山本章一
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やまもと しょういち 山本章一 | |
|---|---|
| 別名 | 一路一 |
| 職業 | 漫画家 |
| 活動期間 | 2010年代 - |
| 代表作 | 『堕天作戦』 |
山本 章一(やまもと しょういち)は、日本の漫画家。北海道在住[1]。別名義に一路 一(いちろ はじめ)[2][3]。「山本章一」はペンネームで、本名は非公開。
来歴
デビューまで
2011年から「漫画 on Web」主催「ネーム大賞」に投稿し、佳作、奨励賞を受賞した[4]。2014年「裏サンデー」主催『第3回連載投稿トーナメント』に投稿した『堕天作戦』で優勝[5]。プロデビューが確定した[6]。2015年より小学館「裏サンデー」及びスマホアプリ「マンガワン」にて『堕天作戦』の連載を開始する。
「堕天作戦」の連載中止
2020年2月頃から『堕天作戦』が連載休止となる。これは山本の体調不良のためと説明されていたが[7]、実際はこの時期に山本は逮捕・略式起訴・罰金刑の刑事罰を受けていた(後述の「性加害事件」を参照)[8]。小学館は山本逮捕の事実を把握した時点で連載の中止を指示[9]。山本は2022年10月1日、Twitterの公式アカウントで『堕天作戦』の10月末での連載終了を発表する[7]。理由は「現在も継続中の私的なトラブル」としていた[7]。2022年11月1日、Twitter公式アカウントが担当編集者から作者個人に譲渡され、『堕天作戦』は個人出版で継続すると発表された[7]。
「一路一」に名義を変更
山本は『堕天作戦』連載終了2ヶ月後の2022年12月18日より、「一路一」名義で『常人仮面』の原作を担当する。『常人仮面』は『堕天作戦』と同じく、小学館「マンガワン」及び「裏サンデー」に連載された。作画は鶴吉繪理。鶴吉は山本の事件について何も知らされていなかった[10]。
性加害事件が発覚
2026年2月20日、山本は後述の性加害による民事訴訟で敗訴し、札幌地裁より1100万円の賠償命令を受ける[11][12]。報道では加害者は「元教員」とされ、「山本章一」の名もペンネームであるため、この事件と山本は当初結びつけられていなかった。しかし判決が報道された数日後、この「元教員」が山本であるとの情報がXに投稿される。ニュースサイトでの裏付け報道も現れはじめた[13]。マンガワン編集部は2026年2月27日、山本章一が2020年に逮捕・略式起訴され罰金刑を受けていたこと、『常人仮面』原作者の一路一は『堕天作戦』作者の山本章一であることを認めた。マンガワン編集部は、山本を別名義で起用したことは不適切な判断であったと謝罪するとともに、『常人仮面』の配信停止を発表した[3]。2026年3月2日、小学館は問題点を検証するための第三者委員会を設置する方針であると発表した[14]。
性加害事件
15歳少女への性的暴行
2016年、北海道芸術高等学校札幌サテライトキャンパスで山本がデッサンの講師を務めていた際に[11]、教え子である当時15歳だった女性へ性的暴行を行っていた[12][11][15][13]。
女性は2020年に事件について警察に相談し、山本は逮捕され、性交については不同意性交罪導入前で成立要件が厳しいため不起訴となったが、女性の裸の写真を撮影した件で児童買春・児童ポルノ禁止法により略式起訴され30万円の罰金刑を受けた[8][12][2][3]。これにともない、『堕天作戦』は連載休止となった[12]。
その後、山本と女性はLINEにて事件について話し合い、同じLINEグループの中にマンガワンの編集者も参加していた[12]。同編集者は、山本が150万円の損害賠償を支払うこと、二度と女性に接近しないことを条件に、和解と『堕天作戦』の連載再開の許可を求めた[12]。女性は連載再開をするのであれば、休止の原因である逮捕について公表するよう求めたが山本は拒絶し、2022年には民事訴訟に発展した[12]。
2022年、『堕天作戦』の連載が止まったまま、同編集者のもとで、山本は「一路一」という別名義で漫画『常人仮面』の原作者としての活動を再開した[16]。
