前の話
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なんとなーく。ほんとうになんとなーくお互い意識していたし、うっすらとある劣情に気づいていた。
ふとした瞬間に熱っぽい視線を向けられることがある。逆も然り。なんか仁人を見てると無性にムラムラしてくることがあった。
だから、そーゆー関係になるのも必然だったというか。特に揉めることもなく、気付けばお互いで欲を発散するようになっていた。
所謂セックスフレンド。特に決まりは無い。
2人きりになったときとか、メンバーに聞こえないように耳元で
「今日。俺ん家。」
なんで色気もクソもないような誘いをすることがほとんど。なんせ、こちとらずっと一緒にいるのだ。
いちいちエロく誘っていられるわけない。
仕事が早く終わった方が家に帰り、ヤるための準備をする。まぁ慣れたもので準備と言っても、ローションとゴムの在庫を確認してベットサイドに置き、シーツにバスタオルをひくくらいだが。
ヤる前に飯なんか食って、途中気持ち悪くなり中断なんてシャレにならんから、飯は全部終わったあと。
気分がいい日は先に作り置きしておくこともあるが、基本はカップ麺である。
おい。アイドルが夜中からカップ麺食っていいのかって?舐めないで欲しいわ。俺たちだって普通の成人男性なのだ。ヤることヤって気持ちよくなったら、あとのことなんてどうでも良くなる。
そんな中でわざわざ飯なんて作ると思うか?
飯を食いにリビングへ行くのも正直いってダルいのだ。
でも、食わぬことには支障をきたす。
それこそアイドルとしてどうなんだ。
とまあそんなことはどうでも良くて。
とりあえず、俺たちは不純な関係性をここまで続けてしまっているというわけだ。
仁人と楽屋で二人きり。
ほかの3人はまだ撮影が終わっていないらしい。
最近、塩レモンで撮影を受けることが増えた。
そのことに異論等は特にないのだが、み!るきーずに見せる姿のその裏で、お互い獣のように裸で貪りあっていることに罪悪感を感じない訳でもない。
そんなことを考える僕の事などつゆ知らず、今日も仁人は独り言をブツブツ呟きながら頂いた弁当を食べていた。 いや、まて。独り言にしては些か大きすぎる。
まぁ今に始まった話ではないが。
そんな仁人を見ていると気が抜けてしまった。
僕もさっさと弁当食べちゃお〜〜っと机の上に手を伸ばす。
しかし、その手は弁当を掴むことはなかった。
仁人が僕の手を握っている。しかも恋人繋ぎ。
は?
急になんやねん。今、僕は弁当を食べようとしてんねん。邪魔せんといてや、そう伝えようと口を開こうとした矢先
「ねぇ太智。今日、いい??」
こちらをのぞき込む大きな目。
いつもの茶化すような色は消え失せ、真面目に僕に問う仁人に調子が狂わされる。
『……なんや急に。』
「今日、行っていい?」
再び同じことを繰り返す仁人。
なんか、今日の仁人変だ。なんでそんなに必死なん??
『…別にええけど。なんなん?めっちゃ必死やん。』
「……なんでもない。」
いや、それはなんかあるやつが言う言葉や。
でもまぁ、深入りされたくないことのひとつやふたつあるだろう。
俺だって最近、一人でヤったら前だけで全然満足できなくて、新たに玩具買い足したもんな。うん。
次はブジーとかもありやなぁ、、、、、
ってちゃうちゃう。そんなこと楽屋で考えるのはあかん。
さすがにキモイわ。
自分の淫らな思考に一瞬血の気が引く。
「…何ひとりで百面相してんの。」
『………』
『いや、なんでも。』
「…あっそう。それじゃ、仕事終わったらお前ん家行くわ。」
『りょーかい。』
『………、』
いや、おれ了解って言ったよね。なんで俺の手はまだ仁人と繋がってんの???
