(セ・リーグ、DeNA9-5広島、17回戦、DeNA9勝7敗1分、7日、横浜)前任の主将でもある佐野が、ヒーローインタビューで自ら牧の名前を出した。左手の手術を受けたチームリーダーに思いをはせると、呼応するように大観衆が沸いた。
「キャプテンの牧が不在なので、責任を持って牧の分まで頑張りたい」
その言葉通りの活躍だった。一回に先制の左前適時打で打線の火付け役となると、3-0の二回には11号3ランを右中間席中段へ。1番の梶原、続く蝦名が連打で好機を演出した後の打席で浮いたスライダーを仕留め、推定129メートルの豪快な一発をたたき込んだ。梶原、蝦名とそろって3安打の固め打ちを見せ、13安打で9点を奪った猛攻を導いた。
8月は打率・393と当たっており、酷暑の影響を感じさせない。状態の良さを踏まえ、これまでより20グラム重くした890グラムのバットを5月末から継続して使用。鋭いスイングは健在で、広角に長打を放っている。幼少期から夏場も活発だった岡山県出身の30歳は「田舎の子だから夏は強い。暑い方が打てる」と冗談めかして笑った。
2023年まで4年間務めた主将の座を昨季から牧に託した。4番も担った後輩が離脱した1日には「戻ってくるまでしっかり戦うから」と直接声をかけたという。「絶対的な存在。牧のチームでもある。一丸となって戦っていきたいと全員が思っているんじゃないか」とナインの思いを代弁した。
三浦監督は「牧がいないのは痛いけど、今いるメンバーが自分のやるべきことに取り組んでくれている」と目を細めた。結束したチームは苦しんできた得点力不足から抜け出し、9連戦の最初のカードで勝ち越し。佐野はお立ち台の最後に「牧、待ってるぞ」と呼びかけた。一日も早くそのときが来ることを願い、バットでチームを引っ張る。(鈴木智紘)