記憶
アーチャー…うーん、最近だとエミヤの方がいいのでしょうか。stay nightアーチャー、我らがオカンことエミヤとデンジャラスビーストで一気に痴女枠となったマシュさんの物語。
紹介ひどいな。
あ、時間軸は特に決めてないです。一つ言えるのは7章前ってことです。まあ読めばわかりますよ!(←明らかな読め読めアピである。)
あとマシュはぶっちゃけ超☆サブですね。
それではどうぞ。
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『記憶』
_____空を見ている。
それは綺麗な空だった。
それぞれが強調し合わない、程よい雲の配置。太陽は隠れていなく、まるで石灰のような…白濁色な鉱物のように煌めいていた。
神秘的な水色に張り付いているような…そこに浮いているような雲達は様々な形をしており、どこまでも広がり続ける”無限”という概念を持つ空と、それはもう見事なほど自然にマッチしていた。
「私としたことが…言葉がうまく纏まんな。」
とにかく綺麗で美しくて、こうも圧倒的なものを見せられてしまうと日頃の戦闘やら…まあ家事やらも…そんな些細な事はどうでもよくなってしまう。
足元は芝生の丘で、桃色や紫色に黄色…鮮やかな花の色が点々と地に群れている。芝生は花だけでなく、薄い透き通るような緑から深い森林を連想させる緑まで、自然が見せる美しいグラデーションが広がっていた。
そんな美しい空や草花をぼーっと眺めていた。
すると_____
「_____先輩」
背後から少女の声が聞こえた。恐らくこの声はマシュ・キリエライトのものだろう。
「先ぱーい…」
そういえば、彼女の宝具は珍しい。”守る”ことを目的とした宝具だ。英霊達は歴戦の勇者などが多く、宝具のほとんどは相手を傷つけるものが多い。
「…先輩?」
それは珍しいことなのだろうか。なんとも言えないが、私は”守る”というのが本質の宝具というのをあまり見たことがなかったのでわからないが_____
「エミヤ先輩!」
突然真名で名を呼ばれ、私はすこしビクッとした。
「ん、あぁ、すまない。少し考え事としていた」
呼ばれた方に振り向きながら私は答えた。
…すぐに返事をすればいいものを。
何故だか思考に意識を集中させていた自分に、少し不思議を感じた。
「いえ、お気になさらず」
少女はフフ、と少し微笑み混じりに言った。
「先輩、マスターがお呼びです。」
私の背後_____丘の少し高いところに立っていたマシュは、戦闘時でないためか眼鏡をかけ、肩から白いパーカーを羽織る姿であった。
「わかった。すぐ向かおう」
…いや、この景色を眺めて一息したら行こう。
マスターの顔よりこちらを見る方が幾分得だろう。
「はい。ところでエミヤ先輩」
「む?」
彼女は私の隣に並んで空を見上げた。
「空が…綺麗ですね」
「…あぁ…」
やはり、この空は美しい。この空の雄大さは、紙面上や画面上には捉えきることができないであろう。
写真などではここまで美しく映らない。
今ここにしかない空。果てのない輝き。
「その…」
マシュが何かを言いかけたので、彼女の方を向いた。
「…出来得るのでしょうか…」
彼女はすこし俯いて言った。
「…」
私はその問いにはすぐに答えられなかった。質問の内容がわからないためではない。おそらく彼女は”グランドオーダー”のことについて言っているのだろう。
これは個人の見解が介入するが、救うなんて行為は犠牲の方が多い。よもや人類を救うなんて大きな救済の元に、代償がないなんて事はありえないであろう。
そして、立役者となったものはいつも滅ぶ運命(さだめ)にある。
それはもう…わかっている。
なら、人類を救うために犠牲となるものはきっと_____
「何か、おかしい質問をしたでしょうか?」
彼女の方を向く。返答をしなかったためか困ったように言った。
「あぁ、すまない。私も少し考えていた」
適当な返事をする。
「…そうでしたか」
「あぁ」
彼女は再び空を見上げた。
「…」
彼女の横顔はどこか凛々しくて、どこか幼さを感じさせ、どこか寂しげな表情を見せていた。
「私は_____」
少女は静かに口を開いた。
「私は…正直不安です。このまま上手く行くのだろうか…と」
少し表情に暗がりが見えた。
「来る7つ目の聖杯を手に入れたとしても、また新たな敵や勢力が出てくるんじゃないか…って」
いつもは前向きな姿勢を見せる彼女にしては少し珍しい言動だ。
「不謹慎かもしれませんが、もし終着点に辿り着いたとしても何か大切なものを失う気がしてならないんです。自分自身が消えるくらいならまだいいんです。けど_____」
