倒れたブラウニーを助けたのは女王様でした
エミヤとモルガンの絡みが書きたったけど、公式で絡みので完全に私の妄想となっております。何卒ご容赦を・・・m(*_ _)m
※文中にエミヤが厄災と張り合ったとありますがこれは、私がエミヤ編成縛りで2部6章をプレイしていたためです。完全に趣味ですので、オススメはしません。本当に難しいので😭
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ある日、私はエミヤを介抱した。というのも、彼が私の部屋の前で倒れていたからだ。
「・・・んっ、ここは・・・どこだ・・・?」
「気が付きましたか?」
穏やかに眠っていたエミヤが目を覚まし、状態を起こしたので声をかけた。
「な、モルガン?!何故貴女がここに・・・?」
「私が貴方を看病しているからです。まだ、寝ぼけているのですか、それとも倒れた時の記憶が無いのですか?」
「私が倒れた・・・?」
どうやら直前の記憶を思い出せないらしい。看病中、暇つぶしでカルデア中の監視システムを覗き見して今日1日の彼の行動を調査し、彼が映っている映像を見せた。
正午、カルデアキッチンにて
「エミヤごめん!シフト休みなのに手伝って貰っちゃって」
「これだけ忙しいなら仕方ないさ、とっとと片付けてしまおう。ブーティカはシチューの追加を頼む」
「俺もようやく手が空いたぜ!出来ることがあるなら言ってくれ」
「ではビーマはカレーの追加を頼む。食材は全て切ってあるから加熱してくれ」
1時間後・・・
「よし、ひとまずピークは落ち着いたな」
「ありがとう〜!本当に助かったよ!」
「キッチンのピンチに駆けつけない訳にはいかないだろう?今後も何かあったら遠慮なく言ってくれ。では、私はこれで・・・」
「あっ、いた!エミヤ〜!!」
「マスター?」
「ごめんエミヤ!急で悪いんだけど、周回手伝ってくれない?」
「それは構わないが、そんなに慌ててどうしたのかね?」
「私から説明します。特異点内に短時間限定の周回クエストが発生しまして・・・先輩とダ・ヴィンチちゃんが話し合った結果、クラス適正と周回効率からエミヤ先輩がアタッカーとして最適だと言うことに」
「なるほど、そういうことなら断る理由はないな。すぐ向かうとしよう。こちらはいつでも構わんぞ、マスター」
「本当!?じゃあすぐ行こう!」
数時間後、周回が終わり帰還直後・・・
「ありがとう、エミヤ!おかけでQPも素材もザックザク手に入ったよ!」
「それは良かった。戦力拡大が求められる現状では、今後カルデアに召喚される新たなサーヴァントの強化素材の確保は死活問題だからな。必要になれば遠慮なく言ってくれ。何時でも力を貸そう」
「ありがとうごさいます、エミヤ先輩!」
「少し疲れたな。では、私はこれで・・・」
「助けてエミヤさ〜ん!」
「ん?あれは・・・沖田殿?どうかしたか?」
「今すぐ来てください!」
「なっ、ちょっ、おい!」
沖田に連れられてボイラー室にやってきた。
「実はいつものメンバーでの入浴中にノッブのおバカアホが原因で大浴場のボイラーが壊れてしまいまして・・・」
「はぁ・・・分かった、すぐ修理しよう。あのボイラーなら私でも修理出来るから問題は無いだろうが・・・ちなみに、何で壊れたのかね?」
「ノッブが突然、熱い風呂に入りたいからとボイラーを最大出力にしようとしまして・・・」
「だが、前回の故障の際にこのボイラーにはセーフティを設けていたはずだが?」
「はい、ですがそれでは足らんと言って宝具で無理矢理セーフティを取っ払ったらしく・・・結果、大爆発が・・・」
「何故懲りないのか、あの第六天魔王は・・・」
「終わったぞ、セーフティをより強固にしたから問題は無いと思うが」
「ありがとうございます!ほら、ノッブ!エミヤさんにお礼とお詫びをちゃんと言ってください」
「うむ、苦しゅうない!」
「恩人に対して失礼極まりない・・・本当にすみませんでした。この阿呆は私がちゃんと教育しておきますので」
「あ、あぁ・・・(思わぬ事態で余計に疲労が・・・流石に休まないと厳しいか)」
ボイラー騒動が片付き、通路を歩くエミヤ
「まずい、魔力がかなり欠乏している・・・このままでは・・・自室に辿り着くことすら・・・」
エミヤはそのままバタン!と倒れ込み意識を失う。少しして、エミヤが倒れた真ん前の部屋の扉が開いた。
「・・・エミヤ?」
回想終了ーーー
