干渉を無効化する無敵の権能。
「……ほう?」
ミカエルが微かに眉を動かした直後、レグルスが足元の小石を軽く蹴り飛ばした。
時間停止の恩恵を受け、物理法則を完全に無視した直進運動を続ける小石は、十賢者を守るはずの強固な特殊バリアを紙切れのように貫通し、ミカエルの肩口の装甲を容易く砕き割った。
たった一振りの小石がもたらした異常な破壊力。だが、戦術兵器であるミカエルは痛痒を感じた素振りすら見せず、ただ冷徹に事象を計算し始める。
一方のレグルスは、自分の靴が汚れたことを不快に思いながら、忌々しげに口を開いた。
「あのさぁ。君がその奇妙な炎だか術だかを使って、一生懸命に自分の強さを証明しようとしてることは理解するよ。僕だって寛大な心を持っているからね、未知の相手に対する君なりの挨拶として受け入れてあげようとしたさ。でもさ、一般的に考えて、人の話も聞かずにいきなり熱い火を向けてくるのって、対話の拒絶だし人として完全にダメだよね? だいたい何なんだよその見下したような目は! 自分が少しばかり力を持ってるからって、他人も同じように平伏すとか思ってるわけ!? 他者の平穏な領域に土足で踏み込んで、勝手に温度を上げて威圧するなんて正気の沙汰じゃない! それってさぁ、この世で最も満たされていて一切の欠落のない完成された存在である僕の、快適な適温で穏やかに過ごす権利の侵害だ!!」 - 132二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 21:46:14
息継ぎすら忘れたような早口でまくし立てるレグルス。しかし、その自己中心的な演説は、感情を持たぬ十賢者の心を一ミリも揺さぶることはなかった。
「やかましい奴だ。宇宙の塵となるがいい」
ミカエルの体が、ふわりと宙に浮き上がる。
彼の周囲の大気が異常な高熱を帯び、空間そのものが陽炎のように歪み始めた。それは、星の生態系すら焼き尽くす最強クラスの火属性紋章術の予兆。
「あっちぃとこを見せてやるよ! スピキュール!!」
ミカエルの両手から、太陽のプロミネンスを思わせる超高熱の爆発が全方位に向かって放たれた。
逃げ場のないドーム状の業火が荒野を飲み込み、大地を一瞬にしてマグマの海へと変える。
「だから、そんなもの僕には通じないって……え?」
炎の渦の中で、レグルス自身は『獅子の心臓』によって全くの無傷だった。しかし、彼の背後にいた3人の妻たちは、この次元を揺るがすほどの圧倒的な広範囲殲滅攻撃に耐えられるはずもなく、悲鳴を上げる間もなく一瞬にして灰燼に帰していた。
その瞬間、レグルスの胸の奥で「ドクン」と嫌な音が鳴った。
(なっ……妻たちが死んだ!? いや、大丈夫だ、屋敷にはまだ他の妻たちが……パスを繋ぎ直せば……!)
レグルスは焦燥に駆られ、遠く離れた地にいる妻たちへ自身の心臓(獅子の心臓)のパスを飛ばそうとした。
――しかし、繋がらない。
ミカエルが展開した『スピキュール』の莫大な紋章力のエナジーと、十賢者を覆う特殊なフィールドが周囲の空間法則を強烈に乱し、不可視の繋がりである権能のパスを次元レベルで物理的に遮断していたのだ。
ミカエル自身はレグルスの権能の仕組みなど一切見破っていない。ただ単に、圧倒的なエネルギーの奔流で空間そのものを制圧した結果、遠隔地へのパスが阻害されたに過ぎなかった。 - 133二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 21:47:17
妻への心臓の寄生『小さな王』が機能不全に陥り、レグルスの胸に自身の心臓が強制的に戻ってくる。
「嘘だろ!? なんでパスが繋がらない!? こんなの僕の……僕の生存権の侵害じゃないか!!」
心臓が自分の胸にある以上、『獅子の心臓』を連続使用できるのは、己の心臓の鼓動を止めていられる「わずか数秒間」のみ。
パニックに陥り、自らの心臓を止めて無敵状態を維持しようとするレグルス。しかし、頭上ではミカエルが冷徹に次弾の装填を終えていた。
「どうやら、その小手先の空間歪曲にも限界があるようだな。消え失せろ」
第二、第三の火炎弾が、息もつかせぬ連射でレグルスへと降り注ぐ。
数秒間は『獅子の心臓』で耐え凌いだレグルスだったが、ついに限界が訪れた。酸素を求め、動悸をごまかすために、ほんの一瞬だけ権能を解除して息を吸い込もうとした――その刹那。
「あ、熱っ……あぁあああああああああっ!?」
権能の切れ目を縫うように、周囲を覆い尽くしていた超高熱の炎がレグルスの白い衣装に燃え移り、その肉体を容赦なく包み込んだ。
己の権利を主張する言葉すら炎に焼き尽くされ、強欲の大罪司教は断末魔と共に炭化し、崩れ落ちた。
