原子炉直下に想定外「消えたコンクリート」 福島第一原発、今も残る謎 #知り続ける
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原発の安全神話が崩れ去った東京電力福島第一原発事故から15年。メルトダウンを起こした事故炉の調査は高い放射線量に阻まれ、今も謎は残る。ここ数年の調査でも新たな謎が浮かび上がり、事故の全容は深い霧に覆われたままだ。 【CGで迫る】福島第一原発 メルトダウンと水素爆発、15年後の謎 2011年3月11日、地震と津波で原子炉を冷やせなくなり、最初に危機に陥ったのが1号機だった。翌12日には水素爆発を起こした。その1号機で、事故から10年以上たって新たな「想定外」が判明した。 22年と23年の遠隔操作ロボットによる調査で、原子炉を下から支える台座のコンクリートが消失しているのが見つかった。円筒形の台座(内径5メートル)の内側、高さ1メートルより下が鉄筋を残してごっそり失われていた。 原子炉がメルトダウンを起こすと、溶けた高温の核燃料が原子炉の底を突き破って、落下する。それが床のコンクリートや鉄筋を侵食することは知られてきた。 しかし、コンクリートが消えたのは真横の壁だ。鉄筋が溶けずに残っているのも謎で、「今まで考えられなかった事態」と専門家に驚きが広がった。 鉄筋が残っているなら、温度は低めだった可能性が高い。それでコンクリートだけ消えるとは、一体何が起きたのか。原発の設計や事故時の対策で想定されてこなかった現象として、海外からも注目が集まる。 原子力規制委員会の事故分析検討会では、注水で冷やされたセメントの粒子が膨張して粉々になったとの説や、コンクリートだけが溶ける温度だったとの説など、消失原因をめぐって様々な仮説が議論されてきた。再現実験やシミュレーションで一つひとつ詰める作業が今も進められている。
朝日新聞社
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