『なぁ。いつまで手、繋ぐん?飯食いたいんやけど』
「あ。ごめん。」
ようやく開放された俺の右手。
その手は仁人の体温が移りじんわりと暖かい。
よくわからない。けど、何故だかその温度が少しだけ恥ずかしかった。
その後、個人撮影も無事に終え、今からスタッフさんと書類の確認をするという仁人よりも先に家へ帰る。
どうせ向かう先は一緒なのだから待てば良いのに、と思うかもしれないが、それでメンバーに怪しまれるのはごめんだ。
アイドルがメンバー同士でセックスをしているなんて普通じゃないことくらいさすがにわかっている。
かと言って辞める気もサラサラないのだからどうしようもないが。
楽屋に残っていたメンバーにおつかれと声をかけタクシー乗り場へ向かう。
今日は僕の家。
結構久しぶりな気もする。早く終わった方の家に行くと言いつつ、潔癖のきらいがある僕を気遣ってか、最近は仁人の家でヤることが多かった。
なんでこんなとこだけ優しいかなぁ。
もっと別のところで気を遣えば、かわいい女の子とできたかもしれないのに。
いや、さすがにスキャンダルなんで笑えないからこれはこれで合理的か?
でも、抱いてて柔らかくも可愛くもない男とヤるってどんな気持ちやねん。お前はそれでいいんか?
もしかして仁人って結構変態……?
やめよう。それは全て僕にも言えることだ。
自分で言っててかなしくなる。
そんなどうでもいいことを考え悶々としている間に家へ着いたらしい。緩やかにブレーキが踏まれる。
スマホでパパっと支払いを終え、足早に家の中へ帰る。
さっさと片付けて準備に取り掛かろう。
仁人が来る前に風呂にも入りたいし。
朝もかけたが、念の為もう一度掃除機をかける。
いくらメンバーとはいえ、お客様なのだ。綺麗にしておいて損はないだろう。
今からやることはただのセックスであるが。
掃除機をかけて終わったら今度は寝室へ。
普段は目に入らないようにベッドの下へ置いているローションとゴムを取り出し、ベットサイドに置いておく。
昔はゴムのパッケージを見るだけで顔が赤くなり、投げ飛ばしたい衝動に駆られたりもしたが、今では何食わぬ顔をしてコンビニで買えるようになってしまった。
慣れって怖い。
続いて大きめのバスタオルを3枚持ってきて、シーツの上へ丁寧に広げる。まぁ、結局いつもシーツまで洗う羽目になるのだが、タオルがあることとないことでは心の持ちようが違うだろう。
仁人が悪いねん。やめろ言うてもやめてくれへんし。
俺は悪くない。なんて一人文句を垂れてみる。
寝室の準備は終わり。次は……先に風呂入っておくか。
仁人には合鍵を渡してあるので、もし風呂に入っている間に訪れたとしても問題はないだろう。
一応、勝手に入ってくれて構わないと一報入れておくことにする。
風呂に入り、手早く洗い進める。
どうせ今から汗かくねん。今ここで時間をかける必要はないだろう。
ある程度洗い終わったら、今度は持参していたローションを取り出す。適量手に取り、指に馴染ませてから後孔にまずは1本押し込む。
何度やったって、やっぱりなれない。少し息を詰めながら慣れるまで動かさずに待つ。
違和感が薄くなってきたら、今度は拡げるようにぐにぐにと指を動かす。
誰にも見られていないということはわかっているけれど。それでも、突っ込まれるために自分で孔を広げているという事実が恥ずかしくてしょうがない。
自分一人でやっている時ですらこんなに恥ずかしいのだ。な の に !仁人はいつもなんで先に準備をするのか、俺にもやらせろと文句をつけてくる。
はぁ?ふざけるのも大概にせーよ。
誰がやらせるものか。こんな惨めな姿を人に、ましてやメンバーに見せる訳がないだろう。
どんな顔してあったらええねん。なぁにが恥じらい多き人間だ。だったら俺にも遠慮せーよな。
脳内ではそんなことを考えつつ黙々と手を動かす。
クチュクチュと解す音が耳に入ってきて、居た堪れなくなるが、そんなこと言ったらいつまでも終わらない。
早く終わらせよう。
……きもちよくなんてないから。これはただの準備、
…でもまぁ、身体は正直なもので。
ちんこ勃っちゃうんだよなぁ、、、、。
後ろの準備をして勃ってしまった自身を慰めることのなんて情けないこと。
でもまぁ勃ったまま仁人を迎える訳にも行かないので、1回出すことにする。
後ろを拡げる指はそのままに、もう片方の手でちんこを優しく撫でる。
『…ぁ///ッん゛、』
風呂場に響いた自身の声に驚き、慌てて唇を噛む。
キモすぎる。よく仁人も萎えないよな、と少し感心する。
なんて惨めなんろう。さっさと終わらせよう。
そう思うのに、自身を弄る手はどんどんエスカレートしていくばかりで、我慢できない声が漏れ出てくる。
『んぁ…///ッふ、ん゛♡』
『ぁ〜〜〜///ッき、もちぃ、ぁ゛♡』
もう少し。もうイケる。早く終わらせよう。
そう思い、手を動かす速度をあげた時、
「えぇ〜〜もうイッちゃうんだ???」
「もう少し頑張ろうよ♡」
後ろから伸ばされた手に僕の手ごと包み込むようにちんこを握られる。
あ?いや、なんで仁人がいるん???
