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マジカルキュートな生物が攻めてきた!?/Novel by 凍護@コメント嬉しい

マジカルキュートな生物が攻めてきた!?

3,248 character(s)6 mins

初槍弓になる予定のもの、続きます/FGOで開催中のプリヤイベントのエミヤとミニクーちゃんの話、倒されたはずのミニクーが生きていてさらに槍と弓が召喚されているご都合設定注意!/ミニクーちゃんが可愛くて欲しい/ブクマや評価、スタンプ本当にありがとうございます!!!ミニクーちゃんにデレデレなアーチャーもっとください…!!

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メイヴ戦後


倒壊する城から撤退したマスター一行は、このおかしな魔法少女の世界の元凶を打つ前に、少しの休息を取っている。
そのベースキャンプから1人、エネミーの警戒と言って周囲を見回っていたアーチャー・エミヤは、城の跡地を前にたどり着いた。

ひゅうと吹き抜ける吹雪がよりいっそう寂しく見える場所を前に、しばらく立ち止まっていたエミヤはおもむろに足を踏み出しガレキの上を歩く。
果てないガレキの山に雪がしんしんと降り積もる。雪華とハチミツの国を治める女王のいた城の跡地、数時間前の激闘の末カルデアのマスターとそのサーヴァント、そしてとある魔法少女が勝利を収めた戦場だったところ。
どれほどメルヘンな外見で蓋をしようと戦場は世界を跨いでも変わらないらしい、華々しい場所の崩壊という景色はエミヤの記憶の中にこべりついた空寒い想いを胸に広がらせる。
はぁっとついた偽物の息は白く、時期に崩れて空気に溶けていく。瞳を閉じれば耳が痛いほどの沈黙が広がる主を失った雪の国。

度重なる奇妙な戦いから一歩遠のいた静けさに心を置き、しばらくそこで立ち尽くしていたエミヤは目を開けると踵を返した。
気まぐれで跡地を見に来たのだが、図らずも気分転換になったようだ。
(崩壊した跡地がリフレッシュになるとは、笑えないな)
ほんの少し自嘲の笑みを浮かべたエミヤは、すぐに戻ると言ったがあの心優しいマスターなら今も心配しているだろうと、今度は足を早めてベースキャンプを目指そうとした。その時だった。
「ん?いっいたたたた!!!??なっなんだ!?」
バキッと乾いた音を立てて足元の木材が壊れ、足が深みにはまる。がくんと体制を崩すも転ばずに踏みとどまったエミヤが、はまった足を見下ろすと同時に身を貫くような激痛が走る。
まるで獣に噛みつかれているような痛みに、この国では牙を有するエネミーは見つけていないはずと、痛みに焦ったエミヤが慌てて力を込めて足を引き抜く。
足を抜く勢いついでにガラガラと木材や石材の耳障りな音に顔をしかめ、なおもズキズキと痛む足を見てみたエミヤの瞳は真ん丸に見開かれた。
引き抜かれた足についてきたのは新種のエネミー…などではなく、ふくらはぎにしっかりかじりついている真っ黒でトゲのついた武装をまとった小さなクーフーリン。
「腹減った」



