おやこのカタチ

さまざまな国の
親子のつきあい方を学ぶ

社会には、さまざまな「おやこのカタチ」があります。「おやこのカタチ」では、多様なバックグラウンドをもつ方にそれぞれの子育てについてインタビューしました。子どもを育てる環境や社会的価値観の違いはあるけれど、実は、意外と似ていたり、とても違っていたり。そして、大切にしていることは同じかもしれません。ほかの親子のカタチを知ることで、自分の親子のカタチを振り返ってみませんか。

SOGIE*子育て座談会

我が子から性的マイノリティ*であると打ち明けられたら・・・。NPO法人ASTAで、当事者の親という立場で、自身の経験やそこから学んだことを発信し、多様性が保障された生きやすい社会づくりを行っている松岡成子さん、田上小百合さん、原岡春美さん。親として子どもをありのままに受け止めるために大事にしたいこと、また、性的マイノリティやその家族が生きやすくなるために必要なことを座談会という形でお聞きしました。

インタビュー参加の保護者のみなさん

松岡成子さん:
戸籍は男性で性自認も男性で、同性を好きになる(ゲイ*)の子どもがいる母
田上小百合さん:
戸籍は女性で性自認が男性(トランスジェンダー男性)の子どもがいる母
原岡春美さん:
戸籍は女性で性自認が男性(トランスジェンダー男性)の子どもがいる母

本インタビューにはNPO法人ASTAのメンバーのみなさんにご協力いただきました

家族の受けとめ

Q.子どもから
性的マイノリティであると
カミングアウト*を受けた経緯と
そのときの様子を教えてください

松岡さん:

私には、娘と息子の姉弟がいます。弟は幼少期のときから女の子になりたいのかな?という感じでした。私は、その頃、SOGIE(性的指向、性自認、性表現)についての知識が全くありませんでした。姉が中1で弟が小4のときに、姉に「もし弟がスカート履きたいとか、ブラジャー貸してとか言ったら、黙って貸してあげて」と話していました。

子どもからカミングアウトを受けたのは、20歳になったときです。それまで私は、いつも「彼女できた?」と聞き、それに子どもがムッとするのを繰り返していました。
でも、そのとき「彼氏できた?」と聞いてみたんです。そうしたら、風が吹いたという感じで、「自分はどうしても女の人のことを好きになれないんだ。僕はゲイなんだよ」と言ったのです。家族みんな彼からのカミングアウトを待っていて、「あ、やっと教えてくれた」と思いました。

でも、そのとき「彼氏できた?」と聞いてみたんです。そうしたら、風が吹いたという感じで、「自分はどうしても女の人のことを好きになれないんだ。僕はゲイなんだよ」と言ったのです。家族みんな彼からのカミングアウトを待っていて、「あ、やっと教えてくれた」と思いました。

*当初、松岡さんは息子さんの性的自認・性的表現が女性だと思っていましたが、ご本人から性的指向が男性であるとカミングアウトを受けました。ゲイであることと心が女性であることは異なり、こうした性に対する周囲の理解不足や勘違いが、当事者がカミングアウトしにくい状況をつくり出していることもあります。

田上さん:

私は子ども(当時は娘だと認識していた)に対し、高校生の頃からこの子はちょっと周りの子と違うなと思っていました。
子どもは、図書館から、性別違和の方の書籍を何冊か借りてきて、自分の部屋じゃなくて、あえてリビングに置いていました。子どもは誰かに気が付いてほしかったのだと思うのですが、私はそのとき、無視してしまいました。何の知識もなく、こういうことって放っておけば自然とこのままの生活が続いていくんじゃないかなという、そんな期待を抱いていました。

子どもは、図書館から、性別違和の方の書籍を何冊か借りてきて、自分の部屋じゃなくて、あえてリビングに置いていました。子どもは誰かに気が付いてほしかったのだと思うのですが、私はそのとき、無視してしまいました。何の知識もなく、こういうことって放っておけば自然とこのままの生活が続いていくんじゃないかなという、そんな期待を抱いていました。

子どもが父親へカミングアウトしたのは、19歳のときでした。子どもは小さいときから父親が大好きだったのと、子どもが男の子の格好をしようが、何も言う人ではなかったので、「お父さんならわかってくれる」と思いカミングアウトしたようです。

しかし、父親の子どもへの反応はすごい拒絶で、「気持ち悪い」、「お前なんか俺の子じゃない」、「お前を殺して俺も死んでやる」という言葉を本人に言ったそうです。父親にひどいこと言われて子どもが泣いており、私はかける言葉が本当に無く、どうしたら良いのだろうという感じでした。ただ、「子どもがこれから私に話すことに対して否定することだけはやめよう。ちゃんと向き合おう」と思いました。