おれ、夢中になりすぎて気づかなかったってこと?
なにそれ、恥ずすぎる……
「いや、LINE見て勝手に入ったはいいけどさ。10分たっても全然出てこないからのぼせてんのかなぁって。」
「心配になってこっち来たら、なんか可愛い声聞こえて。なに?一人できもちよくなってたの♡?」
『…ごめん。』
恥ずかしすぎて顔もあげられないまま、心配させてしまったことに一応謝っておく。
「いや、全然。むしろ元気そうで良かった♡」
「よし、続きしていいよ♡」
『あ゛ぁ〜〜〜///まっ、て゛♡じんと、と゛まって゛♡』
それからというもの、仁人は服を着たまま、俺だけ全裸でずっと後孔を弄られ続けている。
「いや〜だって太智、絶対に後ろ慣らさせてくれないじゃん?俺、ずっとやりたいって言ってたのに。」
『んッ...///だれ、がヤラせるかッ///…ぁ゛♡』
「でも、気持ちよさそうじゃん?ほら、こことか♡」
『…あ゛ぁ?!!、?♡///ちょ、まぁ゛ッて♡』
『とま、ッて゛!?、♡ンぁ、おす゛なぁ゛♡///』
ギターを弾く手。マイクを持つ手。綺麗な仁人の手が俺の中を蹂躙している。
その事実に卒倒しそうだった。
前立腺を狙って指が押し込まれる。
散々弄られてぷっくり腫れ上がっているであろうそこを容赦なく潰される。かと思ったら挟み込まれ、大きく左右に指を動かされる。
「ほら。太智のここ、触って欲しいです〜って大きくなってるよ。」
『ッ///、いゃ、い゛やた゛!?♡////』
『じん、と♡、とま゛ッて゛!、?!///』
「えぇ?いやじゃないでしょ?」
「だって、太智気持ちよさそうだよ???今このまま止めちゃっていいの??」
『い゛ぃ゛!!♡いい゛から゛、どま、れ゛!?///』
ようやく仁人の手が止まる。
一度も達することの許されなかった僕のちんこが赤黒くパンパンになっているのが目に入る。
こいつ、、、、まじて、、、、
「なに?太智。とまったよ?」
『……ッ風邪ひく。ここで盛んなや。ベッド連れてけ。』
目も合わせず簡潔に伝える。
今、あいつの目を見たら僕も我慢出来なくなっちゃうから。
力の抜けて役に立たない足腰に軽く舌打ちをする。
仁人の方に腕を伸ばし、言外に運べと訴える。
「…んふ。仰せのままに。」
体を拭くのも程々にベッドへと向かう。
仁人は服が濡れるのも気にしない様子で俺を抱き上げると迷いのない足取りで寝室へ入っていった。
「そういえば太智。お前普段から後ろ使ってんの?」
『は?なんで???』
「いや、さっきベット下から色んな玩具出てきたから。つかってんのかなぁーって」
バッと顔を上げ、仁人をみる。
ニヤニヤとした表情を隠そうともせず、僕が隠していた玩具を手に取る。
『おま、、、何勝手に人のベット下見てんねん!?』
『馬鹿なん???はぁ??????』
仁人の口が開き、何か言おうとしているのを見つめる。
やけにゆっくりした動き。
いや、な予感。
「それ使ってるの見せてよ。」
『お前、本気か?頭おかしくなったんちゃう?』
「なんだよ。失礼だな。」
「別に難しいことは言ってないだろ?普段やってる通りシてくれればいいから。」
『いや、それがおかしいねん。なんで人の前で自慰を披露せなあかんのや。お前がやれや。』
「…いいけど。」
そう言ってベルトのバックルに手をかける仁人。
は???マジで言ってる???
