結華「Pたん」
P「はい」
結華「正座」
P「…………何故?」
結華「心当たり、あるよね?」
P「困った事に微塵も無い」
結華「三峰も今困ってるワケですけど」
P「それは困ったな……」
結華「胸に手を当てて考えて下さい」
P「俺の?」
結華「三峰の胸じゃ役者不足でしょって誰が大根役者ですか!」
P「何も言ってないし役者不足じゃなくて力不足だからな」
結華「三峰はさ……Pたんの恋人として精一杯頑張るつもりだったんだよね」
P「……何故突然シリアスになる」
結華「Pたんがどうしても、ど〜〜うしてもっ、って言うなら……その、そういう事も辞さないって言うか……少し期待してた節もあると言いますか……」
P「……だから、何をだ?」
結華「いやいや分かってますって、Pたんだって男なんだから。そういう欲求を抱く事を否定したいワケじゃないのです」
P「まぁ、確かに俺は男だな」
結華「で、会話を戻しますけど!」
P「本筋が何処だったのか見当も付かない……」
結華「どうして! エッチな本もAVも隠し持って無いの?!?!!」
結華「どうして? ねぇどうしてPたん」
P「…………俺は何を期待されてたんだ」
結華「おかしくない? 三峰達まだ同棲してないよね?」
P「なんなら結華が家に来たのも今日が初めてだな」
結華「もう捨てちゃった感じ? にしても早過ぎるでしょ!」
P「いや、そもそも持ってなかったから」
結華「恋人に嘘吐くのは無しだよPたん」
P「恋人にあらぬ疑いをかけるのも無しだろ結華」
P(突然だが、俺は283プロのアイドルである三峰結華のプロデューサーだ)
P(イヤホン半分こしたり写真撮られたり雨の中走り回ったり看病したり線香花火をしたりして、着実に仲が深まり)
P(まぁなんやかんや、本当に色んな事が色々あって)
P(俺たちは、交際する事になった)
P(そして交際を始めて数週間、たまたま休日に出かけていた時に思いがけない雨に降られて)
P(俺の家が近いからという事で、うちで雨宿りする事になったのだった)
P(……下心? そんなものは無かった、決して)
P(結華は嬉々として傘を差しデート続行! なテンションだったが、あまりに雨が強過ぎてどちらかが体調崩したら大変だからと選んだ苦肉の策なだけだ)
P(手を出そうとか、あわよくばみつごころをお試ししちゃったりとかそんな気持ちは全くない、決して、本当だからな)
P(……で、まぁお互いシャワーを浴びて)
P(浴室から出て来た俺を迎えたのは、アイドルとは思えない体勢でベッドの下を覗き込んでいた結華だったーー)
結華「有り得ない……Pたんが? Pたんがだよ?」
P「俺がエロ本もAVも持ってない事がそんなに意外なのか……」
結華「定番でしょ! こういうシチュって大体女の子が彼氏のエッチなそういうの見つける展開でしょ!」
P「そうなのか……?」
結華「そうなのです! そして女の子はこう言うワケです、『ふぅん、へぇ……Pた……キミってこう言うのが趣味なんだ。三み……私にそういう期待しちゃってるんだ〜』と!」
P「明らかに結華の妄想が漏れてたが」
結華「三峰としましては? 彼氏がそういうの持ってたとか女性側が多目に見てあげる展開は大変不本意ではありますが!」
P「俺持ってないぞ良かったな本意で」
結華「それで暫くはワガママ言えるしからかえるし弱みを握れると思ってたのに……」
P「弱み握られて無くても、俺は結華のワガママにはなんだって付き合うつもりなんだけどな」
結華「結構そんなシチュに憧れてたりしたのに……」
P「憧れてたのか……」
結華「ごめん、多分本気でジェラってたし不機嫌になってたと思う」
P「俺はどうすれば良かったんだよ……」
