【腐向け】エミヤさんの毒気が抜けたようです【金弓√】
ギルエミ√です。エミヤさんの毒気がryの続き。BLです、腐向けにつきご注意を。それと前々回のアンケありがとうございました、槍弓スゲー。R18についてはギル様はちょっと保留。NGがギルエミではなくエミギルみたいになってもーた。えへへ誰か金弓ください。
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エミヤさんの毒気が抜けたようですの続きというか、ギル様るーとです。
甘いのを目指して挫折しました。BLにつきご注意を。
―――ギルガメッシュルート
給仕に勤しみ始めた士郎を心配そうに目で追いかけるアーチャーは、折角食事を勧められたというのに全然箸を手につけていない。
そわそわとした空気にあてられて真横にいたギルガメッシュがそれに気づくと、アーチャーを士郎を交互に見遣って納得したように、しかし呆れも混じったような感嘆の息を吐いた。
「既に道を違え別人だと言い張る割には考えている事は同じという訳か」
「あ、いや…私はサーヴァントだし別に食事の必要はないだろう。なのにあいつに任せるのは何か間違っている気がしてね」
「ふん、やりたいというのだからやらせておけばよかろう」
どうやら食事を後回しにしている士郎が気になってしかたないようだ。
士郎に任せると言ったものの、あれは自分の役割だと心底思っているらしいアーチャーには、横で面白くなさそうに鼻を鳴らすギルガメッシュに気づいている様子はない。
そこへ全く食事に手をつけてないアーチャーに気づいた士郎が、ちゃんと食べろだのむりやり食わすぞだの小言だか脅迫だかの言葉を吐いて、結局仕方ないといった様子でアーチャーは小さくため息をつきながら自らが作った卵焼きにやっと手を伸ばしたのだった。
周囲は騒がしいというのに互いに会話もなく手だけが進んでいく。朝食が終わるまでそのままかと思われた雰囲気は、ふいに伸びてきたアーチャーの手によって散っていった。
「米がついているぞ。…君はたまに子供みたいだな」
「召使もどきが我をコケにするつもりか」
「そんなつもりはないのだがね。いいじゃないか、そういう君も私は好ましいと思うが」
ギルガメッシュの頬についていた米粒を手に取りぱくりと口へ放りながらそんなことをのたまう彼に、騒々しかった周囲はいつの間にか誰も言葉を発する事が出来ずにいた。
目を見開いて唖然とする者や、告白染みた言葉に噴出しそうになる口の中の食べ物を必死に飲み込む者、なかには羨ましいぞこの野郎と言わんばかりに銃を手にする者もいたがアーチャーは気付いていないのか気にしていないのか、再び食事に手をつけ始めてどこ吹く風である。
だが一方ギルガメッシュは箸を持っていた手を止めて、なにか少し考える素振りをしてから横で正座をしているアーチャーを上から下まで吟味するかのようにまじまじと見つめる。
流石に真横から凝視されるのは居心地が悪いのか、アーチャーは僅かに身動ぎして困ったように眉を下げながらギルガメッシュに声をかけた。
「…なにか?」
だが問われたギルガメッシュは特に答えることもせず、まるで何事もなかったかのようにそのまま手の動きを再開させて食事を口にした。
何か気に障ったのかとも思ったが別段怒っている雰囲気でもなく一体なんだったのだろう、と考えたが…常に我様ペースな王様の事だ。自分とはだいぶ違うこの男の思考はきっと理解出来ないものだらけだろうと気にする事をやめた。
アーチャーの様子がおかしくなってから数日が経ったが、未だに戻る様子はなかった。
だが周囲の人間は慣れたのかとくにその事に関して既に突っ込む気はなく、寧ろ世話を焼いて周るアーチャーに甘やかされていった。
…ただ一人を除いて。
「いい加減ワケを教えてくれないか?言ってくれないと私もわからないぞ」
いつでも周りを引っ掻き回すように喧騒の中心にいたギルガメッシュが、あの日から周囲に当たり散らすように機嫌が悪くなり、更にはアーチャーに対して最低限のやり取りすらしないくらいに冷たく接するようになった。
明らかにアーチャーへの態度だけがおかしいのはきっとそこに原因があるのだろう。流石にこれだけ不穏な空気を醸し出されてはいつ誰が爆発するかわかったものじゃない、と居間で寝転がって煎餅を貪ってるギルガメッシュを問い質す事にした。
だがギルガメッシュはこちらを一瞥して不機嫌そうに鼻を鳴らすだけで、すぐに顔を逸らした。まるで何処かに行けと言うかのように。
更に彼を不機嫌にさせるだろうが、ここで退いては何も変わらない、とギルガメッシュの横まで移動して腰をおろし食い下がる。
「確かに前から私のような者を嫌う事は知っている。だが最近は幾らかは気を許してくれていたと思っていたよ。だから聞きたい、私は君に何かしたのかね?」
「……下らん贋作者ごときが調子に乗るな、我は今でも貴様が気に入らぬ」
「そう、か」
静かに瞳を伏せて、思う。―――昔は誰にどう思われていようが振り払えていたはずなのに、今はギルガメッシュのただの一言に心が痛む。いつの間にか私も弱くなったものだ、と。
今にも泣き出しそうな悲痛な面持ちは、きっと彼が思っている以上に"嫌われている"という言葉に傷ついている表れだろう。
恐らく最近のアーチャーに絆されている者が見たらどうにかしてやりたくなるくらい辛そうな顔だったが、幸か不幸か、アーチャーの表情を見るものは誰もいない。
ギルガメッシュはというとそれに気付くことなく、消え入りそうなくらい小さなアーチャーの短な返事に苦虫を噛み潰したかのような顔を浮かべ、
「…本当に気に食わん。貴様が常に周囲総てに献身するかのような姿は反吐がでるわ。最近は殊更それが目に余る!まだ皮肉気だった頃のほうがマシというものよ…!」
最初は呟くように吐き出された言葉は、段々と語気が強くなっていき感情が手に取るように分かるものとなっていた。苛立ちと怒り。
頭の中でその言葉を咀嚼してみれば、何を言いたいのかに気付きアーチャーは鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして呆然とした。
だがそんなアーチャーに気にもくれず、出てくる言葉は火がついたかのように止まらない。
「しかも貴様、この我が気にかけてやっていたというのに有ろう事か全く気付く素振りすらないとはどういう事だ!全く忌々しい…!」
「それは、なんとも……つまり君は…」
そんな理由でずっと怒っていたのか?