こいつの貞操観念どうなってんの???
『いやいや、なんでできるねん。』
「普段もっとえぐいことしてるじゃん。」
…たしかに。お互いの敏感なところを擦り合わせて快感を得ているわけで。普段は絶対に人に見せられないような惚気けた顔をして交尾をしているんだから今更恥ずかしがったところで、という話ではある。
いや、だとしてもだよ。
顔をあげると、シャツ以外を脱ぎ捨て今にも自身に手を伸ばそうとしている仁人が目に入る。
こいつ、ほんとにやるんかい。
『…わかったよ。やればええんやろ。やれば。』
先程まで散々指を突っ込まれ、緩みきった後孔にディルドの先端を押し付ける。
手に少し力を入れれば、すぐ全部飲み込んでしまいそうだ。
ひとつ深呼吸。仁人のことが視界に入らないように自分の孔だけを見る。
いや、やっぱりグロいわ。排出するための器官にプラスチックの塊を入れるなんて考えただけでも痛い。
でも、快感を知ってしまったから。
そこは気持ちよくなれるって気づいちゃったから。
もう戻れないところまで来たんだな、と苦笑い。
期待でクパクパし始めた後孔に、意を決してディルドを押し込む。
『っン///、ぁ、あ゛♡ッふ///んぇ、♡』
最初は強かった異物感も一瞬にして消え去り、残るのは暴力的なまでの快感。
気持ちの良いところに押し付けようと懸命に手を動かし、腰を振る。
『あ、あッ♡、もっとぉ///ん゛、きもち、//♡』
頭の中は気持ちいいでいっぱい。
閉じられなくなった口の端から涎が垂れていく感覚すらきもちがよい。
もっと。もっときもちよくなりたい。
後ろに着いて体を支えてた左手を胸の前に持っていく。
ツンッと勃って硬くなっている乳首を指先で擦ってあげる。あ、きもちいかも。
『んふ、おっぱいきもちッ♡やばぁ///』
仁人に見られていることなんてとっくのとうに忘れ、自分がイクことだけを考える。
気持ちいい、きもちいい、きもちい。
お腹がぐるぐるする。もう少しでイケそう。
はやく、はやく、出したい。
あ。イク。
あれ。イケない。
なんで????涙で滲む視界では何が起きたのかわからない。
「なーに先にイこうとしてんの?太智くん♡」
「よいしょ、っと」
お腹に広がる生暖かい白い液体が何か、最初は理解できなかった。
頭が回らない。今、なにがおきている?
『ッあ?ん゛ぁ〜〜〜♡ぁ゛?///んぇ///?!?、?』
「っはは。、なにが起きたかわかんないって顔。」
「わけも分からないまま俺にぶち込まれてさ、」
「ごめなんな?あまりに一人でやってる太智が可愛くって。我慢できなかったわ♡」
先程とは比べ物にならないくらい重たいピストン。
圧倒的な質量に目が白黒する。
ぼく、いまどうなってる?