マグマのように赤熱した大地に降り立ったミカエルは、風に吹かれて消えゆく灰の山を一瞥し、興味なさげに背を向けた。
「全く……無駄な時間を取らせおって」
強欲な凶人の理不尽な権能も、圧倒的かつ暴力的な熱量の前では、ただ燃え尽きる運命でしかなかった。 - 134二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 21:54:06
大火力で解除していいんか?プロンプト改善します
次は>>140で
- 135二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 21:57:59
ゼルネアス
- 136二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 21:58:21
アティ先生
- 137二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 21:59:30
神山高志(魁!!クロマティ高校)
- 138二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 21:59:35
ポケスペヤナギ
- 139二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 21:59:56
波旬(神座
- 140二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 21:59:59
オグドモン
- 141二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 22:00:00
このレスは削除されています
- 142二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 22:12:39
見渡す限りの荒野。砂埃が舞う中、その異様な光景は唐突に現出した。
空がひび割れ、次元の裂け目から巨大な異形が這い出てくる。七つの眼、七つの脚、そして頭頂部に輝く第八の眼。脚部にはそれぞれ意匠の異なる剣が突き刺さっている。すべての罪を内包し、すべての罪を贖う超魔王、オグドモンである。
「……ッ、何なんだい、一体」
不機嫌極まりない声を上げたのは、白髪に白い服を纏った細身の青年——魔女教大罪司教『強欲』担当、レグルス・コルニアスだった。彼の後ろには、虚ろな目をした美しい二人の少女——彼が連れ歩いている『妻』たちが無言で控えている。
オグドモンは眼下のちっぽけな存在など気にも留めず、ただその莫大な闇のオーラを周囲に撒き散らしながら地を踏み鳴らした。
レグルスは苛立たしげに足元の石ころを軽く蹴り飛ばす。
その瞬間、レグルスの権能『獅子の心臓』により時間を止められた石は、慣性も重力も空気抵抗もすべて無視した絶対的な破壊の弾丸となり、無限の速度でオグドモンの巨大な脚部へと突き刺さった。
ドォォォン!! という爆発音とともに、オグドモンの巨体の一部が大きく抉り取られる。
「少しでも悪意のある攻撃を無効化する」というオグドモンの理不尽な防御特性。しかし、レグルスには一切の『悪意』がなかった。「自分は被害者であり、正当防衛をしているだけ」という完璧で歪んだ自己正当化が、オグドモンの防御の網目をすり抜けたのだ。
だが、オグドモンは沈まない。抉られた肉体は超常的なデータ量のうねりによって瞬時に修復され、七つの眼がぎょろりとレグルスを捉えた。
オグドモンの巨大な脚が振り下ろされる。必殺の押し潰し『グラドゥス』。
大地がクレーター状に吹き飛び、土煙が天を衝く。
「……あーあ、服に土埃がついちゃったじゃないか」
しかし、土煙が晴れた後、そこには無傷で立つレグルスの姿があった。
彼の『獅子の心臓』は自身の時間を完全に停止させる。熱も、衝撃も、物理法則の一切も彼には干渉できない。離れた場所にいる妻たちに自身の心臓を預ける『小さな王』の権能によって、彼は時間制限のない完全なる無敵状態を維持していた。 - 143二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 22:14:50
オグドモンの巨体から放たれる衝撃波『カテドラール』が荒野を薙ぎ払うが、レグルスの前ではただのそよ風のように左右へ割れていく。対するレグルスも、手刀で真空の刃を作り出してオグドモンを切り刻むが、超魔王の途方もない再生力と質量を前に決定打とならない。
膠着状態。しかし、レグルスの苛立ちはすでに限界を超えていた。
彼は両手を広げ、オグドモンに向かって唾を飛ばさんばかりに叫び始めた。