「思い出しましたか?貴方はランチで大混雑だったキッチンのヘルプに入り、その後すぐに我が妻の要請で周回、帰還し魔力も気力も消耗している状態でボイラー及び大浴場の修繕・・・貴方は私の部屋の前で倒れていました」
「・・・そうだった。私としたことが・・・」
頭を抑えながら映像を見たエミヤはようやく己の行動を思い出した。
「つまり、ここは貴女の部屋で私は道端でみっともない姿を晒していた所を貴女に助けられたということか。すまない、迷惑をかけた。介抱してくれて感謝する」
「魔力はある程度戻っていますが、まだ精神の疲労が取れていないでしょう。私の事は構いませんから、もう少し寝てなさい」
「いや、この程度なら・・・」
「寝てなさい」
「・・・・・・だが」
「返事は?」
「・・・・・・了解した」
回復しきっていないのにも関わらずベッドから出ようとした彼を無理矢理寝かせた後、水で喉を潤し再び彼の傍に座った。
「エミヤ、この機会に貴方に聞きたいことがあります」
「・・・何かな?」
「もし、我が妻から純粋な聖杯を与えられた場合、貴方は何を願いますか?」
「聖杯を・・・?」
「別におかしな質問ではないでしょう?カルデアに召喚されたサーヴァントなら誰もが必ずこの問を我が妻から受け、各々が答えています。中には聖杯に叶えてもらう願望は無いと答えるものもいますが、戦いに身を投じたい、召喚された場所・時代の世界を知りたいなど、願望自体は誰もが持っています」
「そうだな」
「先日、貴方の答えを我が妻から聞きました。『聖杯に興味はない、つまらない男だと思ってくれ』と言ったそうですね?」
「よく覚えていたな、マスターも」
「ですが、貴方個人の願望は我が妻も知りませんでした。聞こうとしたそうですが、複数のサーヴァントに止められた、と。」
「・・・(セイバーやランサー達か)」
「人である以上、何かしらの願望や目標はあるものです。貴方の願望は何ですか?」
「・・・考えてみたが、願望と言えるものは無いな。未熟な頃は『正義の味方になりたい』などと思い上がっていたが・・・」
「正義の味方・・・」
エミヤのこの答えに僅かだが説明できない恐ろしさを感じた。そこで、以前から考えていた事を追求することにした。
「私は召喚されてから、我が妻やマシュなどスタッフ達からこれまでの旅に関する話を聞きました。その中で、貴方の功績が最も大きいと全員が言っていました」
「そう言ってもらえるのは光栄だが、サーヴァントとして当然の行いだ」
「ですが、その大部分が自己を犠牲にしたやり方であるのもまた事実。今回、英霊である貴方が疲労により倒れたのが何よりの証拠です」
「返す言葉もない」
「エミヤ、倒れる直前何を考えましたか?」
「何?」
「普通、疲労困憊で意識を落とす直前は『眠たい』『苦しい』などの感情が出るもの。では、貴方は?」
「それは、疲れたと・・・」
「違います、貴方はこう思ったのではないのですか?」
「『疲れて倒れてはサーヴァントの義務を果たせない』と」
「・・・」
「図星のようですね。確かに、サーヴァントとして考え方は理想的でしょうが、貴方は常軌を逸している。普段から抱えている仕事が他の英霊とは比べ物にならないほど膨大なのです。他の英霊と環境があまりにも違いすぎる」
「いづれも自ら志願した事だ。強制されてやっていることは1つもない」
「そこです。貴方はその事を全く苦に思っていない。貴方の在り方は・・・人ではなく機械です。我が妻もいつも心配していると口にしていました」
「機械、か・・・」
「これを機に少しは己を顧みなさい。いつの世も他人を顧みない利己主義な輩は処罰されますが、己を顧みない利他主義も過ぎると罪とされますよ」
「貴女が言うと重みが格段に増すな・・・」
エミヤは深呼吸をして、遠い目をしながら顔を上げた。
「・・・生前、友人や知り合いから似たようなことを言われ、指摘されたことがある。自らが幸福になる事を考えず、他人の幸福のため戦う正義の味方を目指す私はいつか取り返しのつかないことになる、と」
「・・・」
「実際、その忠告は現実となった。正義の味方を目指した俺は成人してから世界中の戦地に赴き、最少の犠牲で戦争を止めることを続けていた。だが、繰り返すうちにいつしか戦争の諸悪の根源として吊るし上げられた」
「吊るし・・・っ、待ちなさい!貴方の性格からして天寿を全うしてはいないと思っていましたが・・・まさか、貴方は戦死したのではなく・・・」