まぁ、なんでもいいか。
『っふ♡あ゛、ぁ///ぁ゛〜〜〜、き゛も゛ちぃ゛♡』
「ん〜〜ッ、気持ちいなぁ?指先までピンってしてるのえろ。足痛めちゃうよ。ほら、力抜いて?」
『ぉ゛ッ♡///あ゛?!、ん゛ほぉ゛♡////』
「んふ。全然聞こえてないな、これ。」
勝手に脚が震える。どこを触られても気持ちよくて、全身が性感帯になっているみたい。
腰がビクビクしてる。あ、イきそう。
『あ゛〜〜〜ぉ゛///イ゛く゛のとま゛ん、なぁ゛!?///♡♡』
「大丈夫だよ。だいち。もっと気持ちよくなろ♡」
脚を仁人の肩にかけられ、更に奥まで突っ込まれる。
もう何回イッたのか分からなくなっていた。
『…あ゛、ぁ゛♡ん゛ぅ?///ッあ♡』
「ほら、太智。こっからだよ。」
もう仁人が何を言っているのか解らない。
急に顔を近づけてきた仁人は、しまい忘れている僕の舌を押し戻すように口付けをする。
『…んふ、ぁ、ぁ、んぅ〜〜〜///』
キスをしている間も奥へ押し付ける腰の動きは止めないまま。何度も何度も最奥へ、開けて♡というように優しく押し込まれる。
だめ。そんなとこ入れられたら戻れなくなっちゃう。そう思うのに、仁人に絆された最奥は迎え入れる準備を着々と進めてしまう。だんだん緩くなっていくその入口。
「だーいち。開けて?」
「一緒にイこうな♡」
ぐぽっ♡♡♡
『…カハっ?、?ぉ゛ほ♡あ゛が、ぇ゛///ぁあ゛〜〜〜♡♡♡』
プシャーーーー、プシュ、ピュッ♡♡♡
透明な液体が断続的に流れ落ちる。
あぁもう。仁人のせいでちんこバカになってもうたやん。どう責任とってくれんの?
じんわりとお腹の中が暖かくなる。
仁人もイッたらしい。腹の中で流動する感覚にまた気持ちよくなる。
「だいち、」
『ぁ、ちょ、///じんと、うごくなや//』
雄としての本能だろうか。イッたあともそれを押し付けるように何度も腰を揺らす。
今はその弱い刺激さえも苦しい。
「だいち。」
「もういっかい、」
『…は、』
何を言っているんだ、こいつは。
本当にバカなんじゃないの???こっちはお前に好き勝手されて満身創痍なんだよ。
なのに???もういっかい?
ふざけんな、性欲オバケ、
そう罵ろうと口を開けば、待ってましたと言わんばかりに舌を突っ込まれる。
『ん゛!?、ぁ、ぉい!じん、と!!、んふ///ん〜〜、!』
僕の口の中を荒らすだけ荒らしつつ、ゴムを付け替える仁人。いや、その器用さいらん。
ごちゅん♡♡
あぁもうだめだ。すきにしろ、バカ。
指1本動かせないのに、反応するものは反応するわけで。
はじめて、タフな自分の体を恨めしく思った。
熱の篭った目で僕を見つめる仁人。
自分が気持ちよくなる為だけに腰を振っている仁人に、だんだん愛おしさが湧いてくる。
これが、母性本能?なんて気持ち悪いことを考える。
『ん゛ぉ゛♡じ、んと♡、き゛もち゛ぃ??♡///』
「…ッ!?」
「悔しいことに、めっちゃッ、」
『ぁ゛はッ、♡ぼくも、きも゛ちぃい゛♡//』
認めてしまえば、あとは快楽を享受するだけ。
前立腺を何度も押し潰すように動いたと思ったら、今度は奥へ奥へと大きなストロークでガツガツ攻められる。
結腸に雁首が引っかかる感覚がしぬほどきもちいい。
僕のきもちいところを全部把握してる仁人だからこそ得られる快感。こんな所でも息ぴったりなんて、と少し笑えてくる。
愛おしさにナカがきゅんきゅんする。
んはは、ぼく、じんとのことだいすきじゃん。
「…、?!なに締め付けてんの?」
『んぁ〜〜〜ッ、///ぼく、ぁ゛♡じ、んとのことぉ゛っ、す、き゛やな゛ァッ//て♡♡♡』
目を丸くして、腰を止めた仁人の頬に手を伸ばす。
腕を上げるのもだるいけど、何となくチューしたくなった。
『じんと、ちゅーしてや、♡』
『ほら、はやくッ』
完全に動きを止めた仁人にもどかしくなり、腰を揺する。あ、きもちよくなっちゃう、
『あっ♡、あ、はやく♡///じんと、ちゅーしてや♡』