「あのさぁ、君みたいな巨大で見るからに理性を欠いた怪物が突然現れて暴れること自体は、生き物の悲しい本能として百歩譲って理解してあげるよ? 僕だって無意味に他者の存在を否定するような狭量な人間じゃないからね。でもさ、普通に考えて他人の歩く道を塞いだり、突然現れて平穏な時間を乱したりするのって、一般的なマナーとして絶対やっちゃダメなことだよね? 当たり前の配慮ができない獣は本当にこれだから困る。だいたいなんだいその剣の刺さった気色悪い足は! 見るだけで不快だ! 君のその存在自体が周囲への迷惑、悪質な公害だってどうして気づかないんだ!? それってさぁ、この世で最も満たされていて一切の欠落を持たない僕の、妻たちとの穏やかな散歩を満喫するという、誰にも奪うことのできない神聖不可侵な権利の侵害だ!!」
怒り狂ったレグルスは、大地を蹴り、無敵の肉体そのものを質量兵器としてオグドモンの懐へ跳躍した。触れるものすべてを削り取る死の突撃。
だが、オグドモンはそれを躱そうとも防ごうともしなかった。 - 144二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 22:51:23
次でラストにします
- 145二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 22:53:01
フーディン
- 146二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 22:54:26
セップク丸
- 147二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 22:55:54
アティ先生
- 148二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 22:56:37
ダークドレアム
- 149二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 22:57:24
ポケスペヤナギ
- 150二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 22:57:54
ドン・サウザンド
- 151二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 22:58:55
シグマ隊長
- 152二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 22:58:57
デーモンコアくん
- 153二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 22:59:33
タイチョウミズカラガ!?
- 154二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 23:43:36
【リゼロ×ロックマンX】 レグルス・コルニアス vs シグマ隊長
灰色の荒野。
魔女教大罪司教『強欲』担当、レグルス・コルニアスは、連れ歩いている3人の美しい妻たちを背後に侍らせながら、不満げに顔をしかめていた。
彼の行く手を阻むように、巨大な影が立ち塞がっていたからだ。
「……イレギュラーな人間め。排除する」
マントを翻し、冷酷な光を宿した電子の瞳で見下ろすのは、レプリロイドの反逆者にして最強の指揮官――シグマ隊長。
彼は一切の感情を交えず、腰のビームサーベルを引き抜くと、躊躇なくレグルスの脳天へと振り下ろした。
高出力の光刃が、レグルスの頭部に直撃する。
――しかし、何も起きない。
レグルスの髪の毛一本、皮膚の表面わずかさえも、プラズマの刃は焼き切ることができなかった。それどころか、光刃の方が「停止した時間」に弾かれ、空しく火花を散らしている。
「ほう……?」
シグマが興味深げに目を細めた瞬間、レグルスが無造作に地面の小石を蹴り上げた。
ただの石ころ。だが、レグルスの権能『獅子の心臓』によって慣性と重力、すべての物理法則から切り離された石は、絶対的な破壊の弾丸へと変貌し、シグマの左腕の装甲をいとも容易く粉砕して吹き飛ばした。
「……ッ!」
巨体がたたらを踏む。しかし、シグマに痛みはない。彼にあるのは、目の前の人間が持つ「物理法則を完全に無視した特異性」に対する冷徹な分析だけだった。
一方、自分の歩みを邪魔された上に斬りかかられたレグルスは、ひどく機嫌を損ねていた。彼は妻たちを背後に庇うように(実際はただの所有物として)立ち、シグマを指差して声を荒らげる。
