「WBCとネトフリ」考。
結論から言うと、今回のことでネトフリに対してかなり反感を覚えるようになった。それがなぜなのか、言語化を試みる。
一番の原因は、ニュース映像さえ許さないそのケチくささ。金曜日夜9時のNHKニュースでも、その後の報道ステーションでも、「WBC の映像を見て喜んでいるお客さん」の映像は流れても、WBCで活躍する選手の映像は全く流れなかった。流れるのは選手の写真くらい。
ネトフリと契約しなければWBCは一切見られない、というその偏狭が気に食わない。普段のプロ野球放送なら、他局でも活躍のシーンくらいニュースで流している。ところがネトフリに占拠されたWBCに関しては、金曜日の夜のニュースに全然流されなかった。元プロ野球選手が解説者としてスタジオに呼ばれているのにも関わらず、映像を振り返りながら解説を聞くということさえできない。正直「なんじゃこれ!?」と思った。
息子や嫁さんは大のドラゴンズ ファンで、WBCも楽しみにしていたのだけれど、ニュースのスポーツの時間にさえ映像を一切流させないその偏狭ぶりを金曜日に見て、「ネトフリ、嫌な感じ」と言って、ネトフリと契約しよう、WBCを見ようとはひと言も言わなかった。こうした様子を見て、少なくとも私の中では、ネトフリはかなり印象の悪いものになった。
同様の感想を持つ人は少なくないらしい。プロ野球が大好きなガチ勢はふだんDAZNというネット配信を利用していて、WBCだからといってわざわざ追加のサービスを利用する気になれないという声も出ている様子。実際、こういうネットサービスって、契約するのは簡単だけど解約は面倒なことが多く、やり方に迷っているうちにズルズル契約が続くことが多い。
また、wifiがないというご家庭もあるようで、ネット配信ではそもそも観る事柄難しい、という人もいるらしい。
ネトフリとしては、日本で人気の高いWBCを完全に独占することで利用者を増やそうとしたのだろうけど、裏目に出てる感じがする。そもそも、何で日本は野球が人気なのか、分かっていないのではないか。
日本は一時、プロ野球人気に陰りが見えてきた時期がある。サッカー人気がすごくてプロ野球は視聴率も取れなくなり、テレビ放映もなくなっていった。球団オーナーも宣伝効果の落ちたプロ野球を手放す、何ならやめようという動きが出た。
危機感を強めたプロ野球選手たちが自発的にファンサービスに努めるようになり、それが大きな契機となってプロ野球の人気も復活してきた。ファンサービスを一番に考える姿勢が、日本のプロ野球人気を復活させたのだと思う。
しかし今回のネトフリの姿勢は「金を払うやつだけ」。金を払わないファンは切り捨てるやり方。これは、一部の野球ファンに対し「傲慢」と受け取られかねない行為。
今回、野球ファンが集うバーでの放映もネトフリは認めていないのだという。テレビ放送ならファンたちがそうした店に集まり、飲み食いし、日本の景気を押し上げる力にもなる。しかし今回は。
ネトフリだけが儲ける仕組み。日本の景気を押し上げることに何の効果も示さない。ネトフリに契約したお金はみんなアメリカの利益として吸い上げられてしまう。日本の経済にメリットをもたらさない。そんな行為にに日本のプロ野球選手が加担する形。野球ファンの一部を裏切る形。
私のもとには「タダで見ようとは厚かましい」「五百円くらい払えないのかこの貧乏人」「ネトフリ独占なんて前からわかっていたのに知らないほうがバカ、情弱」といった悪口雑言が寄せられている。さすがにネトフリがこうした連中をそそのかしているとは考えないが、見WBCを見られないことを悔しがるだけでこんな言われようをする事態を招いたネトフリの印象が悪くなることは、いささか禁じ得ないところがある。
もし今後もネトフリやその他の企業がWBC放映権を独占し、ニュース映像も許さない偏狭さを見せるなら、WBCの人気が落ちるばかりでなく、プロ野球人気にも陰りが出てくる恐れがある。ファンの一部を断ち切るような振る舞いをする企業に協力する格好となる選手たちにも反感が及びかねないからだ。
ツイッターの様子を見ると、ネトフリの今回のやり方に反感を持つ人は少なくない。貧乏人にWBCを観る権利はない、などというような印象を与えた今回のネトフリのやり方は、反感を覚えられて当然だと思う。
今のところ我が家では、映画などの映像配信サービスを一つも利用していない。まだレンタルビデオ屋もあるから必要を感じていないのが大きい。そのうちレンタルビデオ屋がなくなったらサービス利用を考えようか、と思っていたが、今回の件でネトフリは候補から外したい気分。
ネトフリはもうちょっと対応を考えて頂きたい。私は今回の件でネトフリにかなり嫌な印象を持った。そのことだけはお伝えしておく。