栗山監督は、日本の強みを生かした野球を旗印にする方針だ。小技、機動力、堅実性という伝統に磨きをかける。ヤクルトでの現役時代に師事した故野村克也元監督も好んだ故事を使い、説明する。
「『小事が大事』というように、小さいことの積み重ね。守備位置を一歩寄るとか、そう意識してチーム全体で動く。ここでどうやってきっちりと走者を送るのか、と考える。そういう小さな積み重ねから、大きな結果につなぐのが日本の野球だと思っている」
結束の固さもチームの武器になると確信している。日本がWBC初代王者になった大会、連覇した大会を現地で観戦。心に残るのは09年の第2回大会のシーン。イチロー(当時マリナーズ)が不振に陥ると、亀井善行(当時巨人)や内川聖一(当時ソフトバンク)らが、イチローのストッキングの履き方をまねて一体感を演出した。
「イチロー選手が苦しんでいる時に、みんなの心が一つになった。そういう思いが、あのイチロー選手のヒット(優勝に導く決勝打)につながっていく流れになった。ダルビッシュ投手が最後は抑えに回る経緯も。そういった過程は、僕ら野球人が学べるところでもあった。『こうすると、こう流れが変わるのか』とか、すごく感じることが多かった」
◇選手のイメージを消す
新体制を組むにあたり、東京五輪金メダルメンバーら選手個々の印象を全て排除すると宣言した。柔軟性に富み、臨機応変に対応するためだという。
「(選手個々のイメージは)消しちゃいました。もちろんパ・リーグなら分かっているところも多い。五輪の経験やいろいろあるのも分かっている。でも、それは関係ない」
「メンバーを選ぶ段階から、イメージするのは本番。そこへ向かってありとあらゆる試行錯誤だけをしていく。本当の一発勝負なので、最後の最後までどうするかは決めない方がいい。相手チームによっては点を取れる形が必要かもしれないし、逆にしっかり守り切る方が勝ちやすいとか、あるかもしれない。いろいろ幅を広げて、できるようにしておくのがいい。そのためには先入観を持たず、相手に対応して勝ち切れるチームにすべきだと考えている」
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