「あぁ、俺は戦争を引き起こした悪として処刑された」
「・・・っ!」
「だが、その時既に私は抑止力と契約をしていた。死後は守護者としてより多くの者が救えると当時は信じていたから、処刑されることに特段激情することは無かった」
「・・・それは、冤罪で処刑されたことに今でも恨んでいないと?処刑した民衆に怒りはないと?」
「あぁ、ない。何度考えてもそういった感情はないと断言出来る。まぁ、過去の未熟な自分には文句が山ほどあるが・・・」
先程感じた恐ろしさの正体が今分かった。それは彼の在り方が機械、というより神に近いと感じたから。アーカイブを閲覧して妖精国の真実を知った今だから言えるが、エミヤは私の玉座の奥にあった大穴に置き去りにされた祭神と似ている、と個人的に思った。
「・・・この際はっきりと言いましょう。貴方は狂っている。グランドバーサーカーの私が見ても、恐ろしく感じるほどに」
「だろうな。何度も言われてきたから、流石に自身が常人から逸れている自覚はある。だがこの性分は変えられないし、今後も変えるつもりは無い」
「それは、なぜ?」
「自らを顧みず、理想を求め、誰かのために走り続ける事は間違いではないとはっきり言われたから、だな」
「・・・!」
「だから、後悔はあっても足を止めることは無い。過去をやり直したいとも思わない。俺は正義の味方になるという理想と向き合って、これからも頑張ると誓った」
「・・・」
迷いなく答えた彼があまりにも美しく見えた。彼は恐らく夥しいほどの地獄を見てきたであろう。きっと何もかもを恨み、怒るような事も何度もあっただろう。
だが、その果てで・・・カルデアに召喚されるまでの中で彼は答えを見つけていた。
(だから、彼はこれほど歪でありながら強いのですね。妖精国で厄災と化した我が騎士達と拮抗して戦えていた理由が少し分かった気がします)
「もう大丈夫だ、改めて看病感謝する。今度お礼をさせて欲しいのだが」
「そうですね、ではお茶会を開きなさい。貴方も参加しなさい」
「ふむ、了解した。日取りは好きに決めてくれ。では」
そう言って回復した彼は部屋から出ていった。
「彼は生まれた時代が違えば、恐らく歴史に名を刻む英雄になれたでしょう。本人に英雄願望は無いようですが・・・」
「エクター、ライネック、グリム、トトロット、そして・・・ウーサー君。救世の旅を共にした仲間たちの中に、もし彼がいたら私の旅は上手く・・・いえ、もしもの事を考えても仕方の無いこと。それに彼がカルデア側にいなければ、我が妻は生きていなかったでしょう」
おもむろに立ち上がり、部屋から出てゆっくりと歩みを進める。
エミヤという英霊をここまで気にする事に特別理由はない。ただ、このカルデアで我が妻を含め誰もが高評価する彼の人となりに興味を持ったのがきっかけだ。だが、調べていくうちに彼の生い立ちや在り方・考え方は自身と何か通ずるものがあるような気がしたのだ。まだ、全容を理解していないため、今もこうして調査を続けている。今後、私の国を再興するにあたり彼からは重要な事を得られると確証があるからだ。
それに、バー・ヴァンシーやトトロット、我が騎士達も彼に各々思うところがあるらしいが、皆彼と上手く付き合えているらしい。もしかすると、私と同じように調べているのかもしれない・・・それならばいっその事皆で彼から話を聞いてみるのもありだと思った。
「そうと決まれば、早速我が娘にハベトロット、我が騎士達の様子でも見に行くとしましょう。お茶会への参加も促さなくてはいけませんね」
ーーー
「アーチャー!貴方が倒れたと聞きましたが本当ですか?!」
「あ、あぁ・・・すまない、心配をかけたな」
「まったくです!ですが、貴方は自室にいませんでしたよね?」
「実はだな・・・カクカクシカジカ・・・」
「なんですって?!姉上・・・ではありませんが、彼女の部屋にいたのですか!」
「丁重に看病してくれたんだ、君が思うようなことは何もされてないから」
「・・・ふーん、そうですか」
「セ、セイバー・・・?」
「どうやら、貴方はまだ疲れが取れきっていないようですね。こちらへ来てください」
「はっ?どこへ・・・?」
「私の部屋です。しっかり休めるよう私が看病します」
「いや、もう疲労は・・・!」
「いいから来なさい!抵抗するならジャガーマンとシトナイにコールしますよ?!」
「なんでさ?!」