民事訴訟
2022年7月から札幌地方裁判所で始まった民事訴訟の中で女性は以下のように証言した。2016年、女性が高校1年生の時、デッサン講師を務める山本に「漫画の話をしてあげるよ」「裏話もあるよ」と呼びかけられ、LINEの交換をし、私的に連絡を取り合うようになった[17]。
女性の下校が遅くなった日に、山本は車で送ると申し出、車内で女性の体を不同意でさわる猥褻行為に及んだ[17]。女性は「怖かったけれど、送ってくれてありがとうございました」とメッセージを送り、山本は「怖がらせるつもりはなかった、ショック」と返した[17]。やがて山本は女性をホテルに連れ込もうとし、「16歳なので入れません、先生と生徒なのでいけないことになりますよ」と女性は拒もうとしたが、拒みきれずに性交に至った[17]。
その後も性交が繰り返され、山本の大便を食べさせられたり顔に塗られたり[17]、裸で屋外を歩かされたり[17]、体に「奴隷」「ペット」と書かれるなど行為はエスカレートしていった[17]。それらの被害を在学中の3年間に渡って受けたために、女性はPTSDとの診断を受けた[11][17]。女性が道外の大学に進学後も山本からの連絡が続き、胸や陰部の写真を送るよう要求され[17]、女性はPTSDにより大学に通えなくなった[18][19]。
山本は、「女性が周囲に助けを求めることはしなかった」ので性行為に同意があったと主張した[15]。また、「真剣な交際関係のもと、原告の同意を得て行われたものだ」とも主張[17]。裁判の中で、山本は声を上げて笑うことがあり、女性側の弁護士から1回、裁判官から1回注意を受けた[12]。また、山本は「未成年相手だから世間や学校には申し訳ないなとは思うんですけど、彼女自身に対しては、特に思うことはありません」と述べた[12]。
2026年2月20日、山本は敗訴し、札幌地方裁判所は1100万円の支払いを命じた[11][12][13][18][19]。裁判長の守山修生は「生徒と教員の関係で男性が年上。判断能力の未熟さに便乗し、性的欲求に応じさせていた」[11]「自らが優位に立つ関係を形成しながら性的要求に応じさせた」[19]と批難した。
民事訴訟後
敗訴により事件が報道され、加害者が山本であることがSNS上で話題となった。
『常人仮面』の作画担当者である鶴吉繪理は、「とても、ショックだ………酷い、悲しい…」と2026年2月26日にコメントした[20]。翌日27日、鶴吉は『常人仮面』原作者の一路一が山本であること、山本とは一度面会しただけで仕事上の付き合いしかないこと、名義変更の理由を知らず事件についてなにも知らずショックを受けていることなどを明かし、「作品は絵空事だからこそ、自由です。だからこそ現実世界で人を傷つける行為があってはならないと、私は強く感じています。被害に遭われた方の心身の回復が守られることを心より願っております」と述べた[16][2]。
マンガワン編集部は、常人仮面の配信停止と単行本の出荷を停止し、謝罪した[3]。報道ではマンガワンの編集者が「被害女性に口止めを強いる和解条件を提案していた」とある一方[8]、「編集部が組織として関与する意図はありません」と、一部編集者が助言するに留まったとしている[3]。
マンガワン編集部の制作風景を取り上げるYouTubeチャンネル「ウラ漫」は、報道を受けて全ての動画の公開を停止し、動画制作代行会社・Sync Creative Managementの代表は「本チャンネルの存在が被害に遭われた方を苦しめていたことを、重く受け止めております」と陳謝した[21]。
作品リスト
連載
- 堕天作戦(裏サンデー/マンガワン2015年2月20日 - 2022年10月31日、小学館)
- 常人仮面(マンガワン2022年12月18日 - 2025年10月14日、一路一名義での原作担当、作画は鶴吉繪理、小学館)
読切
- 我等のナイフ(第1回ネーム大賞 応募作品)
- 最後の壁(第2回ネーム大賞 佳作作品)
- 燃える追い人(第3回ネーム大賞 奨励賞作品)
- 白日の非情(第4回ネーム大賞 応募作品)
- 大いなる棘(第6回ネーム大賞 応募作品)
- 憤怒の18(第6回ネーム大賞 応募作品)
