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Danbooru

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だんぼーる

2005年に開設された、英語圏を対象とする世界最大規模のイラスト転載サイト(引用サイト)

概要

Danbooruは、日本のアニメやマンガの影響を強く受けたギャラリー型の画像掲示板であり、アニメ調イラストの保存・整理を目的としている。

さまざまなイラスト投稿サイトや、SNSに投稿された作品を、第三者が転載(引用)するかたちで集積しており、各画像には原典となる投稿ページへのリンクと、極めて細かいタグが付けられる。こうしたタグ付けによって、画像は体系的に整理され、検索性の高いアーカイブとして機能している。

転載にあたっては、原則として元ページへのリンクなど出典の明記が求められるが、投稿者自身が制作したオリジナル作品については、他のサイトを経由せず、直接アップロードすることも可能である(ただし、客観的に見てヘタクソと判断された作品は「最低品質基準」を満たしていないものとして削除される場合があるため注意が必要)。

歴史

Danbooruは2005年に開設された老舗サイトであり、2007年開設のpixivよりも早くから運営されている。その歩みは、英語圏における画像掲示板文化のもうひとつの系譜を示しているとも言えるだろう。以下、その歴史を簡単に追う。

Danbooru以前(Something Awful~4chan)

もともと英語圏には、日本のアニメやマンガの画像を専門に扱う大規模な画像掲示板は存在しなかった。転機となったのは、悪名高いユーモアサイト「Something Awful」にあったアニメ掲示板「アニメ・デス・触手・レイプ・売春宿」(通称:ADTRW)の支部として、2003年10月に開設された匿名掲示板「4chan」の「/a/」(アニメ・マンガ)板である(現在は「2ちゃんねる」創設者の西村博之が管理運営)。

4chanは、日本の画像掲示板「ふたば☆ちゃんねる」(2chan.net)のソースコードをもとに開発された、英語圏最大規模の画像掲示板サイトである。アニメ画像の転載やネットミームの拡散・改変を通じて、英語圏における多くのネットミームがここから生まれ、独特なネット文化と匿名コミュニティを築き上げていった。ただし、4chanは「スレッドが一定時間で消える」構造を持っており、情報の蓄積や長期的な画像の保存には適していなかった。この構造は、常に新しい投稿が流れ続ける活発さを生む一方で、過去の画像を一切記録できないという欠点もあった。

この欠点を補うかたちで登場したのが、2005年に@albertによって開設されたDanbooruである。初投稿(post #1)は5月24日で、この日は「Danbooruの誕生日」とされている。

4chan(chan-board)との違い

4chanとDanbooruは、日本のアニメ・マンガ文化を背景に持つ老舗の大手画像掲示板サイトという点では共通しているが、サイトの性格は大きく異なる。具体的には4chanがリアルタイムのやりとりを重視し、投稿が流れていく「一過性」の掲示板であるのに対し、Danbooruは画像を記録し、体系的に整理して残す「蓄積型」のアーカイブとして設計されている点が相違点となっている。

Danbooru最大の特徴は、前にも述べたように、ユーザーが投稿された画像に詳細なタグを付けられるところにある。このタグ機能によって、膨大な画像が体系的に整理され、簡単に検索できるようになっており、実用性の高いデータベースとして機能している。またサイトのデザイン(ユーザーインターフェース)は、4chanと同じく昔ながらのシンプルなスタイルを保っており、20年以上ほとんど変わっていない。その結果として、視認性と機能性を重視したサイト設計が今日に至るまで維持されている。

黎明期~安定期

2007年にDanbooruのソースコードが公開されると、それをもとにGelbooruSakugabooruSafebooruyande.reRule34e621AIBooruなど多くの「booru系」派生サイトが誕生した。これらサイトは、それぞれ独自の文化を築いており、中には本家のDanbooru以上に特定界隈で高い認知度を持つものもある。

同年から2008年にかけては、miezaru.donmai.usを用いたクローズドベータテストが実施され、UIや機能が大幅に改良されるとともに、本体サイトの再開、ユーザー登録の解禁、検索機能の段階的制限などが行われた。

2013年には「Danbooru 2」への大型アップグレードが実施され、サイト構造や検索システムが刷新された。以降、投稿数は飛躍的に増加し、2015年に200万件、2018年に300万件、2025年には1000万件を超えるに至っている。

2019年末、創設者の@albertが運営から退き、新たに@evazionが管理者に就任した。これ以降、Discordサーバの開設や、ローマ字表記の基準変更、アップローダー名表示の仕様調整など、運営体制とガイドラインの見直しが進められた。

