柳田は「タイトルも取れて、本塁打、打点は最高の成績を残せた」と納得した。打率3割6分3厘の15年に続く2度目の首位打者になり、両方とも3割5分以上の高打率。首位打者を複数回獲得した選手では、オリックス時代のイチロー(1994年から7年連続首位打者で3割5分以上が4度)以来だ。フルスイングで外野席の最上段にたたき込む特大アーチが魅力で、高度なアベレージヒッターでもある。選球眼にも優れ、出塁率4割3分1厘は4年連続のリーグトップ。「打てる球を打って、打てない球は振らない。それがたまたま良い数字になった」。15年に打率3割、30本塁打、30盗塁の「トリプル3」を達成した俊足も健在で、18年は21盗塁をマークした。相手にとって、これほど厄介な打者はいないだろう。
ここぞの一発や、値千金の一打も光った。リーグ優勝の西武とのCSファイナルステージ。西武のアドバンテージ1勝を含め2勝2敗で迎えた第4戦、柳田は試合の主導権を握る先制2ランを放った。第5戦でも先制の3点二塁打。広島との日本シリーズでは2勝2敗の第5戦で延長十回、抑えの中崎からサヨナラ本塁打。バットを折りながらもパワーでフェンスを越えた。シーソーゲームを制して王手をかけ、勢いそのままにチームは続く第6戦で日本一を決めた。
柳田クラスの強打者になれば、年を追うごとに相手バッテリーはマークや警戒を強める。シーズンを通して走攻守でハイレベルを維持するには、心技体の充実が欠かせない。本人は「(前年と比べ)気持ちのつくり方が成長している。技術的にもいろんな引き出しが増えている」と話す。
精神的な進化と、技術的な進化。メンタル面で、17年は内角を厳しく攻められたりボール球を多投されたりすると、いらついてしまう場面があった。その当時の藤本博史打撃コーチは「柳田は天才だから、イライラしていなければ打てる」と指摘。ただ、怒りを表すような場面は17年の間に少しずつ減っていた。試合後のヒーローインタビューなどで何度となく言ったのは「穏やかな心で打てた」。憤りを示すシーンは18年、さらに少なくなった。
技術面に関しては詳細をなかなか明かさないが、毎試合フォームの微修正を繰り返している。過去の対戦や配球の傾向を頭に入れ、打席の中で最善を尽くす。球の見え方は「その日その日。投手に対して、打者はどう合わせていくかが大事」と言う。コースに逆らわずに長打を飛ばすすべも持つ。内角の難しい球はうまく腕を畳み、外角球に対してもバットを振り切れる。「しっかり振って当たれば、どこかに飛んでいく」という自信がある。「打って走って守って。全て、まだやれる」と、さらなる高みを目指す。
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