日本ハム時代から、160キロ超のストレートで打者をねじ伏せる投球が代名詞とも言える。右肘の手術を経ても、目指す投手像は変わらないようだ。大谷自身も、快速球に対するこだわりは強い。
「持ち味はやっぱりストレートだと思うので、一番はやはり、そこが基準になってくる。 そこがしっかり投げられれば、おのずと他の球種も投げられる。一番はやっぱり、そこじゃないかなと思う」
「実戦でどんどん投げたい」
トミー・ジョン手術は数多くの投手が経験。術後に以前の球速が戻らないケースもあるようだが、大谷は昨年の登板でもスピードは出ていて、最速は97.1マイル(約156キロ)だった。ジョー・マドン監督によれば、今キャンプ前の段階でも95マイルに達しており、問題はなさそうだ。
オフの間には、例年はやらない打者を立たせての実戦に近い投球練習にも励んだという。オープン戦での登板をにらみ、試合の中でクリアするべき課題は見えている。
「去年はそんなに実戦では投げていない。実戦の中での技術は実戦で磨くしかないので、どんどん投げて、磨いていければいい」
打撃の感覚も回復
打撃はどうか。2020年は打率1割台と苦しんだが、21年シーズンに向けては投球と同じように、バットでも自信をにじませる。
「(打撃も)ずっと練習はしていた。いい感じではある。体調もいいし、振っている感じもすごくいい」
今キャンプ中にエンゼルスが公開した屋内ケージでの打撃練習の動画で、左脚にいったん体重を乗せてからスイングをする大谷の姿が映し出された。左脚は19年に膝を手術。20年は「軸足(左脚)を使いにくいと感じていた」。軸足に体重を残せずに重心が前に流れてしまい、打撃が崩れる場面が目立った。膝が回復した今は、その課題と向き合える状態になった。
「今はより(左膝を)使えている感覚も戻っているので、変化球や速い真っすぐに対しての反応は良くなっていると思う。あとは実戦の中でどういうふうに見えるかが大事」
投手メニュー後にフリー打撃も
マドン監督は、開幕に向けた大谷の調整について「投手が第一」との見解を示している。その意向を理解した上で、大谷は次のように語った。
「チームとしてはピッチャーの練習の比重が高くなるが、打撃の練習は(大リーグで過去3年)ずっとやってきている。自分のルーティン、心地のいい練習をやっていければいい」
投打の両方で起用される方針は変わらないだけに、打撃をおろそかにするつもりは毛頭ない。野手が合流する前の練習では、投手メニューを終えた後に、再びグラウンドに現れて個別のフリー打撃に取り組む日もあった。大谷だけのために打撃コーチや同補佐が付き添い、球団スタッフらが球拾いのため外野に立ち、通訳や広報、球団専属カメラマンらがケージの回りで練習を見守る。そうした多くの後押しも得ながら、二刀流の完全復活へと歩を進めている。
「頑張る以外、どうにもできない」
これまでのメジャー3シーズンは、いずれもけがに見舞われた。1年目以外に、投打で結果を残せていない。今季は二刀流を継続する上でも大事な一年になりそうだが、その重圧はどれほどのものなのか。
「どうですかね。特別にすごくっていうのはない。1年目もどこまでできるか分からなかったので、プレッシャーはなかった。楽しみの方が大きかった。結果はもう、頑張って、(その成果として)ついてくるものしかない。頑張る以外にどうにもできない。その頑張りで(自分を)使いたいなと思ってもらえるように、一年一年やるしかない」(2021年2月23日掲載)
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