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福島良一さん「8月に訪米した際、注目度の高さを感じました。(ニューヨークの)マンハッタンの目抜き通りにMLB公認ショップがあるんですけど、入ってすぐの場所に大谷のTシャツが山積みされ、ショーウインドーにユニホームが飾られていました。店員に聞いたら一番売れる商品は大谷のものだと言っているぐらいで、ニューヨークでも高い人気があるということを感じました。ヤンキースタジアムは他の球場と比べると一段と観客の応援がうるさく熱狂的ですが、大谷の打席の時はみんなが注目してるようで、シーンとして異様な雰囲気でした」
「確かに(野茂英雄が米国に挑戦した1995年の)野茂フィーバーも全米中ですごい人気で、(2001年の)イチローの入団1年目時もすごかったんですけども、何と言ってもベーブ・ルースの再来。そのインパクトがあると思います。(野球とフットボールを兼ねた)ボー・ジャクソンがデビューした時も大いに注目されました。あれほど両方のプロスポーツでオールスター戦に選出されるような選手はそれまでいませんでしたので、そういった意味ではジャクソンと同等、あるいはそれ以上だと思いますね」
「これ以上の成績を残すのは容易ではないと思いますけど、再び初の日本人ホームラン王への挑戦をぜひ見たいものです。これまで数多くの日本人投手が活躍し、(イチローのように)首位打者になった選手も出てきましたが、ホームランに関しては日本人は米国人に比べ劣っている部分ですので、やはりそこに夢を持ちます。あのスイングの美しさを見ると、ケン・グリフィーを思い起こします。あるいはスイングスピード、打球音からは(歴代最多本塁打記録を持つ)バリー・ボンズを想像しますね」
「1973年にカンザスシティーで初めて(大リーグの)試合(オールスター戦)を見ました。夢のようでした。その時代は映像を見る機会がほとんどなかったし、東京の洋書店で購入したごくわずかの野球専門誌に出ている白黒の写真を見て、その選手を想像しながらFEN(米軍向けラジオ局)を聴く時代。ラジオで聴いていたスター選手が目の前でプレーしたというのは、やっぱりそれは一番印象に残っています。95年の野茂投手の活躍から始まったんですけども、日本選手が活躍するたびに大リーグに興味を持ってくれるファンが増えていくということは、本当にうれしいこと。特に今季は本当に多くのファンが増えた印象を受けています。投げて打って走って、あらゆるパフォーマンスを見せてくれる大谷選手ほど、われわれに大リーグや野球の楽しさを与えてくれた選手はいなかったんではないでしょうか」
福島 良一(ふくしま・よしかず)さん 千葉県出身。1973年に初渡米して米国野球に触れる。元プロ野球パ・リーグ広報部長で大リーグ通だった故伊東一雄さんから「唯一の弟子」と認められて大リーグ評論家やライターとして長年活動。アメリカ野球愛好会を77年に結成し、現在は名誉代表。好きな選手はピート・ローズ、好きな球場はかつてシカゴ・ホワイトソックスの本拠地だったコミスキー・パーク。
(2021年11月9日掲載)
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