食べる理由【槍弓】
食べ物を分け与える側ってなんで自分の分度外視して食べ物くれるんですかね?おかしくない?
お前も!しっかり!!食べるんだよ!!!
そんな槍弓。
槍弓要素少ないですが槍弓です。
今回のマスターはぐだ子ちゃん。
弓さん毎回しれっと余ったご飯で小さめのおにぎり食べて自分のご飯済ましそうでゆるちまちぇん。
食え!!食べられないのなら分けるので、そいつらのためと思って食べてくれ。
理由はいくらでも作ってやるって思ってそうな槍ニキ好きです。
あとこれを書いたの去年の8月らしくてどうして私はこの話を半年あたためてたの?おにぎりあたためますか?
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「あー疲れた!もう動けない!もう動けないよ~!!」
「先輩、大丈夫ですか?」
「おい嬢ちゃん、あんまりマスターを甘やかすんじゃねえ」
人が集まる昼時を少し過ぎた頃、マスターとマシュ、そしてランサーのクー・フーリンは食堂にやって来た。入口から見えたオレンジ色の髪をいち早く発見したエミヤはキッチンから少し身を乗り出して声をかける。
「三人ともお疲れ」
「エミヤ先輩、お疲れさまです」
「うあー!エミヤー!!聞いてよ兄貴が酷いんだよ~!!」
「んだよ、手加減してやっただろォ?」
シミュレーションか?エミヤが聞くとはい、おう、の返事が同時に聞こえた。
「だいたい、マスターが言い出したんだろ。次はオレが要になるから嬢ちゃんとの連携を高めたいって」
「それと私たちだけではなく、先輩自信も戦う手法でいく作戦でして、」
それでこってりと絞られた、と。そんな話を聞きながらエミヤは少しだけ口元を緩める。
「それはそれは……」
「もう疲れてお腹も空いて死にそう……エミヤ、今日のご飯は?」
「今日はナポリタン、もしくはハンバーグランチだよ」
「やったー!!私ナポリタンにする!!マシュは?」
「私も先輩と同じでナポリタンにします」
「じゃあオレはハンバーグの方で」
「了解した。では出来たら持っていくから座って休んでいろ」
やったー!ありがとうエミヤ!すみませんエミヤ先輩、お願いします。
その言葉に端的にお礼を述べたマスターとマシュはぱたぱたと可愛らしく走ってその場をあとにした。
その様子を眺めていたクーにエミヤは咳払いをひとつする。
「……君のも持っていってやるから、早く行きたまえ」
「別にオレは自分で持っていくからいい。それよりお前さんは?もう飯食ったか?」
その言葉にエミヤはきょとんとする。出来上がった二人分のナポリタンを盛りつけながら暫し考えたあと、手を止めることなく言った。
「……まだだが、」
「じゃあ一緒に食おうぜ。マスターが今度の連携にお前も入れたいんだとよ」
その話もしてえし、どうだい?その誘い文句に断る理由はないと二つ返事で了承したエミヤにクーはニッと歯を見せて笑う。
「んじゃあこれマスター達の所に持っていくわ」
「ああ、わかった。君の分は私が持っていこう」
「……いや、うん。予想はしてたがこれはヒデェわ」
「……兄貴の言うとおりだわ。私のナポリタン大盛りにしている場合じゃないよエミヤ」
「……先輩、私、取り皿持ってきますね」
「ありがとうマシュ、お願い」
テーブルを挟んで向かいと、隣から痛い視線を投げられるエミヤ。
目の前にはラップに包まれた小さなおにぎりが一つ。エミヤは片手で目元を覆いながら言い訳を述べる。
「いや違うんだ、お腹が空いていなくてね」
「嘘でしょ。てか、え?キッチンチームはいつもそんなご飯しか食べれていないの?それでレイシフトとかしてたの?」
「違うぞマスター。彼女らはきちんと三食、君らと同じものを食べている」
安心してくれ。そう告げるとマスターとクーの二人はますます睨みを利かせて来た。その顔が似てきたなとエミヤはぼんやり思う。
「いやいや安心できないじゃん、じゃあなんでエミヤは食べてないの」
いつも私にしっかり食べないとダメだぞって言っているの誰だっけ?その言葉にエミヤはぐうの音も出なかった。
そうこうしているうちにマシュが取り皿を持ってきた。テーブルに置かれるやいなやマスターはフォークに思いっきりナポリタンを巻き付けて取り皿へ分ける。マシュも自分の皿からウインナーをせっせと取り皿へ運ぶ。そしてクーはナイフも使わず乱暴にフォークで丸いハンバーグをまっぷたつにするとそれを味が混ざるのも構わずにナポリタンの上に鎮座させた。
「おし!そら、食え」
「いやしかしだな……」
「んだよ。マスターと嬢ちゃんが分けてくれた食べ物を食べるのにまだ理由がいるのか?」
「……いただこう」
皿と一緒に持ってきたフォークで少量のナポリタンを巻き付けるとエミヤは小さく口を開けて食べ始めた。
「どうだ?うめえだろ」
「それを貴様が言うのか?」
「だってそうだろ、なあ?」
「うん、エミヤが作る料理めちゃくちゃ美味しいから美味しいでしょって聞くのわかる!!」
「ふふ、美味しいですねエミヤ先輩」
三人の楽しげに、そして作った物を食べて綻ぶ顔を見てエミヤは頬を緩めた。
「ああ、美味しいな」
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