- 吸血鬼対岡っ引き(合同誌「meandro」寄稿 )
アシスタント
脚注
- ^ 北海道胆振東部地震の影響で山本先生の仕事場が被災 2018年9月
- ^ a b c “マンガワン編集部が『常人仮面』めぐり謝罪「本来起用すべきでなかった」、原作者は刑事罰受けた『堕天作戦』執筆者”. 弁護士ドットコムニュース (2026年2月27日). 2026年2月27日閲覧。
- ^ a b c d e 『常人仮面』配信停止に関するご説明とお詫び
- ^ ネーム大賞参加者さんのご活躍 2015年2月
- ^ 「絶版状態だった『堕天作戦』が大躍進! 逆転劇の裏側とは?」『pixivision』2019年11月14日。オリジナルの2022年11月2日時点におけるアーカイブ。2026年3月1日閲覧。
- ^ 第3回連載投稿トーナメントグランプリ発表!(Internet Archive)
- ^ a b c d “漫画「堕天作戦」未完でアプリ連載終了、個人で発表へ 理由は「私的トラブル」...編集部には感謝”. JCASTニュース (2022年11月1日). 2026年2月27日閲覧。
- ^ a b c “小学館編集者が被害女性に口止め 担当漫画家の性加害示談交渉で”. 東京新聞 (2026年2月27日). 2026年2月27日閲覧。
- ^ “「週刊文春」の報道に関して”. 小学館 (2026年3月4日). 2026年3月7日閲覧。
- ^ 鶴吉繪理 [@turu_yosi] (27 February 2026). “今回の件について”. X(旧Twitter)より2026年3月7日閲覧.
- ^ a b c d e f “高校時代の性被害でPTSDに 元教員に1100万円の賠償命令”. 毎日新聞 (2026年2月20日). 2026年2月27日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j 令和4年(ワ)第1275号 損害賠償請求事件
- ^ a b c “漫画「堕天作戦」作者・山本章一氏に1100万円賠償命令 元私立高講師、在学中の教え子に「おしおき」称する性加害 札幌地裁”. あしたの経済新聞 (2026年2月25日). 2026年2月27日閲覧。
- ^ マンガワンにおける新たな原作者起用問題と第三者委員会設置について 小学館 2026年3月2日
- ^ a b “「先生という言葉、出てくるだけで怖い」 教え子に性暴力、賠償命令”. 朝日新聞 (2026年2月20日). 2026年2月27日閲覧。
- ^ a b “@turu_yosiの2026年2月27日のツイート”. 2026年2月27日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j ““30歳年下”教え子の女子高生に3年間”. 弁護士ドットコムニュース (2026年2月20日). 2026年2月27日閲覧。
- ^ a b “高校在学中から何度も性被害受けPTSD、元教員に1100万円の賠償命令…札幌地裁”. 読売新聞 (2026年2月20日). 2026年2月27日閲覧。
- ^ a b c “生徒に性加害の元教員に賠償命令 札幌地裁、女性はPTSDに”. 東京新聞 (2026年2月20日). 2026年2月27日閲覧。
- ^ “@turu_yosiの2026年2月26日のツイート”. 2026年2月27日閲覧。
- ^ “@NamesawaKazetoの2026年2月27日のツイート”. 2026年2月27日閲覧。
- ^ 「KOTONI ELECTRICITY 白石琴似オフィシャルサイト」2018/1/27, 2019/1/5。2025年2月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年3月6日閲覧。
- ^ 山本章一、成田卓哉「絶版状態だった『堕天作戦』が大躍進! 逆転劇の裏側とは?」『pixivision』(インタビュー)(インタビュアー:坂本寛)、ピクシブ、2019年11月14日。2022年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年3月6日閲覧。