IT企業の面接に現れた「なりすまし」 「北朝鮮技術者の可能性」も
ある日本のIT企業のオンライン面接に現れた、日本人エンジニアを名乗る人物。しかし日本語は所々たどたどしく、声と口の動きの一部が合っていないようにも見える。実は、身分を偽って仕事を得ようとする「なりすまし」だった――。なりすまされた男性は「だまされてしまう企業もあるかも」と懸念する。 【動画】「なりすまし」の男が面接で話す実際の様子 その人物は面接で、ヨシイ・タケフミと名乗った。「今、アメリカにいる」などと言って海外からフルリモートで働く業務を求めており、面接の担当者から出社を前提とする求人だと伝えられると、早々に諦めた。 何者かが、なりすましているのでは。今月4日、この面接の担当者から、エンジニアの吉井健文さん(41)に連絡があった。 吉井さんは共有された映像を見て、気持ち悪さを感じた。顔は似ていないが、自分の顔に近づけようと生成AIで加工しているようにも見えた。「まだこのレベルで良かった。でも、いずれ本人かどうか見分けがつかなくなる日も近いかも」 あの人物は、誰だったのか。国籍などの詳細はわからない。ただ、似た方法で北朝鮮のIT労働者が身分を偽り、企業から不正に業務を受注するケースが国内外で確認されている。 国連安全保障理事会の専門家会議の指摘(2024年3月)では、彼らの主な目的は外貨の獲得とされる。 NTTデータグループエグゼクティブセキュリティアナリストの新井悠氏は「過去の事例と共通する点が多い」として、今回の人物も「北朝鮮のIT技術者ではないか」と指摘した。(真田嶺、御船紗子)
朝日新聞社