原岡さん:

私の子どもは、小さいときはかわいらしい服装も着るような女の子でした。小学校高学年くらいから部活動が始まると少しずつ変わり、そのことを私はスポーツマンでボーイッシュな女の子という感じで受け止めていました。
ただ、その頃から少しずつ、私が買ってきた服を着なくなり、一緒に買い物に行っても、男の子の服売り場に行こうとし、私が「違うよ、そっちじゃないよ」と言って注意するといったことが増えました。そうした言葉の注意がエスカレートしていき、そして子どもは私と口を聞かなくなり、私が買った服もまったく着なくなりました。

ただ、その頃から少しずつ、私が買ってきた服を着なくなり、一緒に買い物に行っても、男の子の服売り場に行こうとし、私が「違うよ、そっちじゃないよ」と言って注意するといったことが増えました。そうした言葉の注意がエスカレートしていき、そして子どもは私と口を聞かなくなり、私が買った服もまったく着なくなりました。

中学に入ると、スポーツ系ブランドの服を喜んで買うようになりました。私は、「うちの子はスポーツができてかっこいい女の子」ということに喜びを感じていました。そう思っていたところ、中学校を卒業した15歳のときにカミングアウトを受けたのです。

服装はあくまでも趣味嗜好(しゅみしこう)であり、まさかこころがそうだとは思っていなかったため、言われた瞬間に「いやいや、あなた、勘違いしてるんじゃない?」と言ってしまいました。そして、「あんたは間違っている。どこからそんな情報を仕入れてきたんだ」、「治そう」、「戻そう」、そういったことを徹底して子どもに言い続けました。

すると、子どもはどんどん閉ざしていき、目も合わさない、私との会話もまったくなくなる、それがずっと続きました。私の中には、「子どもに違うと気づかせるのが親の役目だ」という思いがあり、そのときの子どもの状況や感情、どんなことに悩んでいるのかを見る余裕はまったくありませんでした。逆に「親の気持ちがなんでわからないの!」という思いでした。

子どもは親から否定されて、受け入れてもらえない、わかってもらえないことですごく自己肯定感が低くなっていきました。子ども自身も自分を否定して、「自分が間違っているんじゃないか」、「何でこうなってしまったんだ」といった思考に陥っているような学生時代を過ごしていました。

Q.子どものセクシュアリティをどのように受け止めていきましたか

オンラインインタビュー座談会にて

松岡さん:

私の場合、受け止めていません。受け止める必要はそもそもないと思っています。それがその人なのだから、「理解する」や、「対応する」、「受け入れる」といった、そういうものではない感覚でした。「了解。承知しました」という感じです

当時、私はあまりにも能天気で、自分のセクシュアリティに対して苦労することがどういうことなのか、イメージがまったくできていませんでした。子どものカミングアウトのときは、ただハッピーな、「隠し事をやっと突き止めた。」くらいの感じでした。その後になって、ようやく深刻性や社会の状況がわかってきました。

田上さん:

カミングアウトのあと、子どもにこれからどうしたいかを聞くと「自分は男の子だから、戸籍を男の子に戻したい」と言いました。
当時私は何もわからなかったため、子どもにいろいろ聞きました。そこで、ホルモン療法や性別適合手術が必要だと言われたのですが、すぐに納得はできませんでした。子どもの話を否定しないと決めましたが、さぁこれらから、ホルモン療法?体に異物入れる?健康な体にメスを入れる?それらのことが自分の処理能力を超えていて、「どうしたら良いんだ!?」と最初は困惑だらけでした。

当時私は何もわからなかったため、子どもにいろいろ聞きました。そこで、ホルモン療法や性別適合手術が必要だと言われたのですが、すぐに納得はできませんでした。子どもの話を否定しないと決めましたが、さぁこれらから、ホルモン療法?体に異物入れる?健康な体にメスを入れる?それらのことが自分の処理能力を超えていて、「どうしたら良いんだ!?」と最初は困惑だらけでした。

子どもは、通院していた病院の先生に「親御さんの了解を得てからホルモン療法を始めよう」と言われていたとのことで、子どもと一緒に病院に行き、先生からさまざまな話を聴きました。
すぐに納得はできませんでしたが、帰りの電車で、「親だからといって、その人の生き方に対して良い悪いと言うのはおかしいんじゃないか」、「なんとかこの子が前に進めるようにしなきゃいけない」とこころの中で思いました。まずは夫をどう説得するかが一番の問題で、私はそのことをずっと思い悩んでいました。

