P「退職ドッキリ?」
エイプリルフールなので何か用意しなきゃ……ということで急遽書きました。実際やったら冬優子だけじゃなく多方面からとんでもなく怒られると思います。
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「退職ドッキリ?」
「はい〜今日は4月1日、エイプリルフールですよ?せっかくならなにかしたいじゃないですか〜」
「まぁ確かに毎年仕掛けられることの方が多いからなぁ……」
「4月1日はちょうど社会では体制が変わるところも多いですから面白いかなーと思いまして」
「まぁうちは変わりませんけどね……」
「それは言わないお約束ですよ……」
それにしても退職ドッキリか……実際俺がいなくなると知ったらみんながどんな反応をするのかは少し気になる。しかし……
「すぐにバレそうじゃないですか?やっぱみんな今日は疑心暗鬼になってるはずですから」
「まぁそうですね〜なので私も手伝います。1人で仕掛けるよりは成功率高いと思いますよ」
「うーんまぁそれなら……」
「決まりですね〜では作戦は……」
田中摩美々の場合
「おはようございます〜……あれ〜?はづきさんだけですか〜?」
「はい、他の子たちはまだ来てないですよ〜」
「なるほど〜プロデューサーもまだな感じですか〜?せっかくいいイタズラ思いついたんだけどな〜」
摩美々は普段からイタズラ仕掛けてくるからエイプリルフールあんま関係ない気もするけどな……
「えっ?」
「?どうしたんですか〜?何か私変なこと言いました?」
「……プロデューサーさんから聞いてないんですか?」
「何をですか〜?」
「プロデューサーさんは昨日で283プロを辞めたんですよ」
「え」
一瞬固まる摩美々だったが、
「ああ、エイプリルフールですか〜?ふふ〜プロデューサーも意地悪ですね〜」
この返答は想定済み。
4月1日、エイプリルフール。それは嘘をついていいとされている日でもあるが、嘘をつかれる日でもある。故にみんな生半可な嘘では欺けない。
そこで俺とはづきさんの作戦は……
「………退職届もちゃんといただいてますよ〜アイドル達には自分から伝えるっていってたんですけどね〜」
「あ、え……」
まぁもし退職するとして伝えてなかったら大問題だけどな。うちプロデューサー俺しかいないし。ちなみに俺がどこにいるかだが、屋上に身を潜めている。ここなら滅多なことではバレないだろう。さて、摩美々はどういう反応する……?
「ぐすっ」
「「あ」」
「プロデューサー……ぐすっ、なんで……」
「すまん摩美々〜!俺が悪かったー!」
さ、流石にやりすぎた……
「あ、プロデューサー来てくれたんですね〜」
「実はこれはエイプリルフールで……ってあれ?」
「どうしました〜?もしかして本当に泣いてると思ったんですか〜?」
「や、やられた……!」
「ふふ〜まだまだですね〜」
利用してやり返してくるとは……摩美々恐ろしい子……
「ちなみに〜これ他の子にもやるんですか〜?」
「一応そのつもりだったけど……」
「ふーん、まぁ頑張ってくださいね〜」
私は足早にその場から離れた。今どんな顔してるのかな。本当に心臓に悪いですね〜……
もしプロデューサーが泣いた後すぐに駆けてきてくれなかったらどうなっていたのか想像もしたくない。
これを本当に別の子にも仕掛けるんですかね〜……私以上にやばそうな子沢山いるような気がするケド……
黛冬優子の場合
「あっ、おはようございます〜はづきさんお一人ですか?」
「おはようございます〜そうですね〜今は私だけですね」
「プロデューサーさんはどちらに?」
「?プロデューサーさんなら昨日で退職しましたよ〜」
「……は?」
思わず素の部分が出てるな……さて、ここから冬優子はどうするか……
「えー知らなかったです〜ふゆプロデューサーさんのこと信頼してたのに残念です〜」
そう言われると胸が痛い……だけど思ったより驚いてないな……?
「あっふゆレッスンがあるので失礼しますね!」
まずい、ネタバラシするタイミングを失ってしまったな。何か買ってレッスン室行くか……
瞬間携帯が鳴り響いた。
……1回スルーしてみるか。
設定的には俺はもう283プロの人間ではない。としたら電話に出ないことがあっても問題はないだろう。心は痛むがまぁ後で辛いものでも連れて行ってやろう。
再度携帯が鳴り響く。
これは出るまでかけ続けてくるやつだな。出てみるか……
「もしもしふy」
「アンタ今どこにいるのよ」
これは相当怒ってるな。いやまぁ当然か。
けどもう少し攻めてみよう。
「……どこでもいいだろ?」
「はぁ!?何それ。いいから教えろつってんの」
「屋上です……」
どうしよう俺この後殺されないかな。
「どういうことか説明していただけますよね?プロデューサーさん?」
「すみませんでした」
「はぁ……大方エイプリルフールの嘘なんだろうけどやっていいことと悪いことがあるわよ」
「おっしゃる通りです……」
「……やめる予定あるの?」
「え?」
「プロデューサーをよ」
「いや全然ないぞ。俺も好きでやってるしな。少なくとも冬優子がアイドル続ける間はやめる気はないよ」
「……あっそ」
少しの間沈黙が訪れる。
「……私も今更あんた以外にプロデュースされるのなんて無理だから。しっかりふゆのこと最後まで見てなさいよね!」
「……ああ!もちろん」
「それはそれとして今回のお詫びとしてご飯奢りなさいよね」
「はい……」
でもなんやかんやこうして認めてもらえるのはプロデューサー冥利に尽きるな。まぁこんな形っていうのはアレだが……
「あれ、冬優子少し目元が」
「〜〜〜っ!!うっさいバカ!こっち見んな!」
この後めっちゃ怒られた。
樋口円香の場合
「……お疲れ様です」
「樋口さんおはようございます〜」
特に何か言うこともなく、円香はソファーへ腰掛ける。真顔でスマホを弄りいつもと変わらない様子で過ごしている。
おかしいな……この時間に俺がいないことは滅多にないから何かしら気にかけるかなと思ったんだが……
このままだと動きがないのでここではづきさんが仕掛けた。
「それにしても、寂しくなりますね〜」
「……?何かあったんですか」
「ほら、プロデューサーさんが……」
そこではづきさんは退職届を取り出す。もちろんこのために作ったそれっぽいものでしかないが、
「……は?」
円香を刺激するには十分だろう。
「これ……あの人の字……間違いない……」
筆跡覚えられてるのか。なんか恥ずかしいな……円香はネタバラシした後が怖いけど……さぁどう出る?