結華「三峰だって分かってますよ? なかなか身勝手な事言ってるな〜って」
P「大丈夫だよ、それでも俺は結華の事が大好きだ」
結華「……私もプロデューサーのそう言ってくれるところ、大好きだから」
P「そうか、良かった」
結華「で、話を戻すけど」
P「良くなかった」
結華「ぶっちゃけさ、それでPたんの性癖を知ろうと思ってたワケですよ」
P「どうしてだよ」
結華「それは……だって、ねぇ? 例えばだけどね? いざそういう事になった時用に、彼氏の好みを把握しておきたいって言うか……」
P「じゃあ例えばだが、俺が巨乳モノのやつ持ってたらどうしたんだ?」
結華「うちに任せとって!」
P「声だけテンション高くて表情死んでるの辞めてくれ俺が悪かったから」
結華「多分泣いてたと思う。心も顔も」
P「正直な話あんまり女性の胸とか見てないから気にしないでくれ」
結華「見るほどの価値も無いサイズって言ってます?」
P「…………俺は貧乳が好きだ!!」
結華「最っっ低!!」
P「勝ち目がなさ過ぎる」
結華「えー、本当に無いの?」
P「無い。結華を哀しませる様な事したくないし」
結華「……なんか三峰だけ汚れてるみたいで嫌なんだけど」
P「それを否定してあげられる要素は残念ながら今のところ無いな」
結華「性欲とか全く無い感じ?」
P「……いや、まぁある事にはあるが……」
結華「……三峰に欲情したりしてる? してくれてる……?」
P「……選択肢が欲しい。せめて一つで良いから俺の立場が下がらない答えがあって欲しい」
結華「…………お願い、答えて……」
P「めっっちゃ欲情する!」
結華「perfect communication!」
P「良し!」
結華「そんなPたんには変態の称号をプレゼント!」
P「悪し!」
結華「うんうん、Pたんは三峰の事大好きなんだねぇ」
P「さっき一回言っただろ」
結華「一回しか言ってくれない感じ?」
P「何度でも言うよ。大好きだ、結華」
結華「……うん、Pたんの愛も確かめられた事ですし、三峰としてはもう満足かな」
P「機嫌は直してくれたか?」
結華「えぇもちろん。まぁ、欲を言えばPたんの弱みの一つでも握っておきたかったんだけどねぇ」
P「あぁ、それなら大丈夫だろ」
結華「……? どういう意味?」
P「ほら、よく言うじゃないか」
P「惚れた弱み、って」
結華「……ふふっ、ふふふふっっ!」
P「……笑うなよ、結構恥ずかしかったんだぞ」
結華「ごめんごめん、あんまりにもPたんが真面目な顔して言うものだからっ」
P「まったく……慣れない事なんて言うもんじゃないな」
結華「良いんじゃない? 三峰、こう見えて結構ときめいてたし嬉しかったから」
P「……なら、良しとするか」
結華「それと……その弱み、握ってるのはお互い様だからね?」
P「……有り難い事だ」
結華「あ、照れてらっしゃる?」
P「見ての通りだよ」
結華「うんうん、照れ隠しのその反応も予想通り。Pたんの事、ちゃぁんと把握出来てるねぇ三峰は」
P「……やっぱり勝てないな、結華には」
結華「照れ隠しも可愛いけど、素直にそう言ってくれるのも嬉しいものだねぇ」
P「素直が一番だろ。特に、結華相手には」
結華「おっと、余計な一言が聞こえてきましたけど〜? ……でも、うん。私が何言ってるんだって感じだけど……Pたんには、素直でいて欲しいな」
P「……結華……」
結華「……三峰、ちゃんと受け止めるから」
P「素直に言えば……受け止めてくれるのか?」
結華「……うん。Pたんなら」
P「…………分かった。なぁ、結華……俺……」
結華「…………はい……」
P「AV、全部スマホにダウンロードしてるんだ」
結華「正座」
オチまで完璧