NHKのテヘラン支局長がイラン当局によって収監されたと伝えられる「エビン刑務所」について、中東問題に詳しい慶応大の田中浩一郎教授が産経新聞のメール取材に応じ、外国人が収容された場合には「一定程度の待遇が与えられる」のが通例だと説明した。他方、二重国籍者を含むイランの一般人が収容された場合の待遇は「劣悪なレベル」だという。
未決囚も留置
エビン刑務所は、テヘラン北部に位置し、これまでに多くのジャーナリストや人権活動家らが収容されていたといわれる。
田中教授によれば、エビン刑務所は「正確には拘置所も兼ねた司法施設」。未決囚も留置される。「収容者が外国人の場合には一定程度の待遇が与えられるが、二重国籍者を含む一般のイラン人に対する環境は、第三世界にありがちな劣悪なレベル」という。
同施設には政治犯が収監されることが多い。田中教授は「国家安全保障に重大な脅威を及ぼす嫌疑をかけられた場合にも入れられる」と解説した。
容赦ない弾圧に
報道に従事するジャーナリストが拘束されることについて、田中教授は「権威主義体制では体制の脅威となりうる行動や言動に神経質になる。イランもご多分にもれない」と指摘。
イランでは2025年12月末から経済悪化などへの不満から大規模な反政府デモが起きており、2009年の大統領選の不正疑惑の際に起きたデモ以来の規模ともいわれる。今回の邦人もデモの拡大の中で拘束されている。
田中教授は「イラン当局が主張するように一定程度以上に国外勢力の関与や煽動が認められたことから、弾圧も容赦のないものになっている」とみている。(千葉真)