なぜバウアーはメジャーリーグに復帰できないのか? #専門家のまとめ

三尾圭
スポーツフォトジャーナリスト
ベイスターズへの復帰が報じられたトレバー・バウアー(撮影:三尾圭)

 2020年のナショナル・リーグのサイ・ヤング賞投手、トレバー・バウアーが2シーズンぶりに横浜DeNAベイスターズへ復帰すると日刊スポーツが報じている。

 21年にはロサンゼルス・ドジャースと3年総額1億200万ドル(当時のレートで約107億円)の超大型契約を結びながらも、21年5月に女性から強姦と性的暴行で訴えられ、米球界から追い出された。
 23年に横浜でプレーしたバウアーは、翌24年はメキシコでプレーしながら、メジャー復帰を目指したが、結果を出してもMLB球団から声はかからなかった。

ココがポイント

メジャー球団へ最低年俸で契約し、全額をチャリティに寄付すると訴えても「ダメだったよ(笑)」と厳しい立場にあるとした
出典:Full-Count(フルカウント) ― 野球ニュース・速報・コラム ― 2025/1/26(日)

それでも獲得球団が出てこないのはコンプライアンスがいまだに障壁になっているのだろう
出典:AERA dot. (アエラドット) 2024/8/8(木)

選手が家族や交際相手、児童らへの暴力を禁止する「家庭内暴力、性的暴行及び児童虐待に関する共同方針」が施行されている
出典:日刊現代 2021/8/17(火)

米国社会では自らの弱さで薬物等に依存した過去などには寛容でも、女性や子供ら弱者への暴力や虐待には極めて厳しい視線を向ける
出典:Number Web - ナンバー 2023/12/5(火)

エキスパートの補足・見解

 23年のNPB、昨季のメキシカンリーグでの投球を見れば、バウアーが今でもMLBの先発投手として平均以上の力を持っているのは明らかであり、「最低年俸でも構わない」と言っているように『ローリクス・ハイリターン』が期待できる選手である。しかも、女性へのDV(家庭内暴力)疑惑は証拠不十分で不起訴となっており、女性側との和解も済ませている。それも女性側に一切の和解金を支払っておらず、暴力行為に関しても終始一貫して否定してきた。

 それでもMLBの全30球団がバウアーにセカンドチャンスの機会を与えないところに、アメリカ社会が持つDVへの毅然とした態度が伺える。バウアーの場合、法律的に無罪であり、相手女性との和解も済んでいても、MLB球団にとってバウアーは手を出すには危険すぎる存在となっている。また、バウアーは過去にフィールド内やクラブハウスで度重なる問題を起こしており、チーム内の和を乱す選手として嫌われている。

 近年のMLBはフリオ・ウリアスやワンダー・フランコなどリーグ・トップレベルの選手であってもDVや未成年者との不適切行為などで起訴された選手への球界復帰を許していない。

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スポーツフォトジャーナリスト

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東京都港区六本木出身。写真家と記者の二刀流として、オリンピック、NFLスーパーボウル、NFLプロボウル、NBAファイナル、NBAオールスター、MLBワールドシリーズ、MLBオールスター、NHLスタンリーカップ・ファイナル、NHLオールスター、WBC決勝戦、UFC、ストライクフォース、WWEレッスルマニア、全米オープンゴルフ、全米競泳などを取材。全米中を飛び回り、MLBは全30球団本拠地制覇、NBAは29球団、NFLも24球団の本拠地を訪れた。Sportsshooter、全米野球写真家協会、全米バスケットボール記者協会、全米スポーツメディア協会会員、米国大手写真通信社契約フォトグラファー。

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