などと呟けば射殺さんばかりの視線が突き刺さる。だがそれに動じる事もなく口許には僅かに笑みが浮かぶ。
ただ目の前でむくれるギルガメッシュが微笑ましく思えて。だってそうだろう、先程は嫌われていると思っていたのにこれでは真逆ではないか。
「怒らないでくれ、軽んじている訳ではないんだ…しかし、やはり君はたまに子供みたいだな」
「同じ言葉で二度も愚弄する気か」
「前にも言っただろう、好ましいと」
―――そんな君だから、嫌われていると思ったときに心が苦しくなったんだ。
少し恥ずかしくて言葉に出せないそれを、心の中で囁いた。馬鹿正直に言ったら嘲られるかもしれない、それは少し堪えるというものだ。
「それにだな、英雄王。私はこれでも君には特に気を遣っていたつもりだったのだがね…君は我侭が過ぎるくせして、変な所で素直な気持ちを出さないからな」
「当たり前だ、雑種如きに王の全てを曝け出すなど有り得ぬ事だ」
「君の場合は少し違うと思うぞ…理解してほしい事こそ言葉にせずに――ああ、今回は私を心配してくれていたのだったな?流石にアレでは伝わる前に相手との距離が開いてしまう羽目になるので気をつけたほうがいいと思うが」
「ふん、誰が心配など。しかし貴様、随分と能天気な頭になったものだな」
第一、変な所で素直じゃないとかまさにお前の事じゃないのか、とぼやくギルガメッシュの雰囲気は先程とは打って変わって穏やかなものだった。
それがなんだか嬉しいのか、ふわりと微笑むアーチャーはまるで手のかかる可愛い子供を見守るお母さん。本人もそんなつもりかもしれない。
そんなアーチャーが少し癪に障ったが、向けられている笑みは本当に優しげで、それも悪くないかもしれないとギルガメッシュは這うような姿勢になってからもぞもぞとアーチャーの太股へと頭を乗せた。
「柔らかくない枕だな。我は少し寝る、飯時になったら起こせ」
「勝手に乗っておいて随分な言い草だ。…おやすみ、ギルガメッシュ」
「………ああ」
言いたい事を言ってさっさと寝始めた王様の金色の髪を手のひらで優しく撫でれば、暖かい気持ちが胸を満たす。
これからもこんな穏やかな時が流れてくれればいいと、アーチャーは庭から差す茜色の夕日に目を細めながら思った。
―――――凛がいて、切嗣がいて、セイバーが、そしてギルガメッシュがいて。久しぶりに与えられた幸せな日常というのはきっとこういうもの。騒がしくて忙しいけれども、自分を見てくれている人がいるというのは磨耗した自分には眩しくて、守っていたいから―――――
だからこそ今日ギルガメッシュが掛けた言葉に、本当は顔を歪めそうなくらい嬉しかったのだと、アーチャーは膝の上で静かに眠るギルガメッシュに愛しむ様に微笑んだ。
――――――――――
・NGシーン
そんなアーチャーが少し癪に障ったが、向けられている笑みは本当に優しげで、それも悪くないかもしれないとギルガメッシュは這うような姿勢になってからもぞもぞとアーチャーの太股へと頭を乗せた。
「いいか、もう一度言っておくが我は別にお前に対して心配などしておらん!」
「ふふ、解っている。全く君も素直じゃない」
「全然わかっておらんではないか!雑種ごときが王の心情を勝手に決めるつけるな!」
「しかもギルガメッシュ?先程の言葉から察するに、嫉妬も混じっていたと見た。いやはや、そこまで君が好意を抱いてくれていたとは驚きだよ」
「ええい殺す!いい加減その口を閉じよ!」
「私は喜んでいたというのに…つれないな、君は」
「ぐぬぬ…くそ、もういい寝る!起こすなよ!あと貴様の膝は我以外に使わせてはならぬからな!」
―――――――
あとがき。
毒気どころか色んなものが抜けてるんじゃないのってくらい表情豊かですねエミヤさん…。
剣呑な雰囲気にならないギルエミっていうのが思い浮かばなくて、打っては消して打っては消してを繰り返しました。
NGの方は何故かギルがつんでれ。ツンデレはエミヤさんの専売特許なんだよ?
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