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【C85】こんな夢を見ましたマジで【無配コピー本】/Novel by なち

【C85】こんな夢を見ましたマジで【無配コピー本】

5,354 character(s)10 mins

冬コミで配布した無配SSです~。

下らなすぎて記憶から消去したいのですが(笑)中には読みたいよっていう物好きな方もいらっしゃるかと思い、UPします~。

さらりと読み流していただければ。

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【こんな夢を見ましたマジで】






「でさ、なんていうかもう、目から鱗がぽろぽろと落ちたね! 流石神代の英雄、言う事が違う。器のでかさとか、現代では有り得ない価値観だよな」
 だから心配しなくても大丈夫だ、と衛宮士郎は桜に微笑んだ。
 こちらから仕掛けでもしない限り、彼は戦う事はないだろう。〝敵〟で在るのはまごうこと無い事実ではあるが。
 今まで自分は、敵であれば仲良くなど出来ないと思っていた。逆に言えば、仲良くしてしまえば敵では有り得ない。それが現代の価値観だろう。
 士郎はそっと〝愛する者でも敵に回れば殺す〟という事実からは目を逸らす。
 考えては駄目だ。今のこの状況では、それに該当する人物はいないのだから。
「そうなんですか、ありがとうございます先輩」
 ほっとした顔でそうお礼を言うと、桜は自身のサーヴァントをちらりと見やる。
「……心配せずとも。桜の危惧しているような真似はしないと誓いましょう」
「あ、違うのよ、ライダー。そんなんじゃなくて……」
 慌てて桜が両手を胸の前で振る。
「ライダーはランサーさんをちょっとその、嫌っているでしょう? だから」
「己の主をナンパするような男を嫌わずにいられましょうか」
「やっぱり、したんだ、ナンパ……」
 士郎が遠い目になるのに、桜は違うの、だから、と言いつのる。
「ランサーさんのあれは挨拶みたいなものだから! あれよ、ほら、女性の事は口説かなくては失礼に当たるお国柄っていうか」
「「イタリア人か」」
 思わずハモる。
「どちらにしろまあアイツのあれが本気じゃないってのは、わかってるわ」
 余りにも貧乏くさくて厭だ、という理由で紅茶葉とカップ等一式を衛宮邸に持ち込んだ凛は――何しろティーバック@198円也しか常備していなかったのだ――優雅にウェッジウッドのティーカップを傾けた。士郎が入れた紅茶はまだまだ己のサーヴァントには届かないが最近はかなりいい線まで行っている。
「確かに挨拶みたいなモンなんでしょうよ。まああれだけのイケメンにおだてられて悪い気はしないけど」
「と、遠坂もナンパされたんだ!?」
「もちろん丁重にお断りしたわよ」
 なんて命知らずな、とは口にせず、士郎が益々あの半神を尊敬する。
 どんな毒舌でぶった切られたのだろうか。
「例えどんないい男でも住所不定無職戸籍もない奴なんて言語道断、お断りって言ったら、泣きながら走って行ったわ、根性ないわね」
「……う、うん……」
 そこまで言われて根性出せる男がこの世にいるのなら見てみたい。
「まあ泣きながらってのは冗談だけど」
「そ、そうなんだ」
 思わずほっとする。神代の英雄を泣かすなんて、なんて豪傑なのだとちょっと一歩引く所だった。冗談で良かった。