「使い魔のミニクー!?なんでここに!!」
城跡から戻ったエミヤを見たマスターやマシュ、イリヤの驚く顔に予想をしていたエミヤは疲れた顔でため息をつく。
そんなエミヤに構わず腰にしがみついていた小さなクーフーリンこと消えた魔法少女メイヴの使い魔であるミニクーは、威嚇するように尻尾をぶんぶん振っている。
穏やかな休息に一瞬で緊張が走る中、無造作に近づいてきたのはエミヤと同じくこの場に助けとして派遣されたランサーのクーフーリンだ。ブラブラと歩くように見えてしっかり愛用の槍へ気を張っているクーフーリンは、エミヤの腰にしがみついたまま牙をむきだしにしている他ならぬ自分にうへぇと顔を歪ませた。
「おいおい、お前へんなもん拾ってくるなよ」
「私だって好きで拾ってきたんじゃない、ついてきたんだ。…面倒をかけてしまうな、すまないマスター」
まずふくらはぎに噛みついて血を啜ろうとするミニクーを引き剥がそうとする攻防、そしてなんとか離れさせた後マスターへ面倒をかけないため撒こうとした苦労、それを経ても尚しぶとく体にしがみつかれもう仕方ないと敵と一緒に戻ってきてしまった自らの情けなさ…ついてきたの一言に含まれるエミヤの苦労を察したクーフーリンはそれ以上咎めるのをやめた。
カルデアからの魔力供給も危うい今、敵に対して有効な魔法少女力と呼ばれるものを有するサーヴァントに魔力は優先されている。その例に漏れずエミヤやクーフーリンも限界する最低限の魔力で妥協しており、投影魔術を使うエミヤはかなりの戦力を削がれているのだ。
そのためにバリバリのこの世界の生き物であるミニクーを討伐できずにエミヤは戻ざるを得なかった。
現在のハンデを理解しているマスターの少年は申し訳なさそうに眉の下がったエミヤへ気にしないでと声をかけ、依然としてエミヤの腰から離れないミニクーへ視線を向けた。
見た当初こそ驚いたが、敵の本陣に連れられたミニクーといえば威嚇をするだけ、てっきり主人の敵討ちに来たのかと思ったがそれも違うようだ。
「そもそもなんでミニクーさんがまだ存在しているのでしょう?本来使い魔とは主人と運命を共にするものではないのですか?」
『いやいや〜一概にもそう言えませんよマシュさん、さらにこのミニクーちゃんはこのルビーちゃんでも驚きの性能を持った使い魔ですしね!』
「確かに使い魔だけで召喚や宝具も使いこなしていたところや、戦闘中もメイヴは絶えずミニクーに魔力を与えていたからね。メイヴがいなくなった後も生きていても不思議はない…のかな?」
「さすがはクーフーリン印の生き汚さだ」
「誰が生き汚いって?」
すかさず皮肉を混ぜるエミヤに歯を見せるクーフーリンに苦笑する面々をじっと感情のうかがえない瞳で観察していたミニクーは、おもむろにエミヤの腰から手を離し雪原へスタンと降りる。
行動を見せたミニクーへ素早く盾を構えてマスターの前へ出たマシュは警戒を解かずに問を投げかけた。
「ではミニクーさんは何故ここに来たんですか?答えてください」
「……何故?面白いことを聞くな、単純な話だ腹が減ったんだよ」
ここに来て初めて口を開くミニクーに険悪な雰囲気を出していたエミヤとクーフーリンも視線を下に向ける。全員の視線を浴びながら、可愛らしい外見に似合わない威圧感をかもし出すミニクーは責任者であるマスターの少年を見上げた。
「腹が減った…ってことは魔力不足で?」
「そうだ。あの女から注がれた魔力もそろそろ底をつきそうだったんでな。だが素直に消えてやるには癪で、どうしたものかと考えていたところにこの弓兵が俺のいる場所に来やがったんだ」
「つまりついてきたのは成り行きで、現状僕らに危害を加える気は無いと思っていいのかな?」
「はっ、今更手前らを狙って何になる。あの女が消えた今、俺は野良だ。俺は俺が生き続けるのに手一杯なんでな、まぁもう1度戦いたいと言われればその限りじゃねぇが」
鋭い眼光は冷たく、相手になるなら容赦はしないと言っている。ファンシーな見た目をしていてもさすがは戦闘中も的確な判断を下し、こちらを苦しめた狂王だ。

とりあえず敵になる気はないと言われてほっと息をついたマスターは盾を構えるマシュを制しようとしたところで、テンションの高い魔法ステッキが体をグイグイ押し付けてきた。
『でもでも〜ちょーっと信用出来なく無いですか?イリヤさんとマシュさんでささっとやっつけちゃった方がいいのでは?』
明け透けに過激な発言をするルビーに、ついさっき相手にこちらが手を出せば応戦すると言われたばかりのマスターはぎょっと顔を青くする。小さくなっても力は変わらなかった闇に落ちたクーフーリン、できれば戦闘は極力回避したい強敵なのだ。
しかし目の前で行われる自身の扱いに対してミニクーは表情一つ変えずに、思い出したように口を開いただけだった。
「ちなみに俺は消滅する時に自爆する」
『自爆ー!!??ちょちょそれは日アサでも時間帯違くないですか!?』
「しょうがねぇだろ、あの女がバカスカ魔力を充填するからだ。俺という器が消えれば今でもこのふざけた国を吹き飛ばすくらいにはなるはずだ」
今度はルビーが飛び上がるのを見て、真偽のつかめない不穏な言葉を放り投げたミニクーは、ニィと不敵な笑みを浮かべると困惑する一同に背を向けて再度エミヤの腰によじ登って落ち着いた。

Comments

  • 月城 紗弥
    January 21, 2024
  • †ああああああ†
    September 18, 2016
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