グラウンドで大谷翔平と談笑するメッツのリンドア。保険適用が認められずWBCプエルトリコ代表を辞退した(写真:日刊スポーツ)
グラウンドで大谷翔平と談笑するメッツのリンドア。保険適用が認められずWBCプエルトリコ代表を辞退した(写真:日刊スポーツ)
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 3月5日に開幕した「WORLD BASEBALL CLASSIC 2026」(WBC2026)。日本代表・侍ジャパンは6日19時、初戦を迎える。対戦相手はチャイニーズ・タイペイだ。WBCに関する配信記事の中から、特によく読まれた記事を再配信します(「AERA DIGITAL」に2026年2月4日に掲載されたものの再配信です。本文中の年齢、肩書等は当時のもの)

【写真】保険適用が厳しくなった理由の一つとされるベネズエラ代表への死球

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 3月に開催されるWBCで、優勝候補のプエルトリコ代表が出場辞退を検討すると表明したことが、大きな波紋を呼んでいる。

 原因は主力選手たちが「保険問題」で出場できなくなったことにある。MLBはメジャー40人枠に入っている選手がWBCに出場する場合、球団が特別に認めないかぎり、保険への加入を義務づけている。WBCの大会中に故障に見舞われてシーズンの試合を欠場した場合には、欠場試合分の選手の給料を保険会社が負担することになる。

 ただ、過去の故障や手術歴によって保険適用が認められないケースがあり、プエルトリコ代表は主将を務める予定だったフランシスコ・リンドア(メッツ)をはじめ、カルロス・コレア(アストロズ)、ビクター・カラティニ(ツインズ)、ホセ・ベリオス(ブルージェイズ)、ヤクセル・リオス(カブス)などの主力選手8人が過去の手術歴や故障を理由に「保険適用不可」と判断され、出場できないことになった。

 現地メディアの報道によると、プエルトリコ野球連盟のホセ・キレス会長は次のように怒りを露わにした。

「我々のスター選手たちが参加せず、対等な条件で参加できないのであれば参戦しない。もし米国が金メダルを欲しがるのなら、日本と3試合制のシリーズでもやればいい。我々の時間を無駄にしないでほしい」

 米国の通信員が、保険問題について説明する。

「保険会社が適用に慎重になっている背景には、前回の23年WBCが影響しています。プエルトリコ代表の守護神を務めたエドウィン・ディアスが、勝利後の歓喜の輪の中で転倒して右膝の腱を断裂し、この年のシーズンを全休。ベネズエラ代表だったホセ・アルトゥーベ(アストロズ)も右手に死球を受けて骨折し、開幕に出遅れました。高年俸の2選手の負傷で保険会社の負担が増え、結果として保険料が大幅に上昇したんです」

 そして、今回の「出場辞退騒動」の背景には、中南米が抱えている不公平感があるという。

「主力選手が8人も保険問題で出場できないという状況をプエルトリコ野球連盟が不公平に感じるのは理解できます。WBCはMLB機構とMLB選手会が設立したWBCIが主催する国際大会です。米国主導で対戦カードが決まり、保険に関しても適用の基準に統一性がない。中南米の国々は良い扱いを受けていないと感じているのが実情です」

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