俺を旦那だと思ってやってみてくれ!
ブライダルの広報用動画を撮るノクチルの話。
円香は献身的に家事をするというより、ちょっとものぐさな感じであってほしい。
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小糸「ブライダルの広報……ですか?」
P「ああ、最近は結婚する若者も少なくなってきたらしくて、ブライダル業界も大変らしい。そこで、ノクチルの4人に結婚の素晴らしさをアピールして欲しいんだそうだ」
雛菜「結婚してないのに〜?」
P「まあ、そこはアイドルだから演技だな。新婚夫婦っていう体で動画を撮影して、先方のチャンネルにアップする感じになる」
円香「それで? 新婚夫婦ということは相手役が必要ですよね? どこかのイケメン俳優でも雇ったんですか?」
P「さすがにそんな予算はないんだ。だから、俺を旦那だと思って演技してくれ!」
円香「は?」
P「心配いらないぞ! グラビアとかと同じで主観だから、俺の顔は映らない!」
円香「そういう問題ではなく」
透「どういうシチュ? オッケーだから。濡れ場とかも」
P「そういうのはないな。小糸と透は『いってらっしゃい』、雛菜と円香は『おかえりなさい』がテーマだ」
小糸「が、がんばります!」
P「よし、じゃあまずは小糸から撮影するぞ!」
――DAY1 福丸小糸
P「おはよう」
小糸「おはよう! もう! こんな時間まで寝てたら、会社遅刻しちゃうよ! はい、これ持って!」
P「これは……」
小糸「お弁当だよ! あなたの大好きなハンバーグも入れてあるからね!」
P「ありがとう」
小糸「じゃあいってら……って、ネクタイ曲がってるよ!? もう! しょうがないんだから!」
P「はは、ありがとう」
小糸「まったく、私がいないとダメダメだね! それじゃ、いってらっしゃい! 気をつけてね!」
――DAY1 市川雛菜
P「ただいま」
雛菜「おかえり〜! 雛菜にする? 雛菜にする? それとも〜、ひ・な・な〜?」
P「選択肢が1個しかない!?」
雛菜「1、雛菜とごはん。2、雛菜とお風呂。3、ひ・な・な〜。どれにする〜?」
P「3番より2番の方がえっちな感じがするな。健全な動画にしなきゃだから1番で」
雛菜「あは〜、雛菜入りました〜!」
P「注文したみたいになってる」
雛菜「今日の晩ごはんは〜……じゃーん! 雛菜でした〜!」
P「選択肢は1個しかなかった!?」
――DAY2 浅倉透
P「おはよう……って、誰もいない……」
透「んー……あ、おはよ」
P「おは……ちょ、透!? なんだそのカッコは!? パジャマとか着ないのか!?」
透「何言ってんの? 覚えてない? 激しかったじゃん。夜」
P「健全な動画だから! その前提はマズイ!」
透「新婚なんでしょ? これくらい普通だから」
P「たしかに新婚なら普通か……?」
透「よし。続きやろ」
P「それはダメだから! 普通にいってらっしゃいをしてくれ!」
透「えー。この方がしたくなると思うけど。結婚。まあいいや。えっと……お弁当、冷蔵庫にあるよ」
P「ありがとう、昨日の夜作ったのか?」
ガチャ 焼きそばパン〜
透「美味しいから。マジで」
P「期限が昨日なんだが」
透「大丈夫。1日くらい」
P「……まあ、いいか。それじゃいって――」
透「あ、ちょっと待って。ネクタイ」
P「ん? ネクタイがどうか……脱がすのやたら上手いな」
透「練習したから。はい、着けてあげる」
P「曲がってるのを直すとかではないんだな」
30分後
透「あれ? ここをこう結んで……」
P「ミイラみたいになってきたし仕事は遅刻が確定したぞ」
透「……おっけ。いってら」
P「変なところで固結びされてほどけない……まあいいか、いってきます」
――DAY2 樋口円香
P「ただいま……って誰もいない。ん? 机に書き置き?」
【冷蔵庫にご飯あります。温めて食べてください】
P「円香ーーーッッ!!!」
円香「なんですか、うるさい。もう寝てるので静かにしてください」
P「新婚でこれはどうなんだ!? 割と冷え切ってないか!?」
円香「冷え切ってたらご飯なんて用意しませんが」
P「それはそうか。出来立てではないけど、一応手料理……」
ガチャ 焼きそばパン〜
P「円香ーーーッッ!!!」
円香「近所迷惑です。訴えられたくなかったらその口を閉じてください」
P「なんで円香も惣菜パンなんだ!? 朝も夜も惣菜パンなんだけど!?」
円香「そんなに気に入らないんですか?」
P「なんかもっとこう……新婚感が欲しいんだ!」
円香「………………樋口のここ、空いてますよ」
P「えっちなお誘いなはずなのに言い方のせいで全然えっちじゃない!?」
円香「だいたい、あなたが相手では演技のしようもありません。そんなに欲しい画があるんだったら、ちゃんとした相手を用意してください」
P「相手が違えばいいんだな?」
――DAY2 樋口円香(仕切り直し)
透「ただいま」
【冷蔵庫にご飯あるから。温めて食べて】
透「……」
ガチャ
透「……あ、プリン。イエー」
円香「ちょっと」
透「あ、起きてきた」
円香「なんで私のプリン食べようとしてるの」
透「書いてあるじゃん。晩ごはん冷蔵庫にあるって」
円香「隣にラップしてあるやつあるでしょ。そっち」
透「じゃあ書いといてよ」
円香「それくらいわかるでしょ?」
透「いっつもそうだよね。こないだもさ……」
円香「こないだの話はしてない。だいたいそっちだって……」
透「小糸ちゃんだったら、起きて待っててくれるよ」
円香「は? じゃあ小糸のとこ行けば?」
透「そうする」
円香「もう知らない」
P「ストーーーーッッップ!!! なんで修羅場なんだ!? 新婚早々修羅場なのか!?」
透「大丈夫。このあとなんやかんやあって仲直りのキスするから」
円香「あーあ、残念ですね。それはもう熱々のをする予定だったのですが」
P「そ、そうなのか? じゃあ続きを……」
透「でも容量ないよ、カメラ」
P「え?」
円香「では今ので確定でお願いします。あとは編集でどうにかしてください。できるものなら」
――その後、はづきさんを相手に撮り直したら無難なものが出来たので、先方にはそれを送って事なきを得た。
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- ミゾレJuly 6, 2024