混乱期

2022年、Danbooruは大きな転機と試練を迎えた。

まず、オンライン決済処理サービスのStripe、ECサイト構築サービスのShopifyから相次いでBANを受け、ゴールドアカウントのアップグレード機能が停止に追い込まれた(DanbooruはShopifyを通じて有料のアップグレードコードを販売していたが、アカウント凍結により販売不可能となった)。

さらに同年秋、AIイラスト生成サービスであるNovelAIが、Danbooruの画像を学習に利用していたとする報道が拡散され、多くの作家から削除要請が殺到した。これを受けて、DanbooruはAI生成画像を禁止コンテンツに指定し、日本語で公式声明を発表するなど、運営方針の見直しを迫られる事態となった。

このようにDanbooruは、激しい毀誉褒貶に晒されながらも、イラストを体系的に記録・整理するアーカイブとしての方針を長年にわたり維持してきた。その基盤には、企業資本に依存せず、ユーザーコミュニティによる自律的運営を維持継続してきた堅牢な体制がある。Danbooruの発展は、即時性を重視する4chanとは対照的に「記録」と「キュレーション」を軸として展開してきたもので、こうした点からDanbooruは画像掲示板の代名詞ともいえる4chanとは異なる理念と価値観を体現した、独自路線の画像掲示板サイトといえるだろう。

運営資金

無料で作れるアカウントとは別に、検索速度上昇やタグ検索に使うタグ最大数増加、検索ワードの保存数増加など、利便性を提供するゴールドアカウントが用意されている。ゴールドアカウントはいわゆるサブスクリプション形式ではなく、一度20ドルを払えば永続的な権利が得られる(ただし現在は前述の理由から新規購入を停止中)。

Danbooruに広告は存在せず、ゴールドアカウントも上記の通りサーバー代をまかなえるとは思えない程度の金銭しか要求しない。これは、後述するようにDanbooruが非営利のウェブサイトであると主張するためだと思われる。

利便性

pixivのタグは1投稿につき最大で10個までしか登録できず、もっと評価されるべきに代表されるような感想でしかないタグ無意味なタグも多いため、タグを用いて絵を探す利便性はDanbooruの方が遥かに優れていると評価されることもある。

さらに、低品質なイラストやAI生成イラストは、複数人のモデレーターの審査により弾かれる仕組みになっているため、掲載されるのは客観的に見てクオリティの高い作品のみである。結果として、ユーザーは常に高品質な作品だけを閲覧できる環境が保たれている。

検索タグ(Danbooru語)

Danbooruでは、イラストに含まれる「人数」「髪型」「目の色」「服装」「表情」「構図」「背景」など、あらゆる要素が精密にタグ付けされている。タグの分類基準は明確で統一されており、pixivのように投稿者の主観に左右されることはない。そのため、重複や表記の揺れがほとんどなく、視覚情報を正確かつ効率的に検索・整理できる点が、Danbooruタグの大きな強みとなっている。ちなみに複文で構成されるタグは、英単語をアンダースコア(_)でつなぐのが基本。その独特な記法と語彙体系から、日本語圏では「Danbooru語」とも呼ばれている。

Danbooru語は、もともとサイト内でのイラスト検索や整理する目的で使われていたが、その構成要素が網羅的で、記述も統一されていたことから、Danbooruを学習元とするAIイラスト生成サービス(例:StableDiffusionNovelAIなど)においても画像生成プロンプトとして流用されるようになった。特に、生成AIがまだ自然言語を正確に理解できなかった初期の頃には、意味が明確で短いタグのほうがイラストをうまく生成できるため、Danbooru語が重宝された。

現在でも、Danbooruタグは、前述したAIイラスト生成サービスにおける事実上の共通言語(標準プロンプト)となっており、自然言語による指示と並んで、代表的なプロンプト形式のひとつとして広く使われている。

記号による表情表現

Danbooruのタグの中でも特徴的なのが、記号を使ってキャラクターの表情や気持ちを表すタグである。これは顔文字絵文字のようなもので、感情・目線・気分などが、タグを見ただけで分かるようになっている。たとえばコンセント目(棒目・縦糸目)は「|_|」であり、虹彩が縦長の猫目四白眼)は「<|>_<|>」といった記号で表される。