「……絶対逃さない」
あれ、なんか不穏だな。聞き間違いだよな?うん。だって円香だし。そんなこと言うわけない。
少しの沈黙の後、円香が口を開いた。
「……どうせ見てるんでしょ?ミスターライアー。さっさと出てきたら?」
これは全然信じてないやつだ。とはいえここで出ていったら摩美々の時みたいに円香の思惑通り……残念だったな円香。その手には乗らんぞ!
「さっさと出てこないとプロデューサーに襲われたって週刊誌に言います」
「すみませんでした!!」
「何か言うことは?」
「本当に申し訳ございませんでした」
なんか1回も成功してない気がする……
というか今日ずっと怒られてるような……
「エイプリルフールなんてくだらないもので担当アイドルを傷つけて楽しいですか?ミスターサディスト」
「円香違うんだ」
「何が違うんですか?これ透達にやったら許しませんから」
「わ、分かった……」
「では、これにサインしていただけますか?」
「え?」
「偽とはいえ退職届提出しているのですから新しい誓約書にサインしていただかないと」
「いやでもこれは婚姻届……」
どういう状況?というかなんで持ってるの?サインしたらむしろプロデューサー人生終わっちゃうよ。
「いや円香流石にこれは」
「では週刊誌に……」
「本当に勘弁してください」
結局次の休みに買い物に付き合うという条件で事なきを得た。
鈴木羽那の場合
「おはようございまーす!」
「あっ鈴木さんおはようございます〜」
「おはよう〜はづきさん。あれ?プロデューサーは?」
「えっと、実はプロデューサーはカクカクシカジカ」
「えー!?プロデューサー辞めちゃったの!?」
お手本のような反応だ。やっぱ羽那は流石だな。
「プロデューサーと岡山行って家族に紹介する約束とかしてるのに困るな〜」
まず心配するのそこ?というか岡山行く約束はしたけど家族に挨拶するって何?
でもなんというか他の子に比べたら普通の反応だな。まぁまだ283に来て短いし、そこの差か……
「まぁいいやプロデューサーに直接聞いてみようかな」
おっと電話か……冬優子には1度無視したが後からめちゃくちゃ怒られたからすぐ出るか……
「プロデューサー?」
「うおわっっ!!?は、羽那?」
「あはっ、すごい驚いてる。可愛いねプロデューサー」
「なんでここが……」
「んー何となくプロデューサーの気配がしたから?」
え、怖……バトル漫画の登場人物か何かなの?しかも足音なく近づいてこなかった?キルアなの?足音消すのクセになってるの?
「それより〜」
すると羽那は耳元に顔を寄せて、
「嘘ついたらおえんよ?」
と囁いた。
なんだろう。俺羽那には勝てない気がする。まるで手の内が全て読まれているような気がする。
羽那には気をつけよう。そう思った。
「嘘って難しいですね」
「ですね〜」
その後にちかあたりにも仕掛けようと考えたのだが面倒なことになるからとはづきさんに止められたので、このドッキリはここまでにした。
「プロデューサーさんはみんなから愛されてますね〜」
「はは……嬉しい限りです……」
他人事だな……そもそもの発案ははづきさんなのに……
「でもきっとはづきさんが辞めるってなっても同じようにみんな引き留めると思います。みんなはづきさんのこと信頼していますから」
「も〜褒めても何も出ないですよ〜?そもそも複数かけ持ちが体力的にいつまで続けられるか分からないですからね〜その時は1番お給料の高いとこ1つに絞ったりするかもしれないですよ〜?」
「……ならその時は俺がはづきさんを養いますよ」
「え?」
「はは、なーんてエイプリルフール……」
「プロデューサーさんエイプリルフールは午前中までですよ〜?」
時計を見るとすでに時刻は12時を回っていた。
そういえばそんな話もあったな……
「なので〜プロデューサーさんは責任持ってこれにサインしてくださいね〜」
「また婚約届!?なんでみんな持ち歩いてるんだ!?」
「冗談ですよ〜」
「くそっ!やられた!」
結局その日は1日中みんなに嘘をつかれ続けるのであった。
冬優子の黛が薫になってる