「あのさぁ、君みたいな機械仕掛けのガラクタが僕の前に立つなんて、きっと君のプログラムがバグってるんだろうから理解は示してあげるよ。僕の寛大さに免じて許してあげる。でもさ、一般論で言って、他人の道を塞いでいきなり斬りかかってくるなんてダメだよね? だいたい君、何様のつもりなわけ!? 機械の分際で僕を見下すような目をして、僕の妻たちまで怯えさせてさぁ! それってさぁ、この世で最も満たされていて欠落のない僕の、平穏な日常を過ごす権利の侵害だ!」
怒涛の如く捲し立てるレグルス。 - 155二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 23:45:26
しかし、シグマはその長広舌に一切耳を貸さず、驚異的な処理速度で戦況を演算していた。
(物理的なダメージは完全にゼロ。攻撃には絶対的な干渉力がある。生体反応は……異常だ。周囲の空間ごと、自らの状態を完全に『固定』しているのか。ならば、物理次元での戦闘は非効率の極みだ)
シグマは、レグルスの『他者の心臓に自身の心臓を寄生させている』という種明かしに辿り着くことはなかった。AIである彼にとって、それは観測不可能なオカルトでしかない。
だが、最強のレプリロイドである彼には、物理次元のバグを処理するための別の戦場があった。
「ならば、お前という『データ』そのものを試させてもらおう」
シグマの残った右腕が天を掲げる。瞬間、シグマの体内から不可視のウイルスプログラムが放射され、空間そのものを侵食し始めた。
「ハッ! 何をしたって無駄だ……え?」
レグルスが嘲笑おうとした瞬間、世界が反転した。
荒野の景色がノイズにまみれ、緑色のデジタルグリッドが広がる異空間へと強制転移させられたのだ。
シグマがレグルスを道連れに引きずり込んだのは、物理法則が意味を成さない**『電脳空間(サイバースペース)』**。 - 156二次元好きの匿名さん26/03/10(火) 23:46:31
そして、その場にはレグルス一人しかいなかった。背後にいたはずの3人の妻たちは、現実世界に取り残されていた。
「景色を変えたくらいで僕をどうにかできるとでも……ん?」
レグルスは鼻で笑い、再び『獅子の心臓』の無敵状態のままシグマめがけて踏み込もうとした。
――その時だった。
「……がっ!? ぁ……!?」
突如として、レグルスが胸を掻き毟り、無様に頽れた。
顔面が蒼白になり、目を見開き、口から泡を吹いて苦悶の声を上げる。
理由は単純にして致命的だった。
レグルスの権能の源である『心臓のパス』は、あくまで現実世界(物理次元)における繋がりである。シグマが戦場を電脳空間という「別次元のデータ空間」へと意図的に隔離したことで、現実世界にいる妻たちとのパスが完全に遮断されてしまったのだ。
繋がりが切断されていることなど露知らず、無意識に権能を使い続けたレグルス。
パスがない状態で『獅子の心臓』を使えば、彼の心臓は文字通り「停止」する。その限界時間は、わずか5秒。
それを超えた今、レグルスの体は深刻な酸欠と心停止による絶大なダメージを負っていた。
「がはっ……はぁっ! ぜぇ……っ! なぜ……僕の、心臓が……っ!?」
苦痛に耐えきれず、レグルスは強制的に権能を解除し、荒い息を吐きながらデータブロックの地面に這いつくばる。無敵の王から、ただのひ弱な人間に成り下がった瞬間だった。
その頭上に、電脳空間と同化し、巨大なホログラムとして顕現したシグマが冷酷に見下ろしていた。
「強固な物理の盾も、別次元に隔離されれば自滅を招くバグに過ぎない。やはり人間は、どこまでいっても不完全で哀れな存在だ」
「ふ、ふざけるな……僕を、誰だと……っ!」
「消え去れ。イレギュラー」
シグマの目から、電脳空間の全エネルギーを収束させた極太のデリートレーザーが放たれる。
権能を解き、ただの人間となったレグルスにそれを防ぐ術はなかった。
「僕の……権利があぁぁぁぁぁっ!!」
断末魔の叫びは光の奔流に飲み込まれ、大罪司教レグルス・コルニアスはデータの塵となって完全に消滅した。
後に残ったのは、静寂を取り戻したサイバースペースと、冷酷に笑うシグマの巨影だけだった。 - 157二次元好きの匿名さん26/03/11(水) 00:56:38
ゼットンより強いゴリラは草
- 158二次元好きの匿名さん26/03/11(水) 01:54:49
サスガダァ…
- 159二次元好きの匿名さん26/03/11(水) 07:53:03
🦍はさすがに笑う
- 160二次元好きの匿名さん26/03/11(水) 09:04:50
値落ちしましたがお付き合いいただきありがとうございました