すぐに納得はできませんでしたが、帰りの電車で、「親だからといって、その人の生き方に対して良い悪いと言うのはおかしいんじゃないか」、「なんとかこの子が前に進めるようにしなきゃいけない」とこころの中で思いました。まずは夫をどう説得するかが一番の問題で、私はそのことをずっと思い悩んでいました。

その頃、夫が病気で入院しました。病気で気弱になっていたとき、「俺の人生こんなことで終わってしまうんだな」と、ぽろっと言ったことがあり、そのときに私がこう聞いてみました。「ちょっと待って。子どもはこの先人生あるよね。それが終わるときに、自分の人生これで良かったって、今のままで思えると思う?」と。夫は考えこんでいました。

同じころ、子どもは家を出て、一人暮らしをしながらホルモン療法を開始しました。ホルモン療法が始まると、子どもは変わっていきました。
小さい頃はとても明るく、大人に対して物おじしない子だったのですが、小学校高学年くらいから高校生くらいまでは、自分の素直な気持ちを押し殺すような感じでした。でも、ホルモン療法を開始して声や見た目が変わってくると、少しずつ自分に自信を持てたのか、笑顔が増えるようになりました。

小さい頃はとても明るく、大人に対して物おじしない子だったのですが、小学校高学年くらいから高校生くらいまでは、自分の素直な気持ちを押し殺すような感じでした。でも、ホルモン療法を開始して声や見た目が変わってくると、少しずつ自分に自信を持てたのか、笑顔が増えるようになりました。

夫も、笑顔が増えた子どもを見て変化に気づきました。今思えば完璧なアウティング*なんですが、知り合いに「うちの子こうなんだけど」と相談したところ、「田上さん、そういう人は当たり前にいるよ」と言われたみたいです。「当たり前にいて、俺が知らないだけか。うちの子は特別じゃないんだ」と夫自身が受け止められるようになりました。

原岡さん:

最初、私が受け入れなかったため、子どもは私の両親やきょうだいに助けを求めました。しかし、私と一緒でみんな否定的な反応で、子どもを受け入れませんでした。私の親は、私に対して「なんで孫がこんな風になっちゃったんだ。お前は何やってるんだ」と、それこそ、私が子どもに言ったように「治せ」、「変えろ」と言ってきました。

子どもは、助けを求めてみんなにカミングアウトしたのに、それが10対1のような最悪な事態になってしまった。しかしそこで私の親心が動いたのです。
「私がこの子を否定したのは、私がこの子の親だからだけど、そうではない人に否定されるのは、それは家族だろうが私の親だろうが、許せない」と思いました。その場で、自分の親、つまり子どもの祖父母の怒りから、子どもを守ろうと思いました。これだけ周りから否定され、受け止められなくても、うちの子は本当に一生懸命生きているなと、そこでやっと気づいたのです。

「私がこの子を否定したのは、私がこの子の親だからだけど、そうではない人に否定されるのは、それは家族だろうが私の親だろうが、許せない」と思いました。その場で、自分の親、つまり子どもの祖父母の怒りから、子どもを守ろうと思いました。これだけ周りから否定され、受け止められなくても、うちの子は本当に一生懸命生きているなと、そこでやっと気づいたのです。

そこから私はとても頑張りました。子どもと一緒にご飯を食べる、目を合わせる、この会話に触れてみようとか、どんな風に言ったら、どんなふうに返ってくるかなどを2年くらい繰り返していき、やっと、少しずつ、ちょっとだけ笑いがあったりとか、ちょっとだけ普通の会話ができるようになったりしていきました。

その中で、自分と向き合い、「私、本当はどうしたいんだろう」と考えたときに、私はこの子を守りたい、この子が笑顔で生きていることが一番良いとやっと気づき、私のこころが変化していきました。子どもも、「親にわかってもらいたい」という気持ちを諦めなかった。そうして私たちの本当の親子の関係性が戻っていったのです。

私たち親子はここまでに10年かかりました。私は最初どうしても受け入れられず、ずっと否定して傷つけて追い詰めて、本当に死の近くにまで追いやってしまいました。でも子どもが死ななくて本当に良かった。それは子どもの周りにいた友だちや職場の人、仲の良い人たちが、「お前は悪くない」と子どもに言ってくれていたおかげです。家に居場所が無くてもそうやって守られてきたんだと感じていて、今は感謝しかありません

親としての想い

Q.子を持つ親として知っておきたかった事はありますか

松岡さん:

性的マイノリティの中には、自己否定している人や最初から理解してもらえるわけがないと思う人も多くいます。SOGIEのこともそうですが、発達特性など、人には様々な違いがあって、その人1人1人の人権の大切さを伝える事がいかに子どもたちにとっても重要な事なのかを知っておけば、子どもたちにしっかり伝えてあげられたのではないかなと思います

田上さん:

私は、トランスジェンダーということについてまったく知識がありませんでした。学校できちんとSOGIEについて教育してほしかったと思います。また、乳幼児健診などで教えてもらえると本当に助かります。親も、子どもを産んだ時点が1年生で、そこから子どもと一緒に親になり子育てをしていくため、その時にしっかり教育してもらえると良かったと思います。

原岡さん:

SOGIEというのは趣味嗜好ではなく、その子が生まれ持っているものであり、その子が好みでやっているんじゃないということをちゃんと知っていれば良かったと思います。そうすれば、私はここまでひどい親ではなかったんだろうな、と。知らないということは怖いし、人を簡単に死に追いやってしまうことなんだ、と思います。

Q.1人の親として大事にしたいことはなんでしょうか

松岡さん:

私は幼い時に身内の突然の死を経験しています。だから子どもたちには後悔しないように今を生きてほしいと思っています。
いじめられた経験も子どもたちにシェアしています。いじめる人達、いじめを止めてくれた友達や先輩。手助けてして巻き込まれてしまう事を恐れていじめる側に付き従っていた人達。それぞれの立場にそれなりの理由があったのだと大人になって聞きました。子どもたちには、周りに流されず、いろんな立場の人の話を聞き、その上で自分で考えて判断してほしいと思っています。つまりどんな生き方をするのかを自分で決めて欲しいと伝えています。

いじめられた経験も子どもたちにシェアしています。いじめる人達、いじめを止めてくれた友達や先輩。手助けてして巻き込まれてしまう事を恐れていじめる側に付き従っていた人達。それぞれの立場にそれなりの理由があったのだと大人になって聞きました。子どもたちには、周りに流されず、いろんな立場の人の話を聞き、その上で自分で考えて判断してほしいと思っています。つまりどんな生き方をするのかを自分で決めて欲しいと伝えています。

田上さん:

何でも話せて、それを親として受け止められる親でありたかったし、今もそうありたいです。自分の子どもが幸せになってほしいため、子どもの笑顔が増えて、その子どもの笑顔を守ることが親として一番大事なことかなと思います。

原岡さん:

子どもには子どもの人生があります。その中で、別に何が良いとか何がダメとか決めてしまうような育て方、そういう思考はいらないと思っています。本当は何が良くて何がダメと決められるものではないし、そんな思考がない親でいたい。そういう大人がいっぱい増えたら良いなと、自分の経験を通して思います。

子どもに対してだと、世間体や、周りを気にする自分の考えとかが結構邪魔してしまいます。それさえなければと本当に思います。それを子どもに押しつけてしまうことさえしなければ良いと思います。

社会へ望むこと

Q.性的マイノリティが生きやすい社会になるために私たちはどんなことができるでしょう

松岡さん:

子どもの乳幼児健診や就学時健診などに性的マイノリティ、発達特性、DV、移民、人種差別などの人権の研修を入れてほしいです。

自分の子どもがその当事者かもしれない。当事者じゃなくてもやがて通う幼稚園や学校のクラスメイトの中には性的マイノリティや発達特性、移民などあらゆる違いを持って人がいるでしょう。その子に対して寄り添う子になるのか、いじめる子になるのかは周りの大人の影響が大きいのではないかと思います。
もし私が早くから性的マイノリティや人権について教わっていたら、私が子どもに選ぶ絵本は多様な生き方を伝えるテーマの絵本を探して読み聞かせができたと思います。健診で、子育て自体が豊かになるような情報やスキルを、まさに今赤ちゃんを育てている人たちに伝えてほしいです。

もし私が早くから性的マイノリティや人権について教わっていたら、私が子どもに選ぶ絵本は多様な生き方を伝えるテーマの絵本を探して読み聞かせができたと思います。健診で、子育て自体が豊かになるような情報やスキルを、まさに今赤ちゃんを育てている人たちに伝えてほしいです。

田上さん:

まずは、さまざまな人がいて当たり前だということを、周りの人に知ってもらえると良いと思います。私たちの年代は、近所にカラフルに染めた髪の毛の子どもがいたりすると、ちょっと目を引いて、「ああ、あそこの子」とか「あそこの子ってああだよね」と言われました。そのこと自体が、まずおかしいし、「その子の髪の毛が似合っていれば、良いじゃない」と、私たち世代がもっと変わっていかなきゃと思います。

