槍弓sss集
ランサーの「弓兵風情が剣士の真似事とはな」を「弓兵風情が天使の真似事とはな」と聞き間違えてどうしたらいいの?Twitterでお題とか追悼とかネタとか呟いたsssにちょっと手を加えただけです。超短いです。
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夜の駅前で白い息を吐いていると後ろから呼ばれた。振り返ればこちらに向かって走ってくる彼の姿。
「悪いアーチャー!遅くなった」
眉を下げて謝るランサーに苦笑しつつ私も今来たところだ、と言えば両手を温かい手で掴まれた。
「何が今来ただ。冷たくなってんじゃねぇか!」
馬鹿野郎、と怒りながら彼は私の手を自分のそれで包み込む。
自身の身体が思った以上に冷え切っていた事実に驚きながらも、私の両手に息を吹きかける彼の温かさに頬が緩んだ。
冬の夜の待ち合わせ
壁に押さえつけられた。
珍しいこともあるものだ、と囁きながらその内腿をなぞれば男はピクリと背を震わせる。
「私とて男だ」
好きな相手には欲情する。
そう返す鉛色の瞳は情欲に濡れていて旨そうだ。
「お相手して戴けるかな?槍兵殿」
「ああ、お受けしよう弓兵殿」
挑発するように笑うそいつの唇に噛み付けば、首に腕が回される。
昼の路地裏で交わす息は熱かった。
外で盛っちゃった弓
ガラスのカップの中は柔らかい黄色。
ふんわりとした甘い香りに誘われ少し啜れば舌に乗る温かな柑橘蜜。
「美味いな」
素直に口から出た感想に、男はそれを飲んだらさっさと寝ろと素っ気ない返事を寄越した。
でもその横顔が少し緩んでいるのに気づき、ゆっくり味わってやろうと決めて蜜を舐めた。
こんな夜も、悪くはない。
真夜中のゆず茶
目の前にある滑らかな絹糸の青。いつもは流れるように背中にあるはずのそれが…
「何故そんなことになっている!?」
「あー…寝癖?」
見事に巻かれたそれは美しい縦カール。髪先に指を掛けるとくるんと元に戻る青髪に思わず
「…これはこれで悪くないかもしれん」
と呟いてしまった私は頭を抱えた。
いつもは
( ・д・)ヾ(∪・ω・)
この日は
(*´・д・) @(∪・ω・)
「弓兵風情が天使の真似事とはな!」
「……ん?」
今彼は何と言った?
「いやだから弓兵風情が天使のまねご」
「誰が天使か!?」
一瞬意識が遠のく。この槍兵は何言っているのか。
「お前が!俺の!天使!」
「眼科行けたわけ!貴様の天使になった覚えもないわ!!」
自害しろ!と罵倒するものの、私の顔は恐らく赤くなっているに違いない。
凛ちゃんが後ろで大爆笑
荒い息を吐きながらゆっくりと腰を下ろしていく。
ずぐりと痛みが走り、顔をしかめると白い手が私の頬を撫でた。
大丈夫かと心配する彼の手に誘うように頬を擦り寄せる。
「今日はずいぶんとお優しいじゃないか。明日は雨か?」
それとも槍でも降るのかな?と嘯けば、彼は目を細めて獣のように笑う。
「うるせえ、たまにはいいだろ?」
限りなく優しい手に額から零れた汗を拭われ、泣きたくなった。
ただの供給のはずだったのに
『あの歌手の耳に異変!?CMの後詳しくお伝えします』
流れ出したチョコレートのCMを眺めながら首を傾げた。
「耳の病気か?」
「ああ、歌手や音楽家は耳に異常が出やすいからな。おそらく突発性にゃん聴とk」
「……」
「……」
「にゃん聴?」
「難聴だ」
「でも今にゃんって」
「幻聴だ、そうか君も耳の病気かもしれないな。耳鼻科に行くといい」
早口で言い居間から出て行く背中に頬を掻いた。かわいかったのにな。
突然耳の中で「にゃー」って聞こえてくる病気
琥珀の液体を口に含みゆっくりと味わう。芳醇な酒の香りは自分にはキツく、思わず眉を寄せた。こくりと喉を鳴らして飲み干せば胃が熱くなるのを感じ、透明のホイルに包まれた黄金に手を伸ばした。
たまには呑んだらどうだ、と彼が酒と共に寄越したそれを舌に乗せる。懐かしい甘さが口に広がり目を細めた。私は此方の方がいい。
申し訳ないが酒は彼に返そう。ああ、彼が好きな肴も持って行ってやろうか。
頭の中でレシピを巡らせながら、甘い黄金をカラリと口の中で転がした。
ウイスキーと黄金糖
さーて!来週のFateは?
ランサーです。日本の冬ってのは面白ぇな!ケーキ食ったり餅ついたり凧上げたり、今度はアーチャーが太巻きってのを食わせてくれるらしい。節分ってのも楽しみだぜ!
さて次回は、綺礼日本代表に選ばれる、バビロン万歳、ランサーが死んだ!の3本です。
来週も又見てくr…って、俺死んでるじゃねえか!!(゜Д゜;)
教会組は来週も元気みたいです。
あの日消えた彼が目の前にいた。
走って走って走って走り抜いた先に、あの日のままの彼が待っていた。
笑う彼を強引に引き寄せ、私の証をその胸に突き立てる。
それを拒むこともしない彼が心底、この上なく嬉しそうに笑うものだから。
零れ落ちた涙を止める術を私は知らない。
そして、また私は紅い瞳に胸を穿たれる。
みんな幸せになったらいいのになあ