OCEANS

SHARE

advertisement
  1. トップ
  2. エバース佐々木と町田の関係性。「ポケモンみたいな存在。レベルが上がると言うこと聞かない」

2026.02.21

エバース佐々木と町田の関係性。「ポケモンみたいな存在。レベルが上がると言うこと聞かない」


連載:俺のクルマと、アイツのクルマ⚫︎男にとって車は名刺代わり。だから、いい車に乗っている人に男は憧れる。じゃあ“いい車”のいいって何だ? その実態を探るため「俺よりセンスいいよ、アイツ」という車好きを数珠つなぎに紹介してもらう企画。
思い通りに動くわけではないし、ときには指示を受け付けない。それでもクセは把握していて、調子のいい日も悪い日も、乗り換えるという選択肢はない。お笑いコンビ「エバース」の2人は、ボケとツッコミという役割以上に、そうした距離感で並走してきた。
advertisement

町田はエンジンの調子次第で、予定外の間やスピードを生む。そのハンドルを握るのは佐々木だ。同居していた時期も含め、長い時間を共有するなか、2人はズレを修正しようとしなくなった。直すよりも、理解する。制御するよりも、扱い方を知る。

その積み重ねが、今のエバースの漫才につながっている。

【写真21点】「エバース佐々木と町田の関係性」の詳細を写真でチェック

■77人目■

佐々木隆史(33歳)


お笑い芸人「エバース」のボケ担当。1992年11月6日生まれ、宮城県出身。趣味は野球、バイク、三国志系ゲーム。特技はセーフティーバント。


町田和樹(ジープ?)


「エバース」のツッコミ担当。1992年4月24日生まれ、神奈川県出身。無類の酒好きで、特技は早食い。


お笑いコンビ・エバースは、2016年4月、NSC東京校21期生だった佐々木隆史さんと町田和樹さんによって結成された。シュールな視点から言葉をずらしていく佐々木のボケと、それを現実に引き戻す町田のツッコミ。しゃべくり漫才のスタイルを貫く、正統派の漫才師である。
advertisement

結成7年目の2023年には「M-1グランプリ」準決勝へ初進出。翌年以降は音声配信の番組(Artistspoken エバースの野茂ラジ雄)のスタートを皮切りに、賞レース、ラジオ、テレビと活躍の場を広げてきた。

2025年にはABCお笑いグランプリ優勝、M-1グランプリ決勝3位と、結果の面でも確かな足跡を残している。しかし、勝った理由や評価よりも「今、何が面白いか」「どう転がすとズレが生まれるか」という感覚を共有し続けてきた。
2/5

町田は“ポケモン”みたいな存在

主導権を握る者と、それに従う者。あるいは、ボケとツッコミという役割分担。エバースの関係性は、そうした単純な言葉では収まりきらない。
advertisement

2人はお互いをどう捉えているのか。その答えは、佐々木さんの口から飛び出した一言から始まった。







「ポケモンみたいな感じですね、町田は」。
advertisement

少し考えたあと、佐々木さんはつぶやいた。「町田って、どう動かすかを考えたり、流れを作ったりする存在で。自分がどう生かすか、みたいな感覚なんですよ。“このポケモンを、どう使うか”っていう感じです。『バイクのオイル交換、行ってきて』とかお笑いと関係ないお願いも聞いてくれますね(笑)」。

「う〜ん、じゃあ、佐々木は俺のトレーナーってことでいいっす」と町田さん。

佐々木さんにとって、愛車の乗り心地はなんだか快適そうだ。




3/5

 愛車が言うことを聞かなくなる瞬間


advertisement

下積み時代、2人は実際に同居していた時期がある。同じ空間にいながら、ほとんど会話をしない時間も多かったそうだが、その距離感が干渉しすぎない良い関係を作った。

そんな2人だが今年結成10年目。喧嘩はないのだろうか。


佐々木さんの髪の毛についていた、服の綿をとってあげる町田さん。コンビ愛が透けて見える光景だった。


「基本は話し合いというか、ちゃんと会話します。でも、たまに言うこと聞かないこともあるんですよ。町田が『今、俺ちょっと調子いいぜ』みたいになってるとき(笑)。ネタ中、事前に決めたツッコミをハズし、あえてテンポをずらす。間を詰めたり、逆に空けたりするんです。んで、結果スベる。
advertisement

ポケモンって、レベルが上がると言うこと聞かなくなるじゃないですか。サトシのリザードンみたいな(笑)」。



「調子に乗ってるわけじゃないです。そのとき“これがいい”と思ったから、そうしてるだけで」と町田さんは言い返す。

「……本人は、そう言ってます(笑)」。佐々木さんは車のクセまでしっかりと把握して駆っていた。



2人の違いはオフの時間にも如実に表れている。

「僕、結構ずっと家にいることが多いですね」と佐々木さん。ゲームをしたり、溜まっているドラマや映画を観たり。いわゆるインドア派だが、頭の中まで静かになるわけではない。

「休みの日でも、ネタを考えることは普通にあります。カフェに行ったときとか、ふと浮かぶことが多いですね。行ったことのない店に、なんとなく入ってみたりして」。

一方、町田さんのオフは、まったく違う。「湖に行ったり、プールに行ったり。家にいるよりは、外に出たいタイプなんで」。

同じ時間を過ごしていても、選ぶ場所も動き方も違うことで、コンビの良いバランスを生んでいる。
5/5

今年の展望は、まず足元から


advertisement

今年の展望を尋ねると、ふたりは大きな言葉を言わなかった。

「2026年の展望ですか……」。佐々木さんは少し考え込み、町田さんのほうを見る。「なんだろうね」と、彼が笑って返す。

M-1で3位の結果を収めたことで、活躍するフィールドはさらに増えた。しかし彼らは理想像を掲げるより、まず目の前を見る。
advertisement



佐々木さんは言う。「ラジオもやらせてもらっているので、そういう場所でも“面白いとは何か”をちゃんと学びたいですね。ラジオならではの面白さもありますし。

“漫才師だから”って斜に構えるんじゃなくて、劇場以外にも与えられた場所……テレビやラジオなどでもちゃんとヒットを打ちたい。できれば、ホームランを打ちたいです」。

できることを増やし、引き出しを広げる。その先で、また次の一手を考えるのだ。



撮影がひと段落したタイミングで、今日の感想を聞いてみると、二人は顔を見合わせ、少しだけ笑った。

「意外と、今までやってこなかったこと、やってますね。ルンバとか……」。(佐々木)

「ああ、確かにね」。(町田)

「取材で“これやるの初めてです”って言った回数、今日がいちばん多いかもしれない(笑)」。(佐々木)




面白そうなら、まずやる。違ったら、また次を考える。ときに寄り道を重ねながら、自分たちの輪郭を丁寧に確かめていく。エバースは今も、その途中にいる。

堺 優史(MOUSTACHE)=写真 池田鉄平=取材・文

SHARE

advertisement
RECOMMENDED