大谷翔平、いざ「二刀流」復活の4年目へ オープン戦で164キロ、打率5割超

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タティス相手に最速の快速球

 投手の大谷は、先頭のオグレディにゴロで一塁線を破られる三塁打を打たれ、3番クロネンワースの内野ゴロであっさりと先制点を献上。それでも二回から四回までは無失点だった。最大の見せ場は三回。四球と単打で招いた1死一、二塁でタティスと対した場面だった。

 22歳の遊撃手、タティスは「将来のMVP」とも評される強打のスター候補。2月に大リーグ史上最長の14年契約を結び、総額は3億4000万ドル(約357億円)とされている。打線の目玉とも言える若きスラッガーを打席に迎え、マウンド上の大谷は明らかに力を入れて抑えにかかった。

 「意識したというか、いいバッターなので注意しないといけないなというのはあった」

 初球の変化球でストライクを先行させると、2球目は直球でファウルを打たせて追い込む。3球目。うなり声を上げて投じた直球は、101.9マイル(約164キロ)を計測した。つり球で高めのボールゾーンに投げ込みたかったという一球は真ん中付近へ。とはいえ球威も球速もあるから、さすがのタティスもファウルにするのが精いっぱいだった。大谷はその後、スライダーを2球続けて三飛に打ち取った。

 この日のタティスとの対戦は2度あり、一回の第1打席は空振り三振。「投手大谷」が実力を示した形となった。

中指にまめ、乱調で降板

 強烈なインパクトを残したパドレス戦から中7日。3月29日のドジャース戦が、大谷にとってオープン戦最後の登板となった。昨年のワールドシリーズを制覇したドジャース打線との対戦は、シーズンに向けた試金石となるはずだった。ところが、前回登板でできていたという右手中指のまめの影響で、投球が荒れた。

 一回。先頭のベッツを力強い直球で二飛に打ち取ったが、続くシーガーの打席から制球が乱れた。「(まめを)かばって投げる分、引っ掛けたり抜けたり、いろいろあった」。ストライクを一つ取るのにも苦しみ、カウントをまともに稼げたのはカーブくらい。5四球に3本塁打を含む4安打や暴投が絡み7失点。三回途中でまめの皮がむけてマウンドを降りた。

 日本ハム時代にも、エンゼルスに移籍してからもまめで降板を余儀なくされる試合はあっただけに、公式戦への影響も懸念される。ただし本人によれば、登板前から想定されていた事態で「タイミング的には、(開幕して)一つ目の登板でむけるよりはよかった」。軽傷であることを強調した。

投球は修正が必要

 2018年10月に右肘の内側側副靱帯(じんたい)の再建手術を受け、2年半が経過した。除去した靱帯の代わりに体の別の部位から採取したけんを肘に移植する大がかりな手術なだけに、復帰できる保証はなく、術後に球速が戻らないケースもある。無事に復帰を果たしたとしても、本来の感覚を取り戻すには時間がかかると言われている。

 大谷は昨季、投手として復帰して2試合に登板したが、まともな投球はできなかった。これも本人は予測してたそうで、昨秋には「本当に良くなってくるのは(復帰後)3年目くらいからと言われている」と語っていた。

 今季はまだ復帰2シーズン目。オープン戦では100マイル超の直球を投げるなど、球速は問題なさそうだが、ドジャース戦以外でもボールを思い通りに制球できていないシーンは散見された。4試合で計10回3分の1回を投げ、17三振を奪ったものの、防御率は12.19。開幕してからも、修正を施しながらの難しい登板を強いられそうだ。

トラウトも認める「2人のスター」

 とはいえ、実力者ぞろいの大リーグにあっても投打で際立つ大谷には、大きな期待が寄せられている。 チームメートで、現役最高のメジャーリーガーとも称される中堅手のトラウトは、今季の大谷について「エースと中軸打者、2人のスターが加わるようなもの。健康であればチームの大きな助けになる」と評価する。

 戦力を整え、優勝を狙うエンゼルス。大谷はローテーションの一角と打線の中軸を担う働きができるか。二刀流の成否は、チームの命運をも握っている。(2021年4月2日掲載)

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