「…くそ、こっちの気も知らず…ッ」
あまーい、ふわふわとした優しいキス。
いつもの貪るような口付けとは違い、恋人にするような柔らかいキス。
たぶん、ずっとこれを求めてた。
体の関係をもって、寂しさに蓋をすることで見て見ぬふりをしていた。でも、ほんとは、
仁人の心が欲しかった。僕だけを見て欲しかった。
でも、そんなこと言えるわけないから。セックスフレンドなんて都合のいい関係になれただけいいじゃないか、そう自分を納得させるしかなかった。
シーツに涙が染み込む。あぁ、早く洗濯しなきゃ。
「だいち、」
この気持ちに気づいちゃったから、仁人に言ってしまったから、もうこうやって2人セックスすることも無くなっちゃうんだろうなぁ。
「だいち」
都合のいい相手だと思ってた奴からの好意なんて、面倒くさくなるだけやし。あぁ、しくったな。
口にしなければ、まだ一緒にいれたのに。
ごめんな、仁人。好きになって。ごめんな、
「太智ってば!!!」
『んぇ???』
「一人で何を考え込んでんのかしらねぇけど、俺、太智のことが好き。本当はこんなシチュエーションで言うつもりなかったんだけど、お前が泣くから、」
「…俺が、泣かせちゃったから。」
「ねぇ、太智。すき。つきあって。」
あぁ、なんて幸せな夢なんだろう。仁人に好きって言ってもらえるなんて。ぼく、前世で沢山いいことしたんかな。ありがとう。前世の僕。
『んぁ゛♡、な、に?、///』
「いや、太智の反応ないから。ちょっと揺らしてみた。」
そうだ、仁人のちんこ入ったままだ。
…ん????ってことはこれは夢…じゃない?
「で、だいち。俺とつきあってくれる?」
『…ほんまに言うとる?お前、ついに頭おかしくなったんか????僕に絆されすぎてない???』
「何言ってんだ?お前。」
「俺は、お前が、塩﨑太智が好きなの。わかった?」
『おぅ、、、塩﨑太智ってのは、僕の事やんな?』
『んで、仁人はその塩﨑太智が好きと。……僕!??!』
「そう。お前。」
『……本気か?僕、ちんこあるで?柔らかくもないし、可愛く喘げないで?それでも貰ってくれるん?』
「俺は、太智が好きなの。それ以上はいらない。」
「お前がいいんだよ。」
降参だ。ゆっくり白旗を振る。
欲を発散するために利用し、利用される都合の良い関係だった。色気もクソもないような誘い文句と、合理的に行われる行為。
何となくこいつなら抱ける、抱かれてもいいというあやふやな境界線の元続けられてきた不安定な関係。
そこに、愛なんてない。そう思っていたのに。
気付かぬ間に、というか。本当は最初から。そこに愛はあったんじゃないだろうか。
それから目を逸らし、互いのためと心を押し殺す。
実はそれがかえって毒だったことも知らず。
僕たち、すんごく遠回りしてきたみたいだね。
ね、仁人。
『降参や。』
『仁人。俺も仁人のことがすき。』
ようやく結ばれたあの夜。
お互いぺしょぺしょに泣きながら愛を伝えあった。
とは言ってもそこから大きく関係が変わるということもなく、今でも色気のない誘い方は健在だし、受け入れるための準備は一人でやっている。
なんなら、仁人が入ってこないように鍵を閉めて風呂に入るようになった。
あんな恥ずかしいこと、もう二度とはごめんだ。
どうしてもって言うのなら、やらせてあげなくもないけど。
あとがきもどき
こんにちは。こんなにシリーズを増やして、余計にお待たせするのはどうなんだ、と思いつつ今回は指定ものを書くことにしてみました。
ほんっっとにむずかしい。
文字で表すって簡単じゃないんだぁ、と思うなど。
本当はもっとあほえろ書きたかったんですけど、なんか思ってた形と違う小説になっていました。あれれ??
日々精進です。
リクエスト等、いつでもお待ちしております。
では、次の作品で。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。