比翼

神神化身 二次創作 夜鷺


比鷺成人済。

see more
Display Settings
Background color
The text color is automatically changed according to the background color.
font size
  • Small
  • Middle
  • Big
font
  • Gothic
  • Ming Dynasty
0

3

肌が触れ合うたび、鷺の翼が波打つような幻覚が走る——背中から、透明な翼が広がり、月光を浴びて白銀に戦(そよ)いでいるような。

比鷺の息が乱れる。喉から小さな声が漏れる。

「君の声が、聞きたい」

萬燈が、比鷺の耳元で囁く。

比鷺は首を振る。髪が乱れ、頰に張り付く。

化身の痣が、さらに強く光る。部屋の闇の中で、二つの痣が共鳴するように輝き、淡い光の粒子が舞う。

「俺、先生がいないと……舞えないかも」

いまにも壊れそうに、比鷺の声が零れ落ちる。

萬燈の瞳が比鷺の顔をじっと見つめ、月光に照らされた表情が、わずかに柔らかくなった。そして、ゆっくりと額に唇を寄せる。優しく、祈るように。

「それでいい」

短い言葉。

だが、その一言で、比鷺の肩から力が抜けた。

萬燈の腕が、比鷺を抱き止める。背中を優しく撫で、指が髪を梳く。

闇の中で、二人は互いの化身を確かめ合う。痣の光が、ゆっくりと同期し、部屋全体を淡く照らす。

願いなど、どうでもよかった。

大祝宴の結果も、カミの審判も、今はこの瞬間だけは遠い。

ただ、この夜だけは、カミに背いても構わない——と思った。外の月が、静かに二人を見下ろしている。

控え室の闇は、深く、温かく、二人の吐息だけを包み込んでいた。

0

3

Tag
Tags:
  • Portfolio Name
  • Name of Work
  • Product Name
  • Series
  • Product Type
  • Creator
  • Category
  • Others
  • Official
  • Video
  • R18

Other series and works

夜鷺甘話

夜鷺甘話

comment

0

ログインするとコメントが投稿できるようになります

Other series and works

夜鷺甘話

夜鷺甘話

日本語
English