WTI原油先物、一時22%高の1バレル=111ドル台…イラン情勢悪化で安定調達に懸念
【ニューヨーク=木瀬武、ワシントン=阿部真司】8日夜(日本時間9日午前)のニューヨーク原油先物市場で、代表的な指標となるテキサス産軽質油(WTI)の4月渡し価格が急騰し、一時、前週末終値比22%高の1バレル=111ドル台をつけた。100ドルを突破するのは、ロシアのウクライナ侵略が始まった後の2022年7月以来、約3年8か月ぶり。イラン情勢の悪化で原油の安定調達への懸念が急速に強まっている。
米・イスラエルが2月末にイランを攻撃して以降の上げ幅は6割を超えた。先週1週間だけでも36%上昇し、先物取引が始まった1983年以降で最大となった。混乱が早期に収束しなければ、2008年7月の史上最高値(1バレル=147ドル)を超えるとの見方もある。9日の東京商品取引所でも、ドバイ原油(中心限月)は一時、1キロ・リットルあたり8万4930円まで上昇した。22年6月以来、3年9か月ぶりの高水準だ。
原油価格が高止まりすれば、物価上昇(インフレ)を招きかねず、今秋に中間選挙を控える米国のトランプ政権は影響の打ち消しに躍起になっている。トランプ大統領は8日、自身のSNSに「(原油高騰は)短期的なものだ」と投稿し、イランの脅威がなくなれば急速に下落すると強調。米ニュースサイト・アクシオスは8日、イランの燃料貯蔵施設を狙ったイスラエル軍による攻撃について、トランプ氏が「好ましく思っていない。原油を節約したがっている」とする米政府関係者の話を伝えた。