公式生放送:ョ%レ氏の一問一答
櫻井くん。この夏は水着で行きましょうとは一体何事かね。
こんばんは。運営ディレクターのョ%レ氏だ。
さて、ユーザーの諸君。この度は告知もなくこのような仕儀となり驚いたことと思う。しかし分かってほしい。
常々より私は、オンラインゲームはユーザーとの対話を疎かにしてはならないと考えていてね。本来であればユーザーの質問にこのョ%レ氏が一つずつ答えていく、一問一答の形式を取るつもりだった。しかしどうやら私は、まずマネージャーとの対話をせねばならないようだ。
告知を行わなかったのは、櫻井くんの逃亡が予想されたためだ。
現在、櫻井くんは社内のとある一室に待機して貰っている。防音設備は万全であり、勤務中に勝手に職務を放棄し退出することがないよう施工してある。
かように櫻井くんを外界より隔離したのは、彼が見苦しく騒ぎ立て醜態を晒さぬようにと配慮したものである。誤解なきよう。
それでは、さっそく一問一答のコーナーに移ろう。
櫻井くん。私の声が聞こえるね? 質問をどうぞ。こういったことに君は不慣れだろうから、君の口からまろび出た日本語については私のほうで要約させて頂くよ。気を楽にしてくれ給え。
Q.何故このような仕打ちを受けねばならないのか。
A.予想通りではあるが、的確な質問だ。
櫻井くん。先日は事前連絡もなしに社内を留守にしてしまって済まなかったね。その旨を私は移動中にメールで君に伝えたし、不慮の事態が発生した場合は私にメールを送るようにとも言った。
その際、私はこうも言ったね。覚えているかな。私の出張先は本社であり、捨て置くことはできない非常に重要な案件であること。このョ%レ氏の進退に関わる問題であり、君にとっても決して他人事ではないことを私は再三に渡り強調した。
櫻井くん。このョ%レ氏を一端のディレクターに育て上げたのは自分だとキャバクラで豪語している君のことだ。私のメールを消去することはないと確信しているよ。
質問に答えよう。冒頭に話した通りだ。櫻井くん。君がこの私に寄越したメールの件だよ。この夏は水着で行きましょうとは一体何事かね。
Q.夏と言えば水着である。他社企画とのコラボレーションも想定している。
A.櫻井くん。現在、ゲーム内の季節は晩秋だ。
無論、私は君に自らの職務に対して真摯であることを求めるが、プライベートの時間を削れとは言わない。櫻井くん。君自身にプレイヤーになれとは言わない。ヒューマンめ。あえて第三者の視点を保ち続けることがプラスに繋がることもあるだろう。
しかし業務上、最低限押さえておかねばならない情報というものはある。ゲーム内の時間経過、季節の移り変わりの仕様については前以て書面に落とし手渡ししている。それらを踏まえた上で尋ねるのだが、一体誰に水着を着せろと言うのかね?
Q.広告バナー及び各種動画にゲーム内のキャラクターを登用してはどうかと数多くのユーザーより要望が上がっている。具体的なプランについては今後の検討次第ではあるが、現状に満足してはならないと常に自分に言い聞かせている。私欲ではない。
またゲーム内の仕様については当然のこと把握している。しかし再検討の必要性を感じていることも確かな事実であり、特に新規ユーザーへの訴求力という面においてマイナス要素になるのではないかと強く危惧している。キャバクラは関係ない。
A.素晴らしい。まさにプロフェッショナルだ。
しかしね、櫻井くん。リアルとの季節が不一致である件に関して、君は賛成の立場であると私は記憶している。それは、例えば先年のクリスマスの夜。君のイベントはゲームではなくキャバクラで起きたことと決して無関係ではないだろう。祭日のスケジュールは可能な限り空けておきたいというのが君の考えである筈だ。それなのに、ここに来て急に心変わりした理由は何かあるのかな?
Q.自身のキャバクラ狂いについては申し訳なく思っている。これ以上の問答は容赦願いたい。自分の負けである。
仕事の話をしたい。新職業のテイマーについて。クラスチェンジ条件の緩和の予定はあるか?
A.良いね。それらしくなってきたじゃないか。
条件緩和の予定はないよ。
私は諸君らヒューマンを特別扱いするつもりはない。正規の手段でログインしたならば、非γ体とてプレイヤーの一人として扱う。よってソフトの購入は大前提だ。
Q.非γ体とは? 動物という認識で合っているか。
A.諸君らの星ではそうなる。
このョ%レ氏にとって諸君らヒューマンは動物と大差ない。無理に区別するとすれば、γ体かそうでないかの違いということになる。それは単なる能力の違いである。
ヒューマンの中にも有能な個体とそうでないものは居る。それらを同等と見なす習慣は私にはない。同じ種族であることと同じ義務を持つことは別個の問題であるという認識だ。
Q.今後、実装を予定しているシナリオ等はあるか。
A.細かな修正は継続して進めていく。主にエフェクトだ。流行に絶対というものはなく、固執し停滞することに意義は薄い。
シナリオについては大きな節目を迎えるだろうが、それは今すぐではない。
Q.三次職について。クラスチェンジ条件は困難と予想される。ヒントを出すことは可能か。
A.答えはノーだ。
櫻井くん。その質問は誰の差し金だい? 先程から気になっていたのだが、これではキャバクラ嬢の質問に私が答えるコーナーになっているぞ。困った男だよ、君は。
Q.申し訳なく思っている。公私を混同しているつもりはないが、結果的にはそのように捉われても仕方のない発言だった。反省している。
A.構わないさ。櫻井くん。君の人生は君のものだ。君の好きなように生き給えよ。
さあ、次の質問だ。どしどしお便りをくれ給え。
Q.自分について。いつになったら家に帰れるのか。
A.本日の残業時間については三時間までと君の上長に予め確認を取っている。しかし無用な残業をさせるつもりはない。
一流の%は残業もスマートにこなす。
Q.その言葉を聞きたかった。質問は特にない。夕食の予定はあるか。
A.分かった。飲みに行こう。
これは、とあるVRMMOの物語。
仲良しか。
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