「マシュ」
私は気づいたときには彼女の言葉を遮っていた。
「それは違う。”自分が消えるくらい”などと言ってはいけない。君を必要としてる人はたくさんいるだろう?今召喚されている英霊達や、カルデアに勤めるもの達。…そしてマスター。君がもし消えてしまったらどれだけの者が心を傷めると思う」
_____らしくないことを言う。
そんなことを思い、一度心に整理をつけさせるためか、深くゆっくりと目をつぶった。それは照れ隠しでもあっただろうか。
「_____意外でした」
少しの沈黙が置き、彼女はそう言った。その声とともに閉ざした目を開くと、彼女が目を見開いてこちらを見るのが見えた。
「エミヤ先輩はもっとこう…なんというか、合理主義というか、そんな感じのイメージで…情でのものの見方をあまりしない方かと思っていました」
何故か申し訳なさそうにそう言った。まあ彼女の場合、相手への配慮だろう。”マシュはしっかりと人を見ているのだな”なんて考える自分がいた。
「私も意外だった。私自身、自分がこんな発言をするだなんて意外だと思っている。…少しばかり偉そうなことを言ったな」
「いえ、すごく…心に響きました」
彼女は優しく頬を緩ませ、胸のあたりに手を添えていった。
「胸の中にあった硬くて尖った何かが和らいだような気がします」
_____。
「加えて言うのもなんだが_____」
「?」
あぁ、今日という日は_____
「私も、君のことは信頼している」
「_____!」
「だから、マシュ。自分を大切に思って欲しい。無価値なんて決して言うんじゃない」
本音をつい口走ってしまうなどいつ以来か。彼女といると少し調子が狂う。
そんな私の拙い言葉を受けて、彼女は
「はい、先輩」
と、柔らかい笑顔で答えた_____
「_____あぁ、そうか」
私はフッと短く笑った。
「どうかしましたか?エミヤ先輩?」
「いや、なんでもない。ふと昔のことを思い出しただけだ」
「…?」
不思議そうにこちらを見る彼女は、更に自身の何かを呼び起こす。いやその正体はおおよそ掴めている。
「関係ない話をした。君が少しでも前を向けたというのなら、私は嬉しい限りだ」
「はい、ありがとうございます」
私はまた空を見上げた。
彼女の少し紫がかって艶めきが綺麗で、風が吹くときにはまるでラベンダーが揺れているかのようなその髪。自分よりかなり身長は小さいながらもそのたわわな…いやそこはいい。…そして何よりなのは、”先輩”という呼び方。
_____そうか、調子が狂うのはあの昔出逢った娘を記憶の奥底、渓谷のような深いところから知らずと思い出していたからか…。
****
それはある日のこと。
「はっ⁉︎何してんだ俺」
その日は、朝早くからぼーっと料理をしていた。
「なんてこった…暇つぶしに余計な料理作っちまうなんて…」
自分でも覚えてないないが、なぜだか朝食には十分なはずの品を作ったのに、もう一品、料理を作っていた。
「一つの空に二つの太陽はいらないんだ…」
輝くものは一つ。だからこそそれは美しく光る。
「えっ…せっかく作ったのに食べないんですか?先輩」
「いや食べる。予定にはなかったけど弁当にすれば_____って、ええ⁉︎」
そこには知らぬうちに紫色の長い髪の毛をおろした少女が立っていた。
「おはようございます先輩」
少女はにこにこと俺に挨拶をした。
「なんだ、来てたのか。おはよう。朝食の支度はできてるから、居間で休んでてくれ。お茶の用意してあるからさ」
「はい、今朝も完璧ですねっ先輩!」
はは、そんなに褒めちぎられると少し照れるというか…。
「でも先輩、お弁当作るんですよね?」
少女はこちらの手元を覗き込んで言った。
「あぁ、うん。そういう流れになった」
まったく、変なことしなけりゃ変に時間も食わなかったものを…。
「じゃあわたしもいいですか?自分の分は自分で作りますから」
「いや待った。それなら俺のおかずをわけてやるよ。代わりにご飯炊いてくれるか?」
「はい、任されました!それじゃお手伝いしますね!」
少女はキッチンの棚にしまってあるエプロンを取り出し、着衣した。肩に紐をかけ、腰の後ろでリボンを結ぶその動作はとても手際がいい。”慣れ”というものを感じさせる。
「悪いな…朝練前だっていうのに」
「そんなこと…こうして台所に立つのは楽しいですよ?」
そんなことを平然という。
「手伝ってくれるのは助かるけどさ、あんまりうちにばかりかまけてると好きなことをする時間もなくなるぞ?」
