からっぽを埋めろ!
狂戦士エミヤを書きたくて書きました。
でも、バーサーカーらしいところが一つもかけてない。なんだこれ。
書いたのが数ヶ月以上(下手すると一年以上?)も前で、かつ手元になんのメモもないため、続きはありません。
せっかく書いたのに誰にも知られず消えるのは悲しいから投稿しました。
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聖杯戦争。
それは聖杯を得るための戦い。
ここでの聖杯とは、イスカリオテのユダの席の騎士が得たものではなく、人間の願いを、欲望を叶える万能の願望器のことである。
魔術師は悲願のために、または自らの願望のために、聖杯を求めてきた。しかし、聖杯を得るのはただ一人。勝ち残った勝者のみである。そういうことになっている。
「素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。 祖には■■■■■■■
降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」
私は、600年続く魔術師の家系に生まれた。父も母も、魔術師だった。両親は私に期待していた。二人よりも才能が、魔術回路があったからだ。
お前ならば我らの悲願を達成できるはずだ、と。
魔術師とは「 」を目指すもの。そこに至るために、その全てを掛ける。故に、我々は魔術を学ぶ一番初めに教わるのだ。
これからすることは、全て無駄なのだ。と。
「閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。閉じよ。
繰り返すつどに五度。
ただ、満たされる刻を破却する」
詠唱は続く。かつてこの世に存在した者、信仰が形をなしたもの。あらゆるものが英霊となる。サーヴァントとは、その英霊の魂のコピーを座より呼び出し、クラスという箱に押し込めたものだ。
私は、聖杯戦争に参加しようとしている。
一族の悲願を果たすために。
「――――――告げる」
「――――告げる。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」
英霊召喚に伴い、家からは聖遺物が送られてきていた。魔術的にも興味があったが、古いものなので読むのは今は止めておくことにした。
時々思う。この戦争に参加すると決まったときから、私の脳内には疑問が住んでいた。
それは果たして、私自身の望みなのだろうか…?
私は、魔術師として自らが未熟であることを理解していた。魔術師であるのならば、根源に至ることは何よりも素晴らしいことである。それを疑問に思うとは、未熟以外の何物でもないだろう。
けれど、けれど。
「誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者、
我は常世総ての悪を敷く者。」
私は、それでいいのだろうか。本当に、いいのだろうか。
「汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」
魔法陣を中心として、魔力が渦巻く。身体が持っていかれるようだったが、なんとか耐えた。魔術を行使するときの痛みが、私を襲っていた。それも耐えた。
熱い。左手が熱い。辺りが輝き始める。どこからともなく風が吹く。
魔力の奔流は瞬間にして一点に集中し、爆発するかのごとく四散した。
それは、あまりに過ぎる衝撃で、私の視線を、心を、魂を、その全てをかっさらっていくようだった。
「召喚に応じ参上した────」
あぁ、私の聖杯戦争は始まった。この■■■とともに、私は、戦地を駆けなくてはならないのだ。