トランプ政権、再保険3兆円超。ホルムズ海峡通航、船体・貨物を対象。金融公社が中央軍と連携
米トランプ大統領が先頃発表した、ホルムズ海峡通航船に対する米政府による保険提供が具体化に向けて動き出した。スコット・ベッセント財務長官と国際開発金融公社(DFC)のベン・ブラックCEO(最高経営責任者)は6日、200億ドル(約3兆1500億円)規模の再保険の実施計画について合意したと発表した。当初は船体保険と貨物保険を対象とする。中央軍(CENTCOM)と連携し、海上貿易への信頼性回復、国際貿易の安定化を進め、中東で事業を行う米国と同盟国企業を支援するのが狙いだ。
米国によるイランへの軍事行動「エピック・フューリー」開始以降、ペルシャ湾内やホルムズ海峡周辺では商船への攻撃が続く。
英保険市場のアンダーライター(保険引受業者)などで構成されるJWC(ジョイント・ウォー・コミッティー)が先頃、追加保険料が必要となる「除外水域」を拡大したほか、主要P&Iクラブ(船主責任相互保険)がペルシャ湾入域船への戦争リスク補償の一時停止を通告するなど、海運会社にとって保険面からもホルムズ海峡通航が困難になり、世界のエネルギー調達に深刻な影響を与えている。
トランプ大統領は3日、これら機能を肩代わりする形で、DFCによる新たな保険提供を開始すると発表していた。
DFCは今回の再保険について「リボルビング方式で最大約200億ドルの損失を保証する、再保険ファシリティー(引き受け枠)を設立する」と説明。DFC自体は船体・貨物保険のノウハウを蓄積していないため、DFCが個別に直接保険契約を締結するのではなく、民間保険会社が引き受けた保険などについて再保険を引き受ける形を想定している。
DFCは米国の最高レベルの優先的保険パートナーを選定したと説明している。
DFCのブラックCEOは「DFC保険は他の保険では提供できない水準の安心感を提供する。この再保険計画により、石油・ガソリン・LNG(液化天然ガス)・ジェット燃料・肥料などがホルムズ海峡を通過し、再び世界へ供給される」と強調した。
一方で、実務上は不明点も多い。
適用される船舶の基準についても明示されず、船籍や貨物の種類、目的地など、具体的な条件については直接問い合わせないと分からない状況だ。
中央軍との連携についても、トランプ大統領は「米海軍による護衛を行う」とコメントしていたが、今回の発表では具体的にどのような支援が行われるかなど詳細は明らかにしていない。
【激震 イラン軍事衝突】