そう、彼女は別にこの家に住む者でもない。だというのに毎日毎日、朝早くからここにきて家事を手伝いをしてくれている。まったく、何をそうさせるのだろうか。
「あはは…それも大丈夫です。わたし、趣味は弓とお料理だけですから」
珍しい子だ。こんな欲の少ない子は少なそうだ…なんて呑気に考えていた。
「ちなみに将来の目標は先輩の味を超えることで、もうすぐ射程距離だったりします!」
えっへん!というような態度で、少女はこちらに向かって宣戦してきた。
「ですから気にしないでください。わたしここでお料理するのが嬉しいし、うまくなるのが楽しいんです。だからお料理を教えてくれた先輩への恩返しと…実益を兼ねてお手伝いをしてるんです」
…ほほう。
「む。それはつまり、日々俺の技術を盗んでいるということか?」
「はい、覚悟しててくださいね」
彼女はできあがった弁当を布で包みながら、優しく微笑んで言った。
「いまに先輩にまいったって言ってもらうんですから」
****
「先輩?」
薄れていた脳に声が響く。
「あぁ、すまない。何か話していたか?」
どこか遠くに離れていた意識を呼び戻し、聞こえた声に反応する。
「いえ、先輩が空を見て何か思い出に浸っているような表情をしていたので、失礼かと思い話しかけませんでした」
「そうか、礼を言う」
「いえ…」
「君の予想通り、昔のことを思い出していた。何の変哲も無い、普通の日常の切れ端だった。…少し嬉しかったよ」
また本音がポロリと。
「…それはよかったですね」
首を少しかしげた気もしたが、素直によかったですね。と言ってくれた。
「あぁ、マシュ。君のおかげだ」
その時声と同時に強い風がビュオっと吹き付けた。
「あ、えっと今何か言いましたか?すみません。風でよく聞き取れなかったのですが…」
私はまたフッと短く笑った。
「いや、なんでもないから気にしなくていい」
これ以上私のくだらない話を続けるわけにもいかず、私は話を続けなかった。
「それじゃあマスターのところに向かうとしよう。マスターにあまり待たせるわけにはいかぬしな」
「はい」
「君はどうする?」
「私は_____」
彼女はこちらから視線を逸らし、また空を見上げた。
「…そうですね、この空をもうちょっと見てから行きます」
そしてまたこちらに向かって微笑む。その表情はやはりまるで_____
「…そうか。なら先に行く。それではな」
「えぇ、お気をつけて」
少女のその表情は眩しくて。先ほどまでの暗がりを感じることもなかった。
少女はこの空と似ていた。美しく透き通って、阻むものは何もない。どこまでも突き抜けていくようなその力強さ。
「_____フッ」
私はまた軽く笑う。
赤い外套の弓兵は果てなく続く空の下、どこか懐かしい少女を背にして、吹き上げてくるように思い出す記憶の中に身を委ねながら、一歩。その足を踏み出した。
END
【あとがき】
やぁ。(^ω^)
あとがきってさ、なんか本とか読んで見てて楽しそうだなぁって思ったからやってみたくなるよね。え?ならない?
(´・ω・`)ショボーン
まあそれはいいとして、はい。今回は…いやまあ初めての投稿ですけども…エミヤさんが主役な感じのスウッとした小説でした。
元ネタというか書こうかなーって思ったのはpixivでみたある方のFateまとめのある1枚のある4コマ?2コマ?うーん、忘れた。すまない…ほんとうにすまない…。(ジーク君)
冗談はさておき、まあそのある1枚の漫画をふと思い出して書きたくなったというわけでござる。
うん、あるあるあるあるうぜぇ。どっかの探検隊か。
まああとがきだから言うけどマシュに重なった少女って桜のことですね。
あれ?マシュってアチャーのこと先生って呼んでたっけ?やべ、贋作イベントのこと邪ンヌしか覚えてねぇ。余計なこと言わないでさっさと終わらせますねw
本編…とは言えないか…漫画版Fate/snHFから台詞だけ切り抜いてきたあの回想シーンなんですけど、なんか名前出さない方が記憶があまり残ってないエミヤらしいかなと思い、一部改ざんさせていただきました。主に名前隠しただけっす。菌糸類先生、タスクオーナ先生…なんかすまないっす。
そんな謎の拘りを持ちつつ、あとは思うがままに書いたって感じでした。キャラの動作についてもっとうまく書けるようになりたい。やはりたくさんの文に触れることが重要か…。よし、勉強とかやめて本読も。()
…あ、言うこと尽きた。
はい、それではまた今度。
最後に言い忘れた。
…フゥ…。
邪ンヌゥゥゥゥウウ!!!!
…バイバイ。