大谷翔平、「引っ張り」で本塁打王争いリード 40本クリア、夢の領域へラストスパート

  • X
  • facebook
  • hatena-bookmark

三振増加も「気にならない」

 エンゼルスは打線の中軸を担うはずだったマイク・トラウト、アンソニー・レンドンがけがで長期離脱。今季初めてオールスター戦に出場したジャレド・ウォルシュ、ベテランの強打者ジャスティン・アップトンも負傷者リストに入った時期があった。相手バッテリーのマークは大谷に集中し、四球覚悟でコーナーを突いてくる配球が目立つ。大谷の四球数はチームで群を抜いている。

 厳しい攻めの結果、三振も増えた。5日現在で大リーグ全体で4番目に多い166三振。それでも、大谷が三振数を気に掛ける様子はない。「長打と紙一重の部分がある。甘い球を待っていると、今の状況では、特に浅いカウントで(投手が)厳しいところに、『ボールでもいい』くらいの感じでカウントを取りにくることが多くなる。無理にそこ(難しい球)に手を出す必要はないかなと思っている。その結果2ストライク後の打席が多くなるので、三振も多少増える」 と冷静に要因を分析している。

 エンゼルスのジョー・マドン監督も同様の意見だ。「三振の数は気にならないね。大谷に対しては、打てるような球は多くは来ていない。問題ない」

「やっぱり膝」

 4月にさかのぼると、大谷は3号を放った時に打撃での昨季までとの違いについて「やっぱり膝じゃないですかね」と話した。19年はシーズンを通して左膝の痛みを抱えながらプレーし、同年9月に手術を受けた。昨季も万全な状態ではなかったが、今季は問題なくプレーできているようだ。

 ジェレミー・リード打撃コーチも「健康であることが大きな要因だろう」と語り、好調の背景に膝の回復があるとみている。

 これは右翼方向への打球が増えたことにもつながるそうだ。「(スイングの際に)効率良く体を回転させることが可能になるから、球を前で捉えることができて、引っ張りの打球が増えている。膝は回転の礎となるもの。(昨年は)左膝に負荷が掛かって、体が前に流れたり、開いたりしていた」

自分の“目安”に到達

 大谷は今季前半戦の7月初旬、本塁打王争いに関し、こんな話をしていた。その時の本塁打数は28本。「積み重ねてそうなれば一番いいと思うし、高い目標にはしている。ただ、まだ20本台の後半。もちろんホームラン王争いになってくれば40本、50本打たないといけない。まだ30本にもいっていない段階。一本一本の積み重ねだと思っている」

 一時期に比べれば本塁打のペースは落ちてはいるものの、目安としていた40本をクリアした。

 「なかなか甘い球が何球も来るわけではないので、その(甘く)来た球をしっかりと打つために準備したい。ストライクゾーン近辺のボール球を追わないようにという基本的なところ。あと1カ月、我慢の打席が多いと思う」

 次なる目安の50本へと近づき、日本選手前人未踏のタイトルをたぐり寄せる。

(2021年9月6日掲載)

◆スポーツストーリーズ 記事一覧

新着

オリジナル記事

(旬の話題や読み物)
ページの先頭へ
時事通信の商品・サービス ラインナップ