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Pに依存しきってる美琴さんと冬優子の修羅場を眺めるしかないにちかの話/Novel by VMAX珈琲

Pに依存しきってる美琴さんと冬優子の修羅場を眺めるしかないにちかの話

4,052 character(s)8 mins

Pに依存しきってる美琴さんと冬優子の修羅場を眺めるしかないにちかの話。
まあ修羅場書くだけなら楽しいから2話続きで話題も同じで書いてはみました。
冬優子は本音モードとの使い分けによってその場の雰囲気、マジで悪くすることができるので本当に頼もしいですね。修羅場小説界隈のメシアですよ、ほんま。
この事務所でガチでP狙いに来てるのはとりあえずこの美琴、透、冬優子の3人ですかね。確実にいえるのは、Pは美琴と透の接し方と冬優子の接し方は絶対違うってことぐらいですね。

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「プロデューサーさん、今日、帰り送ってくれません?ここからふゆの家までの路線、なんか人身事故か何かで止まっちゃってて」
「うわ、ほんとだ。路線図、真っ赤じゃん。いいよ、事務所1回寄ってからになっちゃうけど」
「ありがとうごさいます〜」

良くない。
全く、良くはない。

呑気に夕ご飯の買い出しとか考えながら帰り支度をしていた私は、同じ楽屋で何気ないその会話に、この真夏に背中が凍るような、一気に冷や汗が滝のように流れ出るような。
戦慄した。

まずい、まずい、まずい。
何がまずいって・・・・・・。

「・・・・・・」
冬優子さん達が話している、私の隣には、美琴さんがいるのだから。
「み、美琴さん・・・・・・?」
「・・・・・・」
美琴さんは返事をしない。
ただ、さっきまで読んでいたラジオ用の台本を閉じていて、スマホで電車の運行状況のページを検索し始めてる。
確か、美琴さんが使っている路線って─。
「美琴さん、あ、あの・・・・・・」
「・・・・・・ん?どうしたの?にちかちゃん」
やっと気づいてくれたときには美琴さんはもう既に席を立っていて。
完全にプロデューサーさんのいるところに向かうところだ。
いや、もう絶対、この人のやろうとしていること読めるし、それどころか、もう答え出てるじゃん。
「な、何をしようとしているんですか?」
冬優子さん達には聞こえないように、小声で話しかけたつもりなのだが。

「何って。私もプロデューサーに送ってもらうからいっておかないと」

普通の声量で、美琴さんは返事してしまったものだから。

「・・・・・・・・・・・・美琴さん『も』って、どういうことですか〜?」

ほら、聞こえちゃってんじゃん・・・・・・冬優子さんに。

ちなみに、これはほんの些細な、何のことも無い、小さな問題だが。
私が美琴さんのスマホを見た時点で。

美琴さんの使う路線は平常運転。冬優子さんの使う路線とは直通運転もしてないから、全く影響を受けていなかった。

「プロデューサー、私の路線も止まっちゃって。悪いんだけど、今日も送ってもらえない?」
「あ、あぁ、そっか。美琴も大変だな。わかっ─んぐっ」
「美琴さん」
プロデューサーさんが言い終わる前に、冬優子さんが割って入る。文字通り、プロデューサーさんと美琴さんの間に。
プロデューサーさんの足を踏んだのもなにかの意図があったわけがない、些細な問題だろうが。
「美琴さんも帰れないんですか?大変ですね」
「そう。大変なの」
「でも、美琴さん、私と同じ路線使ってたんですね。意外ですね。おうち、水戸の方なんですか?」
あっ、これ、バレてるな。
「違うよ」
しかも、何でそこ正直に答えるんですか。
「み、美琴。あの、冬優子の使う路線とは別の、美琴の使う路線が止まっているんだよね。だったら─」

「・・・・・・あんたは、黙ってなさい」

なんか、今、絶対聞いちゃいけない文言を冬優子さんの口から聞いたような気がする。
聞かなかったことにしよう。プロデューサーさんも現に黙ってるし。
「美琴さんも大変ですね。それじゃあ、美琴さんの路線って、毎日止まってるんですか〜?」
「・・・・・・どういうこと?」
「だって、毎日、プロデューサーに送ってもらってるじゃないですか〜」
胃が痛い。
なんかもう、胃が取れそうなくらいの皮肉発言でどうにかなりそうだ。
茨城県民、いつも会話でここまで皮肉を入れてくるのか。
しかし。
北海道民、これを。

「別に電車が止まっていようと、止まってないとしても。プロデューサーと一緒に帰りたいから、帰る。それだけのことなんだけど」
真っ直ぐなほどの好意で、返してしまうのだから。
「・・・・・・・・・・・・」

この人、プロデューサーさんの前でも平気でそこまでいうんだ。
もう隠す気一切ないな・・・・・・。

「プロデューサーさん、すみません。ちょっと来週の収録について追加で連絡したいことが・・・・・・」
と、ここで楽屋をノックする音が聞こえたと思ったら。
番組スタッフさんがプロデューサーさんを呼びに来てくれて。
これが幸か不幸か。
傍から見てもプロデューサーさんの真ん前で2人が睨み合う構図。

腕を組んで真っ直ぐに冬優子さんを見つめる美琴さん。
いつの間にか、プロデューサーさんの腕に自分の腕も絡めて、美琴さんを睨み返す冬優子さん。

プロデューサーさんは外部の人間に見せてはいけないものだと瞬時に察して。
「あぁ!!すみません!今行きますから」
慌てて、ドアに駆け寄って行った。
「す、すぐ戻るから。と、とりあえずすぐ戻るから・・・・・・」
申し訳なさそうに楽屋を離れるプロデューサーさん。

