今季の公認野球規則の特に重要なルール改正点【1】/元パ・リーグ審判員 山崎夏生に聞く
【山崎夏生のルール教室】 【問】いよいよキャンプインし、オープン戦も始まりますね。毎年恒例の今季の改正ルールについての解説をお願いします。特に観戦の上で注目すべき点はありますか? 【答】昨年11月20日にプロアマ合同の日本野球規則委員会から発表されましたが、今季はなんと27項目もあるのです。ただ多くは文言の変更や解釈の明言化、内規に関わるものです。その詳細は弊社発刊の「ベースボールクリニック2月号」に7ページ1万5千字近くを要し述べられています。当欄では特に重要な改正及び試合運営上の変更についてのみを解説します。 まずは5.07(a)2。これは昨年のオープン戦でトレバー・バウアー投手(元DeNA)がセットポジションの足の位置からワインドアップに入ったためにボークを宣告された件です。MLBでは投球前に球審に申告しておけば無問題だったのですが、我が国では走者が塁上にいる場合はボークとなりました。これをOBR(Official Baseball Rules:MLBの公認野球規則)の原文通りの適用とします。もちろん投球前の申告が条件です。 次に5.09(b)7の【注2】。塁に触れて反転した打球に走者が当たった場合、我が国ではフェア地域ならばアウトでボールデッド、ファウル地域ならばインプレーでしたが、MLB及び世界標準に合わせ、走者の位置に関係なく守備妨害でアウトとします。 文言の変更では6.01(a)8の走塁コーチの「肉体的援助」という言葉のニュアンスがよからぬ行為を連想させるので、「アシスト」に書き改められました。 内規の点では高校野球では春の選抜から、大学野球では東京六大学と関西学生野球連盟の春季リーグ戦からDH制度が採用されます。すでにほかの大学野球連盟や社会人野球、全ての国際試合において実施されていますし、セ・リーグも来季からの採用が決定しています。もはや野球は10人でやるスポーツ、と言っても過言ではありません。新規採用される連盟の審判諸兄はDH解除時や「大谷ルール」など複雑なケースでの勉強が急務でしょう。 前述したように日本の公認野球規則=OBRではありません。今季もピッチクロック(投球時間制限)や牽制球の回数制限、ワンポイントリリーフや極端な守備シフトの禁止などのルールは我が国では適用されませんが、NPBにおいてはベースの拡大化(15インチ→18インチ)は採用されます。もう一つ画期的なことはリプレーセンターの設置。いずれもこのオープン戦が試用期間となります。次回はNPBでのこの2点についての最新情報です。
週刊ベースボール