トランスジェンダーの方の中には、地元の成人式に出れない子も多くいます。私の子どもも地元の成人式には行かず、名古屋で行われたLGBT成人式に行きました。その頃はホルモン療法をまだしていなくて、男性のスーツを着て電車で行ったのですが、「え、男の子なの?女の子なの?」というひそひそ声が聞こえてきて、それに耐えきれず、電車の乗り降りを繰り返して1時間のところ3時間かけて名古屋まで行きました。

ひそひそ言う人たち自身は、特に気にもしていないかもしれませんが、当事者はアンテナをたくさん張っていて、いろいろな雑音が聞こえてしまう人もいる。当事者本人が一番傷ついていて、そこに周りの人の言葉がさらに傷つけてしまうような感じなのです。私たち周りの大人が、もう少ししっかり教育されるべきだと思います。

原岡さん:

まずは知るということ。これが一番大事だと思います。それを他人ごとではなく、本当に自分ごととして、少しだけ耳を傾けることが誰にとっても必要だと思います。そうすれば、性的マイノリティの人を見ても、話を聞いても否定しないし、そして指をさしたり、ダメだと言ったりする人がいなくなれば、本当の意味で当事者が生きやすくなるんだろうなと思います。

Q子育てをしている人、子どもと関わる方へ伝えたいことはありますか

松岡さん:

「今だけだから大丈夫だよ」、「一時的なものだからね」。先生にSOGIEについて相談したらこう言われたという話を子どもたちから聞きました。本人は「信じてもらえなかった」、「良くないことだから一時的と言っているんだ」と受け止めてたそうです。子どもからの相談は、いったんそのままを受け止める、疑わないで聞く、ありのままを肯定することが大切だと思います。

また、日頃の会話の中で多様性の大切さを伝えてくことも大事だと感じます。思春期になると異性に興味を持つようになると保健体育で教えられます。そのときに先生が、「同性に興味を持つ人もいるし、恋愛をしない人も当たり前にいるんだよ」とひとこと言うこともできます。

自分の性のあり方を自分で理解していくときに、周りの大人の影響は大きいのではないかと思います。世の中には本当にいろんな人がいるんだということや、お互いの違いを認め合うことの大切さを周りの大人が伝えていけるのではないかと思います。

私たち大人がやらなくてはいけないのは、子どもたち一人ひとりが安心して社会に出られるようにしていくこと、そして子どもたちが出ていく社会全体を整えていくことだと思っています。

NPO法人ASTAの出張講座にて

用語解説:

SOGIE(読み:ソジー)・・・Sexual Orientation性的指向(好きになる性別)、Gender Identity性自認(自分の性別についての認識)、Gender Expression性表現(服装や髪形、一人称など性別についての表現)の略。性的マイノリティの方だけでなく、異性愛者の方や身体的性別に違和感を持っていない方も含む全ての人が対象になる言葉。
LGBTQ(エルジービーティーキュー)・・・レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー・クエスチョニングの頭文字を取った言葉。体と性自認が一致していて、自分にとっての異性に惹かれるのが多数だが、それに属さない性をLGBTQと言う。性はとても多様であり、LGBTQ以外にも性のあり方があることから、包括的な意味を持たせるために「+」を付記して、「LGBTQ+」とされることもある。
ゲイ・・・同性愛の人々、日本では特に男性間での同性愛者を指す場合が多い。
トランスジェンダー・・・生まれたときの体の性別が自身の性自認と異なる人々を示す包括的な言葉。
カミングアウト・・・・これまで公にしていなかった自らの性自認や性的指向などを表明すること。
性的マイノリティ・・・何らかの意味で「性」のあり方が多数派と異なる人のこと。
アウティング・・・・ゲイやレズビアン、バイセクシャル、トランスジェンダーなど(LGBT / LGBTQ+)に対して、本人の了解を得ずに、ほかの人に本人が自ら公にしていない性自認などを暴露する行動のこと。アウティングはプライバシー問題、選択の自由の侵害問題などにつながる。

団体紹介:
特定非営利活動法人ASTA


2017年に設立。正しい知識の定着、多様性の向上と当事者の健全な育成を目指し、愛知県、岐阜県の学校や行政を中心に出張授業・講演会を行っている。性的少数者(LGBTQ+)についての知識不足が招く、いじめや、当事者自身の自己否定などの多くの問題の改善を目的に、幼少期・青年期における正しい知識の教育と同時に教職員や保護者など学校全体、会社組織など社会全体への啓発、当事者との交流を通して、「大切なのは性別や国籍、身体的特徴などではなく、人格や人柄であること」を伝え、考え、理解を深める機会を提供も実施している。

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