「私はそのナンパとやらはされていませんが」
 いきなり言い出したのは、それまで士郎の作ったおやつをもりもりと食べていた騎士王だ。
「やはり女性とは見られていないという事でしょうか。いやそれはいいんですが」
「そんなことない! セイバーはちゃんと可愛い女の子だよ!」
 思わず力説してしまった士郎を冷たい視線が突き刺さる。
「……そう、ですか?」
 はにかんだ笑顔を見せるセイバーはとても可愛らしい。痛い程の視線がなければ、士郎は思わずそうだよ可愛いよ、と重ねて言ってしまっていただろう。
「えーと、ライダーはあるの? ランサーにナン」
 パされたこと、と言いかけた士郎だが、とてつもなく冷たい視線に晒され語尾が消える。
「ですよねえ」
 ということは、と士郎は結論付ける。
「ランサーは同じサーヴァントの事はナンパしない、と」
「では私が女性にカウントされていないのではなく」
「サーヴァントは人間ですらないからな。そういった対象ではないのだろう」
 いきなり割り込んで来た声に、ぱっと皆がそちらを見る。ちなみにセイバーの視線だけはその声を発した男ではなく、男が掲げるケーキへと注がれていた。
「いやー、美味しそう! また太っちゃう!」
 トン、とテーブルに置かれたデコレーションケーキを見て、凛が嘆く。
「では君は食べ――」
「無いわけないでしょ!」
 もう、信じられない! と凛がぷりぷりしながらサーブされたケーキを受け取る。とても美しくデコレートされたのはしっとりとしたチョコケーキ。飾り切りにされたフルーツと滑らかな生クリーム、どうやって作ったんですかこれは、と疑問なレースのような飴細工が盛られている。一流のパティシエが作ったものに勝るとも劣らぬ出来だった。
 そして当然味も良い。料理の中でもまたお菓子は違ったジャンルなのだがこの弓兵、全方向に隙が無い。
「あ、そうだ。ランサーにもこれ持って行ってやっていいかな」
 大きめに切り分けられたケーキはそれでも、三分の一程残っている。え、とちょっと哀しそうにケーキを見つめる騎士王の事は、あえて見なかった事にする。
 何故だ、と言うように眉を上げたアーチャーに、士郎は言い訳するように続ける。
「藤ねぇが持って来てる魚、ランサーから強奪してるらしくてさ」
 ああ、と皆が小さく頷く。彼女ならやりそうだ。そして彼なら、その行為を許しそうだ――と。
「あいつは甘い物よりも酒の方が喜ぶだろう」
「いやそれが、お菓子に目覚めたらしくって」
 ランサーの生きた時代のお菓子といったらクッキーの元祖とか、果物をちょっとだけ加工しただけのものとかだからだろうか。現界してからこちら、お菓子――特に手の込んだ手作りのもの――に嵌まってしまった、らしい。
 らしい、というのは士郎が直接聞いたわけではなく、情報源が違うからだが。彼女たちが嘘を付く理由もないのでそれは本当なのだろう。あるいは、ナンパのための言葉だったかも知れないが。
「では新たにもう一ホール作ろう。セイバー、そんな恨めしそうな目で見るな、食べて良いから」
「え、いいのか」
「貴様はお礼に余り物を持って行くのか? 全く持って失礼な奴だ」
 いやだって、一ホール持って行っても邪魔になるだろうと言いかけて、ああそうか、甘さ控えめで小さいものを作るんだなと弓兵の意図を汲む。
「よろしく」
 思わず頬が緩んでしまうのは仕方がない。
 それをジロリと見やって、アーチャーは逆に、眉間の皺を深くした。


