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移民と社会

日本に住む外国人が増え、日本人にとっても外国人住民にとっても暮らしやすい社会をどう作っていくのか――。国内外の現場から伝えます。

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農業の不法就労ワースト1・茨城県 好立地、野菜王国ゆえの悩み

商業施設での啓発イベントでは県職員や警察官らが買い物客にティッシュやビラを配り、外国人の不法就労防止に協力を呼びかけた=茨城県下妻市のイオンモール下妻で2025年11月11日午後1時22分、千脇康平撮影
商業施設での啓発イベントでは県職員や警察官らが買い物客にティッシュやビラを配り、外国人の不法就労防止に協力を呼びかけた=茨城県下妻市のイオンモール下妻で2025年11月11日午後1時22分、千脇康平撮影

 見過ごせない数字がある。

 入管庁によると、昨年1年間に入管法違反で退去強制または出国命令手続きとなった外国人のうち、不法就労は1万4453人いた。このうち農業従事者は5497人で、職種の中で最多。さらに、そのほぼ半数にあたる2596人の就労場所が茨城県だったのだ。

 農業の担い手が不足する中、外国人の存在感が増している。国内屈指の農業県・茨城、外国人労働者から「ホコタ」として知られる鉾田市を取材した。(全3回の第3回)
「ホコタに行けば何とかなる」
「フホー」に頼らざるを得ない農業

 他の業種を含めた県内の不法就労者の総数3452人は、3年連続で全国最多。その4分の3を農業従事者が占め、全体を押し上げる格好となっている。

 なぜ、茨城県なのか。いくつか理由が考えられる。

 そもそも茨城県は、農業分野における外国人労働者の数が全国で最も多いという事情がある。各都道府県労働局の24年10月末現在のまとめを比較すると、茨城県は1万1380人と最多で、全体の約2割を占めている。

 平地が多く、気候が温暖で、首都圏内という好条件もそろう。JA茨城県中央会(水戸市)で農業政策アドバイザーを務める萩谷茂さんは「茨城県の農業は真夏も真冬も関係なく安定して仕事がある。1年を通じて多種多様な農産物を首都圏の消費者に届けるには細々した作業が発生し、どうしても人手が必要になる」と語る。

 「北海道のような広大な土地があるわけでもなく、大きな農業機械が動けるような道路も畑もない。ビニールハウスも多いですから、全てをオートメーションによって効率化すればいいというわけにはいかないんです」

 萩谷さんはこの「1年を通じた多様な農産物」作りを…

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