以下、代表的な記号タグの例を示す。

記号タグ意味
0_0白目(驚き・フリーズ)
@_@ぐるぐる目(混乱・酩酊)
o_o丸い白目(〇目)
>_<目をぎゅっと閉じる
<o>_<o>猫目(ねこぢる型)
=_=横糸目(疲労・脱力・無気力)
:oぽかん(驚き・無垢)
:D / XD笑顔(陽気・爆笑)
o3oおちょぼ口
:pペロリと舌を出す
:<への字の口
\(^o^)/人生オワタ

表情表現の詳細は公式wikiの「tag_group:face_tags」に詳しい。これらの記号タグはNovelAIでも表情や感情のニュアンスを細かく調整するプロンプトとして活用されている。

タググループ

Danbooruでは、各タグの意味や使用例を解説した公式の「Danbooru Wiki」が存在する。タグ名の横に表示される「?」マークから該当ページにアクセスできる仕様となっており、タグの正確な意味を調べたり、関連するタグを参照するのに役立つ。

中でも便利なのが「タググループ」と呼ばれる分類システムである。これは膨大なタグを体系的に整理したもので、以下のようなカテゴリが存在する。

・Colors(色彩)

・Hairstyles(髪型)

・Clothing(衣装)

・Body parts(身体部位)

・Image composition(画面構成)など

たとえばAIイラスト生成サービスで色指定をしたいときは「Colors」タググループを参照すればよい。そこで「pale_color」を使えば色調が淡くなり、「spot_color」を追加すれば特定部位のみ色強調が可能になる。こうしたタグは画像生成プロンプトとして効果的に反映されることから、Danbooruのタググループは「非公式プロンプトガイド」として扱われることもある。

生成AIとの関係

生成AIの登場後はAIの学習データとして使用されるようになり、知名度が上昇した。

前述したとおり、NovelAIはDanbooruを学習に使用したことを公言しており、Danbooru側はNovelAIとは無関係であるとの声明を発表している(大手SNSやGoogle画像検索も、学習用画像の収集に用いられているため、Danbooruだけを学習材料に生成AIが作られているわけではない)。

Danbooruは学習データとなっている以上の関連性は無い。

法的解釈

当然ながら投稿されているイラストは第三者による無断転載にあたるため、海賊版サイトとみなし、敵視する絵師も少なくない。

しかし、全ての絵に引用元へのリンクや作者名の明記が行われており、またDanbooruにイラストを転載することによるアップロード者の金銭的利益は全くなく、Danbooru自体も非営利目的で運営しているとされているため、アメリカにおいてはフェアユースにあたり、著作権違反にならないとする解釈もある。

すなわち、インターネットアーカイブと同じく公益性のあるデータを保存する有意義な活動であるため、違法ではないとする考え方である。ただ実際に裁判で争われたことは皆無のため、合法か非合法かは未知数であるというのが現状と言える。

転載された絵を消したい場合

Danbooruの運営相手に削除依頼をし、自身が絵の作者であることを証明すれば削除対応が行われる。

なお、さらなる外部サイトへの無断転載を防止する等の目的で転載元となったpixivの絵をすでに消去してしまっていた場合、自分が絵の作者であることを証明することが困難になるという説がある。

※削除にはDMCA申請に則って、Danbooruに作者自身の本名と住所を送信しなければならならない点を留意されたい。

類似サイト

Danbooru以外にも類似したイラスト転載サイトは前述のとおり多数存在している。

Danbooruは、それらの転載サイトの起源であり、同様の画像掲示板ソフトウェアを流用した転載サイトは「~booru」というサイト名をいずれも真似ている。

Chrome拡張機能

画像をDanbooru系列のサイトにアップロードする拡張機能。

GithubでDanbooruからフォークしたaibooruなど共通しているサイトならドメインを書き換えることでどこへでもアップロードできる。

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参考リンク

Danbooru Tag Groups 一覧ページ

Danbooru - Know Your Meme

Danbooru - ナムウィキ

Danbooru/同様のサイト - ナムウィキ

‘Danbooru AI’ directory - Gwern.net(Danbooruデータセットを活用したAIイラスト生成に関する最新の研究論文や要約、関連プロジェクトを網羅的に紹介したディレクトリ。StyleGANやBigGANなどの生成モデルを用いた画像生成手法に加え、データの前処理やトレーニング手順について詳細に解説されている)

画像掲示板「Danbooru」は、悪質な無断転載サイトなのか→「99%は一般公開されたもの」「作者とソースを明記しており、フェアユースでは?」という声も - Togetter

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