「これ以上の炎上は望んでいない」性被害訴訟の原告女性が心境、小学館の漫画家再起用問題
児童ポルノ禁止法違反で略式命令による罰金刑を受けていた漫画家の男性を、別のペンネームで原作者として起用を続けたとして小学館に批判が集まっている問題で、この男性から性被害を受けたとして損害賠償を求めている裁判の原告女性のメッセージが3月8日、代理人弁護士を通じて公表された。 【動画】元Jr.が語る異様な状況 原告女性は「私が本当に許せないと思っているのは、判決が出ても非を認めて謝罪しようともしない加害教員です」と思いを吐露。3月5日には、小学館の役員らから電話で謝罪を受けたことを明かした。 そのうえで「被害の実相を知ってもらい、同じような被害に遭う人を無くしたいという思いが第一で、小学館に対して強い怒りや恨みを持っているわけではない」との考えを示した。
●「休載の本当の理由を伝えるべきだった」
原告女性はメッセージの中で、小学館が別名義で男性を起用していたことについて「確かにショックでした」と振り返った。 一方で、「前科がある人であっても、絵を描いたりストーリーを考えたりすることはしても良いと思います」としたうえで、「読者に対して誠実に、休載の本当の理由を伝えるべきだと思っていた」と述べた。 また、「これ以上、小学館への批判がインターネット上で炎上することは、望んでおりません」とし、冷静な対応を呼びかけた。
●学校側の責任を問い控訴へ
札幌地裁の判決などによると、原告女性は通っていた私立高校の講師だった男性から、性行為をされるなどしPTSDを負ったとされる。 原告代理人は、男性が「グルーミング(手懐け)」の手法を用い、教員という立場を利用して原告を心理的に拘束したと指摘。「学校内で構築された先生と生徒という強固な上下関係が無くなるはずはなく、原告には拒絶することができなかった」と主張している。 原告女性は「私が心から望むことは、加害教員からの被害の実相を広く知っていただき、こんなことが起きないよう、社会全体で子どもを性被害から護る仕組みをつくっていただくこと」と強調した。 この裁判では、札幌地裁が2月、男性に損害賠償1100万円の支払いを命じる一方、学校法人の責任は認めなかった。一審判決を不服として、原告と被告の双方が3月6日までに控訴している。 また、この男性が過去に児童ポルノ禁止法違反で略式命令を受けていたにもかかわらず、小学館が別のペンネームで原作者として起用していたことが明らかになり、同社の対応にも批判が広がっている。
弁護士ドットコムニュース編集部