10秒程度。
楽屋は静まり返る。
プロデューサーさんが慌ただしく出ていき、その足音が消えた途端。
口を開いたのは。
「プロデューサーにひどいこと、しないでくれる?」
─美琴さんだった。
「ひどいことって何ですか?」
「プロデューサーのこと、叩かないで。さっきもわざと足、踏んでた」
「わざとじゃないですよ」
「じゃあ、謝って」
「プロデューサーさんがなんか変なこといおうとしてたから、ちょっと止めただけですよ」
「じゃあわざとだよね。それにプロデューサー、何もおかしなこといってないよ」
「おかしいのは美琴さんの方じゃないかな。どうして毎日プロデューサーさんに送らせてるんですか?それに夜ずっと電話してるんでしょ。知ってるんだから。最近は夜にプロデューサーさんに電話掛けてもずっと通話中。試しに他の人に掛けてみたら。美琴さんだけ、出なかった」
「・・・・・・」
「美琴さん、プロデューサーさんのこと、困らせるの、もうやめてくれませんか」
「困るのは冬優子ちゃんでしょ。プロデューサーに直接困ってる、とでも聞いたの?」


「そんなこと、『あいつ』がいう訳ないじゃない。『あんた』、あいつに甘えすぎなのよ」

私は聞いてない。
今、冬優子さんがあいつ、とかあんた、とか、なんかもう普段絶対この人のキャラで使わないであろう人称代名詞を使う会話は聞いてない。

「甘えているのは冬優子ちゃんの方でしょ。プロデューサーにひどいこといってるの、聞いたことあるし」

私が忘れようとしていたのに、なんでこの人ガッツリいっちゃうかな・・・・・・。
確かにこないだたまたまなんか事務所来る前に聞こえてたけど。
完全にふゆモードじゃない冬優子さんとプロデューサーさんの会話。
そのときは私は聞こえない振りをして、美琴さんに一生懸命全く関係のない話題を振って、美琴さんに聞こえないよう誤魔化したのに。

本人、多分しっかり聞こえてたってことだ、これ。

「・・・・・・何?盗み聞きしてたの・・・。趣味、悪。でも、あんたにはよく分からないか。あれぐらい、普通なの。親しき仲には。悪態ついているように見えて、文句言ってるように聞こえても、相手のことを気遣うだけが優しさじゃないの。ああいうタイプには少し叱る程度の方が気づくこともあるの。あんた、まともにあいつと会話したことないから分からないでしょうけど」
「それこそ、プロデューサーは優しいからああいう風に言われて嫌だ、なんていえない人だって。冬優子ちゃんだって、分かっているでしょ。とにかくあの人のこと、自分はわかっているって感じで、乱暴に扱うのやめて」
「あんた。あいつがあんたの前だと意識して優しい言葉使ってるの、気にしたことないでしょ。あいつ、普段、私の前とかだと使わないくせに、あんたの前だと語尾とか優しくしちゃって。あれ、あいつの素の話し方じゃないから」

コンコン。
ノックがして。
プロデューサーは帰ってきた途端、状況が悪化しているのを察したからか。
「み、みんな、もうお仕事終わりだから、帰ろうか。車、まわすから、待っててね」
矢継ぎ早にふたりの話を中断して。
「にちか、ちょっとさっきの打ち合わせで話したいことが」って私を呼び止めて、楽屋の前で、ふたりには聞こえないようドアを閉めて。

「本当に、本当に。大変申し訳ございませんが・・・・・・また助手席、お願いします・・・・・・」
大人にこんなにガチで頼まれたの、初めてだ。
「・・・・・・プロデューサーさん。ってことはだいたいもう状況分かってますよね?」
「・・・・・・はい。全部、全部、僕が悪いです・・・・・・」
「・・・・・・それ、本人たちの前で絶対に言わないでくださいね。全部、自分が悪いって。多分、ふたりがプロデューサーさんの肩を持つ体で相手を貶し始めますから」
「・・・・・・すまない・・・・・・です・・・・・・いや、本当に・・・・・・」
「・・・・・・前から聞きたかったんですけど、シーズ結成前の事務所で、プロデューサーさん関連でこういうこと、ありました?」
「・・・・・・いや、少なくとも僕の目の前ではなかったよ。みんな、みんなで話し合ったりして気遣ってくれてたのかな、なんて・・・・・・あっ、いや。これは自慢話とかじゃなくて」
「分かってますよ・・・・・・じゃあ、まあ、多分、美琴さんがストレートすぎるだけですね・・・・・・美琴さん、その辺、絶対、浅倉さんと話してなさそうでしたし。いっておきますけどね、プロデューサーさん。美琴さん、まだ核兵器、残してますから。プロデューサーさんとの北海道旅行の件、まだ話してないんですよ」
「・・・・・・あっ」
「それ、事務所で話したら、実家のことまで話したら、事務所、バルカン半島になりますから。私は紛争地域に出勤するのは嫌ですから」
「・・・・・・肝に銘じます」


帰りの車内の雰囲気については語るまでもない。

もしそれでも語れというならば、この感想に尽きる。

私は紛争調停人になんて、なったつもりは無い。
アイドルになったつもりなのだが。

Comments

  • manbou

    茨城と北海道はセイコーマートがあるからな

    Jan 1st
  • ちんじゃ

    中間管理職にちかの気苦労が耐えない…

    August 21, 2024
  • ケチャップ夫人

    続きッー!!

    October 1, 2022
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