長浜広奈「やりたいことも、特技もなかった」 10代を夢中にさせる「おひな様」とは何者か?
ーー子どものころは、ボーイッシュな服装が好きだった。家族は長浜さんの「好き」を尊重してくれたが、同級生にからかわれることもあった。 ひな、けっこう大雑把で、ヘアセットがめちゃくちゃ苦手なんです。小中学生のころはボサボサのまま学校に行くこともあって、そのたびに男子から「女じゃないじゃん」「うわっ、女なのに」ってめっちゃ言われました。服装もボーイッシュなのが好きでかっこいい柄のトレーナーをよく着ていたんです。今だったらそれもおしゃれなんですけど、当時は「ザ男の子」みたいな服を着る子はあまりいなくて、それも色々と言われました。 ーー自分らしさを貫くなかで、性別に関わらず憧れるのは、「強い人」だという。 この人が一番憧れだという存在はいないんですけど、このお仕事をしている人はみんな前に立つ覚悟ができていると思うんです。キラキラしているし、自分が一番目立つぞという気持ちがある。かっこいいなって思っています。 ーーどんな人を強いと思うのか。そう質問すると、「いろんな意見を言われても、ある程度のことは他人事で気にしない、みたいな人」と独特の言い回しで返ってきた。 人の声に振り回されないというか、相手のことももちろん気にするんですけど、第一に自分を大事にしている人が好きです。 ーーその価値観は、「今日好き」での振る舞いにも重なる。番組中に「今一番気になる人」として自分の名前があがると、「ひなだと思ってた」と発言。そのまっすぐな自己肯定感に魅了され、ファンが増えた。 自己肯定感を高く保つために、やることはいっぱいあります。まずはじめは、自分を「可愛い」「一番だ」って思うことから。優れていなくても優れてるって、むりやり思っています。みんな、そう思いましょう♡ ーーそう呼びかける長浜さんには、ティーンやその保護者からも注目が集まる。最近は、「お姉さん世代」の人に声をかけられることも増えた。 私のことを知って、自信が持てるようになったって言ってくれる人も多くて、すごくうれしい。容姿で悩んでいたり、他人と比べて自分を下げちゃったりする人も多いなと感じています。でも、他人と比べないと言っても難しいですよね。比べちゃいますもんね。 「自分が一番だ」って思ったら、一見すごい性格が悪い人になっちゃうと思うんですけど、でも時にはそう思ったほうがいい。どうしても比べちゃうときは、自分よりいいなと思う人を視界からシャットダウンしちゃうのもオススメです。「あのちゃんさん」から聞いたんですけど、周りの人を嫌いなものだと思って消すといいって。私は野菜でした。自分の嫌いなものにしてみるといいと思います。 ーー今年、18歳になる。どんな社会になってほしいか尋ねると、少し考えてこう答えた。 電車で大声を出さないとか、混んだエレベーターは端っこに詰めるとか、そういうのはちゃんと周りと合わせたほうがいいと思います。でも、服装やメイクや髪型、後は喋り方も、人と違ってもいい世の中になってほしい。 奇抜な服を着ている人が、「それ、おかしくない?」と言われたり、SNSで「量産ファッション」がダサいと否定されたり。でも、ひなは別になんでもいいのにって思うんです。ファッションに思いがあるのはいいけれど、それを着ている人にいろいろ言うのが本当に嫌です。みんなが自分らしくいられるような、そんな社会になったらいいなって思います。 (構成/AERA編集部・福井しほ) [特集]国際女性デー2026 から [編集部からのお知らせ] 「AERA DIGITAL」では、3月1日から特集「国際女性デー2026」を配信しています。また、3月2日(月)発売の週刊誌「AERA」でも、女性の生き方をめぐるさまざまな記事を掲載。表紙はジェーン・スーさんです。
福井しほ