「――へ? 俺に?」
 次の日。アーチャーは早速ケーキを焼いてランサーがいるであろう港に向かった。
 士郎が予想した通りに、小ぶりで、甘さも控え目、けれども見た目は昨日のケーキに負けない位に豪華なものを持参する。
「うわ、すげェこれ、オマエが作ったの?」
「もちろんそうだが」
「へええ、綺麗なモンだな」
 酷く感心されて、アーチャーは居心地悪そうに身じろぐ。なんだよそんなのいらねェよ、とでも返されると予想していただけに、余りに素直に喜ばれて擽ったいような、妙な気分であった。
「もし今食べるのなら、暖かいコーヒー付きだ」
「え、マジで? すげェ用意いいな」
 来る直前に落としたからそれほど味も落ちていないだろうコーヒーを渡すと、ランサーは嬉しそうにそれを口にした。ん、美味い、とにか、と笑顔を向けられて、アーチャーの眉間がぎゅ、と顰められる。
 準備万端に用意されていたフォークでケーキを一口切り分けると、ぱくりと口に放り込む。
 そのまま半分程一気に平らげて、ランサーはこれ以上はないだろう、という程の笑顔を浮かべる。
「すっげー、美味い! オマエほんと器用だな」
「もっと食べたいか?」
「ん? いやもうこれで」
 十分、と言いかけたランサーをアーチャーが遮る。
「ケーキだけではなく、他の食事などの事だ」
 サーヴァントは基本的に食事は不要だ。けれどもこの槍兵は、エネルギー補給の為というよりは、己の嗜好を満たすために食事している。ジャンクフードすら美味いすげえと毎回色んな物を買ってきては食べている。流石にレストランは敷居が高いが、ラーメン店や食堂には何度も足を運んでいた。 
「他の食事?」
「ああ、君はとても気持ち良くなんでも食べる。そしてこの世界の料理に興味があり、色々食べたいと思っているだろう。今はジャンクフードや外食が主のようだが、この国には、いや、現代にはとても美味なる料理がそれこそ数えきれないほどある。君にそれを食べさせたい」
「よくわかんねェけど、俺に料理を作ってくれるってことか?」
「そうだ。どうだろうか?」
「それでてめェの目的は何だ? アーチャー?」
「もう言った。君に私の料理を食べてもらう事が目的だ」
「つまんねェ嘘つくなよ」
 ランサーは小さく笑う。
「そんなのが“目的”な訳ねェだろうが」
 うむ、とアーチャーも黙り込む。
「確かに……最終目的は違っていたな」
 だろう、とランサーが頷く。
「潤沢な食事とトレーニングで、サーヴァントも後天的に筋肉量が増えるのか知りたい」
「――は?」
「君の身体はとてつもなく均整が取れて美しいが、もう少し筋肉が付いてもいいと思うのだ。幸いなことに君は霊体化せずにずっと現界しつづけているようだから、それが可能だかどうか」
「ねェよ!」
 思わずランサーが噴き出す。
「おっまえ、バカだなあホント! 俺らのコレはいわば記録による再現だろ。元々の記録が“こう”なんだからどんだけ食ったって鍛えたって変わる訳ねェだろうが」
「……まあ、それはそうなんだが」
「もーいいから白状しちまえよ。そんなアホみてェな理由、自分だって信じてねえくせに」
「そういうことにしておいた方が、君の身体に触れ易いかと安易に考えた」
「……へ?」
「ランサー。君の身体に触れさせてもらえないだろうか」
 酷く真剣な表情でそう言葉を続けるアーチャーに、ランサーは言葉を失う。
「君はとても美しく、見事な身体をしている。しなやかな筋肉は称賛に値するし、まるで野生の肉食獣のように素晴らしい。ぜひともそれをこの手で確かめたい」
「えーと……」
「その逞しく張った大胸筋、上腕二頭筋の美しさは筆舌に尽くしがたい。背後も良い。首から背中にかけて、そして腰に至るまでなんて美しくしなやかで」
「つまり俺の身体を撫でまわしたいと」
「ああ」
「しかもその感じだと服の上からでもなく、直に?」
「直に」
「…………へえ」
「君の筋肉はきっととても柔らかいのだろうな、瞬発力がありつつ、持続力もある。今が全盛期の時の姿だというが、若い時にはどうだったのだ? もっと筋肉が付いていたのだろうか。こう、下半身の締り具合はちょっと現代人にはあり得ないが、やはり骨格から違っているのだろうか」
「あー、あのな」
「ん?」
「触られるのは別にかまわねんだけどよ、そう撫でくり回されて勃っちまったらどうすんだ? ちょっとその、気まずいなんてもんじゃねえぞ」
「そんなことは気にしないから大丈夫だ」
「俺が気にするわ!」
「そうか、君は意外に繊細なのだな。どうだすごいだろうと見せつける位はするかと思っていたぞ」
「オマエの中の俺像って……」
「きっととても美しいのだろうな」
 えーと、とランサーは遠くを見た。なんだろう。すごく疲れる。もっとこう、好戦的で皮肉屋のいつもの弓兵がいいな、と。
 尚も筋肉の素晴らしさを語るアーチャーに、ランサーは面倒くさくなっていいぜ、と頷いた。
「代わりにオマエの身体も触らせろ」
「断る」
「なんで?」
「私の身体は君のように美しくないし、触ってもきっと面白くないし、とにかく嫌だ」
「んな事ねェよ! オマエの身体もすっげえいいって。特にその背筋とかめっちゃいけてる」
「……そうかな?」
「そうそう。あと大腿部もいいよな。きゅっと引き締まってるのに張りがあって。いい筋肉だ」
「君の臀部には負ける」

「……何この会話」
 そっと様子を見に来た士郎が地に伏せ泣き崩れるのは、致し方ない事であった。




こんにちは~、なちです!
これはマジで夢に見たワンシーンでして。アーチャーがランサーの身体目当て(笑)でめっちゃ男前に迫る。
ワンシーンしかなかったので前後は妄想しました。
ああくだらない!
でも自分では絶対に思いつかない話なので、たまにはいいです……よね?

いつもは槍弓でラブラブだったりシリアス風だったりいちゃいちゃしたり仲良くケンカしたりそんな二人ばかりをがしがし書いています。

 info@chika.daa.jp
http://chika.daa.jp
moonbath          2013.12.31

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