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触れた舌は熱くぬめっていた。
最初は舌先同士を一瞬だけ。
一旦離れて次はもう少し触れるところを増やす。
そうして少しづつ触れる面積が広くなり、触れる時間も長くなり、やがて絡めるように舌全体を擦り付け合うようになる頃には、口だけでなく体も密着し互いの体に腕を回して抱き合っていた。
ぬるぬるとした粘膜同士の接触はそこから溶け合ってしまうと錯覚するくらい気持ちが良かった。
このままずっと、と願うほどに。
だが、どうにも不慣れなせいかうまく呼吸ができなくて、名残を惜しみながらも俺は息苦しさに負けて口づけを解いた。
は、と息を継ぐために口が離れると唾液の糸が互いの間に細く繋がった。
溢れた唾液でどちらの唇も濡れていて、それを舐めとるように桃色の舌が動くのをつい凝視してしまう。
顔が赤くなっているだろう事は頬の熱さで分かった。
そして、肌の色の変化が分かりにくいこいつでも、この距離であれば頬や目元の紅潮が見てとれる。
ああ、こいつもキスが気持ち良いんだ、と気づいて心臓をぎゅうと掴まれるような心地がした。
俺との、キスが。
互いに無言のまましばし見つめ合う。
いつも俺へと向けるきつい眼差しはなりを潜めていて、今のキスで呼び起こされた情欲の炎がちらりと覗き見えた。
それは、奴の瞳に映る俺の目にも覗いていた。
もう一度、と顔を寄せてもこの男が避けるそぶりがない事にじわりと歓びが湧き上がった。
ただ嬉しい、と感じる。
そして、再び口づけようとした瞬間、俺は見てしまった。
あのアーチャーがキスを待つようにゆっくりと目を閉じるのを。
そして小さく口を開いて舌を差し出すのを。
それが嬉しくて、俺は思わずその舌先に噛み付いた
End
(この後、痛いわ!ってぶん殴られます)
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