中日育成2位・上田洸太朗 左利き矯正を拒否…2歳から歩み始めた左腕への道【新時代の旗手2021】
2020年12月30日 12時20分
右手に持たされたスプーンを放り投げて3日間、自ら食べ物を口にしなかった。2歳の上田が最速143キロ左腕の未来へと歩み始めた衝撃の瞬間だった。
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家族総出で左利きの矯正に乗り出した食事の時間、左手は包帯でグルグル巻き。右手の前に食器を置かれると大泣きした。母・貴子さん(46)に食べさせてもらうと機嫌は直ったが、右手は頑として使わない。3日目、両親が根負けした。「右利きでも野球はやったと思うけど、プロになれたかどうか…」と上田。運命の分かれ道だった。
大きな背番号から、はい上がるのは経験済みだ。1→20→1。富山県高岡市の福岡小5、6年で付けた背番号の変遷だ。「福岡ヤングホークス」の新チームでエースに指名されたが、秋の新人戦で炎上。次の大会はベンチ入りギリギリの20番だった。「押し入れに背番号を隠して、初めての挫折だったと思います。目の色が変わりました」と父・聖太郎さん(46)は振り返る。
「降格」は潜在能力を見込んだチームからの激励。1年半後の卒団式で明かされたが、当時は知るよしもない。練習後、誰もいないグラウンドでタイヤを引きながら、ホームベースから左翼フェンスまでの約80メートルをランニングで10往復。負けん気に火を付け、6年生になって1番を取り戻した。
富山から愛知・享栄高に野球留学し、第二の故郷でプロの世界へ。背番号203から支配下登録を目指すスタートは、輝く背番号を目指した小学生の頃と似た状況。気後れすることはない。
「高岡ボーイズ」に所属した中学3年で日本代表も経験。ソフトバンクから1位指名された井上、日本ハムから4位指名された細川らがチームメートだった。今でも連絡を取り合う仲だ。「オールスターで勝負」「いつか侍ジャパンに」などの2人からのメッセージに、はやる心を抑えて「追いつくから、待ってろよ」と返信。まずは支配下登録。本能で選んだ左腕の可能性を信じ続ける。
【新時代の旗手2021】
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